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2014年11月の記事

2014年11月30日 (日)

TRIO KT-7100

 ・2014年9月末、ハードオフでジャンク品を入手しました。
 ・トリオ製チューナーの中では入門機クラスです。
 ・高性能は期待できないと思いつつ、でも未体験機種だったので購入。
 ・アルミ製ツマミ、電球、ICなど部品取り用と思えば税込1,080円はお得か?

Kt710006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7100 ¥39,800(1977年発売)
 ・輸出機情報は見つかりません。無かったかも?

1979trio_7100

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・周波数窓の造作やスイッチ・ツマミ形状はKT-7300とソックリです。
 ・部分的に見ると周波数窓の造作は KT-7700、KT-7500と同じ。
 ・スイッチやツマミの形状は KT-8000と同じ。
 ・背面を見るとF型端子が無い、マルチパス出力端子が無い、可変出力のみ。

Kt710003 Kt710004 Kt710005 Kt710009 Kt710011

 ・外観は薄汚れているものの目立つキズはない。結構きれい。
 ・ツマミやレバーの汚れ、手垢はクリーニングで輝きを取り戻しそう。
 ・レバースイッチ台座部分の金具にサビ。
 ・電源コードの印字「1976」

 ・電源オンOK、周波数窓の照明点灯OK、メーター照明点灯OK。
 ・背面バーアンテナでAM放送受信OK。Sメーターが大きく振れる。
 ・FMアンテナ接続。+0.2MHz周波数ズレ、でも受信OK。
 ・二つのメーター動作OK。SメーターMAXとTメーター中央がちょっとズレる。
 ・STEREOランプ(赤LED)点灯。聴感上もステレオ感あり。
 ・MUTING動作OK、OUTPUTレベルに多少のガリあり。
 ・MPX FILTER オンにすると聴感上高音域が減衰する。
 ・目立つ不具合はなく、分解清掃と受信調整で復活しそう。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・予想通りコンパクトな基板に最小限の部品構成。かわいい電源トランス。
 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
 ・HA1156 FM MPX
 ・HA1197 AM SYSTEM

Kt710001 Kt710020 Kt710021 Kt710022 Kt710023
Kt710024 Kt710025 Kt710026 Kt710027 Kt710028

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・検波調整コイルL9(上段・下段)
 ・フロントエンド調整
 ・VR1:VCO調整 → TP(19kHz)
 ・VR2:セパレーション調整

Kt7100algn

 ・調整用VRは2個だけ。超シンプルです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・BGMで聴くだけならFM/AMともまったく不満なく使えます。
 ・金属的なシルバーパネルと暖かいオレンジ照明がよくマッチしています。
 ・この雰囲気というか存在感がオールドチューナーの魅力です。

Kt710008

2014年11月23日 (日)

SONY ST-S333ESXII 調整記録

 ・2014年11月初め、ST-S333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・以下、作業の報告です。

333esxii08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル
 ・輸出機の命名基準がよく分かりません。調べた範囲で掲載します。

国内モデル海外モデル
ST-S555ES ST-S555ES
ST-S555ESX ST-S800ES
ST-S333ES ST-444ES
ST-S333ESX ST-S700ES / ST-444ESX Euro-model
ST-S333ESXII ST-S730ES
ST-S333ESG ST-S???ES
ST-S333ESA ST-S770ES ?
ST-S333ESJ ST-S707ES ?
ST-SA5ES ST-SA5ES
ST-SA50ES ST-SA50ES

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・この333ESXIIは中古で入手されたそうですが、保存状態はあまり良くないです。
 ・全体に打ちキズ、擦りキズ、ボディ凹み、塗装ハゲあり。
 ・チューニングつまみにキズ。ボディへの取付が緩んでグラグラ状態。
 ・電源コードの印字「1987」

333esxii02 333esxii11

 ・電源オン、周波数表示がなぜか2色に見える。内側の着色アクリル板が外れている?
 ・FM同軸アンテナを接続して動作確認。FM放送を正常に受信しました。
 ・周波数ズレなし、Sメーター点灯、各種インジケーター点灯。
 ・WIDE/NARROWそれぞれ受信OK。STEREOランプ点灯、MUTING動作OK。
 ・AUTO受信、MANUAL受信それぞれOK。CAL TONE動作OK。
 ・AMはアンテナ欠品でしたが、手持ちの333シリーズ用AMループアンテナで確認。
 ・感度良くAM放送を受信しました。
 ・FM/AMとも基本動作に問題は無いです。

