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2008年10月 5日 (日)

TU-S707X MPXデコーダー化実験(1)

S707x2_1  先週cooltune様の掲示板で「MPXデコーダー」の話題を拝見しました。あるFMチューナーの検波出力を別のチューナーのMPX回路に入れて復調させる・・というアイデアです。今日を逃すとこの先当分休みが無いので、早起きして手持ちの機材で実験してみました。

 →http://cooltune.s28.xrea.com/

■SONY ST-5950(1976年)FM5連バリコン搭載 FM検波出力端子あり
 →ST-5950の紹介記事

 バリコンチューナーは何台も持っていますがリスニング用は一台あればいいので、定期的に交換しながら聴いています。ST-5950はたまたま最近リスニング用に使っている機種です。音のイメージも頭に残っているのでMPXの違いを比較しやすいと思いました。

5950707_2 5950707_3 5950707_4 5950707_5 5950707_6

 ST-5950の背面にはこの頃のチューナーによくある「FM DET OUT」端子があります。FM4チャンネル放送用デコーダーを接続するためですが、この端子から復調される前のFMコンポジット信号が出ています。この信号をTU-S707XのMPX(※接続箇所は後述)に入れたところ期待通り音声が出てきましたが、信号レベルが低すぎるのかステレオ音声になりません。

SONY ST-5950 FM DET OUT信号FMA5950detout

5950707_135950707_14  次にST-5950のMPX用IC[HA1156]-2pinの手前から検波信号を取り出してTU-S707XのMPXにいれてみると、これは成功でした。TU-S707Xの前面パネルのステレオインジケーターが点灯しステレオ音声が出てきます。比較するまでも無くST-5950で復調した音声とは完全に別物の音です。

■SANSUI TU-S707X(1985年)SLDD搭載
 →【過去記事】SANSUI TU-S707X 調整記録 
 →【過去記事】SANSUI SLDD

 TU-S707XのMPX回路はSLDDが組み込まれたディスクリート構成です。セパレーションは約70dB(1kHz)ほど確保できますし、高調波歪も抑えられています。双子機のTU-S707X DECADEも持っているので「一台は壊してもいいや・・」と割り切って作業できる点が何よりです(笑)

5950707_6new  TU-S707Xはメイン基板が2枚に分かれており、正面から見て右側が「RF-IF部」、左側が「MPX部」です。右側基板にある[HA12412]-6pinからの検波出力がフラットケーブル[C]の1番端子を通って左側基板のMPX回路に入っています。ST-5950の検波出力をここに接続しました。両機のシャーシを繋いでGNDを取っています。

 →【回路図1】TU-S77X (TU-S707X)
 →【回路図2】TU-S77X (TU-S707X)

5950707_7 どうせならMPX部の基板だけで動作できないかと思い、二つの基板を繋ぐ黒いフラットケーブルを全部外してみました。案の定音は出なくなります。ここから回路図を見ながら考えました。フラットケーブル[A]の5-6と7-8をそれぞれ直結すると音は出るようになりました。ここは[REC CALL信号]との切替用です。ところが今度は音声がステレオになりません。

試行錯誤の結果フラットケーブル[B]と[D]を接続した状態ではステレオになることが判明。さらに細かく検証すると、フラットケーブル[B]8番端子と[D]4番端子を接続するとステレオになることが分かりました。ステレオランプは点灯しますが、ただその他の表示はおかしくなっています。
※2008年10月12日訂正&追記・・詳細は下の方で・・

5950707_8 5950707_12 5950707_9 5950707_10 5950707_11

 私の技量ではここまでです。そもそもこの方法が正しいかどうかも分かりません。とりあえずTU-S707Xは壊れなかったようです。配線を復元して正常稼動を確認しました。専門家の方のご意見をお伺いしたいです。

■NHK-FMのスペクトルを見て・・
 作業しながら気が付いたことがあります。こちらは愛知県のNHK名古屋放送局(82.5MHz)を受信していますが、14-15kHz付近にフィルターが入っているように見えます。気になったので[KENWOOD KT-2020]を使って様子を観察しました。モノラルのニュース番組もステレオ音楽番組も同じでした。NHK岐阜放送局(81.8MHz)も同じ。過去に録音した素材がたくさんあるので聴き直してみます。

検波:SONY ST-5950 → 復調:SONY ST-5950
Nhk59505950

検波:SONY ST-5950 → 復調:SANSUI TU-S707X
Nhk5950707

検波:KENWOOD KT-2020 → 復調:KENWOOD KT-2020
Nhk20202020

 

■マルチパス出力について【2008年10月9日 追記】--------------------------------

 FM DETOUT出力(マルチパス出力)について、取扱説明書がある4機種からスペックを拾ってみました。

 機 種FM DETOUTMultipath(H)Multipath(V)
TRIO KT-7700 0.3V 0.3V 0.1V
YAMAHA CT-800 400mV/1kΩ 400mV/1kΩ 17mV/80kΩ
PIONEER F-700 --  400mV/10kΩ 130mV/10kΩ
SONY ST-5150D 200mV/3kΩ 150mV/100kΩ 150mV/10kΩ

 TU-S707XのMPX入力に必要な2.7Vに比べるとどの機種も低すぎます。ここから信号を取る場合は別にアンプなどを挟む必要がありますね。

 

■専用入力端子設置【2008年10月12日 追記】------------------------------------

フラットケーブル[B-8]と[D-4]を接続すると何故ステレオ音声になるのか?

