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2014年7月の記事

2014年7月27日 (日)

PIONEER TX-8900II

 ・2014年6月初め、入手の機会を待っていたTX-8900IIがついにやって来ました。
 ・TX-8900に「II」が付いただけ、ネーミングに行き詰まった感じの型番です。
 ・この時期のPIONEER製中級機はICを用いたクアドラチュア検波を採用していますが、、
 ・TX-8900/8900II だけは分布定数形遅延線検波という珍しい検波回路を搭載しています。

Tx8900ii08_2

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer TX-8900II ¥65,800(1976年発売)
 ・PIONEER アンプチューナー総合カタログ 1976年10月版
 ・輸出機情報 Hifi Engine Pioneer TX-9500II ※英語版サービスマニュアルあり

_tx8900ii01 _tx8900ii02

■輸出機 TX-9500II ブロック図------------------------------------------

 ・Hifi Engine で入手した TX-9500II回路図と TX-8900II実機を比較しました。
 ・TX-9500IIはFMドルビー放送に対応した機種でした。
 ・TX-9500IIの背面パネルには「ディエンファシス切替スイッチ」が付いています。
 ・あとは電源部構成が微妙に異なりますがそれ以外はほぼ同一でした。

9500ii_bd

■分布定数形遅延線検波-------------------------------------------------

 ・パイオニアではこの検波方式を「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています。
 ・F-26では改良型として「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」が登場します。
 ・動作原理の研究 →

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円 ※過去記事2012/02/04
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3    250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円 ※今回記事
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD】
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円 ※過去記事2010/09/12
  ・1978年 Pioneer F-007          95,000円 ※過去記事2012/02/22

 ・未入手は TX-9900 と EXCLUSIVE F-3 の2機種となりました。

■動作確認------------------------------------------------------------

【外観】
 ・ボディ両サイドに販売店シール。内外無線の3年保証付き。
 ・保証期間 昭和52年1月21日~昭和55年1月20日。
 ・電源オン、照明ランプ点灯、Wide/Narrowポジションランプ点灯、球切れなし。
 ・フロントパネルとツマミ類には経年の汚れがあるものの目立つ傷は無い。
 ・ボディも目立つ傷はないが、後部放熱孔周辺にサビがでている。
 ・AMアンテナに破損なし。可変出力端子だけピカピカ、他の端子は酷いサビ。

Tx8900ii01 Tx8900ii03 Tx8900ii05 Tx8900ii07 Tx8900ii06

【FM受信】
 ・FMは0.2MHzほどの周波数ズレ、Tメーター、Sメーターとも動作は正常。
 ・STEREOランプ点灯、でも出てくる音にステレオ感を感じない。
 ・左右の音量差。それに音がとても悪い。かなり歪んでいる感じ。
 ・Wide側、Narrow側どちらで受信しても症状は同じ。
 ・マルチパス出力H端子からはまともな音が出ている。
 ・ミューティング動作OK、REC CALトーンOK。
 ・復調回路に不具合がありそうです。

Tx8900ii11 Tx8900ii12 Tx8900ii13 Tx8900ii15 Tx8900ii16

【AM受信】
 ・背面バーアンテナでAM受信確認。Sメーター動作OK。音も問題なし。
 ・AM部は問題なし。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱孔があるボディ後部だけ分厚いホコリが堆積しています。
 ・きれいに清掃してから内部確認しました。
 ・アンプ並みの重量級電源トランス。本体重量9.4Kg。
 ・厳重なシールドケースに納まったフロントエンド。
 ・FM5連AM3連バリコン。IF段はWide/Narrow別系統。
 ・別にPA3001もある、、複雑な回路構成です。
 ・カタログ記載事項、回路図、実機を見比べながら確認しました。