333esxii03 333esxii04 333esxii05 333esxii06 333esxii07

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッドを外してボディを開ける。
 ・内部はものすごい量のホコリが堆積していました。
 ・基板上のパーツが「雲に浮かんでいる」ような不思議な光景。
 ・でもこれは「内部を弄った先人はいない」という証かもしれません。

333esxii21 333esxii22 333esxii23 333esxii24 333esxii25

 ・まずはホコリを除去するために大掃除しました。
 ・清掃のためフロントパネルを外したところ、内側からアクリル板がこぼれ落ちました。
 ・周波数表示が2色に見えたのは、このアクリル板が外れていたせいでした。
 ・それからチューニングつまみには何故かプラスチック製の黒いリングが載ってる??
 ・よく見ると本来はフロントパネル側に接着してあるはずの円形の部品でした。
 ・グラグラの原因はやはりチューニングつまみを固定するナットが緩んでいる。
 ・ナットを締め直して固定すると今度は軸が歪んでいることが判明。
 ・チューニングつまみ周辺にかなり強い衝撃が加わったようです。

333esxii26 333esxii27 333esxii28 333esxii29_2 333esxii31

 ・4連バリキャップ → Wide/Narrow切替 → PLL検波 → CXA1064
 ・LA1235(クアドラチュア検波)は同調点検出用
 ・LA1245 AM用

333esxii32 333esxii33 333esxii41 333esxii35 333esxii36
333esxii39 333esxii40 333esxii42 333esxii43 333esxii44

■調整記録------------------------------------------------------------

・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジしました。

【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ

【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V

【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認

【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103

【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ
・CT201調整 歪最小

【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
 ・IFT201調整 電圧最大へ
 ・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
 ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
 ・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
 ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ

【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯

【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認

【セパレーション調整】
・RT301 R→L
・RT302 L→R

【Sメーター調整】
・RT204

【MUTINGレベル調整】
・RT205(Wide)
・RT201(Narrow)

【CAL TONE】
・調整用VRありませんが、Peak Level-6dBの波形が出ていました。

【AM調整】
・IC601-6pin電圧測定
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整

333esxiialig

 ・外見的な破損はありますが、回路的な故障は無かったです。
 ・FMは検波調整、IF歪調整、セパレーション調整で数値が大きく改善しました。
 ・調整前後の基準音を録音したファイルでご確認ください。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・333シリーズは ESXII→ESG→ESA→ESJと新品を買い替えた経験あります。
 ・当時は回路構成など何も知らないまま、雑誌の新製品情報に踊らされていました。
 ・オーディオ全盛期、バブリーな時代でした。
 ・そういえば333ESGが一番音がいい、、なんて勝手に自己評価していました。
 ・久しぶりにシンセチューナーを聴きましたが、良い音が出ていると思います。

333esxii09

2014年11月16日 (日)

KENWOOD L-01T

 ・2014年10月初め、L-01Tの修理を承りました。
 ・「FMは受信できるが、バリバリというノイズが発生する」という症状とのこと。
 ・余暇を利用しての作業のため時間が掛かってしまいました。
 ・以下、作業報告です。

L01t108

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T 輸出機のサービスマニュアルが入手できます。
 ・cooltune様のサイトに当時のカタログがあります。
 ・取扱説明書<捜索中>

L01t100 L01t103 L01t104 L01t105

<概要>
 ・1979年発売。その前年に発売されたKT-9900から多くの技術を受け継いだ高性能機。
 ・非磁性体構造:アルミシャーシ、強化ナイロン、アクリル、木製ケース。
 ・2電源構成:局発回路用とその他検波復調回路用を独立して搭載。
 ・ダイレクトコンバージョン:電波が強いときRF増幅段を通さず直接ミキサー段へ入力。
 ・パルスカウント検波:トリオ自慢の検波方式。
 ・サンプリングホールドMPX:FM文字多重放送との干渉問題あり。

