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チューナー関連リンク

2017年8月20日 (日)

SONY ST-5000F 4号機

 ・2016年11月、音が出ないST-5000Fが届きました。
 ・何といっても往年の名機、これは何とか復活させたい。
 ・入手から半年以上もかかりましたが夏休みを使ってようやく作業完了しました。

St5000f08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-5000F \98,000(1969年)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-5000F \98,000(1971年頃)
 ・Hifi Engine Sony ST-5000F FM Stereo Tuner (1969-77)
 ・SONY ST-5000F 回路図 (国内機)
 ・SONY ST-5000F 掲載カタログ 1974年5月版

St5000f01 St5000f10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1974」。モデル最末期の製品か。
 ・フロントパネル、ボディとも全体に経年の汚れが目立つ個体です。
 ・周波数窓の内側には大量のホコリが積もっています。
 ・背面パネルを見るとアンテナ端子にM型端子がある!
 ・元々使い難い端子だったので末期の製品には仕様変更があったのか??
 ・F型-M型変換プラグを介してアンテナ接続。電源オン。
 ・周波数窓のガラス内側が汚れているので照明が点灯したかどうかわからない?
 ・窓両端の隙間を覗くと電球が点灯していることを確認。
 ・名古屋地区のFM局周波数に合わせるとTメーターとSメーターが反応します。
 ・STEREOランプも点灯しますが、固定/可変端子とも音が出ない。無音です。
 ・MODE切替(STEREO-MONO)、MUTING切替、HiBlend切替を操作しても反応なし。
 ・これはMUTINGが解除されない状態でしょうか?

St5000f03 St5000f05 St5000f06 St5000f12 St5000f13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・M型アンテナ端子が気になったので内部を確認しました。
 ・元々GND端子があった穴を拡幅してM型端子を取り付ける改造が行われたようです。
 ・製造段階での設計変更があったのかと思いましたが全然違いました。
 ・アンテナ端子以外に手が加えられた痕跡は無さそう。
 ・フロントパネルを分解したところ、パネル裏側に「49.9.3」の印字がありました。
 ・「昭和49年9月3日」と読めば電源コードの「1974」と一致します。
 ・ST-5000Fとしてはやはり最末期の製品のようです。
 ・TP MPX OUT からは受信したFM放送が聞こえました。
 ・やはりMUTING回路の故障が原因。

St5000f49 St5000f50 St5000f51 St5000f80 St5000f82
St5000f20 St5000f21 St5000f27 St5000f30 St5000f32
St5000f34 St5000f35 St5000f41 St5000f44 St5000f46

■修理記録:MUTING回路トランジスタ交換---------------------------------

 ・MPX基板にあるMUTING用リレーの駆動電圧測定すると電圧が出ていない。
 ・MUTING基板にある調整用VRを回しても反応なし。
 ・回路図に記載のある電圧規定値を順番に確認。
 ・MUTING回路最終段の Q408(2SC945)がおかしい?
 ・回路図では2SC633ですが基板には2SC945が実装されていました。
 ・これを2SC1815に交換したところ、MUTINGが解除されて音が出てきました。
 ・ただし、左右chでレベル差が大きい。Lchの音が小さい。
 ・Rchには「ボソッ、ボソッ」という不定期ノイズが発生する。
 ・次なる不具合がありそうです。

■修理記録:MPX回路トランジスタ、電解コンデンサ交換--------------------

 ・Lchの音が小さい。
 ・Rchには「ボソッ、ボソッ」という不定期ノイズが発生する。
 ・検波回路までは問題なさそうなので、MPX回路の不具合が原因です。
 ・MPX回路のトランジスタ一つ一つ調査。
 ・Q504(2SC1364)→2SC1815交換
 ・これで気になったレベル差は解消。
 ・さらに左右のバランスを保つためQ504~Q511まで8個すべて2SC1815に交換。
 ・ついでにMPX基板の電解コンデンサをすべて交換。
 ・Rchのボソボソノイズも解消。