Tx8900ii37_2 Tx8900ii38_2 Tx8900ii39_2 Tx8900ii41_2 Tx8900ii43_2

【Narrow IF】
 ・2素子セラミックフィルター5個 → 超広帯域直線検波器
【Wide IF】
 ・4極フェイズリニアフィルター+SAW(表面弾性波)フィルター → 超広帯域直線検波器
【制御系】
 ・Narrow IFから分岐 → PA3001(同調点、Sメーター駆動、ミューティング検出)

Tx8900ii00

 ・PA3001:FM IF SYSTEM(HA11225と同じ)クアドラチュア検波
 ・PA1001:PLL MPX(KB4437と同じ)
 ・PA1002:オーディオアンプ、ミューティング回路
 ・PA2002:電源用IC
 ・HA1452:REC LEVEL TONE
 ・HA1197:AM用IC
 ・M5109P:差動増幅器(デュアル)

■分解清掃------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル裏側に「51.4.15」の印字。昭和51年(1976)4月15日と読めます。
 ・チューニングツマミはアルミ無垢製でした。
 ・切替レバーの金属部分を覆うためにプラスチック製台座が付いています。
 ・バラバラに分解してピカピカに磨き上げました。

Tx8900ii20 Tx8900ii22 Tx8900ii23 Tx8900ii24 Tx8900ii25

■不具合確認----------------------------------------------------------

 ・信号発生器から1kHz基準信号を送信したところ、更なる不具合に気が付きました。
 ・何と、FMモノラル信号を送ってもSTEREOランプが点灯します。
 ・WaveSpectraで基準信号の波形を見ると激しい高調波がたっぷり。
 ・左右の出力に約10dBのレベル差。モノラルでも明らかに左右の音量が違う。
 ・試しにVCO調整VR、セパレーション調整VRを回しても全く変化なし。

Tx8900ii28 Tx8900ii27 Tx8900ii31 Tx8900ii32 Tx8900ii33

 ・マルチパス出力H端子から出ているコンポジット信号の波形は正常と思われます。
 ・念のために 復調マシンに改造したTU-S707X(改)に接続して動作確認。
 ・TU-S707X(改)からはWide/Narrowとも綺麗に復調されたステレオ音声が出てきました。

Tx8900ii35 Tx8900ii36 Tx8900ii37 Tx8900ii38 Tx8900ii39

 ・サービスマニュアルに従ってフロントエンドから一通り受信調整してみました。
 ・検波回路までは各部キチンと調整できました。
 ・でもMPX基板ではVCO調整不可。76kHzが確認できず。STEREOランプ点灯したまま。
 ・Wide/Narrowともにセパレーション調整不可。

Tx8900ii40 Tx8900ii41 Tx8900ii42 Tx8900ii43 Tx8900ii45

 ・PA1001-2ピン 入力信号(コンポジット信号)は正常。
 ・PA1001-4ピン、5ピンから出力される左右の音声信号は酷い状態。
 ・PA1001-15ピン VCO76kHzが確認できない。
 ・これはPA1001の故障ですね。MPX-ICの不調事例は久しぶりです。

■PA1001交換、ついでにKB4437も試す------------------------------------

 ・解体して基板だけ保管していた PIONEER F-73 にPA1001が載っていました。
 ・そういえば PA1001=東光KB4437
 ・こちらも基板だけ保管している Harman Kardon T610 からKB4437を取り外す。
 ・TX-8900IIのMPX基板をひっくり返してPA1001を取り外す。
 ・交換実験を実施するためICソケット設置。

Tx8900ii50 Tx8900ii53 Tx8900ii54 Tx8900ii56 Tx8900ii57

 ・まずはF-73から外した新PA1001を設置。
 ・スイッチオン、、きれいなステレオ音声が聴こえてきました。
 ・VCO調整で76kHzに合わせられます。セパレーション調整で軽く50dB確保できました。
 ・次にICをKB4437に交換、、、こちらも正常動作しました。
 ・VCOとセパレーションを僅かに微調整してPA1001とほぼ同等性能を確認しました。
 ・やっぱり PA1001=KB4437ですね。初めて実機で確かめました。

