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2010年2月 7日 (日)

YAMAHA T-7 2号機

T7_00  2010年のヤフオクは YAMAHA T-7 で始まりました。入手したのは故障品ですが、出品者さまが若き日に購入したワンオーナー品とのこと。取引連絡の過程で故障に至る状況を詳しく教えていただきました。おまけにオリジナル取扱説明書もお譲りいただくなど新年早々気持ちの良いお取引でした。

 今年も良いご縁がたくさんありますように・・(祈)

■製品情報-----------------------------------------------------------------

 ・Tuner Information Center (TIC)
 →http://www.fmtunerinfo.com/yamaha.html

 ・T-7(1号機)過去記事【2009年4月26日】
 →http://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2009/04/yamaha-t-7.html

 ・T-7取扱説明書(PDF形式、約730KB)

 ・既にブラックモデル(1号機)を持っていますが、YAMAHA製品はシルバーモデルが似合います。
 ・天板後方に目立つ擦り傷あります。上に載せた機器の脚が擦れた感じです。
 ・フロントパネルはほぼ無傷。ボタンにサビは無くきれいでした。
 ・フロントパネルを洗浄してラックに収めれば、外観上の問題はまったくありません。
 ・純正AMループアンテナが付いていました。
 ※以下の写真は修理調整後に撮影したものです。

T7_01 T7_03 T7_04 T7_05 T7_06

■故障状況の確認-----------------------------------------------------------

T7_19 ・電源OK。
 ・オプティカルタイプのTメーターは左側だけ常時薄く点灯。
 ・76MHz~90MHz間で選局指針をどこに移動しても点灯状態に変化なし。
 ・Tメーターとしてまったく機能していない。
 ・一方、SメーターはFM/AMとも放送局周波数辺りで大きく振れる(LEDが点灯する)。

 ・FM/AMとも受信しているようだが、音声出力端子から音が出ない。
 ・「ザー」という局間ノイズも出ない。
 ・ところが REC CAL音は聞こえる。
 ・ステレオランプ点灯しない。

 ・メモリー登録ができない。
 ・モータードライブによるメモリー選局も動作しない。
 ・電源オン時、ソレノイドは無反応。
 ・電源オフ時、ソレノイドが「カチッ」と反応する。

 ・チューニングつまみを回すと、選局指針が左行き80MHz付近で引っ掛かる。
 ・正面に並んだ各種切換えスイッチを押したとき、微妙な引っ掛り感がある。

■電源部の確認-------------------------------------------------------------

 ・勉強のため電源部を詳しく見てみました。
 ・輸出機用 T-7サービスマニュアルに回路図が載っています。
 ・解像度が粗く部品番号などが読み取れませんが、実機と比較しながら判読しました。
 ・基板に印刷された数字はトランジスタの部品番号と一致することに気付きました。
 ・たとえば「70」→「TR170」、「81」→「TR181」です。

T7_powersupply1

T7_powersupply2

 ・コントロールIC LC7200-23pin(MUTE)電圧を測定すると8.4vでした。
 ・LC7200データシートはこちら→
 ・T-9修理時と同様に「ミューティング」が掛かりっぱなしの状態です。
 ・サービスマニュアルに従って電圧規定値チェック

記号規定値実測値
+12 +12.5±1v +12.28v
-12 -13.5±1v -13.77v
+ 9 + 9.5±1v +9.03v
9B +10.5±1v +8.43v

 ・9B → LC7200-21pin(VDD) に供給する電源系統です。
 ・T-7 回路図では「 LC7200-21pin → 10.4v?」と読めそうな気がします。
 ・LC7200 のデータシートでは 動作電圧 → 9v とあります。
 ・9B → 8.4v では電圧が低くて LC7200 が正常動作していないのか?

■偶然!指で触ったら-------------------------------------------------------

 ・回路図と照合するため電源部の部品を確認していたら・・
 ・電源部で頭が飛び出した電解コンデンサ(C252 10uF/25v)1本発見 。
 ・隣のトランジスタ(TR175 2SB544 放熱板付き)の熱で炙られたか・・
 ・そのTR175(2SB544)の放熱板に軽く触れた瞬間・・何と!
 ・一瞬、オプティカルタイプのTメーターが点灯、STEREOランプも点灯しました。
 ・TR175(2SB544)に触れると点灯したり消灯したり・・これは接触不良です。

T7_15 T7_16 T7_17 T7_18 T7_20

 ・TR175(2SB544)に触れてみると「抜けかけた乳歯」のようにグラグラしています。
 ・ハンダ面を見ると原因はハンダクラックでした。しかも足3本とも・・。
 ・隣のトランジスタ(TR181 2SD400 放熱板付き)にもハンダクラック発見。

■作業1:ハンダクラック補修-----------------------------------------------

 ・発見したハンダ不良個所を補修しました。
 ・この結果、オプティカルタイプのTメーターが正常点灯するようになりました。
 ・放送局周波数付近で STEREOランプも点灯しました。
 ・Sメーターも大きく振れます(LEDが点灯する)。
 ・メーターの動作を見る限り、受信動作は正常なようです。

