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2015年6月の記事

2015年6月28日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録3

 ・2015年5月、TRiO KT-990の修理調整作業を承りました。
 ・AM受信OK、でもFM受信不可だそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt90003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 ¥53,800円(1982年発売)

Kt90002 Kt90009_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルがグラグラして選局つまみと接触している。
 ・ボディ全体は結構きれい。AMループアンテナ付き。
 ・電源オン、照明点灯、FMは地元放送局を受信しない、局間ノイズのみ。
 ・Sメーター、Tメーター点灯しない。
 ・AMは付属アンテナで受信OK。Sメーター点灯。AMは正常です。

Kt90001 Kt90008 Kt90005 Kt90006 Kt90056

 ・信号発生器(SSG)から83.0MHzのテスト信号を送って受信実験しました。
 ・すると83.0MHz信号を79.3MHz付近で受信しました。
 ・この状態で STEREOランプ点灯。サーボロックランプ点灯。Muting動作OK。
 ・Wide/Narrow切替OK。実際の音声にステレオ感あります。
 ・-3.7MHzの周波数ズレを確認。でもその他の動作は良さそうです。

 ・本体底に修理記録シールが貼ってありました。
 「S58.6.3 トランス」 トランスって何だろう?

■内部チェック--------------------------------------------------------

 ・FM4連AM2連バリコン
 ・パルスカウント検波:TR7020、TR4011
 ・MPX部:uPC1223C
 ・AM部 :LA1245
 ・LED DRIVER:AN6877
 ・フロントエンド内のトリマを回しても受信周波数が変化しない。

Kt90010 Kt90011 Kt90015 Kt90016 Kt90017
Kt90018 Kt90019 Kt90020 Kt90021 Kt90022

■フロントパネル修理--------------------------------------------------

 ・フロントパネルとボディを繋ぐプラスチック部品が破損している。
 ・この破損は過去事例と同じ症状で KT-900との共通弱点です。
 ・破損部分をボンドで接着した後、銀色テープで補強しました。
 ・でも上の重い機器を載せるとすぐに壊れそうです。ご注意ください。

Kt90030 Kt90031 Kt90032 Kt90033

■FM修理--------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド内のOSCトリマを回しても受信周波数が全く変化せず。
 ・FM不調の原因はやはりトリマの容量抜けですね。
 ・過去事例に倣ってフロントエンドユニット外側に新トリマー(青色10pF)を直付け。
 ・手前にある電解コンデンサを外すと作業がしやすい。
 ・下記受信調整によってばっちり受信できるようになりました。

Kt90012 Kt90041 Kt90042 Kt90043 Kt90044

■受信調整------------------------------------------------------------

 ・AN6877 1ピン→ FM Sメーター電圧測定
 ・L4 TR7020クアドラチュア検波調整→ TP1~TP2間電圧ゼロ ※実測252mV
 ・L6 TR4011パルスカウント検波調整→ TR4011-1ピン → 1.96MHz ※実測2.05MHz
 ・VR7 VCO調整→ TP3 76kHz
 ・VR6 パイロットキャンセル調整→ 19kHz漏れ信号最小
 ・VR4,5 Wide受信時セパレーション調整
 ・VR3 Narrow受信時セパレーション調整
 ・フロントエンド内IFT→ ステレオ受信時の高調波歪最小

Kt90050 Kt90051 Kt90052 Kt90053 Kt90054

 ・VR1:WIDE LEVEL → Narrow受信時と同レベル
 ・VR2:REC CAL →※実測427kHz -6dBに調整
 ・VR3:NARROW SEPARATION  ※実測35dB
 ・VR4:WIDE SEPARATION Rch ※実測52dB
 ・VR5:WIDE SEPARATION Lch ※実測51dB
 ・VR6:PILOT CANCEL
 ・VR7:VCO
 ・LA1245-16ピン→ AM Sメーター電圧測定

Kt990adj

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・全体に良い性能を取り戻したと思います。
 ・ただ、Narrow時のセパレーション値があまり良くありません。
 ・通常はWideモードでの使用をお勧めします。
 ・それにしても KT-990/KT-900のデザインはイイですね。
 ・照明を落とした部屋でボーっと眺めているとステキな雰囲気に浸れます。
 ・Wide側で聴くAMもなかなかです。

Kt90004

2015年6月21日 (日)

