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2008年1月 6日 (日)

YAMAHA T-2000W

Yamaha_t2000w01  2007年12月初め、音楽仲間の友人からYAMAHA T-2000Wをいただきました。外観は目立つ傷も無くサイドウッドは光沢があってツルピカです。取扱説明書、AMループアンテナ、FMアンテナ用PAL端子アダプタ、FM簡易アンテナなど付属品も揃っています。オートチューニング時に0.2MHz低い周波数でロックされるという不具合があるそうです。FMアンテナ端子のPALとFの変換アダプタの件は既報ですが、入手から約1ヶ月かけて調整&聴き比べた記録です。

Yamaha_t2000w10  1983年製で当時の定価は85,000円、YAMAHAとしては最上級機ですが同時期のKENWOOD KT-3030が10万円超ですからからチューナー市場では「中級機の上クラス」という位置付けでしょうか。当時の私はSONY ST-J75の性能に十分満足していたのでカセットデッキを次々と買い替えていた頃です。TICで調べてみると「YAMAHA T-80」が輸出仕様機のようです。英語版サービスマニュアルの一部が入手できたのでしっかり調整できそうです。

Yamaha_t2000w15  「ウルトラリニアダイレクトディテクタ」って「超直線直接検波」??。何だか意味が分かりませんが回路図を見ると「HIGH S/N WIDE RANGE YAMAHA RATIO DETECTOR」と記載されているので「広帯域レシオ検波」の事だと分かります。調べたところ1990年のTX-2000も「広帯域レシオ検波」ですね。これはちょっと驚きでした!

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■T-2000W関係情報

【オーディオ回顧録】
 http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/t-2000w.htm

【Tuner Information Center(TIC)】
 http://www.fmtunerinfo.com/

【T-80英語版サービスマニュアル】
 「T-80_service_manual.pdf」 PDF形式、約1.3MB

【ブロックダイヤグラムや特性表、仕様一覧表】
 「YAMAHA T-2000W 取扱説明書 PDF形式、約11.3MB

【YAMAHAチューナー:CIS搭載機の系譜】
T-8(1980)→ T-2000W(1983)→ T-2X(1987)→ TX-2000(1990)

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■取扱説明書より特長を抜粋

【FMチューナー部】
・5連バリコン相当(高耐圧ツインバラクタダイオード採用)のダブル-ダブルの妨害特性重視同調段。
・RFサーボゲインコントロール回路、高感度デュアルゲートMOS FET採用の広ダイナミックレンジRF増幅段。
・混変調、相互変調等の強入力妨害特性の優れたバランス型ミキサーに、更にアンテナアッテネーター採用の新開発フロントエンド。
・LOCALモードで低損失ユニレゾナンス型セラミックフィルター2段、DXモードで4段採用の高選択度、超低歪率IF増幅段。
・マイコン制御による妨害検出型DX-LOCAL自動IF帯域幅切替回路。

【FM MPX部】
・C-MOS・DC NFBスイッチング方式PLL MPXデコーダー。
・スイッチングアンプ、ポストアンプ等の信号ラインには、独立した高速低雑音オペアンプを使用。
・アンチインターフェアランスPLL回路、トラッキングサーボパイロットピュアキャンセル回路。
・音質重視のパッシブ型ディエンファシス回路、ノイズブレンドとハイカットフィルターを組合せ、セパレーション劣化の少ないFMノイズリダクション回路。

【AMチューナー部】
・電界性雑音に強い低インピーダンスループアンテナ。
・高耐圧バラクターダイオードによる二連バリコン相当の同調回路、非同調RFカスコード増幅段、二重平衡型差動ミキサー、3ポール型IFT採用IF増幅段。低歪率検波回路、隣接局間ビート妨害除去フィルター。
・ディエンファシスのON/OFFによりプリエンファシス放送に対応。

【コントロール部】
・C-MOS 4bitマイコン及び専用ICによるコントロール部の制御。マイコンはスーパーキャパシターによりバックアップ。
・オートサーチ、マニュアルサーチ、ファインチューニング、更にプリセットチューニングの4wayチューニングシステム。
・3way RXモード、FMアッテネータ、FILTER及びTUNINGモードをプリセットごとにメモリー可能。
・AM/FMランダム10局プリセット、電源投入時のラストステーション及びイニシャルステーションのセット機能。
・LEDによる5桁周波数表示回路。24ドットのシグナル/マルチパス切替式LEDバーグラフ。
・機能的パネルレイアウトによる美しいデザイン。

