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2018年4月15日 (日)

TRIO KT-9700 修理調整記録

 ・2018年3月、KT-9700の修理調整作業を承りました。
 ・Lchから雑音が聴こえるそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt970011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9700 ¥150,000 1976年
 ・Hifi Engine KENWOOD Model 600T $650 1976

Kt970002 Kt970014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1976。
 ・年代相応の汚れ、フロントパネルにいくつか目立つキズ。
 ・背面パネル左右に取り付けられたプラスチック製のガード部品が破損。
 ・可変出力のLch端子が破損。ボディ後部の角に凹み。
 ・過去に落下事故があったかもしれません?
 ・さてFMアンテナを接続して電源オン。Tメーターの照明電球が切れている。
 ・SメーターとTメーターの動きは正常。
 ・IFバンド切替に応じてインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・MPX filterの赤色LEDが点灯しない。
 ・固定出力端子で名古屋地区のFM局受信を確認。
 ・マルチパスH端子からも放送が聞こえる。
 ・とりあえず正常に受信しているようです。
 ・ご指摘事項のノイズはまだ確認できません。

Kt970003 Kt970004 Kt970005 Kt970006 Kt970007
Kt970008 Kt970009 Kt970015 Kt970016 Kt970018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・X01-1250-10:RF 基板
 ・X02-1090-10:IF 基板
 ・X02-1110-10:検波基板
 ・X04-1090-10:MPX基板
 ・X13-2370-10:スイッチ基板
 ・X00-1810-10:電源基板

Kt970020 Kt970025 Kt970027 Kt970030 Kt970036
Kt970039 Kt970044 Kt970045 Kt970046 Kt970049

■修理記録:可変出力端子修理------------------------------------------

 ・Lch端子が大きく変形しています。
 ・力技で元の位置に戻しました。
 ・Lchから雑音というのはこれが原因かも?

Kt970019 Kt970050 Kt970051 Kt970052 Kt970053

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・切れていたTメーター照明電球を取り外し。
 ・ジャンク箱にあった中古電球に交換。
 ・次にMPX FILTERの赤色LEDの交換するため基板を分解。
 ・KT-9700のインジケーター基板を分解するのは初体験です。
 ・IF BAND用の緑色LEDとSTEREO、MUTING、MPX FILTERを示す赤色LEDが並んでいます。
 ・赤色LEDは独特の凸型。同時期のTRIO製チューナーでよく見るタイプです。
 ・他機種では何回か同等部品に交換したことがあります。
 ・ただ、KT-9700では凸型LEDが基板にハンダ付けされていました。
 ・手持ちの凸型LEDと交換しようとしましたがサイズが微妙に合いません。
 ・残念ですが、MPX FILTERを使う場面は少ないのでこのままにしておきます。

Kt970070 Kt970071 Kt970072 Kt970060 Kt970061
Kt970054 Kt970062 Kt970063 Kt970064 Kt970065
Kt970066 Kt970067 Kt970068 Kt970069 Kt970007_2

■調整記録------------------------------------------------------------

【OSC調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドOSC調整 → Sメーター最大
 ※一点調整のため両端では多少のズレが発生します
【RF調整】
 ・SSG 76.0MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8,L9 → Sメーター最大
 ・SSG 90.0MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6,TC7 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドL12調整 → Sメーター最大
 ・歪最小になるIF周波数=10.73MHz
【Tメーターオフセット調整】
 ・IF基板(X02-1090-10)12番端子に周波数カウンタ接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → 選局ツマミを回して1.994MHz(*)を示す位置へ
 ・検波基板(X02-1110-10) VR1調整 → Tメーター中点
  ※本機の実測IF周波数=10.73MHz
  ※本機の水晶発振子= 8.736MHz
  ※第2IF周波数10.73-8.736=1.994MHz
  ※本来は10.7-8.736=1.964MHzですが実機に合わせました。
【IF歪調整】
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L15,L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
 ・IFバンド=NARROW
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L19調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D1カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L20調整 → 電圧最大
 ・ミューティングスイッチ40dB → VR1調整
 ・ミューティングスイッチ20dB → VR2調整
【Sメーター調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D9カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L21調整 → 電圧最大
 ・SSG 83.0MHz 20dB → VR3調整 → SメーターMIN調整
 ・SSG 83.0MHz 90dB → VR4調整 → SメーターMAX調整
【出力調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) R2右足にAC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR1調整 → 500mV
【VCO調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) TP 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83.0MHz → VR2調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR3調整 → Rch
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR4調整 → Lch
【DEVIATIONメーター調整】
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR5調整 → DEV.メーター100%位置へ

