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2009年8月 1日 (土)

SONY製チューナー/ソリッド・ステート・フィルター

 SONY ST-5130 は私のFM音楽ライフの原点ともいえる思い入れのあるチューナーです。

Sony_st513012  1971年冬、私がまだ中学生だった頃に音楽好きだった父が自宅にオーディオセットを揃えました。このときのセットの中に ST-5130 がありました。その後1970年代後半に TRIO KT-7700SONY ST-5950 が我が家にやってきて、2009年現在これら3台ともまだ手元に残って現役稼働中です。

■ST-5130 マイナーチェンジ-------------------------------------

「ST-5130には前期型と後期型がある・・」以前報告したこと→ があります。

Sony_st513011  外観ではツマミの形状が違います。一方内部を見ると電源部やヘッドホンアンプ部の構成が違います。古いカタログを読み直してみると、ST-5130は1971年から1974年まで製造されていたようです。この間に仕様変更は何度もあったかもしれませんね。カタログ価格も69,800円(1971年) → 74,800円(1974年)に変わっていました。

■輸出機 ST-5130 回路図-----------------------------------------

 YAHOO Groups FMTunersST-5130(輸出機)回路図 が入手できました。入手した回路図は3枚に分割されたJPEG形式の画像だったのですが、これを1枚のPDF形式に整えて見やすくしてみました。※接合部が多少ずれているのはご容赦を・・

ヘッドホンアンプ部の構成を見ると、この回路図は「後期型」に近いと思われます。

■セラミックフィルター考察---------------------------------------

 今回の本題はここからです。セラミックフィルタのルーツを勉強するつもりで村田製作所ホームページの「沿革」を読んでいたら「FMラジオ用セラミックフィルタの開発」 の一節に次のような記述がありました。

 ・セラミックフィルターの製法に関する特許取得は昭和45年(1970年)・・
 ・FMラジオ用セラミックフィルタも最初に採用してくれたのがソニーで・・

 「村田製セラミックフィルターを搭載した最初のFMチューナーは何??」

 ど~でもいいのに、細かい事が気になって仕方ありません(笑)。そんな事もあって当家最古の ST-5130(電源コードには1971の印字)を引っ張り出してきた訳です。

1971年発行 ST-5130 カタログより引用----------------------------

Sony_st5130_19711  <理想的な選択度を示す ソリッド・ステート・フィルター 使用のIF段>
 8素子の新開発ソリッド・ステート・フィルターを採用。隣接チャンネルとの分離がきわめてシャープ(選択度100dB IHF)で通過帯域特性も一段とすぐれています。このため、強力な電波のすぐ隣りにある微弱な電波も安定に受信できます。また、優秀な通過帯域特性により、ステレオ放送受信時のひずみも極端に少なくなっています。
 このソリッド・ステート・フィルターは完全無調整型で経年変化がなく、長い間の同調ずれなどは全くおこらず、いつまでも最初と同じ、すばらしい音質でご使用いただけます。

1974年発行 チューナー総合カタログより-------------------------------

Sony_st_family_1974_011  ・ST-5000F:8素子のソリッド・ステート・フィルター
 ・ST-5130 :8素子のソリッド・ステート・フィルター
 ・ST-5140 :6素子のソリッド・ステート・フィルター
 ・ST-5150 :2素子のソリッド・ステート・フィルター
 ・ST-5055A:2素子ワンパッケージのソリッド・ステート・フィルター
 ・ST-5065 :2素子ワンパッケージのソリッド・ステート・フィルターを2個

 当時のカタログには 「ソリッド・ステート・フィルター」という文字が躍りますが、
 そもそも「ソリッド・ステート・フィルターって何?」・・と疑問が湧いてきます。

ST-5130 実機を再確認----------------------------------------------

Sony_st513001 St5130003 St5130006 St5130007 St5130008

 ST-5130 の基板は今まで何回も見ていますが、フィルターに注目したことは確かに無かったです。改めてIF段の基板を見てみると CF201~CF208、3本足の薄茶色セラミックフィルター(SFA10.7MC)が8個ありました。背面を見ると「MURATA」の印字がありました。これが「8素子のソリッド・ステート・フィルター」ですね。後年のシンセ式チューナーでは同じ形状で水色のものを良く見ます。

ST-5000F 実機を再確認---------------------------------------------

St5000f001 St5000fcf1_2 St5000fcf2 St5000fcf3 St5000fcf4

 電解コンデンサーを総交換したST-5000F は電源コードの印字が無いので、実は製造年がよく分かりません。そこでもう一台、電源コードに「1972」の印字がある ST-5000F の故障品(保管中)でIF段の基板を確認してみました。基板上に黒い金属製ケースが4つ並んでいます。ケースはGNDに半田付けされていましたが、試しに一つ外してみると・・・