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Yamaha_t2000w13  カタログや説明書には性能を誇示する宣伝文句(難しいカタカナ専門用語)が並びますが、回路図やブロックダイヤグラムを見ながら実際の基板で確認することが最近の楽しみの一つです。電気電子の素人にはとても良い勉強材料になります。例えば回路図には以下のような記載があるので、実際の基板で部品の配置や宣伝文句の意味を確かめるわけです。

【RF段】
[DOUBLE TUNE]→[RFAMP]→[DOUBLE TUNE]→[ZERO IM MIXER]
[T101→ T102]→[3SK73]→[T103→ T104]→[T105]

【IF段】
UNI RESONANCE CERAMIC FILTER:LOCAL-MODE 2段 [CF201]→[CF204]
UNI RESONANCE CERAMIC FILTER:DX-MODE 4段 [CF201]→[CF202]→[CF203]→[CF204]

【検波段】
HIGH S/N WIDE RANGE YAMAHA RATIO DETECTOR→[広帯域レシオ検波]
S-CURVE CONTROLLER [NVcc-TM間で調整]

【MPX段】
SANYO LA3380 PLLマルチプレックスステレオ復調器→「C-MOS・DC NFBスイッチング方式PLL MPXデコーダー」
SANYO LA3170 汎用広帯域アンプ→「高速低雑音オペアンプ」

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■調整記録

 サービスマニュアルは英語ですが調整箇所を示すイラストページもあるのでそんなに難しくはありません。ただフロントエンド部の調整方法は記載がなかったので、外観がほとんど変わらないT-85(T-80の改良型?)のサービスマニュアルを参考にしました。フロントエンド部の調整箇所は写真に追記しておきました。
■内部写真は写真集にまとめました。

【注意事項】
・まず先にFM部を調整し、次にAM部を調整すること。
・出力端子は「HIGH側」を使用すること。
・100%変調とは周波数偏移75kHzを意味すること。

【各部電圧チェック】
・基板表示 +30V → +30±3V
・基板表示 +12V → +12.5±0.5V
・基板表示 FB → FM受信時+12±1V、AM受信時+1V以下
・基板表示 AB → FM受信時+1V以下、AM受信時+12V±1V

【フロントエンド部の調整】
・90MHz OSC部T106を調整してVt端子の電圧を25±0.2Vに。
・76MHz Vt端子の電圧が5V以下を確認。(実測値=3.2V)
・以下の調整は本体シグナルメーターが最大値になる事を確認。
・RF部調整 SSG(76MHz、30dB)T103調整して最大に。
・RF部調整 SSG(90MHz、30dB)VC103を調整して最大に。
・RF部調整 SSG(76MHz、30dB)T104調整して最大に。
・RF部調整 SSG(90MHz、30dB)VC104を調整して最大に。
・上記の調整を数回繰り返す。
・ANT部調整 SSG(76MHz、30dB)T101調整して最大に。
・ANT部調整 SSG(90MHz、30dB)VC101を調整して最大に。
・ANT部調整 SSG(76MHz、30dB)T102調整して最大に。
・ANT部調整 SSG(90MHz、30dB)VC102を調整して最大に。
・上記の調整を数回繰り返す。
※シグナルメーターの代用でVR210とGNDに直流電圧計を接続して最大値に調整する方が正確。

【1.2.FM同調点の調整】
・FM受信モード=AUTO
・NVcc~TM間にセンターメーターを接続。
・SSG(83MHz-70dB)83MHzで受信しながらT203(CENTER)を調整してメーターを中央に。
・受信状態を大きく外した状態でもメーターが中央位置かどうかを確認。
※バリコンチューナーから部品取りしたチューニングメーターに39kΩを挟んで使用。これ便利です!!