L01t109 L01t111 L01t112 L01t113 5

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・実機を見ると予想以上のサイズ。デカイ&重い。
 ・特に奥行き452mm、レコードプレーヤー並みですね。
 ・全体に多少のキズがあるものの致命傷はない感じ。
 ・正面アクリルパネル左側(KENWOODロゴ付近)にあるヒッカキ傷が残念。

 ・電源オン、オレンジ色照明が部分的に暗い。電球切れか?
 ・Wide/Narrow、Direct/Normal の青い三角形表示も一部電球切れ?
 ・STEREOランプは赤く点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・TメーターとSメーターの動作正常。FM局を正常に受信している。
 ・電源投入後1分くらいは不具合なしと思いました。

 ・その後、ご指摘のようなバリバリというノイズ発生。
 ・固定出力、可変出力ともにノイズが聞こえる。
 ・マルチパスH端子からも同じノイズが聞こえる。
 ・ノイズ発生時でも二つのメーターは正常動作している。

 ・本体底面にKENWOODサービスの修理記録。
 ・昭和61年(1986年)ダイヤル指針の電球が交換された模様。

L01t101 L01t102

 ・背面にある切替スイッチ CONTINUOUS DIAL LIGHT でフロントパネルの照明切替可能。
 ・オン:すべての電球が点灯
 ・オフ:ダイヤル指針とポジションインジケーターのみ点灯
 ・すべての電球が点灯している方が美しいのですが、省エネ仕様ということでしょう。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・上部カバーは木製、とっても軽い。底板も木製。
 ・アンプ並みに巨大な電源トランス2個。立派な電源回路。
 ・大きな電解コンデンサー。よく見ると大小すべてKENWOODブランド。
 ・7連バリコンを納めた大きなシールドケース。
 ・このシールドケースを外すには底板を外して裏側からネジを外す必要あり。
 ・さすが高級機、という印象です。

L01t01 L01t17 L01t18 L01t03 L01t04
L01t06 L01t07 L01t08 L01t09 L01t10
L01t11 L01t12 L01t13 L01t14 L01t15

 ・LA1231N、AN610P、TR4010A、HA11223W

■修理記録1:電球修理、、といっても接点を磨いただけ-----------------

 ・周波数窓の照明やインジケーター用に多くのミニ電球が並んでいる。
 ・点灯していない電球を取り外す。
 ・90度回転するとロックが外れて台座ごと取り出せる。
 ・ルーペで電球を観察するとフィラメントは切れていない。
 ・接触不良を疑って基板との接点部分を清掃して再設置 → みごと点灯。
 ・点灯していなかった7個の電球はすべて接触不良が原因でした。
 ・全球点灯すると美しい照明ですね。これはいい雰囲気です。
  ※電球仕様:直径4mm、8V/0.1A

L01t21 L01t22 L01t23 L01t24 L01t27

■修理記録1:バリバリ音の原因調査------------------------------------

 ・SメーターとTメーターは正常動作。つまりメーター駆動用LA1231は正常。
 ・LA1231N-6pinクアドラチュア検波の音を直接聞くと正常な音声が聴こえる。

 ・TP(R78右側)にてダウンコンバート周波数1.96MHz確認。
 ・L6(第2OSCコイル)にて1.96MHz調整可能。
 ・ところがTR4010A-5pin出力にはノイズが乗っている。
 ・TR4010A-5pin出力はそのままマルチパスH端子から出ている
 ・これらの症状から不調原因は TR4010A の故障を疑いました。

L01t09_3 L01t10_3 L01t11_2 L01t12_2

<参考>KT-8300(故障機)-------------------------------------------

 ・実は今回のL-01Tとほぼ同じ故障症状の KT-8300(故障機)が手元にあります。
 ・この KT-8300 は故障品としてずいぶん前に寄付していただいたものです。
 ・前所有者がKENWOODサービスに修理依頼したところ「修理不能」で戻されたそうです。
 ・修理不能の理由は「専用ICが入手できないため」だったそうです。
 ・専用ICとは TR4010 のことだと直感しました。

 ・L-01T と KT-8300 のパルスカウント検波部はほぼ同じ構成です。
 ・今回 L-01T の症状を見て、故障原因は KT-8300(故障機)と同じ専用ICだと思いました。
 ・新品のTR4010 は入手不能でも同型ICは KT-8300、KT-8100、KT-80で使われています。
 ・部品取りできるジャンク機が手に入るのを気長に待つことにしました。
  ※L-01T/TR4010A、KT-8300/TR4010

