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2017年10月15日 (日)

YAMAHA CR-400

 ・2017年8月、ヤマハ製レシーバーCR-400の修理を承りました。
 ・ステレオランプが点灯しない状態だそうです。
 ・ちょっと難航しましたが何とか作業完了しました。
 ・以下、作業記録を残します。

Yamaha_cr40006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CR-400 \59,000(1974年頃)
 ・Hifi Engine Yamaha CR-400 FM/AM Receiver (1977)

Yamaha_cr40001 Yamaha_cr40011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドボディに凹みやキズは無くとても綺麗な状態。
 ・フロントパネル、スイッチ、ツマミも光っている。
 ・外観は既に清掃済みのよう。
 ・電源オン、メーターと指針の照明点灯。
 ・300Ω端子に外部アンテナを接続してFM受信チェック。
 ・僅かな周波数ズレあるものの名古屋地区のFM局を受信。
 ・ただし、ご指摘の通りステレオランプが点灯しない。
 ・聴感上もステレオ感ない。
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さい。僅かに左右に振れる程度。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局受信OK。
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。
 ・音量調整VR、音質調整VRに僅かにガリ音あり。何度も回すうちに解消。
 ・プリアンプ部、パワーアンプ部は問題なさそう。
 ・問題はFM放送がステレオにならないこと。

Yamaha_cr40003 Yamaha_cr40004 Yamaha_cr40005 Yamaha_cr40008 Yamaha_cr40009
Yamaha_cr40013 Yamaha_cr40014 Yamaha_cr40015 Yamaha_cr40016 Yamaha_cr40017

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3蓮AM2連バリコン、セラミックフィルター、レシオ検波。
 ・上位機CR-600と比較すると、回路構成が随分シンプルになっている。
 ・LA3311:MPX用IC ※CR-600、CT-600と同じ。

Yamaha_cr40020 Yamaha_cr40021 Yamaha_cr40022 Yamaha_cr40023 Yamaha_cr40024
Yamaha_cr40025 Yamaha_cr40026 Yamaha_cr40027 Yamaha_cr40028 Yamaha_cr40029
Yamaha_cr40030 Yamaha_cr40031 Yamaha_cr40032 Yamaha_cr40033 Yamaha_cr40034

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ステレオランプが点灯しない原因はMPX部の調整ズレか?
 ・まずは輸出機用サービスマニュアルを参考にして各部調整してみました。

Yamaha_cr400

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大

 ※STEREO受信時、T302調整で19kHz信号を最大にできる
 ※しかしLA3311 13pinに38kHz信号が出現しない
 ※調整要領と回路図において T301とT302の記述が混乱している。
 ※ここでは以下の定義で記載します。
  T301=GE6069 (Yellow)
  T302=GE6056 (Orange)

【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ※そもそもステレオ分離できていないので調整不可
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大
【メインアンプ調整】
 ・アンプ基板 TP1~GND DC電圧計セット → VR601調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP3~GND DC電圧計セット → VR602調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP2~TP1 DC電圧計セット → VR603調整 → 25mV±5mV
 ・アンプ基板 TP4~TP3 DC電圧計セット → VR604調整 → 25mV±5mV

Yanaha_cr400_sche

  ※VR603 基板上の印字はVR605
  ※MPX調整以外は調整完了。

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-------------------------------------

 ・調整ズレが原因ではなかった、、ということは部品故障か?
 ・STI(+)端子電圧 → 10.9V
 ・STI(-)端子電圧 → 11.3V ※STEREO/MONO時で電圧変化なし
 ・IC301:LA3311- 9ピン電圧=12.9V → OK
 ・IC301:LA3311- 4ピン電圧=10.9V → ST/MO 同値で変化なし
 ・IC301:LA3311-14ピン電圧=12.2V、周波数カウンタ19kHz確認
 ・IC301:LA3311-13ピン電圧= 3.2V、周波数カウンタ38kHz確認できず