St5000f70 St5000f72 St5000f73 St5000f74 St5000f76

■修理記録:電源回路電解コンデンサ交換--------------------------------

 ・電源回路の大型電解コンデンサー2個交換。
 ・C601(2000uF/50v)、C604(2000uF/35v) → 3300uF/50v

St5000f90 St5000f91 St5000f92 St5000f93 St5000f94

■調整記録------------------------------------------------------------

【電源電圧調整】
 ・TP24V,TP12V DC電圧計セット
 ・電源基板 VR001調整 → 24V,12Vそれぞれ確認
【OSC調整】※フロントエンド
 ・76.0MHz受信 → L105調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → CT105調整 → Sメーター最大
【RF調整】※フロントエンド
 ・76.0MHz受信 → L101,L102,L103,L104調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → Sメーター最大
 ・この作業を数回繰り返す。
 ・Tメーターがセンターからズレても気にしない。
【IFT調整】※フロントエンド
 ・83.0MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】※検波基板
 ・83.0MHz受信 → 指針をSメーター最大位置へ移動
 ・IFT301調整 → Tメーター中点へ(離調点が左右対称)
 ・Tメーターが中点からズレた場合 → IFT301横のR319調整 → 中点に
【Sメーター振れ調整】※IF基板
 ・83.0MHz 80dB受信 → RT211調整 → Sメーターが90%振れる位置に。
【ミューティング調整】※ミューティング基板
 ・83.0MHz受信 → RT103調整 → MUTING作動位置へ
【セパレーション調整】※MPX基板
 ・83.0MHz 80dB受信 → RT537調整 → セパレーション最大位置へ

St5000f1 St5000f2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・さすが、当時の最高級機!
 ・アルミパネルの質感やデザイン性は40年以上前の製品とは思えない!
 ・出てくる音は当時の最高音質、でも今となってはごく普通の音ですね。
 ・雰囲気を楽しむ機種として保管しておきます。

St5000f07

2017年8月13日 (日)

TRIO KT-9900 4号機 修理調整記録

 ・2017年7月初め、KT-9900の故障機が届きました。
 ・以下、作業記録です。

Kt990007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 FM Stereo Tuner (1980)
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能
 ・1号機の記録 2015年10月4日記事
 ・2号機の記録 2015年11月15日記事
 ・3号機の記録 2016年11月13日記事

Kt990001 Kt990010

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の症状>
 ・電源OK。照明点灯。メーター動作OK。
 ・FM局は受信するが不定期にガリガリ音が入る。
<確認事項>
 ・アンテナAに同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・電源オンから音が出るまで約12秒。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
 ・オレンジ色のインジケーターLED点灯。緑色のIFバンド表示も点灯。
 ・僅かに周波数ズレあるものの地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・照明やインジケータ類はすべて点灯。タマ切れなし。
 ・受信と同時にDDLインジケータ点灯しTメーターが中点に引き込まれる。
 ・TメーターとSメーターは正常に動作している。
 ・ただご指摘のように「ガリガリ、バリバリ」という雑音が常時入る。
 ・雑音に反応してDEVIATIONメーターが振り切れる。
 ・固定出力、可変出力とも同じ症状。IF BANDを切り換えても症状は同じ。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・これはパルスカウント検波回路が怪しい感じです。

Kt990002 Kt990003 Kt990004 Kt990011 Kt990013

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・底板にKENWOODサービスの修理記録シールあり。1993年10月19日、修理内容不明。
 ・MPX基板で多くのオペアンプやトランジスタが交換済み。
  ・IC1,IC2,IC4,IC5 → JRC4559D
  ・Q7,Q8 → 2SA1015GR
  ・Q13 → 2SC1815GR
 ・コイルやVRに赤マジックペンでマーキングあり。
 ・KENWOODサービス以外に人の手が随分加わっている感じです。

Kt990020 Kt990021 Kt990022 Kt990023 Kt990024
Kt990025 Kt990026 Kt990027 Kt990028 Kt990029
Kt990030 Kt990031 Kt990032 Kt990033 Kt990034
Kt990035 Kt990036 Kt990037 Kt990038 Kt990039
Kt990040 Kt990041 Kt990042 Kt990043 Kt990044
Kt990045 Kt990046 Kt990047 Kt990048 Kt990049

■修理記録:パルスカウント基板----------------------------------------

 ・このガリガリノイズは聞き覚えがあります。→過去記録
 ・同じパルスカウント検波機 KT-8300のノイズ源だった LPF を思い出しました。
 ・KT-9900のパルスカウント検波回路は本体背面近くに縦置きされています。
 ・他の基板と違って簡単に外せるのでメンテナンスは容易。
 ・取り外した基板を見て目についたのは L6。
 ・輸出機 KT-917 回路図で確認すると L6=LPF(500kHz) 、、これが怪しい?