■修理記録2:KT-8300(正常機)入手-----------------------------------

 ・待機状態をお伝えしたところ、L-01T 依頼者様から KT-8300(正常機)が届きました。
 ・部品取り用にご手配いただきました。誠にありがとうございました。
 ・電源を入れ動作確認したところFM放送を正常に受信できました。
 ・ただ、LOCKランプが点灯不良。
 ・チューニングつまみから指を離しても赤色LEDが点灯しない。その後不規則に明滅する。
 ・ちょっと気になりましたが、FM受信性能とは直接関係無いので今回はスルーしました。
 ・基板上にある TR4010 を取り外して代わりにICソケット装着。
 ・いつでも復旧できる状態にしておきました。

L01t35 Kt830001 Kt830003 Kt830006 Kt830007

■修理記録3:KT-8300(故障機)修理-----------------------------------

 ・KT-8300(故障機)の TR4010 を外してICソケット装着。
 ・先に取り外した KT-8300(正常機)のTR4010を移植。
 ・これでノイズが消えるかと思ったら、、残念、ノイズ症状に変化ありません。
 ・「専用ICの故障」と診断されていたのに、原因は TR4010 ではありませんでした。

■修理記録4:L-01T TR4010交換----------------------------------------

 ・L-01T の TR4010A を取り外してこちらもICソケット装着。
 ・KT-8300(正常機)から取り外した TR4010 を移植。
 ・ところが KT-8300(故障機)同様に不具合状況が改善しません。
 ・TR4010を交換しても症状(ノイズ発生状況)は変わらないです。

 ・取り外すときの半田ごての熱で TR4010 が壊れたかも?
 ・TR4010 を元の KT-8300(正常機)に戻してみるとキレイなFM音声が出てきます。
 ・L-01Tから取り外した TR4010A をKT-8300(正常機)に移植すると正常動作。

L01t42 L01t41 Kt830008

<分かったこと>
 ・L-01TのTR4010Aは故障ではなかった。
 ・KT-8300(故障機)のTR4010も故障ではなかった。

■修理記録5:L-01T AN610P交換

 ・専用ICとはてっきりTR4010のことだと思っていましたが次はAN610Pが怪しい?
 ・KT-8300ではカンタイプのMC1496が使われています。
 ・同じバランスドモジュレータでも仕様が異なるのでAN610Pを新規手配。
 ・ヤフオクに出ていた新品10個セットを1,400円で入手。
 ・相場を知らないので高いのか安いのか?分かりません?
 ・手元に届いてL-01TオリジナルのAN610Pと交換。
 ・しかしノイズ状況に変化ありません。
 ・AN610Pの初期不良を疑って4個試しましたが症状は変わらず。

L01t50 L01t46 L01t47 L01t48 L01t49

<分かったこと>
 ・AN610Pは故障していない。

■修理記録6:L-01T 電解コンデンサーなど交換-------------------------------

 ・TR4010A-4ピン入力は正常、ところが5ピン出力不調。
 ・TR4010A自体は正常。ということは TR4010A周辺回路が怪しい?
 ・試しに TR4010A 周辺の電解コンデンサ4個交換 → 症状変化なし
   ※C122(1uF50V),C48(100uF10V),C49(10uF16V),C51(1uF50V),C52(1uF50V)
 ・コイルL9(2.2uH)交換 → 症状変化なし

■修理記録7:L-01T ローパスフィルター交換---------------------------------

 ・L-01T、KT-8300(正常機)を並べて置き、回路図と見比べながら実機比較調査。
 ・回路図に記された電圧指定値をつぶさに調べました。
 ・TR4010の各ピン電圧は指定値とほぼ一致するが6ピンと8ピンだけは安定しない。
 ・6ピンと8ピンの間にはローパスフィルターFL3(LPF250kHz)、まさかこれ?