Kt9700new

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ご指摘事項の「Lchから雑音」は確認できませんでした。
 ・破損していた端子の影響があったかもしれません??
 ・各部調整して良い音で受信できるようになったと思います。

Kt970010

2018年4月 8日 (日)

YAMAHA TX-2000 修理調整記録3

 ・2018年3月、TX-2000の修理調整作業を承りました。
 ・ステレオ受信ができない状態だそうです。
 ・再調整だけで直るか?
 ・以下、作業記録です。

Tx200008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-2000 ¥100,000(1988年発売)
 ・Hifi Engine YAMAHA TX-2000 AM/FM Stereo Tuner (1988-92)

Tx200002 Tx200010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・本体に目立つキズなし。サイドウッドも綺麗な状態。
 ・電源オン。オレンジ色の表示点灯。輝度劣化もなく眩しいほど輝いている。
 ・FMアンテナ端子はF型A/B 2系統。同軸ケーブルを接続して受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局で名古屋地区のFM局を正常に受信OK。
 ・受信周波数にズレなし。
 ・メモリ登録して1週間放置しても内容を保持していました。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナを接続して受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局をオート選局で正常に受信OK。
 ・FM/AMとも大きな問題なさそうです。
 ・FMがステレオにならないとのご指摘でしたが正常に動作しています??

Tx200001 Tx200003 Tx200004 Tx200005 Tx200006

■内部確認------------------------------------------------------------

Tx200020 Tx200021 Tx200022 Tx200023 Tx200024
Tx200025 Tx200026 Tx200027 Tx200028 Tx200029
Tx200030 Tx200031 Tx200032 Tx200033

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルを一部アレンジ。
【本体設定】
 ・電源投入から5分以上経過していること
 ・OSCコイル、IFTの調整には金属製ドライバーは使用しないこと
 ・まずFMセクションを調整し、次にAMセクションを調整すること
 ・MODE:AUTO ST
 ・BLEND:OFF
 ・IF MODE:NARROW
 ・RF ATT:OFF
 ・FINE TUNING ON → すなわちCSL停止状態
 ・オーディオ出力をWaveSpectra接続
【電圧確認】
 ・+30 → +29V±1V → ※実測+28.6V
 ・+12 → +12.5V±0.5V → ※実測+12.0V
 ・-12 → -12.5V±0.5V → ※実測-11.9V
 ・+ 6 → + 6V±0.5V ※実測+6.0V
【VT電圧確認】
 ・L17の足に DC電圧計接続
 ・受信周波数 90MHz → T8調整 → 24.9V
 ・受信周波数 76MHz → 7.3V ※確認のみ
【FMフロントエンド調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・77.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・77.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で T1,T2,T3,T4調整 → 電圧最大
 ・89.00MHz(SSG) 無変調 60dB受信 → FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・89.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・この状態で VC1,VC2,VC3,VC4調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・VR10の足 DC電圧計セット
 ・83.00MHz(SSG) 70dB 無変調 →  FINE TUNING 電圧最大となる周波数を探す
 ・83.00MHz(TX2000)にて電圧最大
 ・基板上のFM S端子~GND間にDC電圧計セット
 ・83.00MHz(TX2000)位置で受信した状態 → T7調整 → 電圧ゼロ
 ※既に調整済みらしくFINEチューニングのズレなし
 ※以下、信号発生器 83.00MHz送信 → TX2000 83.00MHz受信
【モノラル歪調整】
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz 100%変調 → VC5,VR9調整 → Mono歪最小
【PLL入力位相調整】
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T10,T12調整 → Lch出力最大
【ステレオ歪調整】NARROW
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → VR3,4,5,6調整 → STEREO歪最小
【ステレオ歪調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO(L-R) → T5,6,13,VR1,2,7,8調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】WIDE
 ・IF MODE:WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR13調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR14調整 → R→L漏れ信号最小
【セパレーション調整】NARROW
 ・IF MODE:NARROW
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR11調整 → L→R漏れ信号最小
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR12調整 → R→L漏れ信号最小
【パイロット信号キャンセル調整】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → VR15,T11調整 → 19kHz成分最小
 ・左右chのバランスに注意
【シグナルメーター調整】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 80dB 1kHz STEREO → VR10調整 → レベルメーター全点灯
【ブレンドチェック】WIDE
 ・83.00MHz(TX2000) 70dB 1kHz STEREO → 受信中にBLENDスイッチON
 ・セパレーション値が左右とも悪化することを確認
【IF オフセット調整】
 ・FINE TUNING OFF → すなわちCSL受信状態
 ・D4~K3を短絡
 ・83.00MHzの表示が「30.0」という表示に変わる。
 ・VR17調整 → 周波数表示を微調整
 ・調整後はD4~K3を開放
 ※D4~K3を短絡すると登録したメモリー内容がリセットされる
AM部
【VT電圧確認】
 ・ 522kHz受信 → L17電圧=3.3V ※確認のみ
 ・1620kHz受信 → L17電圧=24.0V ※確認のみ
【RF、IF調整】
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ PK1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz受信(名古屋CBCラジオ)→ T9調整 → Sメーター最大