 ・ステレオにならない原因はIC301:LA3311-13ピンに38kHz信号が出現しないこと
 ・回路図を確認しながらIC301周辺のトランジスタと電解コンデンサを交換
 ・TR105:2SC458 → 2SC1815Y ※BCE→ECB配列注意
 ・TR106:2SC458 → 2SC1815Y ※同上
 ・C122:1uF/25v → 1uF/50v
 ・C123:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C124:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C302:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C304:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C303:470uF/16 → 470uF/25v
 ・C318:47uF/6.3 → 47uF/25v

Yamaha_cr40050 Yamaha_cr40051 Yamaha_cr40052 Yamaha_cr40060

 ・以上のトランジスタ、電解コンデンサ交換でも改善なし
 ・38kHzが出現しない原因は IC30:LA3311自体の故障か?
 ・LA3311をネット検索しましたがどうやら新品入手は困難。
 ・LA3311は上位機CR-600と単体チューナーCT-600で見たことがあります。
 ・ジャンク機を探して部品取りするか?

■修理記録:CT-400入手-----------------------------------------------

 ・CR-600、CT-600のジャンク品をヤフオクで探していると手頃な価格のCT-400発見。
 ・MPX部はたぶんCR-400と同じだろう、、と予想してジャンク品ゲット。
 ・手元に届いて内部を確認したところ、予想通りMPX部の回路構成はほぼ同じ。
 ・ただ使われているICは LA3311ではなく LA3310でした。
 ・LA3311とLA3310の違いは何?

Yamaha_ct40001 Yamaha_ct40020 Yamaha_ct40021 Yamaha_ct40031 Yamaha_ct40032

■研究記録:LA3310とLA3311の違い-----------------------------------------

 ・LA3310搭載機種:YAMAHA CT-400
 ・LA3311搭載機種:YAMAHA CT-600、CR-600、CR-400
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を CT-400記事 にまとめました。
 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

■修理記録:LA3311→LA3310交換----------------------------------------

 ・若松通商 で LA3310(@294円)を発見。
 ・LA3311が見つからない状況なので、代替品としてLA3310を使ってみる。
 ・Vcc電圧に違いがあるようですが、とりあえずLA3310に交換。
 ・ICソケットを介してLA3310装着 → MPX部の再調整実施。
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大
 ・13pinに38kHz信号が出現してSTEREOランプ点灯。
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ・めでたくステレオ分離できるようになりました。

Yamaha_cr40061 Yamaha_cr40063 Yamaha_cr40064 Yamaha_cr40065 Yamaha_cr40010

■修理記録:レシオ検波コア交換----------------------------------------

 ・当初から気になっていたのですが、
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さく中点からわずかに左右に振れる程度。
 ・FM受信音の音声出力レベルがちょっと低い。
 ・レシオ検波コア(T101:GE6025)はダイオード+コンデンサ内蔵タイプ。
 ・このT101が劣化しているかも?
 ・ドナーCT-400に同じT101:GE6025があったのでCR-400に移植。
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。

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■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・二つのメーターを3個の電球でライトアップしています。
 ・正面から見て一番左側の電球が切れていました。
 ・ヤマハ製チューナーから部品取りした同じ電球に交換。
 ・微妙に明るさが違うかも? でも見た目が随分良くなりました。

Yamaha_cr40091 Yamaha_cr40092 Yamaha_cr40093 Yamaha_cr40094 Yamaha_cr40095

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・LA-3310 と LA3311 のVcc電圧の違いがちょっと気になります。
 ・LA-3310 を 12V電圧で使い続けて大丈夫か?という心配です。
 ・私のBGM環境に置いて1週間ほど酷使してみましたが今のところ問題なさそう。
 ・この状態でお返ししますので、引き続き動作確認をお願いします。
 ・再度不調になった場合は再修理を承ります。
 ・予想外に難航した修理作業でしたが LA3310とLA3311の違いが勉強になりました。

Yamaha_cr40007

2017年10月 8日 (日)

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録7

 ・2017年9月、333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・333ESシリーズの原点ともいえる名機です。
 ・以下、作業内容のご報告です。