L01t_fl3

 ・KT-8300(正常機)の基板を見ると同じ型番ローパスフィルターFL5がありました。
 ・KT-8300(正常機)から外して L-01T に移植すると、、、結果は大当たり!!
 ・不快なノイズが消えて正常な音声が出てきました。
 ・ノイズ源はローパスフィルターFL3でした。やれやれ、、
 ・KT-8300(故障機)も多分同じ原因でしょう(未確認)。

L01t54 L01t55 L01t56 L01t57 L01t58

■修理記録8:Q27 2SC1384 ハンダ割れ----------------------------------

 ・上記作業中はマルチパスH端子から出てくる音を聴いていました。
 ・ノイズ問題が解消したと思い、音声出力端子(固定/可変)の音を確認しました。
 ・ところが固定/可変ともに Lch の音声がブツブツに途切れます。
 ・よく聴いてみると再生音自体のステレオ分離は正常に行われています。
 ・HA11223W以降の回路を追っていくと、Q27 2SC1384 がグラグラ、ハンダ割れでした。
 ・ハンダ補修してブツ切れ解消。これで不具合はなくなりました。

L01t60 L01t61

■修理記録9:ミニ電球交換---------------------------------------------

 ・修理記録1で復活した照明用電球の1個が、作業中にいつの間にか本当に切れていました。
 ・電球仕様:直径4mm、8V/0.1A、ベース部の直径10mm(サイズ的にはT4.2ミニベース?)
 ・ポムロル様のL-01T修理記事を参考にさせていただきミニ電球を交換しました。
 ・エナメル線仕様で 8V/01Aの電球は直径3mmのものしか見つかりませんでした。
 ・細かい手作業なので老眼オヤジにはちょっと厳しい、、、
 ・接点となる部分のエナメルを剥がさないと点灯しない。

L01t81 L01t84 L01t85 L01t86 L01t87

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ノイズ源の修理を終え、海外版サービスマニュアルに沿って各部調整しました。

L01t_bd_s

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・VR2
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・VR3
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz
【VCO調整】
 ・無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ・L10,L11,VR5:詳細は後述
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態  VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → Rch最大
【セパレーション調整】
 ・Wide受信時 VR10→Rch、VR11→Lch
 ・Narrow受信 VR1(X13-2690基板)
<VR一覧>
 VR1:Wide gain
 VR2:Muting
 VR3:S-meter
 VR4:Noise Amp
 VR5:SCA
 VR6:VCO
 VR7:Pilot cancel
 VR8:Lch-max
 VR9:Rch-max
 VR10:Wide separation Rch
 VR11:Wide separation Lch
 VR1:Narrow separation(X13-2690基板)

L01t_align

L01t_sche_s

 ・さすが高級機、調整ズレはほとんどなかったです。
 ・遠距離受信の目安にしているNHK-FM(岐阜)が綺麗に受信できます。
 ・歪率、セパレーションなど素晴らしい数値が出ています。

■FM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題------------------------------------------

 ・実はL-01Tにはもう一つの興味がありました。
 ・FM文字多重放送( DARC = Data Radio Channel )の影響によるノイズ問題です。
 ・KT-9900、L-01TではFM文字多重放送の影響によるノイズが発生するそうです。
 ・FM文字多重放送に該当するのは民放FM局の「見えるラジオ」と NHK-FMの「VICS」。
 ・これが原因でKT-9900やL-01Tを手放した方もいらっしゃったとか、、
 ・理論的な解説は cooltune様のL-01T記事をご覧ください。

 ・今回調整したL-01Tで受信してみると、やはりNHK-FMでは耳障りなノイズがあります。
 ・これは LUXMAN T-300Vで経験したノイズと同じです。過去記事→
 ・一方、NHK-FM以外の民放FM局ではこのノイズは発生しません。
 ・あれ?FM-Aichiの「見えるラジオ」はどうなった?

 ・調べてみるとFM-Aichiの「見えるラジオ」は2014年3月31日に終了していました。
 ・同様にJFN系列各局も2014年3月31日で「見えるラジオ」が終わっていました。
 ・FM-Aichi FM文字多重放送「見えるラジオ」サービス終了のお知らせ
   →近年スマートフォン等を通じて様々な情報サービスを受けることが可能になった。
   →「見えるラジオ」はその役割を果たし終えたと考えるのが妥当な環境となった。
 ・ということは、現在ノイズ問題を抱えるのは「VICS」を載せているNHK-FMだけということ。
 ・何ということでしょう、、肝心なNHK-FMだけが抱える問題となっていました。
 ・逆に民放FMだけを聴く人にとってはFM多重放送問題は解決されたことになります。

 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170 でFM多重信号を生成して実験しました。
  ※L+R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・無音時の信号(緑色)と多重信号を載せた信号(青色)の違いです。
 ・巷ではこのノイズを「セミの鳴き声」に例えていますが、まさにそんな感じです。
 ・特にクラシック音楽のピアニシモ部分で相当不快なノイズとして聞こえます。
 ・大音量のロックやジャズでは気にならないかも?