Kt990060 Kt990063 Kt990067 Kt990068 Kt990069

 ・試しにL6を外して前後の回路を直結すると、見事にガリガリノイズが消えた!
 ・ただし、ガリガリノイズの代わりに酷い高調波が乗ってくる状況もKT-8300と同じ。
 ・外したL6の裏側を見ると小さなコンデンサ3個内蔵されている。
 ・L6に代えて手持ちのLC部品で簡易LPFを製作。
 ・仮り接続してみると、、ガリガリノイズ解消、高調波ノイズもなし。
 ・やはり不調原因は L6 (LPF) の劣化でした。
 ・L6の代用品として 10mH×2個、両側15pF、中央30pF、計算すると450kHz程度。
 ・基板に開いていた穴を少し拡幅して部品を配置。
 ・ガリガリノイズが解消してキレイなFM放送が聞こえてきました。

Kt990070 Kt990080 Kt990081 Kt990082 Kt990083

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて一通り調整作業実施。
 ・→調整方法

Kt990090

 ・既に調整済みだったらしく、各部ほとんどズレは無かったです。
 ・ただちょっと気になる点は、
  ・FM放送同調時、STEREOランプが点灯する許容範囲がとても狭い。
  ・同調点が僅かに外れていると受信中に音声が瞬断します。
  ・それと、NHK-FMのVICSノイズはやはり回避できない。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・検波回路の一部を自作部品に置き換えたので、本来の性能を発揮しているかは怪しい??
 ・でも聞いた感じはかなり良さそうです。
 ・NHK-FMでVICSノイズが載るのは仕方ないです。

Kt990008

2017年8月 6日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録2

 ・2017年7月初め、D-3300Tの実験機が届きました。
 ・以下、作業記録です。

D3300t09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)PDF

D3300t02 D3300t04

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディ、サイドウッドとも目立つキズはない。
 ・ただ、ボディの継ぎ目やボタン周囲に白い粉状の付着物が多数あってかなり目立つ。
 ・この白い物は多分ボディを磨いたコンパウンドの残骸でしょう。
 ・背面パネルに印字された文字も一部消えている。
 ・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部が明るく点灯。照度の劣化や文字痩せは感じない。
 ・名古屋の地元FM局を受信しながら点検スタート。
 ・上り方向のオートチューニングでは-0.1MHzの周波数で放送局を受信。
 ・下り方向のオートチューニングでは本来の周波数で放送局を受信。
 ・受信した状態でSTEREOランプ点灯、実際のステレオ感あり。
 ・RF(LOCAL/DISTANCE)切換OK。IF BAND(WIDE/NARROW)切換OK。
 ・Modulationバーグラフ点灯OK。REC CAL信号OK。
 ・問題はFM同調点のズレ。他は特に異常無さそうです。

D3300t01 D3300t05 D3300t06 D3300t07 D3300t08
D3300t03 D3300t11 D3300t12 D3300t13 D3300t14

■内部確認------------------------------------------------------------

D3300t20 D3300t21 D3300t22 D3300t23 D3300t24
D3300t25 D3300t26 D3300t27 D3300t28 D3300t29
D3300t30 D3300t31 D3300t32 D3300t33 D3300t34
D3300t35 D3300t36 D3300t37 D3300t38 D3300t39

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.2V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V ※実測25.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測-0.51V
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測+0.48V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM同調点が大幅にズレていましたが、再調整によって解消しました。
 ・気持ちよく動作しています。
 ・コンパウンドの白い残骸は丁寧に除去しました。
 ・外観も随分よくなったと思います。

D3300t10

■AN7418S-------------------------------------------------------------

 ・今回のD-3300Tは再調整によって無事に復活しました。
 ・実はD-3300Tの故障機があと2台手元にあります。
 ・2台共通の故障箇所は基板裏面に実装された AN7418S です。
 ・D-3300TのMPX回路はDDP(ダイレクト・ピュア・デコーダー)方式を採用しています。
 ・AN7418Sはこの方式の要となる38kHz方形波を生成しています。
 ・後段のステレオ分離回路によって高品位な音声出力を得ています。
 ・AN7418SはKT-3030でも使われています。
 ・交換用のAN7418S新品または代用品を探していますが見つからない状況です。