333esxii04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02 333esxii11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板、フロントパネル、サイドウッドともほぼ無傷。
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが堆積している。
 ・オート選局で-0.2MHzの周波数で名古屋地区FM局を受信。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・FM放送は聴けるが、サ行の発音が割れる状態。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・チューニングつまみがグラグラ状態。

333esxii05 333esxii06 333esxii12 333esxii13 333esxii14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部清掃。
 ・復調回路IC:CX1064
 ・最終オーディオ回路LPF:アクティブ型

333esxii20 333esxii21 333esxii22 333esxii23 333esxii24
333esxii25 333esxii26 333esxii27 333esxii28 333esxii29
333esxii30 333esxii31 333esxii32 333esxii33 333esxii34

■修理記録:チューニングつまみ修正------------------------------------

 ・チューニングつまみがグラグラ状態。
 ・フロントパネルを外し確認。
 ・つまみの軸を固定するナットが緩んでいる。
 ・これをスパナで増し締めして完了。

333esxii40 333esxii41 333esxii42 333esxii43 333esxii44

■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・ハンダ面を確認してハンダクラックを数カ所発見。
 ・不具合としては発症していませんが予防措置としてクラック箇所を修正。

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.45V
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.9V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-625mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測63dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測66dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.2dB 298Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■修理記録・PLL検波 CT201交換----------------------------------------

 ・調整後の試聴で更なる不具合を確認。
 ・不定期に「ガサゴソ」という雑音が発生します。
 ・ゴキブリが紙の上を這っているような不快な音が音声に被る状態です。
 ・これは経験的にPLL検波回路にある CT201 の劣化が怪しい感じ。
 ・CT201(容量不明)を20PFの赤色トリマに交換。
 ・回路図やパーツリストにCT201の容量記載ありませんが 20pFでよさそうです。
 ・交換後、再度調整実施。
 ・1週間に渡って動作確認していますが不快な雑音は解消したようです。

333esxii50 333esxii51

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・再調整によってFM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・1987年発売、もう30年も前になるんですね、、
 ・当時は ESXII → ESG → ESA → ESJ → 5ES と新製品を買い替えていました。
 ・何ともバブリーなオーディオ全盛期でした。

333esxii03

2017年10月 1日 (日)

YAMAHA CT-400

 ・2017年9月、部品取り目的でジャンク品を入手しました。
 ・兄弟機のCT-800、CT-600はここで取り上げたことがあります。
 ・末っ子のCT-400は初体験。

Yamaha_ct40007

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CT-400 ¥40,000(1976年頃)
 ・YAMAHA アンプ&チューナーカタログ 1975年11月版

Yamaha_ct40002 Yamaha_ct40010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディ全体に経年の汚れがあるが幸い目立つキズはない。
 ・クリーニングすればグッドコンディションに戻りそう。
 ・電源オン、二つのメーター照明点灯。
 ・あれ?指針の照明は無いのか?
 ・300Ω端子にFMアンテナを接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM局でSメーターとTメーターが振れて音声が流れる。
 ・僅かな周波数ズレ。STEREOランプ点灯。実際のステレオ感もあり。
 ・MONO/STEREO切替OK。MUTING作動OK。
 ・背面AMバーアンテナで名古屋のAM局受信OK。
 ・FM/AMとも特に不具合は無さそう。

Yamaha_ct40001 Yamaha_ct40003 Yamaha_ct40004 Yamaha_ct40005 Yamaha_ct40006
Yamaha_ct40009 Yamaha_ct40011 Yamaha_ct40012 Yamaha_ct40013 Yamaha_ct40014

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ウッドケースから引き出してみると中身は超スカスカ。
 ・スチール枠の上にチューナー基板、側面に小さな電源トランス。
 ・FM3連AM2連バリコン搭載ユニットは 同時期のレシーバー CR-400 と同じ。
 ・レシオ検波、LA3310 を使ったMPX回路。
 ・周波数窓を照らす電球なし、指針照明もなし。
 ・さすがコストダウン機。

