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2015年1月 4日 (日)

ROTEL RT-1024

 謹賀新年

 ・年末年始は何の予定も無く、久しぶりに自由な休暇を過ごせました。
 ・最近は古いチューナーの修理依頼が増えています。
 ・それ自体は楽しいのですが、一方で自分の作業が随分滞っていました。
 ・今回の休暇でようやく数機種の作業が進みました。

■ローテル RT-1024----------------------------------------------------

 ・2014年9月末、ヤフオクでローテル製チューナーを入手しました。
 ・フロントパネルに並んだ4個のメーターが精悍な印象の機種です。
 ・実は以前、黒川晃著「FMチューナーマニュアル」を読んでこの機種を知りました。
 ・FMドルビー放送デコーダーを内蔵したFM/AMチューナーとか。
 ・いつか実機を見たいと思っていましたが、本当にそのチャンスが巡ってきました。

Rt102470

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・ROTEL RT-1024 定価89,800円
 ・昭和53年(1978年)発行の本に紹介記事があるので発売は1977年頃か?

1024

 ・Hifi Engine ROTEL RT-1024 ※輸出機の取扱説明書とサービズマニュアルが入手可能

Rt102402 Rt102411

 ・黒川晃著 「FMチューナーマニュアル」 昭和53年4月10日初版発行 ラジオ技術社
  P231 アクセサリ回路の一つとして記述があります。<以下、該当箇所の抜粋>
   (7)FM-DOLBY
 これは、アメリカで試験的に行われているドルビー放送を受信するときに用いるものですが、日本ではまだ行われていないので何の役にも立ちません。中道研究所 model 630チューナーとローテルのRT-1024にはデコーダまで付いています。またオンキョーT-433NII、マランツ model 150、そして中道のmodel 430 などにはスイッチのみ付いています。 <抜粋ここまで>

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・久々に巨艦サイズチューナー、大きくて重いです。
 ・フロントパネルは黄ばんだ印象、これはヤニ汚れ。
 ・ボディはキズが多く、傷口周囲は茶色く錆びています。
 ・背面端子は固定出力端子以外は青緑サビだらけ。
 ・テープデッキやアンプへの接続端子がずらっと並ぶ。
 ・背面に400kHzスイッチ、これはテストトーンのスイッチか?
 ・FM75Ω端子は初めて見る特殊な形状。

Rt102410 Rt102412 Rt102413 Rt102460 Rt102414

 ・電源オン、周波数パネルがオレンジ色に浮かび上がる、でも部分的にタマ切れ。
 ・4連メーターも同様に部分的にタマ切れか?
 ・若干の周波数ズレがあるものの、SメーターとTメーターが振れてFM放送受信OK。
 ・ステレオランプ点灯。ミューティング動作OK。マルチパスメーターも振れている。
 ・AM放送も背面バーアンテナで受信OK。
 ・チューナーとしては大きな不具合はなさそうです。
 ・でもFMドルビー関係の操作方法と動作がよく分からない?

Rt102401 Rt102403 Rt102404 Rt102405 Rt102406

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・ボディを外すと基板裏側が出現。逆さま構造。
 ・ひっくり返して底板を開けるとパーツを載せた基板表側が見える。
 ・大きな電源トランス、チューナ基板より大きなドルビー基板。
 ・フロントエンドは立派なシールドケースに納まっている。

Rt102430 Rt102431 Rt102432 Rt102433 Rt102435
Rt102436 Rt102437 Rt102438 Rt102439 Rt102440

 ・アルプス製 FM5連AM3連バリコン → CF3個 → レシオ検波 → HA1156
 ・IF切替(Wide/Narrow)なし。
 ・調整用半固定抵抗の数が多い。
 ・AM用IC:uPC30C ※データーシート未確認
 ・DolbyIC:NE545B×2個 ※DOLBY-B NOISE PROCESSOR 左右に1個ずつ