純正状態[TU-S707X DECADE]、実験機[TU-S707X]、回路図を比較しながら考えました。MPX部回路図では[B-8]の先にある[R199]の規定電圧が[0.7V]となっています。

 □純正状態[TU-S707X DECADE]
  →FM受信時 [R199]=[200mV]、[TP3]=[304kHz]測定可能
  →AM受信時 [R199]=[0.68V]、[TP3]=[304kHz]測定不可

 □実験機[TU-S707X]で黒いフラットケーブルを全部外した状態
  →常時 [R199]=[0.56V]、[TP3]=[304kHz]測定不可

 □実験機[TU-S707X]で黒いフラットケーブル[B-8]と[D-4]を接続した状態
  →常時 [R199]=[電圧不安定]、[TP3]=[304kHz]測定可能

[D-4]は電源部からの[-6.2V]です。なるほど! [B-8]と[D-4]を接続すると[R199]=[0.7V]にならないのでVCOが発振して[TP3]=[304kHz]が測定可能、よってステレオランプが点灯し音声もステレオになる・・まさに「結果オーライ」だったわけです。ということは、このまま[B-8]にマイナス電圧を繋いでおくのはマズイですね。

S707x2_8 S707x2_7 解決策として[B-8]をすぐ近くの[GND]に接続しました。[R199]=[76mV]で安定し、これでステレオ音声もOKです。回路図の各所に記載のある電圧値は概ね実測値と一致します。どうやら問題無さそうですが、この間違った接続でどこかの部品を損傷したかもしれません。同様の実験をされる方はくれぐれもご注意ください。

今後の実験接続を簡単にするため、本体背面にあるAMループアンテナホルダーを外してRCAジャックを取り付けました。信号線は[C-1]に繋ぎます。アースは基板裏面のGND部に半田付けしました。次は信号レベルが低いマルチパス出力を接続する方法を考えてみます。

S707x2_2 S707x2_3 S707x2_4 S707x2_11 S707x2_5

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コメント

おお! 早速実行されましたか!

簡単にアイディアを書いたものの、操作パネルとのスイッチや表示、その他回路との関連はで問題はありますね。
古いチューナーの方が構造は簡単でしょうけど、TU-S707XはMPXが別基板で回路図もネット上にあるので分かり易いかと考えました。
70年代前半まで遡るとMPX基板が別基板になっているのが普通のようですが性能面で心配です。

TU-S707Xの回路図を見るとMPX入力は2.7Vになっていました。
L-01Tのマルチパス出力は0.3Vです。
これではレベル差があります。検波の後の増幅後に取り出さないといけませんね。
ちなみにL-01Tでは、
検波 -+- フィルター --- アンプ --- MPXスイッチ --- 後工程へ続く
|
+- マルチパス出力(H) (出力端子との間には10kの抵抗が1本あるだけ)
と分岐されています。

>NHK-FMのスペクトル
長崎でも同じです。
昔10kHz前後に入れていたときは東京以外の全国でやっていました。今はどうでしょう?
最初は単なる15kHzのローパスフィルターかと思っていました。
バンドパスと気付いたのはラジオ深夜便のスペクトルを見たときで、その後通常のFM放送を見るとすぐ上に少しだけ信号が残っているのでノッチフィルターだと気付きました。

アイデアをいただきありがとうございました。
とても面白いテーマです。

今回はとりあえず音が出ることを確認しただけですので、
出てくる音の特性など、もう少し調べてみようと思います。

古いバリコンチューナーではMPX部の性能に限界がありますが、
この方法ならバリコンチューナーの活用方法が広がりますね。

興味深い実験、私も機会があればやろうと思っています。私の所有チューナーは殆どがジャンク品の修理ですので、改造は別に抵抗有りません。
バリコンチューナー イコール MPX回路の性能が古い(性能に限界)と聞こえて来ますが、実際のところどうなんでしょう?その後の一時的なデジタル表示(シンセ)チューナーでも周波数可変部分はバリコンからバリキャップになっているだけだと思うのですが。あまり、チューナーの歴史には詳しく無いのですが、バリコンからバリキャップに変わった途端、MPXも飛躍的に性能向上したのでしょうか?
当方所持品には1980年以降のチューナーが無いものですから。詳しいところを教えて下さい。
別な意味で、MPX回路は、今回ICが入手出来た事も有り、このICに置き換えたらどうなるのか、確認したいと思います。