【3.モノラル歪調整】
・チューナーの音声出力をUA-4FX経由でWaveSpectraに接続してスペクトル観察。
・SSG(83MHz、70dB、Mono、1kHz、100%変調)T-2000WではLOCALモードで受信。
・VC202とVR203を調整してWaveSpectraを見ながら歪みを最小に。(歪率計があれば-66dB以下に)

【4.VCO調整】
・R197とJ150に2.2MΩの抵抗を接続(強制ステレオモードになる)。C169に周波数カウンタを接続。
・SSG(83MHz、70dB、無変調)
・VR207を調整して周波数カウンタで19kHz±10Hzに。
※R197=R467、J150=J268の記載ミス?さらにC169の位置不明。
※上記の状況から【4】の調整は以下の方法で代用。
  ・ADJ.PARTと記載のある抵抗の両端に直流電圧計を接続
  ・SSG(83MHz、70dB、Stereo、1kHz、100%変調)VR207を調整して電圧最大に。
  ・WaveSpectraで観察すると電圧最大位置では二次三次高調波が最小になる。

【5.PLL調整】
・上記2.2MΩの抵抗をはずす。
・SSG(83MHz、70dB、Stereo、1kHz、無変調)
・T211のコアを調整してWaveSpectraで出力波形を最大に。
※出力がほとんど変化しないのでこのまま終了。

【6.ステレオ歪調整】
・SSG(83MHz、60dB、Stereo L,R、1kHz、100%変調)T-2000WではLOCALモードで受信。
・L側:T201とVR201を調整してWaveSpectraを見ながら歪みを最小に。(歪率計があれば-56dB以下に)
・R側:T202とVR202を調整してWaveSpectraを見ながら歪みを最小に。(歪率計があれば-56dB以下に)
※WaveSpectra実測値で-60dBまで改善できます。

【7.DXモードの歪調整】
・SSG(83MHz、60dB、Stereo L,R、1kHz、100%変調)T-2000WはForcedDXモードで受信。
・VC201を調整してWaveSpectraを見ながら歪みを最小に。

【8.モノラル歪確認】
・SSG(83MHz、70dB、Mono、1kHz、100%変調)T-2000WはAUTOモードで受信。
・モノラル歪が最小であることを確認する。(歪率計があれば-50dB以下に)
※WaveSpectra実測値で-66dBまで改善できます。

【9.ステレオセパレーション調整】
・SSG(83MHz、60dB、Stereo L,R、1kHz、100%変調)T-2000WはAUTOモードで受信。
・L側:VR205を調整してWaveSpectraを見ながら反対chへの漏れを最小に。(40dB以上確保)
・R側:VR206を調整してWaveSpectraを見ながら反対chへの漏れを最小に。(40dB以上確保)
※WaveSpectra実測値でLRとも62dBまで改善できます。

【10.パイロット信号キャンセル】
・SSG(83MHz、70dB、パイロット信号のみ、9%変調)T-2000WはAUTOモードで受信。
・T212とVR208を調整してWaveSpectraを見ながら19kHzの漏れを最小に。
※実放送を受信しながら調整した方が確実。

【11.シグナルインジケーター点灯調整】
・SSG(83MHz、70dB、Stereo L,R、1kHz、30%変調)T-2000WはLOCALモードで受信。アンテナアッテネータOFF。
・VR210を調整してすべてのシグナルLEDが点灯する位置に。

【12.マルチパスインジケータ確認】
・SSG(83MHz、70dB、Stereo L,R、1kHz、30%変調)T-2000WはAUTOモードで受信。
・マルチパスメータに切り替えたとき、インジケーターがゼロを示すことを確認。

【13.周波数表示調整(FM IFオフセット調整)】
・SSG(83MHz、70dB、Stereo L,R、1kHz、30%変調)T-2000WはAUTOモードで受信。
・TP(K4)とTP(T6)を短絡すると周波数表示が「83.0」→「3.06」のように切り替わる。
・VR209を調整して「3.06」→「3.00」に合わせる。
※SSGの精度に不安があったので実際の放送波を受信して再確認しました。

【部品交換】
・0.047F 5.5Vのメモリバックアップ用スーパーキャパシタを0.1F 5.5Vに交換しました。
以下省略・・AM部調整など続きはサービスマニュアル(PDF形式)をご覧ください。

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■試聴

Yamaha_t2000w34  今まで多くのチューナーに触れてきましたが今回初体験なのは「デジタル・ファイン・チューニング」。何と0.01MHz単位で受信周波数を微調整できます。我が家の受信環境で82.5MHzのNHK-FMを試したところ上限は82.68MHz、下限は82.31MHzまでステレオ受信可能でした。デジタルなのにアナログ的な感覚です。

 NHK-FMの年末年始特集番組をずっとこのT-2000Wで聴きました。正月三が日はずっと暇だったのでDA-F9000、KT-2020、ST-S333ESGと聴き比べました。同じレシオ検波のST-J75も動員してみました。各機種ともそれぞれ微妙な音質差はありますが、キチンと調整できた効果が大きいようで聴き比べた結果はかなり良好でした。