SANSUI TU-S707X 修理調整記録3

 ・2015年5月、TU-S707Xの修理調整作業を承りました。
 ・これはサンスイのSLDD回路に興味を持っていろいろ研究した思い出の機種です。
 ・懐かしさ半分の作業記録です。

Tus707x10

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X ¥54,800(1984年発売)
 ・オーディオ懐古録
 ・Hifi Engine TU-S77X ※回路図あり

Tus707x02 Tus707x14

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源OK。FM/AMとも受信します。STEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作OK、IFバンド(Wide/Narrow)切替OK。
 ・特に問題はなさそうですが、、

<依頼者様からのご指摘事項>
 >NHK-FM受信時、モノラルニュース番組に切り替わってもSTREOランプが点灯したまま

 ・信号発生器からテスト信号を送ってご指摘の症状を確認しました。
 ・さらに、、なぜか89.5MHzより高い周波数のFM電波を受信できません。
 ・76.0MHz~89.4MHz区間は正常に受信します。
 ・不思議??

Tus707x03 Tus707x05 Tus707x06 Tus707x15 Tus707x16

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・元々FM放送を受信できない状態だったそうです。
 ・電源部の電解コンデンサー全数交換済み。
 ・フロントエンド内のトリマコンデンサー交換済み。
 ・トリマコンデンサー交換によって受信できるようになったそうです。

Tus707x20 Tus707x21 Tus707x22 Tus707x23 Tus707x38

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・まずは過去の調整事例に倣って軽く再調整してみました。
 
>89.5MHzより高い周波数のFM電波を受信できない件
 ・フロントエンドに供給される電圧24.2V
 ・89.5MHz=24.2Vとなってそれ以上変化せず。
 ・VT電圧設定値が高すぎるようです。以下のように少し下げてみました。
  →調整前:90MHz→24.2V、76MHz→3.3V
  →調整後:90MHz→22.1V、76MHz→3.1V
 ・これで89.5MHz以上も受信できるようになりました。

>モノラル放送でもステレオランプ点灯する件
 ・VR104 PILOT OFFSET調整がズレていました。
 ・規定値に調整したところ正常動作になりました。

Tus707x24 Tus707x25 Tus707x26 Tus707x27 Tus707x28
Tus707x29 Tus707x30 Tus707x31 Tus707x32 Tus707x33
Tus707x34 Tus707x35 Tus707x36 Tus707x37 Tus707x40

■受信調整------------------------------------------------------------

 ・もう一度各部を調整しました。
 ・TU-S707X本来の性能を取り戻したと思います。

Tus707x40_2

※RF-IF部基板の調整(本体正面から見て右側の基板)

【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=MONO
 ・IF BAND=WIDE
 ・RF MODE=DX
【基準周波数調整】
 ・IC1[TC9147BP] 36-42pin短絡
 ・IC1[TC9147BP] 24pin-GNDに周波数カウンタセット
 ・TC1を調整 → 25kHz
【VT電圧確認】
 ・フロントエンド内[VT-GND]に直流電圧計接続
 ・76MHz時の電圧=実測値3.3V → ※調整後 3.1V
 ・90MHz時の電圧=実測値24.2V→ ※調整後22.1V
 ※電源部からの供給電圧24.2V
【フロントエンド調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDに直流電圧計接続
 ・SSG 76MHz、1kHz、100%変調、30dB
 ・受信周波数76MHzの位置でコイルL1,L2,L3,L4の間隔調整 → 電圧最大値
  ※コイル間隔の調整は難しいので見送り
 ・SSG 90MHz、1kHz、100%変調、30dB
 ・受信周波数90MHzの位置でトリマコンデンサTC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大値
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFTコイル調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDにDC電圧計接続
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、30dB
 ・フロントエンド内IFTコイル調整 → 電圧最大値
 ・RF基板上の[T1]を調整 → 最大電圧
 ・IF BAND=NARROWに切り替え → 電圧値測定
 ・IF BAND=WIDEに戻して電圧測定 → VR2[WIDE GAIN]調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM同調点の調整】
 ・[TP1-TP2] DC電圧計接続
 ・無信号状態でT2のIC側コアを調整 → 電圧=0V±30mVに。※調整前実測150mV
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、60dB
 ・T2のIC反対側コアを調整 → 二次高調波最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM LOCKED LEVEL調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30dB
 ・VR4[FM SIGNAL]を調整 → 本体正面[LOCKED]オレンジ色LEDが全灯する位置
【REC Level】
 ・VR5調整 422kHz -6dB