 ・検波段(IC104-6pin出力)から信号を取り出すと復調前の音声が聴こえました。
 ・ところが音声出力端子からはまだ音が出ません。
 ・依然ミューティングが掛かったままです。
 ・【確認】9B=+10.5±1V → 8.43v:変化なし。
 ・【確認】LC7200-23pin(MUTE) → 8.4v:変化なし。

■作業2:電源部の電解コンデンサ11個交換-----------------------------------

 ・TR175 横で頭が飛び出した C252 を含め、電源部の電解コンデンサ11個交換しました。
 ・特に 10uF/25v の劣化がひどかったです。足が腐っている感じです。
 ・1000uF/25v×2個 → ニチコンFGに交換。
 ・10uF/25v×9個  → ニチケミKMGに交換。
 ・前回修理の経験から、電源スイッチのハンダ補修も施しました。

T7_22 T7_23 T7_24 T7_25 T7_29

 ・電源を入れ直すとFM放送が聞こえてきました。
 ・やった~!!ミューティング解除されてます。
 ・【確認】9B → +10.5±1V → 10.14v:規定値になっていました。
 ・【確認】LC7200-23pin(MUTE) → 0v:Mute OFFの状態になっていました。

 ・メモリー登録もできるようになっていました。
 ・モータードライブによるメモリー選局が動作するようになりました。
 ・LC7200が正常動作を始めたようです。

 ※ここまでの作業で T-7 の動作は正常になりました。
 ※メモリー動作不調の T-9 についてヒントが得られた気がします。

■作業3:すべての電解コンデンサ交換---------------------------------------

 ・検波部やMPX部を見渡すと、足が劣化した電解コンデンサが多数あります。
 ・こうなったら残る電解コンデンサもすべて交換。
 ・部品交換後に再調整して音質改善を目指しました。
 ・手持ちの部品の中から適合品を使いました。部品選定に拘りありません。
 ・10uF/25v×9個 → ニチケミKMGに交換。
 ・その他すべて  → ニチコンVXに交換。

T7_10 T7_11 T7_12 T7_13 T7_14

■作業4:充電池は交換しないまま-------------------------------------------

T7_27 ・LC7200のメモリ保持用にバッテリー(ニッカド充電池)が使われています。
 ・24時間連続通電後、1週間電源オフ。
 ・電源を入れる前に測定すると LC7200-21pin → 3.4v でした。
 ・1週間ぶりに電源オン。
 ・登録したメモリーは生きていました。モータードライブも動作します。
 ・とりあえずこのまま使ってみて、今後不具合が発生したら1号機と同様に「電池ボックス式」に交換します。

■作業5:左行き80MHz付近でチューニングインジケータが引っ掛る--------------

 ・チューニングLEDを載せた基板に繋がるケーブルが固くなっている。(冬場だから?)
 ・ケーブルが基板上のスライドスイッチに引っ掛るようです。
 ・ケーブルの「クセ」を手で修正。
 ・もう少し柔からい素材のケーブルを使った方が良さそうです。

T7_31 T7_32

■作業6:正面に並んだプッシュスイッチを押したときの微妙な引っ掛り感------

 ・電源スイッチ1個、各種切換えスイッチ5個。
 ・正面スイッチに加わった力が白いプラスチック部品を介して基板に伝わります。
 ・引っ掛り感の原因は、スイッチ裏面とプラスチック部品の頭がズレていることです。
 ・白いプラスチック部品をいったん外し、向きを調整して再セット。
 ・正面スイッチに加わった力が一直線に伝わるようにすればOKです。

T7_33 T7_34

■作業7:各部調整--------------------------------------------------------

T7_35  ・TICで入手したT-7サービスマニュアルに従って調整しました。
 ・詳細はT-7(1号機)過去記事参照
 
 

■使ってみた印象など------------------------------------------------------

 ・T-7 完全復活しました。気持ちよく動作しています。
 ・T-7 はFM4連バリコンという点が唯一残念なところです。
 ・FM5連だったら言う事なしでした。
 ・でも受信性能や音質に不満は無いです。

 ・バリコン機なのにメモリー選局できる珍しい機種です。
 ・オプティカルタイプのTメーターをチカチカ点滅させながらモータードライブで自動選局。
 ・このマニアック感がたまりません・・(笑)

 ・出品者様が大切にしていたチューナー、今後は私が大切に使わせていただきます。
 ・ありがとうございました。

■作業8:モータードライブがスリップ(追記2011年02月20日)------------------------

 ・上記【作業5】で気になったケーブルの硬さがやはり課題です。
 ・76MHz→90MHz方向への移動はモータードライブでスムーズに動きます。
 ・ところが逆方向(90MHz→76MHz)方向の移動中に80MHz付近で引っかかります。