Tx2000_2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ステレオにならないという現象は再現できませんでした。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・それにしてもYAMAHAデザインはとにかくカッコいいですね。

Tx200007

2018年4月 1日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録4

 ・2018年1月初め、D-3300Tの故障機が届きました。
 ・某FM放送局でモニター用に使われていたものだそうです。
 ・これはある意味「由緒正しい」個体ですね。
 ・さて、作業内容をご報告します。

D3300t09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)

D3300t02 D3300t12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッド無し、側面を固定するネジ無し、底面の脚も無し。
 ・フロントパネルに白い番号シール、可変出力VRの目盛りに赤い目印シール。
 ・放送をモニターするため複数台のD-3300Tがラックに収まっていたのかな?
 ・放送局のモニタールームを妄想してしまいます。
 ・さて、アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部の文字数字が輝度劣化のため部分的に痩せて暗い。
 ・これは長期間に渡って同じ周波数を表示し続けていた証拠ですね。
 ・チューニングつまみの回転フィーリングがとても重い。
 ・もしかしたら回したことがほとんど無いのかも?
 ・地元FM局を受信しようとしたところ、
 ・オートチューニングでは局周波数をすべて素通りしてしまいます。
 ・Tuneメーター点灯しない、Signalメーターも点灯しない。
 ・RF切換 DIRECT / DISTANCE どちらでも受信しない。
 ・IF切換 WIDE / NARROW どちらも受信しない。
 ・マニュアル受信でも全く受信しない。
 ・Modulationを示す横バーが点灯しない。
 ・アンテナ端子B でも症状は同じ。
 ・REC CALトーンは一瞬音が出るがすぐに消える。
 ・これはなかなか手強そうです。

D3300t03 D3300t04 D3300t05 D3300t06 D3300t07

■原因調査------------------------------------------------------------

【電源部】
 ・長期間通電したまま酷使されていたという事からまずは電源部のチェック。
 ・電解コンデンサの液漏れやパンクなど目視で分かる不具合は無さそう。
 ・電圧の異常値は見当たらない。

【フロントエンド、RF部】
 ・VT電圧OK
 ・OSC発振周波数OK。IF信号は出ている。

【FM同調点】検波回路基板(X86-1020-00 B/3)
 ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・LA1231N-11ピン:Vcc → 15.1V OK
 ・LA1231N- 1ピン:IF IN → 10.7MHzOK
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力なし
 ・LA1231N-13ピン:S METER → 電圧なし
 ・同調コイルL9の内部コンデンサ容量抜け、またはLA1231N自体の故障か?