Rt102441 Rt102442 Rt102443 Rt102444 Rt102445
Rt102446 Rt102447 Rt102448 Rt102450 Rt102451
Rt102415 Rt102416 Rt102417_2 Rt102418 Rt102419

 ・輸出機のサービスマニュアルや回路図と実機を照合すると完全に一致。
 ・電源電圧の切替スイッチ、ディエンファシスの切替スイッチあり。
 ・フロントエンド以外は国内機と輸出機は同じものだったようです。

Rt1024_top Rt1024_bottom

  ・H-IF-111C:チューナー基板
  ・X-143J:ドルビー基板
  ・B-114D:電源基板
  ・X-141E:ヘッドホンアンプ基板
  ・X-151 :400kHzOSC基板
  ・X-194 :可変出力アンプ基板

Rt1024schem01
Rt1024schem02

 ・シリアル番号 64948239
 ・回路図の記述を見ると NA48239 と読むようです。先頭の三桁 649 は何?

■なめたネジを外すツール--------------------------------------------

 ・清掃と電球確認のためフロントパネルの分解に着手。
 ・ところがフロントパネルを固定しているネジが全部潰れて(なめて)いました。
 ・M3×6mm 平ネジ7本(上側3本、下側4本)
 ・既に整備に挑戦しようとした先人がいたようです。
 ・きっと電動ドライバーで思いっきり回してしまったのでしょう。

Nameneji30

 ・なべネジなら「ネジザウルス」で簡単に外せますが平ネジには歯が立たない。
 ・どうしたものか、、と調べてみると便利な道具がありました。
 ・詳細はこちら→2014年10月26日記事

■修理記録1:電球交換------------------------------------------------

 ・ようやくフロントパネルが外れてパネルとツマミ類を清掃。
 ・切れている照明電球を確認しました。
 ・ヒューズ型電球T6.3×30mm(12.6V 0.3A)4本のうち2本が切れていました。
 ・回路図の記載では 12V 300mA。
 ・この4つの電球で周波数窓と4つのメーター全てを照らす単純な構造です。
 ・手持ちの 12V 0.3A電球と交換して無事点灯。

Rt102420 Rt102421 Rt102425 Rt102424 Rt102426

■修理記録2:FMアンテナ端子改造---------------------------------------

 ・この形の75Ω端子は初めて見ました。PAL端子とも違います。
 ・英語版の取扱説明書を読むと同軸ケーブルの芯線をコネクタに接続。
 ・アース線は下部にあるGND端子に接続するようです。
 ・本来は専用コネクタが付属品としてあったのかも?
 ・300Ω端子繋げばよいのですが、でもやっぱり75Ω端子がいい。
 ・試しにコネクタを外してみたらF型端子を取り付けるのにちょうど良い穴が、、
 ・ここはサクッと交換して完了。
 ・外した部品は保管箱へ、いつでも元に戻せます。

Rt102460_2 Rt102461 Rt102462 Rt102463 Rt102414_2

■FMドルビー放送って?------------------------------------------------

 ・英語版の取扱説明書を一通り読んでみました。

【DOLBYスイッチ】
 ・DOLBYスイッチ DOLBY FM:ドルビーFM放送を聴く ※DOLBYインジケーター点灯
 ・DOLBYスイッチ EXT:外部アダプターとして使う ※DOLBYインジケーター点灯
 ・DOLBYスイッチ OFF:通常のFM放送を聴く

Rt102477

 ・ドルビーFM放送をデコードするだけでなく、外部アダプターとしても機能する。
 ・本来はドルビー基準音を録音したカセットテープが付属していた?
 ・付属テープの基準音を使って接続したデッキの録音再生レベルを初期調整する。

 ・フロントパネルには「DOLBY SYSTEM」と「DOLBY NR」の印字あり。
 ・1970年代後期の製品ですから「ドルビーBタイプ」の時代でしょうか。
 ・回路図を見るとDOLBY基板で使われている NE545Bは BタイプのプロセッサーIC。

Rt102478

 ・内蔵ドルビー機能は接続したデッキに対して外部アダプターとしても機能する。
 ・ということは、ドルビーFM放送とデッキのドルビーシステムは同じもの。
 ・つまりドルビーエンコード(Bタイプ)された音がFM電波に載っていた。
 ・という理解でいいのかな?