【原因追究】
 ・カバーを開けて内部を再確認しました。
 ・冬場で気温が低いのでケーブルが硬くなっていることも一因ですが、、
 ・モーター駆動力がフライホイール裏側のゴム部分に上手く伝わっていないことが主因のようです。

 ・メモリーボタンを押す。
 ・ソレノイド(電磁石)の働きでフライホイールが後方に移動。
 ・フライホイール裏側ゴム部分がモーター軸と密着する。
 ・モーター駆動力でフライホイールが回転する。

 ・動作をよく見てみると、モーター軸とフライホイール裏側ゴム部分との密着度が弱いようです。
 ・モーター取付台座のクッション材が緩くなっていました。モーター本体がグラグラしています。
 ・ソレノイドが動作するとフライホイールに押されてモーター軸が後方に押されてしまいます。
 ・少し負荷がかかるとモーター軸がスリップしてフライホイールが回転しません。

T7_motor00

【対策】
 ・ソレノイド動作時にモーター本体が動かないように「支柱」を作りました。
 ・材料は「プラスチック製の電源プラグカバー」です。
 ・先端を5mmほど切断し、ウレタンクッションを薄くスライスして貼り付けました。
 ・この「支柱」をフロントパネル裏面とモーター本体の間に挿入。
 ・フロントパネル側を接着剤で固定しました。
 ・ついでに黒く汚れていたフライホイール裏側のゴム部分を無水アルコールで洗浄。

T7_motor01 T7_motor02 T7_motor03

【結果】
 ・バッチリ、大成功です。
 ・寒くて硬くなったケーブルを押しのけて指針がスムーズに移動します。
 ・モーターに掛かる負荷が大き過ぎるか、、ちょっとだけ心配です。
 ・柔らかい素材のケーブルに交換することも必要かもしれません。
 

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コメント

おめでとうございます!

実は私もシルバーのT-7を入手済みでして、BLUESSさんとT-7/T-9の台数が同じになりました。
ブラックのT-7のメモリ動作、BLUESSさんのものと同様、電源部の電解コンを変えると動作するような気がします。現在、新しく手に入れたTU-D607で頭が一杯ですが(笑)、暇を見つけて手を入れようと思います。

ポムロルさま

・T-7 2号機の LC7200 は VDD= 8.4vでは動作不調でした。
・T-7 2号機の LC7200 は VDD=10.1vで正常動作するようになりました。

・T-7 1号機の LC7200 は VDD= 9.4vで正常動作しています。
・懸案 T-9 の LC7200 は VDD= 8.4vで動作不調。
・やはり 9v以上の電圧が必要のようです。

T-9 の電源部は既に電解コンデンサ全数交換済みなので、ハンダ補修など電源部を再点検してみます。

TU-D607 は周波数がデジタル表示されるんですね。
触れたことはありませんが興味深い機種です。

BLUESS様、
私も今年初めてのメンテ:YAMAHA(と言ってもAMPのA-6です)のメンテに
取りかかり始めました。例によって底板・フロントパネルのネジが異様
に固く外れず、工具を買ってくるまで中断状態です。
ちなみにA-6でもTR放熱器横の電解コン2個の皮膜(スリーブ)が後退して
います。(他にOP-AMPの足が酸化し真っ黒です)

私の場合は電解コンを交換するだけではまた同じことになると考え、
自動車用の125℃対応の電解コンを購入してきました。

JTさま

>電解コン2個の皮膜(スリーブ)が後退しています。

専門家はこのように表現するのですね。

「アタマが飛び出した・・」意味は伝わりますよね(笑)

一応85℃品から105℃品に交換したので、当分は大丈夫かな
と思っています。

BLUESS 様、

私は専門家ではありませんが、意味は十分わかります。(^^;
ちなみに耐圧35V品なら同じ自動車用でも150℃対応品も今は秋葉で入手
可能です。(通販でも入手可能)
150℃対応品は皮膜(スリーブ)は無いようで、頭部に品名等が印刷されて
います。

BLUESSさん!
私のT-7も治りました!
LC-7200のVDDのパスコン、C219(47uF/16V)を交換したらメモリ動作が動き出しました。
はずした電解コンは完全に容量抜けでした。足も電解液で腐食していました。

メモリ動作のUpper Limitの調整はできたのですが、Lower Limitの調整の説明が今ひとつ信用できず、未調整で動作が今ひとつです。

T-7の電源まわりは、やはり鬼門ですね。

すみません、↑C219ではなくてC218でした。

ポムロルさま

T-7の復活、おめでとうございます。

そういえば Upper Limit と Lower Limit の件を忘れていました。
まだ「完全復活」とは言えませんね(反省)。

この2号機は Upper Limit/Lower Limit調整はノータッチでしたが、
実用上は特に問題なくメモリー選局動作しています。

今度時間が出来たら T-9 の作業に取り掛かろうと思っています。

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