 ST-5130 と同じ薄茶色セラミックフィルター(SFA10.7MC)が2個並んでいました。黒いケース内に 2個ずつ、合計8個のセラミックフィルターがあるようです。

 ※ST-5000F は1969年に発売され「FMチューナーの神的存在」とされていましたが、上記の1974年カタログとそして 1977年カタログ にも現役機として掲載されています。恐るべき「長寿製品」だったのですね。

ST-5150D 実機を再確認---------------------------------------------

St515006 St5150d001 St5150d002

 ST-5150 は処分してしまいましたが記録写真は残っています。また後継機の ST-5150D は保管しているので、ST-5150 の写真と ST-5150D 実機のカバーを開けてそれぞれ確認しました。どちらも ST-5130 とは少し違った 緑色の セラミックフィルター「CF-201、CF-202」がありました。「TAIYO」の印字があるので、これは 太陽誘電製 だと思います。

 この時期のソニーは「セラミックフィルター」=「ソリッド・ステート・フィルター」と呼んでいたようです。ST-5000F や ST-5130 では8個で、ST-5140では6個、上位機ほど多段になる・・。 素人発想だと 8個もあれば「超 Narrow Band」になりそうな気がします。

■村田製セラミックフィルターを初搭載したソニーのチューナーは?------------

 ラジオは分かりませんが、FMステレオチューナーでは「ST-5000F かな?」 と勝手に想像しました。

 Tuner Information Center ST-5000/ST-5000Fの記述を読むと「ST-5000 のフィルターは LCタイプ」 と記載があります。ST-5000 の改良モデルとして1969年に 「新開発のソリッドステートフィルター8素子搭載・・」で登場した ST-5000F なら時代的にも符合するように思えます。ちなみにソニー高級機の証 「F」 は 「FET」 を意味するようです。

 パーツ単位に注目すると見方が変わって面白い発見がありますね。今さらど~でも良い事なんですが、調べてみると楽しくてついハマってしまいます。以前ひろくん様が「・・まるで考古学のよう・・」とおっしゃっていたことを思い出しました。

 もし私の思い違いや理解不足、補完事項がありましたら是非ご指摘ください。よろしくお願いします。

■ST-5130 電解コンデンサ交換+再調整-----------------------------

 この先はおまけです。久しぶりに ST-5130 を開腹したついでに電解コンデンサを一部交換し、各部再調整してみました。
 →電解コンデンサ一覧表はこちら [sony_st5130.zip]

St5130010 St5130011

調整箇所作業内容
St5130001
St5130002
【フロントエンド調整】
・本体Sメーター左端子に直流電圧計を接続。
・OSC部調整 SSG(90MHz,60dB)本体目盛(90MHz)TC105調整→電圧最大
・OSC部調整 SSG(76MHz,60dB)本体目盛(76MHz)CV105調整→電圧最大
・数回繰り返す。Tメーターがセンターからズレても構わない
・RF部調整 SSG(90MHz,60dB)本体目盛(90MHz)TC101-104調整→電圧最大
・RF部調整 SSG(76MHz,60dB)本体目盛(76MHz)CV101-104調整→電圧最大
・数回繰り返す。Tメーターがセンターからズレても構わない
・IFT部調整 SSG(83MHz,60dB)本体目盛(83MHz)IFT101調整→電圧最大
St5130004
St5130005
【レシオ検波調整】
・T202のとなり D209 に直流電圧計を接続。
・SSG(83MHz、60dB)-本体目盛(83MHz)T202調整→電圧最大
・SSG(83MHz、60dB)-本体目盛(83MHz)T201調整→Tメーター中央
【Sメーター振れ調整】
・RT201
【ミューティング開始レベル調整】
・RT202
St5130009 【MPX部調整】
・音声出力をUA-101経由でWaveSpectraに接続
・SSG(83MHz、60dB、1kHz、Pilot信号)-本体目盛(83MHz)
・T401調整→ステレオ受信時の歪率を最小
・IFT101調整→ステレオ受信時の歪率を最小
・上記作業を数回繰り返す
・RT401調整→反対チャンネルへの漏れ最小

■やっぱり「ソニー」が好き。-----------------------------------

 電解コンデンサーを交換して24時間エージング。その後調整しましたがセパレーションはせいぜい40dB程度です。当時はこれが高性能だった訳で、これ以上の性能を期待している訳ではありません。今回は30年以上前の古いチューナーをこれからも永く愛用するためのメンテナンスです。これからも手入れしながら大切に使い続けます。

51309007  最近入手した1974年製 TRIO KT-9007 と並べてみました。ST-5130 は1971年製ですが、フロントパネルのデザインや質感はどう見ても KT-9007 が古臭く1960年代の香りを感じます。やっぱり私は「ソニーデザイン」が大好きです。

 

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