Tx8900ii58_2 Tx8900ii61_2

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・F-73のPA1001をセットして、もう一度最初から再調整やり直しました。
【フロントエンド調整】
 ※シールドカバーを外して上部から調整した後にカバーを被せると受信周波数がズレる。
 ※カバーは外さず、調整は底部から行うこと。
【OSC調整】
 ・76MHz→Lo、90MHz→TCo
【RF調整】
 ・LA、LR1、LR2、LR3 → 76MHz
 ・TCA、TCR1、TCR2、TCR3 → 90MHz
【FM同調点調整】PA3001受信調整、Narrow受信
 ・T12調整→Tメーター中央
【IF Wide調整】Wide受信
 ・T1、T2、T3、T4、T5 → 高調波歪最小へ
【IF Narrow調整】Narrow受信
 ・T6 → 高調波歪最小へ
【Wide/Narrow共通調整】
 ・T7,T8,T9,T10,T11 → 高調波歪最小へ
【検波調整】
 ・VR2 → 高調波歪最小へ
【Sメーター調整】
 ・VR1 → SSG出力50dB → Sメータ目盛り4.0
 ・VR3 → SSG出力80dB → Sメータ目盛り4.8
【ミューティング調整】
 ・VR4 → Muting1 14dB
 ・VR5 → Muting2 29dB
【MPX基板調整】
 ・VR1 VCO調整 → 76kHz ※TP26
 ・VR2 パイロットキャンセル調整
 ・VR3 セパレーション調整 Wide
 ・VR4 セパレーション調整 Narrow
 ・VR5 REC LEVEL調整 -6dB
【AM調整】
 ・TC1、TC2、TC3
 ・T13、T14、バーアンテナ内コイル

Tx8900ii31_2 8900iifront1 8900iifront2 8900iimain 8900iimpx

■聴いてみて----------------------------------------------------------

 ・苦労した甲斐があってFM放送がとても良い音で鳴っています。
 ・低音が良く出ているような気がしますが、気のせいかも?
 ・MPX部のICを交換式に加工したので「楽しい実験機」として活用できそう。
 ・また楽しみが増えました。

Tx8900ii09_4

2014年7月20日 (日)

Xperia E1 Dual D2105

 ・2014年6月末、海外出張用としてSIMフリーのスマホを購入しました。
 ・ソニーモバイル製、2014年の低価格帯グローバルモデル(デュアルSIM仕様)です。
 ・機種選定で Xperia M2 と迷いましたが「高機能は不要」と割り切りました。
 ・以下、自分自身の備忘録として残します。

Xperiae100

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・Xperia E1 Dual ソニーモバイル・グローバルサイト
 ・参考サイト:小さなエントリーモデル、「Xperia E1 dual(D2105)」をいじってみた雑感。(前編)(後編)
  ※E1の詳細レポートが役立ちました。

■購入記録------------------------------------------------------------

 ・EXPANSYS Sony Xperia E1 Dual D2105 ¥14,375円 (2014/06/30時点)
 ・Amazon EXPANSYSストア 15,490円 (2014/06/30時点)
 ・同じショップでアマゾン経由だと1,000円ほど高いのですが、、
 ・ちょうど5,000円分のギフトカードがあったのでアマゾンで購入。

■FedExの貨物追跡システム-------------------------------------------

 ・注文直後に確認メールが届く。追跡システムが興味深かった。
 ・発送日17:00香港にて商品ピックアップ→同日23:00広州着。
 ・翌日朝4:00広州発→8:00関空着→13:00名古屋配送センター着→16:30自宅に配送。
 ・香港出発からホントに24時間以内に届いた!