L01t_vics01

■SCA調整-------------------------------------------------------------

 ・アメリカではSCA放送としてサブキャリア67kHzに多重信号を載せています。
 ・これを除去するため L-01T では豪華なSCAフィルター回路が搭載されています。
 ・海外版SMには調整要領にSCA調整としてL10,L11,VR5の設定方法が記されていました。
 ・一方、日本の多重放送は76kHzをサブキャリアとして多重信号を載せています。
 ・SCAフィルターを日本の76kHzに同調させればノイズ問題は解決するのでは?

 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置に設定
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン。
 ・これで聴感上の耳障りな歪が消えました。

 
L01t92 L01t94 L01t96 L01t91 L01t90

L01t_sca01

着手前 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.2V~0.3V +7.5V
MSG2170(多重信号オン) 0.3V +7.5V
L10,L11調整後 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.5V~1.0V +7.5V
MSG2170(多重信号オン) 1.1V +7.5V
VR5調整後 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.5V~1.0V -6.6V
MSG2170(多重信号オン) 1.1V -6.6V

 ・VICS信号が載ったNHK-FMを受信しながらでも調整できました。
 ・D36電圧は放送内容によって変動しますが、L10を反時計回りに約1回転(360度)
 ・続いてL11も反時計回りに約1回転(360度)、これでおよそ最大電圧位置になります。
 ・次にIC9-1pinの電圧を見ながらVR5を時計方向に少し回す。
 ・+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置にセット。

Msg2174p66

 ・SCA回路オン/オフで可聴域の再生音への影響が,最も気になりるところです。
 ・本来はSCAフィルター L12,L13,L14,L15も最適化すべきですね。
 ・元々は67kHz前後の周波数をカットする設定のはず。
 ・ということは 57kHz(38+19)付近もフィルターの影響を受けている可能性あり。
 ・聴いた感じでは特に気になる影響は分かりません。
 ・ここの調整法は自分用のL-01Tを入手してからの宿題とします。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しい。惚れ惚れします。
 ・パルスカウント検波ですから電波の弱いFM局では音質に不満を感じます。
 ・でもDIRECTで受信できるFM局なら素晴らしい音質を体感できます。
 ・これはイイです。私もぜひ一台欲しくなりました。

L01t107

 ・L-01Tのような高級機は本来はプロにキチンと修理調整してもらった方が良いです。
 ・特にKENWOOD製品はまだメーカーサービスによる修理調整が期待できます。
 ・当方は「実験材料」としてご提供いただける場合に限りお引き受けしています。
 ・作業途中で壊してしまっても笑ってお許しいただけることが条件です。壊す確率は高いです。

2014年11月 9日 (日)

Lo-D FT-420

 ・2014年9月、修理調整のご褒美として古いチューナーを頂戴しました。
 ・フロントパネルに「PLL MPX CIRCUIT」と表示があります。
 ・使われているIC確認と電球など部品取り用途にピッタリです。

Ft42007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Lo-D FT-420 ¥45,000(1976年頃)

 ・上記サイトの解説を読むと、使われているICの型番まで記載がありました。
 ・1976年製、HA1137、HA1156。
 ・開腹する瞬間が楽しみなのに、、楽しみが無くなっちゃいました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・長期保管品との事で、外観は傷も少なく外観はまずまずの状態。
 ・アルミ製フロントパネルはキレイな状態。
 ・背面にはマルチパス出力端子。電源コードの印字「1976」

Ft42001 Ft42003 Ft42004 Ft42005 Ft42006

 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明ランプ点灯。
 ・FM/AMとも受信OK。二つのメーター動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。ミューティング動作OK。
 ・MPX NOISE FILTERスイッチをオンにすると高音域が減衰。
 ・特に不具合は無さそう。