 ・ドルビーエンコード → FM変調 → FM電波 → FM復調 → ドルビーデコード
 ・通常のノイズ除去手順以外に「FM変調~FM復調」のステップが加わるということ。
 ・これでは、最終的にデコードした音と本来の音が同じである保証は無さそう、、
 ・余計な手間が入るだけの感じがします。
 ・FMドルビー放送が本格的に普及しなかった理由は何だったのでしょうか?

■調整記録------------------------------------------------------------

Rt1024align2

【Tメーター初期調整】
 ・放送局を受信しない状態で
 ・L1003(青) と L1004(赤) 間にあるTPをショートする
 ・この状態でVR1004調整 → Tメーター中央へ
【OSC調整】
 ・OSC調整 76MHz Lo,90MHz TCo
【RF調整】
 ・90MHz TCR1,TCR2,TCR3
 ・76MHz  LR1,LR2,LR3
【検波調整】
 ・L1004(赤)調整 高調波歪み最少
 ・フロントエンド内IFTコア調整 高調波歪み最少
【Sメーター初期調整】
 ・L1001 Sメーター最大振れ
 ・VR1001 Sメーター振れ調整
【MPX調整】
 ・VR1002 STEREOランプ点灯調整
 ・VR1003 VCO 19kHz調整 TPすぐ横の抵抗リア側
 ・VR1005 セパレーション調整
【MUTING調整】
 ・VR810 30uV 
 ・VR809 10uV
【400kHz TEST TONE調整】
 ・背面端子 TO DECK端子 AC電圧測定
 ・DOLBY NRスイッチ EXT、PLAY/RECスイッチ PLAY、背面400kHzスイッチ ON
 ・Lch VR701 AC580mV
 ・DOLBY METER L VR807 0dB
 ・Rch VR702 AC580mV
 ・DOLBY METER R VR808 0dB
【FM DOLBY LEVEL CALIBRATION】※注
 ・SSG設定 400kHz50%変調mono
 ・DOLBYスイッチ DOLBY FM
 ・背面端子 TO DECK端子 Lch AC電圧測定 VR803 580mV
 ・DOLBYスイッチ EXT
 ・背面FIX OUT端子 Lch AC電圧測定 VR805 580mV
 ・DOLBYスイッチ DOLBY FM
 ・背面端子 TO DECK端子 Rch AC電圧測定 VR804 580mV
 ・DOLBYスイッチ EXT
 ・背面FIX OUT端子 Rch AC電圧測定 VR806 580mV
【AM調整】
 ・729kHz NHK受信 L204 L205 バーアンテナ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 CT201 CT203 CT202
 ・R201 Sメーター調整

Rt102443_2 Rt102466 Rt102467 Rt102465 Rt102446_2

 ※注)カセットデッキが無いので実際の調整効果は未確認。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・切替レバーやツマミがたくさん並んでいるのでレシーバーに間違われそう。
 ・ルックス抜群、4連メーターが異彩を放つ重量級チューナーです。
 ・ドルビーFM放送対応、デコーダー回路内蔵、稀少価値は相当高いかも?
 ・ただしFMチューナーとしての性能は並みクラス。

Rt102475

 ・ドルビー録音した音をSSGから送信すればドルビーFM放送そのものを再現できそう。
 ・デッキと繋いでドルビー外部アダプターとしての機能を試してみたい。
 ・でもカセットデッキは10年ほど前にすべて処分済み。
 ・いまさらカセットデッキを調達するのもね、、

 ・ということで有意義な年末年始休暇でした。
 ・今年もオールドチューナー整備とFMエアチェックに精を出します。
 ・よろしくお願いいたします。

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