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2015年1月18日 (日)

Lo-D FT-8000

 ・2014年11月、研究材料として Lo-D FT-8000 をご提供いただきました。
 ・お陰さまで年末年始休暇を楽しく過ごせました。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Lo-D FT-8000 ¥75,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 Lo-d FT-8000 ¥75,000(1978年)
 ・Tuner Information Center Hitachi FT-8000 ※海外版回路図あり

Ft800010

 <概要>
 ・1978年、Lo-D(日立)初の本格的シンセサイザー方式FM専用チューナー。
 ・同社製プリアンプHCA9000と共通したデザイン。
 ・パネルカラーはブラウン色とシルバー色の2色。

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板に数か所擦り傷、小さな塗装ハゲありますが全体として保存状態は良好。
 ・既にクリーニングされているのか、フロントパネルはとてもキレイ。
 ・シルバーの操作ボタンが光り輝いています。
 ・背面を見ると見慣れない TV TRAPスイッチがFMアンテナ端子に繋がっている。
 ・音声出力端子は固定のみ、金メッキ仕様。マルチパス端子なし。

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 ・電源を接続したら表示部が時刻設定モードになりました。
 ・このまま MANUALTUNING ボタンを操作して「時」と「分」を設定。
 ・「時」「分」の設定は順方向のみ。逆戻りはできない。
 ・「分」を設定した瞬間から秒がスタートするようです。

Ft800002 Ft800003

 ・本体電源オン → 表示部が時刻表示からFM周波数表示に切り替わる。
 ・周波数窓には電球照明があり、STEREO や SIGNAL の文字が浮かび上がる。
 ・ERASEランプが赤く点滅。メモリー登録すると消灯する。6局メモリ。
 ・TUNINGボタン SWEEP UP、SWEEP DOWNボタンでFM局を探して自動選局開始。
 ・MANUAL TUNINGボタンでマニュアル選局。
 ・STEREOランプが点灯してFM音声を正常に受信できました。
 ・IFモード切替(Wide/Narrow)機能なし。
 ・FM放送を受信中にCLOCKボタンを押すと時刻表示に切り替わる。
 ・MULTIPATHボタンでマルチパス状況が音声で流れる。
 ・REC TONE OK。

Ft800011

 ・本体電源オフ → FM周波数表示から時計表示に切り替わる。
 ・時計機能を内蔵しているのにタイマー録音機能はない。
 ・停電時のメモリ保持機能なし。
 ・電源コードを抜くと登録内容が失われる。
 ・常時通電することが前提のようです。
 ・表示部の輝度劣化がないのは使用頻度が低かったから?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・アンプ並みの大型電源トランス2基搭載。
 ・チューナー基板と同サイズの大きなコントロール基板。
 ・これはシンセサイザー式チューナー黎明期の製品ですね。
 ・同時期のシンセチューナー Aurex ST-630 によく似た構成です。

Ft800020 Ft800022 Ft800029 Ft800026 Ft800037

 ・フロントエンドはHITACHI製パッケージ、これは HCC-8 と同じ型番でした。
 ・「HITACHI 5-GANG TUNER」と刻印されたFM5連相当チューナーパック+ANT側にもう一段。
 ・チューナーパックの中を見ると一段(LR2、TCR2)抜けているので実質4連相当。
 ・外側の一段と合わせて5連相当でした。

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 ・フロントエンド基板 → CF3個 → クアドラチュア検波 → PLL MPX
 ・IFモード切替(Wide/Narrow)機能なし。
 ・HA11211 FM IF SYSTEM
 ・HA11223W FM PLL MPX

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 ・背面「TV TRAP」スイッチはアッテネーターに繋がっている。 ※訂正
 ・背面「TV TRAP」スイッチを分解して基板を確認。
 ・回路図ではアッテネーターだが、実機では「LPJBI SOSHIN 」と印字されたフィルターのよう。
 ・TV TRAPオンにすると受信感度(LED表示)が僅かに低下する。
 ・これに関する解説を「オーディオの足跡」より引用
 「ビル共聴アンテナなどから電波を取り入れる場合に、テレビとの相互変調妨害を受けるのを防ぐため、セット裏面にTVトラップ回路を搭載しています。」

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■コントロール基板の様子が随分異なる。-----------------------------------

 ・入手した輸出機用回路図、ブロック図とFT-8000実機を照合しました。
 ・チューナー部の構成はほぼ同じですがコントロール基板が回路図とかなり違います。
 ・ブロック図を見るとメモリ保持用と思われるバッテリーがある。実機にはない。
 ・使われているIC型番、水晶発振子の周波数が違う。部品配置も随分違う。
 ・ネット検索で見つけた輸出機の内部写真では、電源トランス横に小さな基板。
 ・この基板にバッテリーが載っているようです。
 ・たぶん輸出機には時計機能が無く、代わりにメモリ保持用バッテリーがあるようです。