D3300t40_2

■修理記録:検波回路基板(X8601020-00 B/3)交換-----------------------

 ・検波回路基板(X8601020-00 B/3)を取り外す。
 ・実はD-3300Tの検波回路基板はKT-1100D、KT-V990、KT-7020と同じものです。
 ・そこで部品取り用にKT-7020を入手し、検波回路基板をD-3300Tに移植してみました。
 ・するとフロントパネルの表示管にTメーターとSメーター表示が出現!
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力OK、下記検波調整もOK。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧ゼロ
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧ゼロ
 ・まずは一歩前進ですが、音声出力端子からは非常に歪っぽい音が出てきます。
 ・一方マルチパスH端子からは正常な受信音声が聴こえます。
 ・さて、次はノイズ源の捜索。

D3300t40 D3300t41 D3300t42 D3300t43 D3300t46

■修理記録:ノイズフロアが異常に高い----------------------------------

 ・WaveSpectraで波形観察。
 ・マルチパスH端子からは正常な受信音が出ている。
 ・しかし音声出力端子からはノイズフロアが異常に高い音声が出てくる。
 ・REC CALトーンを出すと同様にノイズフロアが異常に高い。
 ・この現象の原因は電源系統のトランジスタか電解コンデンサの劣化か?
 ・まずは検波基板CN4-7ピンを辿って電解コンデンサ交換。
  ・C102 0.22uF/50V交換 → 効果なし
  ・C39 1uF/50V交換 → 効果なし
  ・C40,41 4.7uF/35V交換 → 当たり!
 ・原因は電源回路放熱板横にあるC40 4.7uF/35Vの劣化でした。
 ・音声出力端子、マルチパスH端子それぞれから正常な受信音が出るようになりました。

D3300t34

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-----------------------------------

 ・次なる問題はステレオ放送受信時に「STEREO」ランプが点灯しないこと。
 ・実際に聴感上もステレオ感がない。
 ・VCO調整を実施してもTP(VCO)に76kHzが出現しない。
 ・IC17(AN7418S)周辺の電解コンデンサ交換
 ・C126 0.47uF/50V交換 → 効果なし
 ・C127 0.22uF/50V交換 → 当り! STEREOランプ点灯
 ・C127が短絡していました。
 ・ついでにMPX回路の電解コンデンサをすべて交換。

D3300t50

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.2V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V ※実測25.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測-0.51V
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測+0.48V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■修理記録:オートチューニングで+0.1MHzズレる--------------------------

 ・上記調整方法で各部正常に調整できました。
 ・これで良し!と思って試聴を始めたところ思わぬ不具合発覚、、
 ・上り方向のオートチューニングではFM局周波数で正常に止まる。
 ・ところが下り方向では+0.1MHzズレた周波数で止まってしまう。
 ・メモリー選局すると検波調整はズレていない。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 正常
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 正常
 ・通電から1時間ほど経つと正常周波数で止まるようになる。
 ・コントロール部周辺の電解コンデンサー交換するも効果なし。
 ・この原因がよく分かりません。
 ・FM局をメモリーに登録し、メモリー選局すれば正常に使えます。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・かなり時間がかかりましたが、FM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって良い音が出ています。
 ・ただ、かなり劣化した表示部とオートチューニングの件がちょっと残念です。

D3300t08

■おまけ:D-3300TとKT-7020の基板比較----------------------------------

 ・検波回路基板と歪補正回路基板を並べてみました。
 ・検波回路基板は両者ほぼ同じ。
 ・歪補正回路を比べるとKT-7020は省略型。
 ・ただ基板は同じなので、部品を追加すればD-3300T同等の回路を作れるかも?