D3300t44

2017年7月30日 (日)

YAMAHA TX-900

 ・2017年6月下旬、実験機としてTX-900をいただきました。
 ・久しぶりのYAMAHA製チューナーです。

Yamaha_tx90006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-900 ¥49,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine Yamaha TX-900 AM/FM Stereo Tuner (1986-90)

Yamaha_tx90001 Yamaha_tx90008

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディともに目立つキズ無し。
 ・ボディ全体に経年の汚れ。クリーニングすれば綺麗になりそう。
 ・電源コードはメガネ式のコネクタタイプ。コードの印字1986、たぶんオリジナル?
 ・F型端子にアンテナを接続して動作確認スタート。
 ・電源投入OK。表示部にカラー液晶点灯。カラフルで表示量が多い。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局受信OK。マニュアル選局OK。周波数ズレなし。
 ・STEREOランプ点灯。IF BAND(Wide/Narrow/Super Narrow)切換OK。
 ・FINE TUNINGモードで周波数の微調整OK。82.5MHzのNHKを82.48MHzでSメーターMAX。
 ・手持ちのループアンテナを接続してAM受信確認。
 ・オート選局で名古屋地区のAM局受信OK。マニュアル受信もOK。
 ・どうやら故障個所は無さそう。

Yamaha_tx90002 Yamaha_tx90009 Yamaha_tx90004 Yamaha_tx90005 Yamaha_tx90003
Yamaha_tx90010 Yamaha_tx90011 Yamaha_tx90012 Yamaha_tx90013

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連バリキャップ
 ・IF BAND切換:WIDE / NARROW / SUPER NARROW
 ・広帯域レシオ検波
 ・LA3450:PLL FM MPX Stereo Demodulator
 ・LA1245:AM Electronic Tuner

Yamaha_tx90020 Yamaha_tx90021 Yamaha_tx90022 Yamaha_tx90023 Yamaha_tx90024
Yamaha_tx90025 Yamaha_tx90026 Yamaha_tx90027 Yamaha_tx90028 Yamaha_tx90029
Yamaha_tx90030 Yamaha_tx90031 Yamaha_tx90032 Yamaha_tx90033 Yamaha_tx90034
Yamaha_tx90035 Yamaha_tx90036 Yamaha_tx90037

■調整記録------------------------------------------------------------

Yamaha_tx900

 ・TUNING MODE:AUTO
 ・IF BAND:WIDE
 ・HI BLEND:OFF
 ・MODE:AUTO STEREO
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+12  → +12.5V±0.5V → ※実測+12.5V
 ・+5.5 → + 5.5V±0.5V ※実測+5.3V
 ・+30 → +30V+0,-3V → ※実測+28.3V
 ・FM受信時 FB → +12V ※実測+12.9V
 ・AM受信時 AB → +12V ※実測+12.6V
【調整用設定】
 ・TP~E 短絡
 ・メモリ内容が調整用周波数に設定される
 ・p1/P11 AM630kHz
 ・p2/P12 AM1080kHz
 ・p3/P13 AM1440kHz
 ・p4/P14 FM76.0MHz
 ・p5/P15 FM83.0MHz
 ・p6/P16 FM84.0MHz
 ・p7/P17 FM86.0MHz
 ・p8/P18 FM90.0MHz
 ・p9/P19 FM78.00MHz/Fine Tuning
 ・p10/P20 FM88.00MHz/Fine Tuning
 ・TP~E 開放
【レシオ検波調整】
 ・IF BAND:WIDE
 ・NVcc~S OUT DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし → T107調整 → 0.0V
 ・83.0MHz 1kHz 100% → 電圧計ゼロを確認
【VT電圧調整】
 ・VT~GND DC電圧計セット
 ・90.0MHz アンテナ入力なし → T108調整 → 25.0V±0.2V
 ・76.0MHz アンテナ入力なし → 確認のみ →  7.1V
【RF調整】
 ・VR104の足 DC電圧計セット(※Sメーター電圧)
 ・76.0MHz 1kHz 60dB受信 → L101,L102,L103調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz 1KHz 60dB受信 → VC101,VC102,VC103調整 → 電圧最大
【モノラル歪調整】
 ・83.0MHz 1kHz → VC104,VR105調整 → Mono歪最小
【ステレオ歪調整】
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → T104,T105,T106,VR101,VR102調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR107調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR108調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】WIDE
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR106,T112調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルメーター調整】
 ・83.0MHz 1kHz ST → VR104調整 → レベルメーター点灯調整
【IF オフセット調整】
 ・TP~Eを短絡
 ・82.98MHzの表示が「29.8」という表示に変わる。
 ・VR109調整 → 「29.4」→「30.0」と表示されるように調整
 ・調整後はTP~Eを開放