Xperiae101

■スペックまとめ-------------------------------------------------------

【Xperia E1 dual】
 ・Snapdragon 200 MSM8210 1.2GHzデュアルコアプロセッサ
 ・512MB RAM
 ・4GB ROM(Micro SDカード最大32GB)
 ・4インチ800×480ピクセルの液晶ディスプレイ
 ・背面カメラ320万画素(固定フォーカス)
 ・デュアルSIM仕様(標準サイズスロット×2)
 ・118mm×62.4mm×12mm、質量122g 
 ・2G(GSM/EDGE/GRPS方式)、3G(WCDMA/HSPA方式)対応、※LTE非対応
 ・Android 4.3(Jelly Bean)ビルド番号「20.0.B.0.80」。
 ・すぐにアップデート通知が来て「20.0.B.0.84」になりました。
 ・Bluetoothは4.0
【付属品】
 ・BA900バッテリー(1,700mAh)
 ・ヘッドホン、
 ・Micro USBケーブル、
 ・USB電源アダプタ(電源プラグCタイプ)
 ・取扱説明書・保証書
【EXPANSYS提供のおまけ】
 ・USB電源アダプタ(日本用)
 ・純正付属品は電源プラグがCタイプなので日本では使えない。

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■初期設定------------------------------------------------------------

 ・標準サイズSIMを2枚セット可能。
 ・現在契約中のドコモSIMとIIJmioのデータ通信SIMを入れてみました。
 ・3個入りの「Nano SIM Adapter」を使っています。
 ・アダプターで入れても引っ掛からないタイプです。
 ・電源オン。言語設定画面で日本語を選択。
 ・あとは見慣れたAndroid端末の初期設定が続きます。
 ・SONY製なのに「PO Box」がプリインストールされていない。
 ・IMEアプリとして「Google日本語入力」を導入。

Xperiae113 Xperiae114 Xperiae115 Xperiae116 Xperiae117

■デュアルSIM関係-----------------------------------------------------

 ・デュアルSIMはGSM+WCDMAまたはGSM+GSMの組み合わせしかサポートされない。
 ・つまりWCDMA+WCDMAは有効にできないということ。
 ・通話はドコモSIM、データ通信はIIJと同時には使えない。
 ・2枚のSIMカードを挿したままで手動でSIMカードを使い分けることなら可能。
 ・ちょっぴり残念、、

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■バッテリーライフテスト-----------------------------------------------

 ・海外旅行時に現地SIMを入手してテザリングしようと思っています。
 ・最初にバッテリーの持ち具合を確かめておきたかった。
【実験条件】
 ・SIM1:IIJ-Mio契約SIM、SIM2:なし
 ・電源管理 STAMINAモードOFF、低バッテリーモードOFF
 ・バッテリー100%フル充電からスタートしてバッテリー残量記録。
 ・テザリングON、接続する機器は通常使用しているXperia AX、iPad mini、Mac Book Air
【WiFiテザリング】
 ・連続使用20時間
 ・1時間当たり5%ずつ残量が減少
【Bluetoothテザリング】
 ・連続使用61時間
 ・1時間当たり1~2%ずつ残量減少、
 ・Map表示ではやや遅さを感じるがメールチェックなら不満なし。
【テザリングなし】
 ・IIJ-mioのデータ通信SIMだけで通常待ち受け
 ・実質Gmailの着信だけ。WiFiオフ、Bluetoothオフ、バイブオフ

Xperia_battery_2
         縦軸:バッテリー残量(%)、横軸:経過時間(hour) 

■使用感など----------------------------------------------------------

 ・入手から約3週間、ドコモ契約SIMを入れて通常スマホとして使っています。
 ・このコンパクトサイズは私にはちょうど良いです。最近の機種はデカ過ぎ。
 ・通話、メール、ラインなど通常使用には全く問題なし。
 ・Bluetoothテザリングが予想以上に使える。

 ・着信通知LEDは約7秒間隔で点滅するが、点滅間隔が長すぎる。
 ・パッと見ただけでは通知の有無が判断できない。
 ・本来白色に見えるはずの画面が薄く青みが強い。これは液晶パネルの特性か。
 ・本体スピーカーからビックリするほど大きな音が出る。音質はソコソコ。
 ・本体を振ってシャッフル再生する機能が面白い。
 ・プラスチック製本体がちょっと安っぽいけど価格が安いので文句なし。
 ・デュアルSIMの仕様はちょっと期待外れでしたが、海外では役に立ちそうです。