702005 702006

2018年3月25日 (日)

SONY ST-JX8

 ・2018年2月、ST-JX8の修理依頼品が届きました。
 ・依頼者様が発売当時に購入したワンオーナー品だそうです。
 ・これは何とか復活させたい、、
 ・以下、作業記録です。

Stjx809

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-JX8
 ・オーディオの足跡 SONY ST-JX8 ¥70,000(1981年発売)
 ・取扱説明書 日本語版、PDF形式

Stjx801 Stjx811

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも外観に目立つキズは無くとても綺麗。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。周波数表示が明るく点灯。文字痩せなし。
 ・早速オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたところ、
 ・全局とも放送周波数を素通りして受信不可。
 ・手動選局を試みると、Sメーターが最低レベルで点灯して受信OK。
 ・かろうじて受信できる程度なのでSTEREOランプ点灯しない。
 ・AM放送は背面バーアンテナで受信OK。
 ・どこか故障個所があるのか?それとも再調整だけで復活するか?

Stjx802 Stjx805 Stjx806 Stjx807 Stjx808
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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・独立したフロントエンドユニット、レシオ検波
 ・LA1235:FM IF System
 ・uPC1223C:MPX System
 ・LA1245:AM Tuner System
 ・内部構成はST-J75とよく似た印象です。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ネット検索ではST-JX8の資料が見つかりません。
 ・ST-J75の調整方法を参考にしながら調整手順を組み立てました。

【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP-CV → 電圧計セット
 ・76MHz → L5調整 → 7.5V ※確認のみ
 ・90MHz → TC5調整 → 21.7V※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・R228両端(IC201:LA1235横)電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT201調整 → 電圧0V±10mV ※実測-1.8V
【レシオ検波調整】
 ・TP-NULL~GND 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → IFT202(黒:左)調整 → 電圧0V±10mV ※実測+1.1V
 ・83MHz受信 → IFT202(赤:右)調整 → 歪率最小
【フロントエンド調整】
 ・IC201:LA1235-13ピン(またはJW51)電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 →  CT1~CT4,IFT101調整 → 電圧最大
  ※L1~L4がボンドで固められているので調整不可
  ※83MHzでCT1~CT4を合わせる方法で調整しました
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → RT201調整 → 受信できる位置
【Sメータレベル調整】
 ・83MHz 80dB受信 → RT203調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
 ・TP-76K(R307左足)~GND 周波数カウンタセット
 ・83MHz(無変調)→ RT302調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小
 ・83MHz(ST)→ L301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST-Lch)→ RT305調整 → Rch最小
 ・83MHz(ST-Rch)→ RT355調整 → Lch最小
【OUTPUTレベル調整】
 ・音声出力端子 TP62 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT305調整 → Lch 0.775V
 ・音声出力端子 TP64 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT306調整 → Rch 0.775V
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベル測定
 ・REC CALオン → RT202調整 → 音声出力レベル-6dB
 ※実測366Hz
【AM VT電圧調整】
 ・CT401 CT402
 ・L401 バーアンテナ
 ・RT401(AM SIG)電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・IFT401、IFT402
 ・RT402(AM MUTE)

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・精悍なフロントマスクがカッコいいですね。
 ・FM受信の問題は、経年変化によるFM同調点のズレが原因でした。
 ・同調点以外の各調整ポイントも大幅にズレていました。
 ・再調整によって現状でのベスト状態になったと思います。
 ・アンテナ環境のセッティングをいろいろお試しください。

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2018年3月18日 (日)

PIONEER F-717 修理調整記録2

 ・2018年2月、F-717の点検と調整作業をお受けしました。
 ・AM音量が小さいとのご指摘です。
 ・以下、作業記録です。

Pioneer_f71709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-91 輸出機のサービスマニュアルあり