【AM部:VT電圧確認】
 ・VT~GND DC電圧計セット
 ・1620kHz受信 → OSCコイル調整 → 電圧=23.4V ※確認のみ
 ・ 531kHz受信 → 電圧=3.2V ※確認のみ
【AM部:RF,IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ VR103調整 → Sメーター最大

Yamaha_tx90040

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障個所は無かったです。
 ・電源コードを抜いて1週間放置後もメモリ内容を保持していました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・ブラックフェイスにカラー液晶が映えますね。
 ・LA3450を搭載した貴重な部品取り機として保管しておきます。

Yamaha_tx90007

2017年7月23日 (日)

National SC-9250GL

 ・2017年6月、ナショナル製レシーバーの修理を承りました。
 ・見るからに昭和レトロな感じが漂っていますね。
 ・以下、作業記録です。

Sc9250gl10

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・依頼者様によると1970年頃の製品とのこと。
 ・レコードプレーヤーとスピーカーがセットになった製品だそうです。
 ・懐かしい4chステレオ対応のロゴが付いています。
 ・ただネット検索しても製品情報や回路図は見つかりません。

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ウッドケースはほぼ無傷で状態はとても良い。底面の足が一つ欠品。
 ・フロントパネルも目立つキズなし。経年の汚れを落とせば綺麗になりそう。
 ・リア用スピーカーターミナルは通常のネジ止め式、フロント用はなぜかRCA端子。
 ・TAPE用RECORDING OUT端子をアンプに接続して音出し確認。
 ・電源オン、周波数窓が緑色に浮かび上がる。Sメーター照明も点灯。
 ・300Ω端子にFMアンテナを接続、名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・STEREOランプ点灯。ただし放送局が無い位置でも点灯する。
 ・AM用の外部アンテナ端子に長いビニールコードを接続して受信確認。
 ・ところがAM放送は全く受信できず。全域に渡って「ザー」というノイズだけ。
 ・TAPE IN端子にCDプレーヤーを接続して正常に音が出ることを確認。
 ・PHONO端子に実験用レコードプレーヤーを接続して音出し確認。
 ・ヘッドホン端子も音が出ることを確認。 
 ・トーンコントロール、バランス、ラウドネスなど効果が確認できる。
 ・MIC ミキシング用VRがありますが、MIC端子が見当たりません??
 ・AM回路が故障しているようです。
 ・確認を終えて電源を切ろうとたところ、何とオフにできない。
 ・プッシュ式の電源ボタンを押しても電源が切れない??
 ・オンオフを数回繰り返すとようやく切断。電源スイッチも故障か?

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■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ウッドケース裏面にある固定ネジ4本を外し。フロントパネルを前面に引き出す。
 ・上面は配線面、裏面に部品が実装されている「逆さま構造」。
 ・AMバーアンテナ内蔵。FM3連AM2連バリコン。LCフィルタ、スイッチングMPX。
 ・電源トランスの電圧確認
 ・白:AC9.2V、青:AC4.5V、緑:AC0V

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■修理記録:電源スイッチ----------------------------------------------

 ・フロントパネルを外して周波数窓裏側を清掃。大量の埃をかき出しました。
 ・ウッドケースを外した状態で再び電源オン。
 ・点検中に電源スイッチ周辺から「ジー」という異音が聞こえることに気付く。
 ・異音発生源を探してみると、、
 ・何と電源スイッチの接点間で火花が飛んでいる音でした。
 ・これはヤバイ、、即電源オフ、、ところが火花が収まらず電源が切れない。
 ・電源コードを抜いてオフ。