Yamaha_ct40020 Yamaha_ct40021 Yamaha_ct40022 Yamaha_ct40023 Yamaha_ct40024
Yamaha_ct40025 Yamaha_ct40026 Yamaha_ct40027 Yamaha_ct40028 Yamaha_ct40029
Yamaha_ct40030 Yamaha_ct40031 Yamaha_ct40032 Yamaha_ct40034 Yamaha_ct40036

■調整記録-----------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【19kHz調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T302(GE6056)調整 → 19kHzレベル最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T301(GE6069)調整 → 38kHzレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大

Yamaha_ct400

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドケースにアルミパネルが良くマッチしています。
 ・外観は上記機 CT-600、CT-800とほぼ同じ雰囲気です。
 ・窓照明が無いことが残念ですが、FM/AMとも不満なく使えます。

Yamaha_ct40008

■研究:LA3310とLA3311-----------------------------------------

 ・実はMPX用IC:LA3311 を部品取りしようと思って入手したのですが、
 ・CT-400ではMPX回路に LA3310 が使われていました。
 ・上位機の CT-600 ではほぼ同じMPX回路に LA3311 が使われています。
 ・同時期のYAMAHA製レシーバー CR-400、CR-600でも LA3311 が使われています。
 ・LA3310 と LA3311 の違いは何だろう??
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を以下にまとめておきます。

Yamaha_ct40031_2LA3310 / YAMAHA CT-400 Yamaha_ct60027LA3311 / YAMAHA CT-600

 ・YAMAHA CR-200E(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la3_2

 ・Marantz 2215(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Marantz2215

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la1_2

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Yamaha_la2

 ・互換品情報
Yamaha_la4

 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

2017年9月24日 (日)

CRAIG SERIES 5000

 ・2017年7月、CRAIG社製レシーバーの修理調整作業を承りました。
 ・クレイグ?? 耳慣れないメーカー名です。
 ・どんな機種なの?

Craig500011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・CRAIG Electronics
 ・CRAIG History ※社史のページにSERIES5000の写真あり

Craig500002 Craig500004

 ・調べてみると CRAIG Electronics社は1963年創業のアメリカ企業。
 ・eBayで検索するとレシーバーやデッキなどオーディオ製品が多数ヒットします。
 ・ホームページで社史を見ると「SERIES 5000」の写真がありました。
 ・セットになるレコードプレーヤーやスピーカーもあったようです。

Craig500001 Craig500003 Craig500005 Craig500006 Craig500007

 ・本体サイズ:実測492(W)×138(H)×330(D)突起物含まず。電源電圧100V
 ・受信周波数帯 FM 76~90MHz、AM 540~1600kHz
 ・背面端子:PHONO、AUX、TAPE MON、TAPE REC、FM DETOUT
 ・スピーカーA/B 2系統。4本接続した場合マトリクス式4chとして使える。
 ・メーカー名や型番を記載したパネルは文字が消えて全く読めない。

Craig500013 Craig500014 Craig500015 Craig500016 Craig500017

 ・本機の背面には MADE IN JAPAN の印字、 FM周波数帯や電源電圧は日本仕様です。
 ・ということは、日本国内で生産された製品。
 ・依頼者様の情報によると「興北電気」という会社が国内で製造していたそうです。
 ・ネット検索しても詳細情報が見つかりません。

■動作確認+内部調査--------------------------------------------------

 ・上部ボディはウッドケース。
 ・本体を持ち上げて傾けると内部で「カラカラ」と何かが転がる音がする。
 ・音の正体を調べるため、通電する前にボディと底板を外して内部調査。
 ・「カラカラ」音の原因は電線を束ねるプラスチック部品の割れた欠片でした。
 ・基板上面は大量に堆積したホコリによって部品がまったく見えない状態。
 ・まずはホコリをエアーで吹き飛ばし、部品が見えるようにブラシで清掃。
 ・小さなフロントエンドFM3連AM2連バリコン →レシオ検波→アナログMPX。
 ・FM/AM回路に調整用VRが一つもない。

 ・電源コードの印字1974、電源に接続してPOWERオン。
 ・青緑色の窓照明点灯。指針照明点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・入力ソースを示す橙色インジケーター点灯。電球切れは無さそう。
 ・照明が点灯した雰囲気は1970年代前半のPIONEER製レシーバーとよく似ている。
 ・これはテンションが上がる!