Pioneer_f71701 Pioneer_f71711

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
 ・電源コードの印字:1978
 ・FM用75Ω端子はA/Bの2系統。
 ・FMアンテナA端子に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・蛍光表示部は正常に点灯。文字痩せ、文字欠け無く輝度も十分。
 ・オートチューニングで名古屋地区のFM局を正常受信。
 ・Sメーターのレベル表示OK。STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
 ・同梱いただいた純正AMループアンテナを接続してAMチェック。
 ・AM局もSメーター全点灯状態で受信OK。
 ・FM/AMとも基本動作は良さそうです。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板上のシールドケース目立ちます。
 ・オーディオ用電解コンデンサー(緑色MUSE)がたくさん並んでいます。
 ・F-717の底面には点検口がないのでメンテナンス性は最悪です。
 ・シールドケースを外すにはボディを分解して基板を取り外す必要があります。
 ・今回はハンダ面を確認できる程度の「半分解」で止めました。

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 ・シールドケースを外した状態の写真は前回1号機の写真を流用しました。
 ・複雑な回路構成を理解するために信号の流れを書き込んだ図を再掲します。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・SMにはRF調整、信号系の同調点調整、MUTING調整、REC LEVEL調整しか載っていません。
 ・ブロック図、回路図、回路解説を参考にして調整手順を組み立ててみました。
 ・正しい方法かどうか分からないので参考程度です。

F717_align

●FM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33電圧計セット
 ・90MHz → 実測値  L3調整 → 23.5V ※実測23.3V
 ・76MHz → 実測値  7.1V ※確認のみ
【RF調整】
 ・TP22(=IC108 PA5008-10ピン)電圧計セット ※Sメーター電圧確認
 ・90MHz 60dB受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大へ
 ・76MHz 60dB受信 → L1,T1,L2調整 → 電圧最大へ
【制御用検波調整】
 ・TP24~TP26 電圧計セット ※R181両端=Tメーター出力
 ・83MHz 60dB受信 → T103a(奥)調整 → ±0V
 ・TP25(=IC108 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続 ※クアドラチュア検波出力
 ・83MHz 60dB受信 → VR101調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T101,102調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T103b(手前)調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR106調整 → MONO歪最小
【IF VCO調整】
 ・TP29 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → L118 調整 → 13.45MHz ※実測13.41MHz
 ・TP27 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → 10.7MHz ※確認のみ
【IF歪調整】
 ・TP15(=IC201 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続
 ・83MHz 60dB受信 → VR107調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T105,T106,T107,T108,T109,T104調整 → MONO歪最小
【検波歪調整】
 ・83MHz 60dB受信 → シールドケース内T201調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR201,VR202調整 → 高調波歪最小
【38kHz調整】
 ・TP19 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB(無変調)受信 → VR206調整 → 38kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR207調整 → 19kHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR204,VR209調整 → L-R調整
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR205,VR208調整 → R-L調整
【Sメーター調整】
 ・VR104(=IC108 PA5008 10ピン)→ Sメーター点灯レベル調整
 ・VR102 ※VR104との関係がよく分からない
【ミューティング調整】
 ・83MHz 18dB受信 → VR103調整 → ミューティング動作位置へ
【REC LEVEL調整】
 ・REC CAL オン → 出力レベル確認(実測339Hz)→ VR302調整 → 出力レベル-6dB
 ・実測319Hz
●AM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33 電圧計セット
 ・522kHz → L301調整 → 2V±0.3V ※実測2.9V
 ・1629kHz → TC301調整 → 19.5V±0.5V ※実測24.5V
【受信調整】
 ・TP35 電圧計セット
 ・VR301を中央位置にセット
 ・729kHz 受信 → T301調整  → 電圧最大へ
 ・1332kHz受信 → TC302調整 → 電圧最大へ
 ・603kHz 100dB受信 → VR301調整 →4.9V±0.1V ※注意:5.2V以上にしないこと

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも故障個所は無かったです。
 ・電解コンデンサーはすべてオリジナル状態でした。
 ・FMは受信感度とセパレーション値が大幅に改善しました。
 ・AM部はちょっと高過ぎたVT電圧を基準値に合わせました。
 ・AM受信時の音量が小さいとのご指摘ですが、
 ・私が持っているF-717と比較したところほぼ同じレベルでした。
 ・たぶんこれがF-717の特性だと思います。

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