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・外観が劣化していたチューナー電源回路の電解コンデンサを交換。
 ・C811 470uF/35V
 ・ただの気休めだったか? 効果は特に確認できず。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 【フロントエンド部】
 ・VT電圧 76MHz 3.2V、90MHz 22.1V ※フロントエンド基板8Pin 確認のみ
 ・RF受信調整 76MHz L102,LA,LR1,LR3、90MHz CT101,TCA,TCR1,TCR3
 ・チューナー基板30pin Sメーター電圧測定
 【検波部調整】
 ・T201下段:FM同調点調整 TP(HA11211-15pin)12pin電圧ゼロ
 ・T201上段:高調波歪最小
 ・フロントエンド内 IFTコア:高調波歪最小
 ・R214:音声出力レベル調整 ※REC LEVEL固定なので音声出力を+6dBに設定
 ・R216:Sメーター点灯調整
 ・R229:Mutingレベル調整
 【MPX部調整】
 ・R303:VCO調整 ※TP R304左側 76kHz
 ・R308:19kHzキャンセル調整
 ・R356:セパレーション調整
 【PLL部】
 ・CT501:調整方法未確認

Ft8000algnnew
Ft8000_sch3

 <メモ>
 ・受信性能、歪率、セパレーションなどはごく普通の数値でした。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シンセサイザー式チューナー黎明期の機種として希少です。
 ・保存状態も良いのでコレクション品として価値がありそう。
 ・ただ、受信性能や各種測定数値はごく普通の並チューナーでした。
 ・それと常時時計表示するのにタイマー連動機能が無いのは残念。
 ・電源コンセントを抜くとメモリが消失するのも残念。
 ・時計として常時通電することが前提の機種でした。

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コメント

ブルース様、毎度ありがとうございます。
よろしければ、そのままコレクションにしていただければと強く思います。
また、何かの時は、よろしくお願いいたします。

FT-8000はシンセ式チューナー黎明期の貴重な機種でした。
お言葉に甘えて大切に保管させていただきます。

ありがとうございました。

Bluess様、依頼人様

背面の「TV TRAP」スイッチ回路には、写真ではアッテネータ
では無く、SOSHIN(双信電機)製のフィルタらしい部品が接続
されていますね。

輸出機用回路図ではアッテネータが入るようになっていますが、
国内向けには、オーディオの足跡様の解説文のとおり、
「ビル共聴アンテナなどから電波を取り入れる場合に、テレビ
との相互変調妨害を受けるのを防ぐため、セット裏面にTVトラ
ップ回路を搭載しています」ということのようです。

フロントエンドパックのANT側に同調回路を追加していることや、
RFのAGCを設けていることから、信号の飽和と受信感度の両立
に苦心する往時の設計部門の様子がしのばれ、興味はつきま
せん。

今年も更新を楽しみにしております。

exjf3eqs様

こんばんは。

いつも的確なご指摘をいただき誠にありがとうございます。回路図を先に見ていたので SOSHIN と書かれた部品は集合抵抗か何かと勝手に思ってしまいました。

Aurex ST-630と聴き比べながら、シンセ式チューナー黎明期の製品に興味が湧いてきたところです。中途半端な状態のVICTOR T-7070残骸もまだ残っています。

並ユーザーとしての立場から偉そうに「性能は並みクラス、、」などと言ってしまいますが、技術者のお立場からはさすが見方が違いますね。当時、新鋭機の設計開発に携わった方々に思いを馳せる視点を忘れないようにします。

今年もよろしくお願いいたします。

FMチューナーには、原音を忠実に再生するオーディオ機器としての側面と、微弱から過大までの電波の中から希望の放送を選択して適切に受信する通信機としての側面とがあって面白いですよね。

輸出向けの回路を見ると、ANT入力のアッテネータの他、チューナーパックの入力にもD103とD104からなる電子的なアッテネータ回路が形成されていますね。

D103とD104に使われてるISV77はPINダイオードというもので、順方向電流に比例してRF的な抵抗値が下がる特性を利用し、RFのスイッチやアッテネータに使われるものです。

強電界時には、チューナーパックのIF出力からQ102(IF増幅)→D105,D106(検波)→Q101(DC増幅)のルートでQ101のコレクタ電圧をマイナス側に振って、D103とD104に順方向電流を流し、チューナーパックのRF入力とGNDをショートすることで信号を減衰させています。

輸出向けの回路図にあるD103とD104のアッテネータは、写真を拝見する限り、日本向けでは省略されているようです。

輸出向け
・ANT入力:アッテネータ SW
・チューナーパック入力:PINダイオードアッテネータ

国内向け
・ANT入力:TV-TRAP SW
・チューナーパック入力:同調回路

両者で回路構成が異なる理由は何故なんでしょうか?
国内と海外のFM-TV放送波の周波数割り当ての違いによるもの?
詳しい方にご教示いただきたいものです。

exjf3eqs様

ご指摘を受けて改めて実機を確認しました。
輸出機回路図に記載されているD103、D104は実機にはありません。
チューナーパック周辺回路は輸出機回路図とは随分異なります。

ただその違いによってどのような機能差が生じるのかがよく分かりません。
面白いですね。まだまだ勉強です。

今はTV TRAPスイッチの効果は確認できませんが、FM補完中継局の放送が始まったら何か変化があるのかな?ちょっと楽しみです。

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