まず最初に、私は70年代のバリコンチューナーが大好きです。

リスニング用としては充分満足しています。ただ歪補正技術などは時代と共に進化しているので、新旧の組み合わせで音の違いを確かめたいと思いました。

SANSUIのMPX回路技術は SLDD(Super Linear Digital Decoder) と呼ばれ、1984年製[TU-S707X]ではディスクリートで実装されています。TU-S707X以降のSANSUI機ではSLDDを含むMPX回路がIC化された[LA3450]が使われています。

SANSUIのSLDDとほぼ同様のMPX回路技術がSONYでは WODSD(Wave Optimized Digital Stereo Decoder)と呼ばれ、1986年製[ST-S555ESX]でディスクリート実装されています。後継機[333ES*]シリーズではIC化された[CXA1064]が搭載されています。

[CXA1064]の詳細なデータシートが見つからないのであくまで私見ですが、入手したブロックダイヤグラムを見る限り[CXA1064]=[LA3450]と推定します。

TRIO[KENWOOD]でもDPD (Direct Pure Decoder) と呼ばれるMPX技術が投入されていました。[LA3350]搭載の[KT-1100D]もDPD搭載と謳われていますが、[LA3350]単体ではなく[MC1495]とセットで動作していると思われます。

既製品チューナーを「MPX専用デコーダー」として利用しようとする場合

 ・LA3450(CXA1064)を搭載した機種
 ・LA3450(CXA1064)同等回路をディスクリートで搭載した機種

がベストチョイスと思いました。TU-S707Xは薄型ボディ、MPX部が別基板、回路図もある、など好条件が揃っています。あるいはこれらICを使った専用回路を設計製作する方法もあります。残念ながら私にはその能力が無いので、どなたか開発できる方にお願いしたいところです。

話は変わりますが、Accuphaseの超高級機T-1000ではDSP上のソフトウェア演算でステレオ復調しています。最近のPCスペックがあれば「MPX回路の動作をソフトウェアで実現できるのではないか?」と密かに思っています。情けないことに私にはソフト開発能力もありません(涙)。これも他力本願ですが

「高機能MPXステレオ復調ソフト」

の登場を期待しています。

<参考リンク>
 ・SANSUI SLDD
 ・Wave Optimizer Technology
 ・SONY ESテクノロジーカタログ 1987年(PDF形式)

10/5に私が書いた、
> TU-S707Xの回路図を見るとMPX入力は2.7Vになっていました。
ですが、MPXへ入力される信号ではなくDC電圧の値のようです。
謹んで訂正いたしますm(_ _)m

HA12412のデータシートを見ると出力電圧がtyp.で380mVrmsとなっています。
一つ前のHA11225も同じ値ですが、そのまた前のHA1137Wでは僅か92mVrmsとなっています。
HA1137Wは1970年代中頃のチューナーにはよく使われています。
ST-5950にHA1137Wが使われているか分かりませんが、上手くいかなかったのも同様な理由かもしれません。
TU-S707XのMPX基板の入力部にはちゃんとアンプが付いてますね。
もう少し後のチューナーならそのまま上手く行くかもしれません。
周波数が高いのでケーブルが長くなると減衰も考慮した方がいいと思います。

[B-8]はアースに繋ぐので正解だと思います。
回路図をたどるとdQ6~dQ8でAMとFM回路の電源供給を切り替えています。
AM時はFM回路への電源+FM Bをカットして+AM Bが11.8Vになります。
これが[B-8]に入りdQ117がオンになってVCOを停止させます。
逆にFM時は+AM Bへの電源供給が止まり0V近くになります。(TRでのスイッチなので多少漏れるのでしょう)
dQ117が中ブラりんだと不安定になりますね。

cooltune様

[B-8]の件、検証していただきありがとうございます。

> もう少し後のチューナーならそのまま上手く行くかもしれません。

記事掲載後にTechnics ST-8077のマルチパス出力、KENWOOD KTF-5002のFM検波出力を繋いでみたところそのままOKでした。出力レベルは機種によって違いますね。

チューナーが変わってもTU-S707X MPX部への入力レベルを一定にするため「ゲイン調整用アンプ」を挟むと良いかなと考えています。「ボリューム調整できて最適値をLED点灯で知らせる」・・なんてアイデアどうでしょう?

> 周波数が高いのでケーブルが長くなると減衰も考慮した方がいいと思います。

マルチパス端子が無くて回路から直接信号を取り出す場合は信号劣化・ノイズ対策に配慮が必要ですね。
「ICクリップやワニ口付きのテストリードじゃマズイな・・」と思いながら実験してました。

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