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 ・プラスチック製本体がちょっと安っぽい、でも本体価格が安いので文句なし。
 ・デュアルSIMの仕様はちょっと期待外れでしたが、海外では役に立ちそうです。

■追記 2014年9月5日--------------------------------------------------

 ・システムアップデートが来ました。
 ・ビルド番号 20.1.B.0.64
 ・Androidバージョン 4.4.2
 ・最新の KitKat です。
 ・さすがグローバルモデル、対応が速い!

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2014年7月13日 (日)

SONY ST-5950 修理記録

 ・FM不調修理依頼品の作業報告です。
 ・意外なところに不具合原因がありました。

St595007

■製品資料------------------------------------------------------------

 ・SONY ST-5950 1号機の記録
 ・SONY ST-5950 取扱説明書
 ・SONY 1976年6月発行カタログ

St595001 St595003 St595004 St595005 St595011

■不具合状況----------------------------------------------------------

 ・オークションで入手した外観の良いST-5950。
 ・時間とともにシグナルメーターがふらつきだしノイズも出る。
 ・1日休むと、最初の15分くらいは調子よく聴くことができる。

■サービスマニュアル購入----------------------------------------------

 ・症状から想像すると電源周り、フロントエンド、検波回路が怪しそう?
 ・回路図が無いと原因究明は難しいと思い、久しぶりに Manuals-in-PDF を利用。
 ・SONY ST-5950SDサービスマニュアル  $7.99USD、 Paypal決済。
 ・全18ページ、回路図、調整手順、パーツ表などが揃っていました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装はすでにクリーニング済みのようです。
 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズはなく外観は驚くほど綺麗です。
 ・背面の端子類もピッカピカ。電源コードも綺麗でした。
 ・部分的にサビ落とし剤が白く残っているのでこれを除去すれば完璧。

St595010 St595012 St595013 St595015 St595016

 ・私のリスニング環境に設置して不具合が出現するのを待ちました。
 ・不具合発生時の動作(メーター類の挙動、ノイズの種類など)がヒントになるはず。

St595009

  ・1日目 通電約6時間、異常なし
  ・2日目 通電約3時間、異常なし
  ・3日目 通電約3時間、異常なし
  ・4日目 通電約3時間、異常なし
  ・5日目 通電約4時間、異常なし
  ・6日目 通電約3時間、異常なし
 ・ところが不具合は発生しません。短時間の通電では問題ないのか?
 ・この間に回路図を見ながら各部電圧値などを確認、ちょっと予習しました。

St5950sd_bd

■不具合確認----------------------------------------------------------

 ・7日目、リスニング部屋から実験室に移動し詳しく動作チェックしました。
 ・カバーを開けて内部確認。綺麗に清掃されている感じでホコリが全くありません。
 ・音声出力をWaveSpectraで観察したところ、不具合を確認しました。
 ・通常の音声信号が出ていると思ったら、波形の乱れが不規則に発生していました。
 ・説明は難しいのですが「波形全体が一瞬跳ね上がって元に戻る」そんな感じです。
 ・普通に聴いていると音の変化としては全然分からないです。

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■原因調査------------------------------------------------------------

 ・まずは電源部の確認。
 ・赤色15v(実測15.6v)、茶色-15v(実測-15.8v)、黒色GND、問題なし。
 ・続いてフロントエンド部に供給される電圧確認。
 ・回路図値14.3v に対して13v~15v。なぜか不規則に変動して安定しない。
 ・あれ?おかしいな~?
 ・と思った瞬間! Sメーターゼロ、音声信号が消え局間ノイズになりました。
 ・この時フロントエンドに供給される電圧ゼロ。これじゃ受信しないはず。
 ・でも電源回路からは15.6vが出ている。なぜ?

