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2008年5月11日 (日)

SANSUI SLDD

Sldd 70701  以前からサンスイ製のTU-S707X(★)を所有していますが、最近同じサンスイ製のTU-α707(●)を入手しました。フロントパネルにはどちらにも[SLDD]のロゴが入っています。昔からお馴染みのロゴマークなのに実はその意味は良く知りません。ゴールデンウィークの宿題にちょうど良いと思っていろいろ勉強しました。以下その記録です。

■サンスイ製シンセチューナーの系譜--------------------------------------
 これはcooltune様のサイトに纏められています。
 →http://cooltune.s28.xrea.com/sansuitu.htm

  1984年 TU-S707X \54,800  ★
  1984年 TU-S707X DECADE \54,800
  1986年 TU-α707 \??,800  ●
  1987年 TU-α707i \59,800
  1989年 TU-α707Extra \54,700
  1991年 TU-α707R \53,800

■SLDD --  Super Linear Digital Decorder  ------------------------------------
 TICで検索したところカタログの一部?と思われるA4サイズ2ページの解説文書(英文)が見つかりました。専門用語が難しいだけで英文自体は平易な文章です。一通り読んだ感想は「SLDDってSONYのWODSDと同じじゃん・・」と言うことでした。どちらも高セパレーション化を目指したMPX回路技術です。

 ・SANSUI SLDD解説→SANSUI_SLDD.pdf

 同じTICで[TU-S77X/S77XW]と記載された回路図も入手できます。以前1984年製[TU-S707X]の調整記事を書いたとき、この回路図と実機を照合しました。一部実装されていない部品もありましたが、回路図と[TU-S707X]はほとんど一致します。この回路図で示されたMPX部がディスクリート回路による[SLDD]だと思われます。

Sldd_s707Tus77xrfif Tus77xmpx

 [TU-S707X]ではセパレーションがWIDE/NARROWそれぞれにL/R独立で調整可能です。WaveSpectraで1kHzの波形を見ながら70dB程度まで改善できます。19kHzパイロット信号キャンセルもL/Rそれぞれきっちり調整できます。非常に優秀な回路だと思います。

Sldd_a707  1986年製[TU-α707]ではディスクリート回路に代わって[SANYO LA3450]により[SLDD]が実装されています。セパレーションや19kHzパイロット信号キャンセル調整用の半固定抵抗の数は随分減っていますが、それでもセパレーション、高調波歪共にきっちり調整可能です。[TU-S707X]とは多少違った音質ですが、聴き心地の良い音が出てきます。

■WODSD --  Wave Optimized Digital Stereo Decorder  --------------------
Sldd_esx2 Sldd_esg Sldd_esa  ソニー製シンセチューナーの[ST-S333ESXⅡ]や[ST-S333ESG]の基板を見ていると[WOIS][WODSD]とシルク印刷された回路があります。また本体正面パネルには[Wave Optimizer Tuner]という表示もあります。これらは[Wave Optimizer Technology]=「波形最適化技術」=「各段に投入された技術の総称」であることが[ST-S333ESXⅡ]掲載の技術解説を読んで理解できます。

 ・SONY ESシリーズ テクノロジーカタログ →SONY_ES_1987_10.pdf

 1987年製[ST-S333ESXⅡ]では[SANYO LA3450]によって[WODSD]が実装されています。1989年製[ST-S333ESG]では[SONY CXA1064]によって[WODSD]が実装されています。

■[SANYO LA3450]≒[SONY CXA1064]、[SLDD]≒[WODSD]  ------------------------------
 ネット検索すると[SANYO LA3450]のデータシートはすぐ見つかりますが[SONY CXA1064]のデータシートが見つかりません。このような状況なのであくまで推論です。でも状況証拠から[SANYO LA3450]≒[SONY CXA1064]、同様に[SLDD]≒[WODSD]と推察できます。[SLDD]と[WODSD]が完全に同一の技術又は回路かどうかは分かりませんが、やっている事、得られる効果はほぼ同じだと思いました。興味ある方はリンク先資料をお読みください。

■最後に  -------------------------------------------------------------
Sldd_711  サンスイやソニーの独自技術と思われた[SLDD]や[WODSD]は実は[SANYO LA3450]で実現されているという事です。あるいはディスクリートで組まれた[SLDD]や[WODSD]をIC化したのが[SANYO LA3450]だったと言うことかも知れません。ひょっとしたら[SANYO LA3450]はサンスイ・ソニー・サンヨーの共同開発だったのかもしれません。勝手な推測ですが・・

 同じ[SANYO LA3450]を搭載したチューナーに1987年製[VICTOR FX-711]があります。フォトカプラーによる光伝送が売りの機種でしたが、ビクターはこの[LA-3450]回路技術に関して特にPRしていなかったようです。でも実際に調整してみると707シリーズや333シリーズ同様の高性能を発揮していることが体感できます。