 オーディオチェックCD14曲目の周波数スイープ信号を送ってみたところ、高音域までとてもきれいな信号波形が観察できました。1枚目のスペクトル写真のようにメイン信号に対して2次3次高調波はほとんど発生しません。これは歪調整がちゃんとできたST-S333ESG、DA-F9000の観察結果と同じ傾向です。

[C-711M]→[VP-7633A]→[LEADER3215]→[T-2000W]→[UA-4FX]→[WaveSpectra]

T2000w2
T2000w3

 オーディオチェックCD7曲目のチェンバロ曲も非常に良い印象です。高音域の余韻がとてもきれいに聴こえます。YAMAHAらしいすっきりしたデザインや質感の高いサイドウッドも好印象。全体に◎です。

T2000w1

 唯一残念なのは留守録用のプログラム機能が無いこと。PIONEER F-120Dもそうでしたが電源ON/OFFに伴って受信局を切り替えられない点が惜しいところです。

Yamaha_t2000w03 Yamaha_t2000w36  メモリーボタンのプレートをイラストレータで作ってみました。ai形式のファイルとpdf形式のファイルを用意しましたので必要な方は加工してご利用ください。この機種はメモリー全ボタンが赤く点灯し、選択したボタンだけが黄色に変わります。色調変化が乏しいのでオリジナル同様に文字だけ光るようにするには印刷素材が難しいですね。以前制作したSONY ST-J75と同様にOHP用のプリンタ用紙を使ってみました。

Yamaha_t2000w37

■メモリーボタン自作用データ : イラストレータ.ai形式 <zip圧縮ファイルダウンロード> : PDF形式

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コメント

T-2000Wを入手してしまったので「ひろくん」さんに使ってもらおうかなと考えております。

BLUESS様がT-2000Wを持っているので細かい使った実感なんかをここに書くなり「ひろくん」さんのHPに書くなりして「ひろくん」さんに伝えていただければと思います。

T-2000Wのコンデンサー総交換を計画中で、ちょうど必要なパーツを揃えたところです。
交換後に再調整しようと思っています。

別に不具合がある訳ではなく、現状でもなかなか上質な音です。
DA-F9000に似てるかな?・・という印象です。

ただ留守録機能が弱い点が残念ですね。

初めまして、船野と申します。
突然のコメントお許しください。
YAMAHA T-2000Wを私も入手したので検索していた所、貴殿のブログを拝見させて頂いた次第です。

入手したチューナーのメモリープレートが経年劣化で折れて、破損してしまい途方に暮れて居ります。幸いにも、内部では無く、取り出した時でした。
そこで、どこかで入手可能か?もしくは何か良いアイディア等が有れば御教授して頂きたくコメントしました。
御手数をお掛けいたしますが、御知恵を拝借させて下さい。 

小さな放送局名パネルを保持するプレートのことですね?

アイデアとしては、

・掲載している自作用データでOHP用透明シートに印刷する。
・一つずつバラバラに切らず、プレートサイズに合わせて細長いまま使う。
・厚みが足らない場合は透明プラ板などを台紙にする。

いかがでしょうか?

早速の御返事有難う御座います。
厚手の透明なプラ板が良さそうですね。
それに自作用データを貼り付けて試して見たいと思います。

縦、横のサイズはカット&トライで試行錯誤する必要が有りそうですが、まだまだ使える良いチューナーですから大切にしたいと思います。
有難う御座いました。

初めまして、村松と申します。
突然のコメントお許しください。
YAMAHA T-2Xを入手し情報を探しておりましたところ、BLUESS Laboratoryのページにたどり着きました。
入手した個体の選局選択用2色LEDが1本点灯しませんでしたので、回路図から品番を探したのですが見つかりませんでした。そこでネット検索で見つかった5mm赤/黄発光LED〔3181〕を手配したのですが、色と明るさが異なっていました。

お手数をおかけしますが、LEDのメーカー、品番等情報をご存知でしたらお教えいただけますと、幸いです。
以上よろしくお願いいたします。

こんにちは。お問い合わせありがとうございます。

手持ちの資料でLED情報を探しましたが、やはり記載はないですね。

現在入手可能なLEDで全数交換する方法が良さそうに思います。

早速のご回答ありがとうございます。
ご提案いただいた方法で進めたいと思います。

ありがとうございました。

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