 ・プッシュ式スピーカーターミナルのバネ機構が固着して動かない。
 ・これではスピーカーを接続したテストができない。
 ・とりあえずヘッドホン端子で音を聞きながら動作確認続行。
 ・300Ω端子にアンテナを接続、名古屋地区のFM放送局受信OK。
 ・赤色のSTEREOランプ点灯。聴感上のステレオ感もあり。
 ・本体内部に配置されたバーアンテナで地元AM放送局受信OK。
 ・TAPE端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。音質はそこそこ。
 ・音量、バランス、BASS、TREBLE 各調整VRはスムーズに回る。僅かにガリ。
 ・ヘッドホン端子からの音出し確認OK。
 ・TAPE REC端子からも音出し確認OK。
 ・スピーカーからの音出し確認はできないものの各機能は動作している模様。

Craig500020 Craig500021 Craig500022 Craig500023 Craig500024
Craig500025 Craig500026 Craig500027 Craig500028 Craig500029
Craig500030 Craig500031 Craig500032 Craig500033 Craig500034

■修理記録:スぺーカーターミナル--------------------------------------

 ・プッシュ式スピーカー端子のプッシュ部分がビクとも動かない。
 ・バネ機構がサビて固着しているのか?
 ・まずは配線を外してターミナル基板を取り外す。
 ・基板から端子を取り外し、試しに1個を分解。
 ・固着原因はやはり錆でした。バラバラに分解してパーツを丹念に磨く。
 ・合計8個の端子を分解清掃して組み直しました。
 ・多少の引っ掛かり感はありますが、スピーカー接続ができるようになりました。

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■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・スピーカーから音が出るようになったので、再度動作確認。
 ・音量、バランス、TREBLE、BASS各調整VRにガリ無し。
 ・ラウドネス、ハイ/ローフィルターの効果を確認。
 ・スピーカー4本をA/B両系統に接続すると、切り替えスイッチで疑似4chとして使える
 ・MAIN、REMOTE、MATRIX、BALANCE、それぞれインジケーター点灯。
 ・特に不具合なし、、これはもう奇跡的!!

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■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T104(上段)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・指針を76MHz目盛り位置にセット
 ・76MHz受信 → L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC101調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC102,TC103調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz 1kHz受信 → T102調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → T103調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → L104(下段)調整 → 高調波歪最小
【MPX調整】19kHz,38kHz調整
 ・WaveSpectraにて観察
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T108調整 → Lchレベル最大
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T109調整 → Lchレベル最大
 ※セパレーション調整VRなし → 左右chとも約40dB程度
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → T105,T107調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC OSC,TC ANT調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T106調整 → Sメーター最大
【アンプ部】
 ・Q201(E) → VR0201調整 → 0.6v
 ・Q202(E) → VR0202調整 → 0.6v
 ※とりあえず左右レベルを揃えただけ

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【電波強度とSメーターの振れ具合】
 ・Sメーターが全く振れないレベルでもSTEREOランプ点灯しFM放送を受信できます。
 ・一般的な機種では、Sメーターの振れ具合を調整する半固定抵抗VRがあるのですが、、
 ・本機のFM回路はとてもシンプル構成で調整用VRが一つもありません。
 ・電波強度に応じた各種動作をまとめておきました。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・MUTINGレベル調整VR、Sメーター振れ調整VR、セパレーション調整VRなし。
 ・当時の価格は分かりませんが、たぶん入門機クラスと思われます。
 ・それでも2メーター装備のフロントマスクが高級感を醸し出しています。
 ・FMステレオではセパレーションは約35dBほど確保。
 ・各機能とも正常、特に不都合は感じません。
 ・これは大切に残しておきたい逸品ですね。