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 ・原因はすぐに分かりました。
 ・フロントエンドに電源を供給する赤いコードのコネクタです。
 ・何と「コネクタがピンに正しく挿さっていない」という状態でした。
 ・写真で分かりますか?

St595046

 ・基板側のピンが「コネクタと透明ビニールカバーの隙間」に挿さっていました。
 ・指先でコネクタ部をちょっと押してみると、ご指摘の症状が発生しました。
 ・きっと内部を清掃した方がこのケーブルを一度外したのでしょう。
 ・再度配線するときにキチンと差し込まなかったことが原因と思います。

St595045

 ・コネクタを正しく差し込んで問題解決しました。
 ・フロントエンド部に供給される電圧確認。
 ・回路図値14.3v に対して実測15.3v。安定しています。
 ・WaveSpectraで見る波形も安定しました。もう跳ね上がることはありません。
 ・波形の乱れはフロントエンド部の僅かな電圧変動に反応していたようです。

■各部再調整----------------------------------------------------------

 ・サービスマニュアルの調整手順に従って各部再調整しました。
 ・1号機の記事に書いた適当調整法でほぼOKでした。

Image2

 ・レシオ検波の調整で歪率が改善しました。
 ・VCO調整によってセパレーションが約40dB→約50dBに改善しました。
 ・AM部の周波数ズレが大きかったので修正しました。
 ・固定出力の左右バランスを指定値で整えました。

St595023 St595024 St595025 St595026 St595027

■試聴その他----------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・F型端子の突起部が短いので、ネジで締め込むタイプが必須です。
 ・差し込むだけのワンタッチ型はグラグラして不安定要因になります。
 ・周波数目盛りを刻んたガラス板も清掃されているようですが、、
 ・残念なことにちょっと磨き過ぎですね。
 ・目盛り線がちょっと歪んでいますし、緑色の蛍光塗料も一部剥げているような。
 ・この時期のソニー製品では私も同じ失敗経験があります。
 ・未確認ですが、たぶんST-5950とST-4950のガラス板は同じものと思います。
 ・ST-4950のジャンク品を調達してガラス板だけ交換する方法があるかも?

St595008

2014年7月 6日 (日)

TRiO KT-1100 修理記録

 ・FM不調修理依頼品の作業報告です。
 ・不具合状況は当ブログの過去のメンテナンス記録と同じだそうです。

■故障状況の確認------------------------------------------------------

 ・AM放送は正常に受信できました。
 ・ところがFM放送はWIDE/NARROWとも「ザー」というノイズしか出てきません。
 ・STEREOランプが高速点滅します。
 ・このときSメーターとTメーターを見ると正常に振れています。
 ・FM受信時だけに発生する不具合、メーター類の動作は正常。

Kt110001

■原因調査------------------------------------------------------------

 ・メーター類が正常動作 → フロントエンドから IC3:TR7020 まではOK。
 ・TR7020のクアドラチュア検波は正常動作。
 ・IC4:TR4011-1pin でダウンコンバートされた 1.96MHz を観察。
 ・ところが周波数カウンタで計測してみると 800Hz前後で一定せず。
 ・第二OSC同調コイル L6 を回しても周波数は変化せず。

Kt110002 Kt110003 Kt110004

■修理調整------------------------------------------------------------

 ・部品取り用に保管しているKT-900から同等コイルを新L6として移植しました。
 ・新L6を少し回してみると、、無事に1.96MHzに設定できました。
 ・不調原因と修理内容は前回記事と全く同じでした。
 ・正常に受信できるようになったので各部再調整を施しました。

Trio_kt1100_sm25

Kt110005 Kt110007 Kt110008

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・丸一日連続運転して動作確認しました。大丈夫そうです。
 ・再調整の結果、良い性能を取り戻したと思います。
 ・パルスカウント検波搭載の逸品ですから大切にしてあげてください。

Kt110009

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