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 ・電源スイッチを固定しているネジを緩めてスイッチごと取り外す。
 ・スイッチ内部をのぞいてみると
 ・スイッチ機構はスライド式ではなく、電磁リレーのような接点式でした。
 ・プッシュ操作によって接点がシーソーのように動いてON/OFFを切り換えるタイプ。
 ・接点周辺は真っ黒です。綿棒で拭き取ると煤のようです。
 ・蓄積した煤が固化してコブになり、この僅かな隙間を通して放電状態で電気が流れていたようです。
 ・コンデンサを取り外してスイッチ単体にしてクリーナーで内部洗浄。
 ・細いドライバー先端に1000番の紙やすりを張り付け、接点を磨く。
 ・これでピカピカになりました。
 ・スイッチに付いていたコンデンサ(0.03uF/600V)をスパークキラーに交換。(0.033uF/120Ω/500V)

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 ・電源スイッチの補修を終えて再び電源オン。
 ・「ジー」という異音は聞こえない。目視でも接点に火花は飛んでいない。
 ・劇的な変化として周波数窓の電球の照度が大幅に明るくなった!
 ・白:AC12.9V、青:AC6.4V、緑:AC0V
 ・それから何と! 再度動作確認を行うとAM放送が受信できました。
 ・FM/PHONO/TAPEもOKです。
 ・諸々の不調原因は電源スイッチ(接点)の劣化だったようです。
 ・真っ黒の煤が固化してコブになり、正規の電圧を出せていなかった。
 ・AM以外は低電圧状態でかろうじて動作していたみたいです。
 ・電源が切断できなかった問題も解消しました。
 ・ついでにガラス面が曇った電源ヒューズ(1A)を交換しておきました。

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■調整記録-----------------------------------------------------------

【フロントエンドOSC調整】
 ・76MHz受信 → L3調整 → Sメーター最大振れ
 ・90MHz受信 → TC3調整 → Sメーター最大振れ
【フロントエンドRF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2調整 → Sメーター最大振れ
 ・90MHz受信 → TC1,TC2調整 → Sメーター最大振れ
 ・83MHz受信 → IFT → Sメーター最大振れ
【IF歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 70dB 受信
 ・IF基板T3,T4,T7調整  → 高調波歪最小
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 70dB 受信 → T9調整 → Sメーター最大振れ
 ・83MHz 1kHz 70dB 受信 → T10調整 → 高調波歪最小
【19kHz調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → T12,T13調整 → 19kHzレベル最大
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → T14調整 → 38kHzレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → R601調整 → 漏れ信号最小
 ・実測で左右とも約25dB/1kHzでした。
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → L5調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC2調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → T5調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC1調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → T6,T8,T11調整 Sメーター最大
【出力調整】
※現状値に合わせて左右レベルを揃えました。
※正しい方法かどうかは分かりません。
 ・R603調整 → TR609-E 電圧 -18.9V
 ・R613調整 → TR605-B 電圧  6.6V
 ・R604調整 → TR610-E 電圧 -18.9V
 ・R614調整 → TR606-B 電圧  6.6V

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■スピーカーターミナルボックス製作-----------------------------------

 ・スピーカーがRCA端子では確かに使い難いですね。
 ・本体を改造してスピーカーターミナルを取り付けようかと思いましたが、、
 ・設置スペースが狭くて断念しました。
 ・その代わり「スピーカーターミナルボックス」を作ってみました。
 ・ケースはTAKACHI SW-75。ドリルで適当に穴を開けただけです。
 ・手持ちの端材を使ったので材料費はゼロ。でも見た目は良いです。

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・FMは放送局が無いところでもSTEREOランプが点灯します。
 ・雑音成分の中の19kHzに反応しているみたいですが調整しきれません。
 ・周波数窓の裏側を磨いたので、緑色の照明が美しいです。
 ・PHONOやTAPE入力に接続したCDの再生は良好です。
 ・AMは本体内部のバーアンテナで受信良好です。
 ・MIC MIXINGポジションがありますが MIC入力端子が見当たりません。
 ・ひょっとしてFMワイヤレスマイクでミキシングするのでしょうか?

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