Ft42009 Ft42011 Ft42012 Ft42013

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンドはFM4連AM2連の小さなユニット→CF3個
 ・HA1137(クアドラチュア検波)
 ・HA1156(PLL MPX-IC)
 ・HA1138(AM SYSTEM)

Ft42020 Ft42021 Ft42022 Ft42023 Ft42024

 ・照明窓は周波数を印刷したアクリル板を裏から電球で照らす透過照明です。
 ・凝った造作がまったく無いので見た目はちょっと安っぽい感じ。
 ・周波数窓の照明色と二つのメーター窓の照明色が微妙に違うのも気になる。

Ft42025 Ft42026 Ft42027 Ft42028 Ft42029

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM関係】
 ・OSC調整:L105、TC104
 ・RF調整 L101,L102,L103、TC101,TC102,TC103
 ・IFT調整:T101
 ・検波調整:T102(下段:同調点、上段:高調波歪)
 ・VR201:Sメーター調整
 ・VR202:ゲイン調整
 ・VR301:ミューティング調整
 ・VR302:VCO(19kHz)→ TP
 ・VR303:セパレーション調整
【AM関係】
 ・T252、背面バーアンテナ、TC??

F420_align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・この時期の中級チューナーの鉄板構成(HA1137→HA1196)です。
 ・性能はごく普通、でも特に不満なし。
 ・意外な発見! が無かったのが残念でした。

Ft42008

2014年11月 3日 (月)

KENWOOD KT-727

 ・調整依頼品の作業報告です。
 ・周波数ズレはないものの歪感が大きいそうです。

Kt72709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡には情報がありません。
 ・古いオーディオ雑誌にあった製品情報を掲載します。

Kt727_catalog

 ・1984年発売、当時の定価45,000円。ミニコンサイズとしては高額。
 ・歪率0.0095%、セパレーション69dB。これは凄い数値ですね。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ全体にキズは少なく質感は良いです。
 ・フロントパネルもキレイですが、光にかざすと擦り傷が目立ちます。
 ・電源オン。FL管の劣化は無いようで明るいです。
 ・ただFM/AMの切替スイッチの接触が悪い。
 ・ミューティングとオートチューニングのボタンもちょっと反応が鈍い。
 ・FM受信OK。でも通常受信できるFM局をオートチューニングが通過する。
 ・FMの音質は確かに歪っぽい。同調点がズレている予感。
 ・AMは不具合なさそう。

Kt72704 Kt72705 Kt72706 Kt72707 Kt72712

■フロントパネルはKT-929を同じ?--------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃しました。
 ・Sメーターは無くて同調を示す緑色LEDが1個だけです。
 ・でもSメーター用のLED設置スペースと基板配線が用意されていました。
 ・プラスチック製の薄いパネルで不要な穴が隠されています。
 ・パネルベースは上位機KT-929と同じもののようです。

Kt72735 Kt72734

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ひろくんのホームページ に詳しい調整方法が記載されています。

【FM部】
 ・VT電圧 → TP2、76MHz-7.6V、90MHz-25.6V 確認のみ
 ・フロントエンド調整 76MHz L1,L2,L3、90MHz TC1,TC2TC3
 ・IFT調整 L5
 ・VR1:Sメーターレベル調整 ※Sメーター実装なし
 ・VR2:歪調整
 ・VR8:VCO調整、TP6 76kHz
 ・VR9:セパレーション調整 Rch
 ・VR10:セパレーション調整 Lch
【AM部】
 ・VT電圧 → TP2、729kHz-2.8V、1332kHz-20.0V 確認のみ
 ・729KHZ L17,L19、90MHz TC6

Kt72700

 ・FM同調点が大きくズレていました。
 ・再調整の結果、歪率が大幅に改善しました。0.7%→0.02%
 ・MPX部調整でセパレーションが60dB超になりました。

Kt72720 Kt72721 Kt72722 Kt72723 Kt72724
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Kt72730 Kt72731 Kt72732 Kt72733 Kt72736

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シンセチューナーでFM放送をゆっくり聴いたのは久しぶりかも、、
 ・受信性能の目安にしているNHK-FM岐阜放送局がきれいに受信できます。
 ・コミュニティFMの微弱電波もよく拾っています。なかなか優秀です。
 ・WIDE側で聴くAM放送が心地良い音質です。
 ・Sメーターが省略されているのが唯一残念な点です。

Kt72703

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