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2017年9月17日 (日)

TRIO KT-7300

 ・2017年8月初め、TRIO KT-7300の修理調整作業を承りました。
 ・KT-7300の実機を見るのは初めてです。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO アンプ・チューナー総合カタログ 1979年2月版
 ・Hifi Engine Kenwood KT-7500 AM/FM Stereo Tuner (1977-79) ※輸出機

Kt7300_2

 ※トリオ製品の輸出機型番がホントに分かりにくい
  ・国内機 KT-7300 → 輸出機 KT-7500
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300
  ・国内機 KT-7700 → 輸出機 KT-8300

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1977」。
 ・フロントパネルのデザインはKT-7700に似ている。
 ・でもチューニングつまみやスイッチレバーのデザインはKT-8000と同じ。
 ・外観に目立つキズなく保存状態は良さそう。
 ・FM用F型端子が無いのが残念。300Ω端子にアンテナ接続。
 ・電源オンで周波数窓の照明点灯。二つのメーター照明点灯、タマ切れなし。
 ・名古屋地区のFM放送局受信OK。STEREOランプ点灯。多少の周波数ズレあり。
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない。
 ・固定/可変出力端子ともOK。マルチパスH端子出力OK。
 ・IF BANDを切り替えて Narrow 受信にすると Sメーターの振れが大幅に弱くなる。
 ・そのせいか、NarrowではMUTING作動して音が出なくなる。
 ・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信OK。
 ・FM回路、特にNarrow側の IFアンプが劣化しているか??

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連AM2連バリコン搭載フロントエンド
 ・IFバンド Wide/Narrow切換
 ・Wide側  CF1個×IFアンプ
 ・Narrow側 Wide + CF4個、IFアンプ(LA1222)追加
 ・HA1137W  FM IF System
 ・HA1196  PLL FM Stereo Demodulator
 ・HA1197  AM Radio Receiver System
 ・VR1:ミューティング調整(Wide)
 ・VR2:ミューティング調整
 ・VR3:Sメーター調整
 ・VR4:VCO
 ・VR5:セパレーション(Narrow)
 ・VR6:セパレーション(Wide)

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L4,T5調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND → Narrow
 ・アンテナ入力なし → L8(下段)調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Wide
 ・アンテナ入力なし → L3調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L8(上段)調整 → 高調波歪最小
【FM OSC調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・指針を83MHz目盛り位置にセット
 ・83MHz受信 → CT5調整 → Sメーター最大
  ※本来は90MHz→CT5、76MHz→T6
  ※T6はボンドで固められているので調整不可
【RF調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・90MHz受信 → CT4,CT3,CT2,CT1調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → T4,T3,T2,T1調整 → Sメーター最大
 ※受信感度が大幅に向上しました。
【MUTING調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 20dB → VR2調整 → MUTING作動位置
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 20dB → VR1調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 40dB → L3調整 → Sメーター振れ最大
 ・83MHz 80dB → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX VCO調整】
 ・R45後足 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR4調整 → 76KHz
【セパレーション調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 60dB → VR5調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 60dB → VR6調整 → 漏れ信号最小
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → L11,バーアンテナ調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → CF6調整 → Sメーター最大

Kt7300 Kenwood_kt7500_sche

 ・当初はNarrow側の受信感度が大幅に低いのでIFアンプの故障を疑いました。
 ・でもRF調整によって受信感度が大幅アップし、Wide側との感度差は解消しました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・動作確認時に懸念した故障箇所は無かったです。
 ・HA1137Wによるクアドラチュア検波、HA1196による復調回路。
 ・Wide、STEREO歪率0.08%、セパレーション左右とも約60dB。
 ・TRIO製チューナーとしては最小構成ですが、聴感上は全く問題なし。
 ・再調整の結果クアドラチュア検波の良い性能を取り戻したと思います。
 ・この美しい照明窓が癒しのひと時ですね。
 

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