 自分では良い勉強になったと思っていますが、もしも技術的な間違い、勘違い、勝手な思い込みなどがありましたら是非ご指摘ください。よろしくお願いします。

■■追記 2008年5月17日 ■■■ TU-S707X 再々調整の記録 ■■■■■■■■■■■■■

 約一年前に掲載した[TU-S707X]の調整記事ですが、今回[SLDD]がよい勉強になったのでこれを機会に再度調整してみました。特にセパレーションについて、回路図を参考にしながら調整してみました。正しい方法かどうかは分かりませんが興味ある方はご覧ください。

【TU-S707X 再々調整の記録】
 →http://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2007/06/sansui_tus707x_c1c6.html

 

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コメント

初めまして。いつも更新を楽しみにしております。
SLDDとは関係無いのですが、私もTU-S707Xを所有しており、数年前の事を思い出しました。IF以降はOK、フロントエンドのRFやMIXのFETもOK、局発も正確な周波数で発振しているのにFMが全く受信できない状態で入手したのですが、原因は思わぬことに局発のトリマコンデンサの容量抜けでした。VCOが正常な状態より低い制御電圧でロックするためにRF段がトラッキングエラーを起こし感度が全く無くなっていました。拙HPに記録が残ってましたのでご興味があればご覧ください。では・・・

exjf3eqs様

ホームページを拝見しました。

検波方式によるチューナー一覧表が興味深いです。
私も似たような作業を進めていますので参考にさせていただきます。

またいろいろとご教授ください。
よろしくお願いします。

 こちらこそいつも勉強させていただいています。特にDCC等の歪打ち消し効果がFFTで見える、というのは新鮮な驚きでした。

 拙HPは私的な防備録と化していてお恥ずかしい限りです。FM検波方式のまとめはKT-1100の検波部修理で周波数変換の関係を調べたのがきっかけでしたが、各方式の工夫と進化がしのばれ興味はつきません。
 でも、こんなことに興味を持つ方が他にもいらしていることのほうに驚きました・・・

 では、またの更新を楽しみにしています。失礼します。

SLDD類の製品化を見るとサンスイがソニーよりも2年以上早いようです。
電波科学の1984年2月号にサンスイが開発したとする小さな記事が出ています。

SLDDとほぼ同時期にトリオがダイレクトピュアデコーダー(DPD)を開発しています。
どちらもスイッチング方式以前に使われていたマトリクス方式がリニューアルして再登場したようです。
SLDDはウォルシュ関数を使って方形波を合成した波形、DPDが正弦波を使っているという違いがあります。
単純な方形波やパルスを使うスイッチング方式に限界があったのでしょう。

> exjf3eqsさん
ホームページ拝見しました。
これからも参考にさせていただきます。
Pulse count detectorの一覧表でKT-880ではステレオとモノの歪率の差がKT-770より小さくなっています。
これはダイレクトピュアデコーダーの効果でしょう。
700Tはまだパルスカウントではなかったと思います。

exjf3eqs様

>こんなことに興味を持つ方が他にもいらしていることのほうに驚きました・・・

ホント、そうですね(笑)
でも古いFMチューナーを手入れしながら使おうとするとき、当時の回路技術や製品情報を学ぼうとするのは自然の流れだと思います。

興味を持つ方は私以外にもかなりいらっしゃいます。たぶん・・


cooltune様

DPDは1984年のKT-2020に搭載されていますね。
実機で回路を見ながら確かめてみます。

勉強材料は尽きません。いつもありがとうございます。

cooltune様はじめまして。

>700Tはまだパルスカウントではなかったと思います。

 ご指摘有難うございます。すみません、レシオ検波だったんですね。早速HP訂正しました(LinkFreeとのお言葉に甘えて訂正箇所からcooltune様のページに勝手にLinkしたりしてます)

cooltune様、Bluess様

>DPDについて

 KT-1100DもDPDでしたでしょうか?アナログ掛算機のMC1495が入っているので、L-R信号の復調に使ってるのかなー?とは何となく思ってました。手元にKT-770があるのでまた聴き比べてみます。でも私の耳では音質の差まではわからないかも・・・です。

 蛇足ですが、KT-770の横幅は400mmで通常のEIAラックサイズより少し狭いのですが、重ねてみるとパイオニアのF120と幅・高さ・奥行きとも寸分たがわず同一なのです。

では、失礼します。

「サンスイ製シンセチューナーの系譜」としてご紹介いただいていたのですが、あまりに手抜きだったため追加修正しました。
http://cooltune.s28.xrea.com/sansuitu.htm

手抜きしていたのはウルトラマン兄弟並みに似たようなものが次々に発売されていたため記憶ではどうにも書けなかったためです。
ある程度整理できましたがやっぱりよく分かりません(笑)

1992年頃にTU-α707Rを使っていた経験があります。
かなり満足できる音だったと記憶しています。
α707シリーズの進化の過程が明らかになると面白いですね。

実はTU-α707に続いて最近TU-α707iを入手しました。
両者を比較した結果ですが・・・

・本体正面の「SANSUI」のロゴが違う。
・外観、回路構成、部品配置はまったく同じ。
・使っているICもすべて同じ。
・MPX段LA3450近くにあるC78が707では電解コンデンサ、707iではフィルムコンデンサに変わっている。

最近は仕事が忙しくて趣味の時間が全く取れません。
お盆休みにはこの辺りの事をまとめたいと思っています。

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