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2014年10月19日 (日)

SONY ST-5140 修理記録

 ・1972年製ワンオーナー品のST-5140。修理依頼品です。
 ・電源を入れて暫くするとノイズが発生して使い物にならないそうです。
 ・以下、ちょっと難航した作業報告です。

St514006

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・1971年版 ST-5140カタログ
 ・SONY ST-5140 1号機の記録
 ・SONY ST-5140 2号機の記録
 ・Hifi Engine 輸出機 ST-5140サービスマニュアル

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズなし。
 ・大切に扱われてきた個体であることがよく分かります。
 ・電源コードの印字は「1972」
 ・電源オン、周波数窓とメーターが緑色に浮かび上がる。
 ・ランプ切れなし。Sメーター、Tメーターとも動作OK。
 ・周波数ズレは僅か。STEREOランプ点灯。
 ・出音に歪感なし。ステレオ感あり。ミューティング動作OK。
 ・周波数右端の周波数目盛りの緑色が剥げています。
 ・AMも動作OK。 ・電源投入直後はFM/AMとも正常動作と思いました。

St514001 St514008 St514009 St514002 St514003

 ・約1時間後、音声に「ボソッ、ボソッ、」とノイズが乗るようになる。
 ・いつの間にか STEREOランプ消灯、Tメーターが振れなくなる。
 ・マルチパスH端子からも同じノイズが出ている。
 ・Tメーター不動でもSメーターの動作は正常。
 ・ボソボソ音がやがてバリバリ音に変わっていく。
 ・確かにこれではチューナーとして使い物にならない状態。
 ・FMは深刻な不調。でもAMは問題なく受信可能。
 ・FM部のどこかトランジスタが寿命を迎えている感じ?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・マルチパスH端子からもノイズが出ている → 原因はMPX回路より前段。
 ・レシオ検波回路 D207 D208 から直接音を取り出して確認。
 ・ここの段階で既にノイズが乗っている。
 ・ミューティング回路 D211 D212 から直接音を取り出して聞く。
 ・ここから聞こえる音は正常。ノイズなし。

St514020 St514021 St514022 St514023 St514025

■修理記録 Q206 2SC403C故障------------------------------------------

 ・Sメーター正常、Tメーター不調 と言うことはQ205かQ206が死んでいるか?
 ・Q205電圧確認 回路に示された指定値とほぼ同じ。
 ・Q206指定値3.1V→実測13.6V、指定値2.5V→実測値12.9V
 ・Q206不良を疑って 2SC1815に交換。
 ・これで Tメーターが左右に振れるようになりノイズがかなり軽減した。
 ・でも完治ではなくまだノイズが乗る。STEREOランプ点灯しない。
 ・ついでにQ205も交換、でも効果なし。

St514060 St514063 St514061 St514062

■修理記録 Q401 2SK23 故障-------------------------------------------

 ・回路図を追って基板確認。
 ・MPX回路入口にあるQ401 2SK23 故障発見。
 ・代替品として ST5150基板にあった 2SK23 を移植。
 ・これでノイズが大幅に軽減。STEREOランプ点灯。
 ・でもまだ完治しない。
 ・今度はL-chだけに不定期にノイズ発生。

St514024 St514040

■修理記録 Q405 2SC632 故障------------------------------------------

 ・回路図を追って基板確認。
 ・MPX回路後段のプリアンプ回路 Q405 2SC632 故障発見。
 ・代替品として 2SC1815 に交換。
 ・左右のバランスをとるため Q404も同様に交換。
 ・ついでにプリアンプ回路 Q406,Q407 2SC1364 → 2SC1815に交換。
 ・これで不快なノイズはなくなりました。
 ・作業完了! と思って調整作業に取り掛かったとき更なる不具合発覚。
 ・MUTING オンにするとノイズ発生。MUTINGオフならノイズ無し。
 ・ずっとMUTINGオフ状態で作業していたので気付かなかった、、

St514023_2 St514041

■修理記録 Q207 2SK23 ハンダ不良-------------------------------------

 ・IF回路最後尾にある Q207 2SK23。
 ・指先で Q207 2SK23 に触れるとノイズが消えたり発生したり、、
 ・原因は Q207の接触不良。ハンダ補強してノイズ解消。
 ・これでようやく正常動作するようになりました。
 ・<おまけ>基板全体にハンダが痩せているので Q207以外もハンダ補強。

St514073

■電源基板(予防措置)------------------------------------------------

 ・故障ではないものの精神的安心材料として交換。
 ・C701 1000uF/35v 交換→ 1000uF/63v
 ・C702  220uF/25v 交換→  220uF/35v
 ・C703   47uF/16v 交換→   47uF/50v
 ・Q702 2SC1364 交換→ 2SC1815
 ・Q703 2SC1364 交換→ 2SC1815

St514032 St514030 St514034 St514033 St514035

■各部調整------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 CT104,L104
 ・トラッキング調整 CT101,CT102,CT103 / L101,L102,L103
 ・IFT調整 IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア Tメーター中央
 ・T201下段コア 高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・T202 D212電圧最大
 ・RT201 MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT202 Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
 ・T401 スイッチング信号調整
 ・RT401 セパレーション調整

St5140algn

■フロントパネル分解清掃----------------------------------------------

St514007

 ・ソニー製チューナーの魅力は何といっても緑色に浮かび上がる照明です。
 ・ガラスが曇って魅力半減状態だったので分解して裏側まで磨きました。
 ・ガラス板右端の緑色塗料が剥げていたので「特製補強」しておきました。
 ・周波数窓周囲の銀色フレームが元々綺麗なので照明が一層映えますね。
 ・パネル裏側に製造年の印字があるかと思ったら、、無かったです。

St514070 St514071

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・薄暗い部屋にそっと設置する。
 ・スイッチオン、NHK-FMのクラシック放送を聴く。
 ・ワインでも飲みながらボーっとする。
 ・頭の中がアルファ波に満たされる幸せなひととき。
 ・作業完了しました。

St514011

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コメント

ST-5140修理依頼者です。
「ちょっと難航した作業報告」興味深く拝読いたしました。
また「特製補強」その他もろもろ、感謝いたします。
緑色に浮かび上がる照明を見るたびに、小生、40年分タイムスリップしております。
友人にこのサイトを通じて昔話しをしたいと思います
修理どうもありがとうございました。m(_ _)m

当時のソニー製品は何といってもデザインが秀逸ですね。
このシリーズも大好きです。
大切に残したい機種です。

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