※MPX部基板の調整(本体正面から見て左側の基板)

【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=STEREO
【VCO フリーラン周波数調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP1-TP4にDC電圧計接続 → VR105[OFFSET VCO]調整 → 電圧=0V±0.05V
 ・TP3[VCO]-GNDに周波数カウンター接続 → L101調整 → 304.000kHz
【PILOT OFFSET調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP2-TP5に直流電圧計接続 → VR104[PCAN]調整 → 電圧=0V±0.1V
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON → ステレオランプ点灯を確認
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON
 ・本体正面のステレオランプ点灯を確認。
 ・L100、VR103L調整 → WaveSpectraでL-ch波形観察 → 19kHz信号レベル最小
 ・VR106、VR103R調整 → WaveSpectraでR-ch波形観察 → 19kHz信号レベル最小
【IF BAND=WIDE セパレーション調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102R調整 → ※調整後実測64.2dB
 ・VR100[BEAT NOISE]調整 → ビートノイズを最小
【IF BAND=NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101R調整 → ※調整後実測62.2dB
【MUTING LEVEL調整】右側RF基板
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、25dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR3[MUTE]を調整 → ステレオランプ点灯し信号が出る位置へ
【AUTO STOP LEVEL調整】右側RF基板
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30~35dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR1[FM.STOP]を調整 → オートサーチが有効な位置へ

【AM調整】
 ・LA1245-16ピン → AM Sメーター電圧測定
 ・T2、TC1,TC2

Tus707x

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観は薄型ボディとサイドウッドが精悍な印象です。
 ・久しぶりに聴くTU-S707Xですがやはりイイ感じですね。
 ・以上、作業完了しました。

Tus707x11

2015年6月14日 (日)

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録4

 ・2015年5月末、SONY ST-S333ESXIIの調整依頼を承りました。
 ・電解コンデンサなどは既に交換済みとのこと。
 ・以下、作業内容のご報告です。

333esxii06

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii01 333esxii03

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板に擦り傷、わずかに凹みあり。フロントパネルはほぼ無傷。
 ・電源OK。FM受信OK。周波数ズレなし。AUTO選局OK。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・MPX FILTERオフにすると音が歪む感じがします。
 ・MPX FILTERオンでは違和感なし。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・付属AMループアンテナでAMの動作確認。
 ・AM受信OK。

333esxii10 333esxii14 333esxii15 333esxii16 333esxii17
333esxii18 333esxii19 333esxii20 333esxii21 333esxii22

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・依頼者様によって多くの電解コンデンサが既に交換済みでした。
 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測315mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.2V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.98V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測13.9V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測118mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測56dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測54dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-5.4dB 298Hzの波形が出ていました。-6dBに調整。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

333esxii40 333esxii23 333esxii24 333esxii25 333esxii26

<調整結果>
 ・特にPLL検波調整によって歪率が小さくなりました。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。
 ・ただ、過去のESXII事例と比較するとちょっと物足りない感じです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整前後でそれぞれ基準音信号を録音した音をご確認ください。
 ・MPX FILTER オフにすると歪感がやや大きくなります。
 ・通常は MPX FILTERオン で使用した方が良いです。

333esxii07

■新たな発見-----------------------------------------------------------

 ・依頼者様のご指摘で新たな発見がありました。
 ・オーディオ回路最終段のLPFが今まで見た個体とは違います。
 ・過去に見た事例と回路図ではオペアンプを使ったアクティブ型ですが、、
 ・今回の ESXIIではモジュール型のLPFでした。

333esxii50
今回のST-S333ESXII
333esxii51
過去のST-S333ESXII

 ・これまでESXIIを見るときはいつもMPX-ICの型番に注目していました。
 ・今回もCXA1064でしたが、ESXIIには LA3450を載せた個体もあります。
 ・実はLA3450を実装した個体を見たいと思い、ESXIIの修理調整をお引き受けしています。
 ・いつも新たな発見があって楽しいです。
 ・ありがとうございました。

2015年6月 7日 (日)

SONY ST-5000

 ・2015年4月初め、「F」が付かない ST-5000 の修理調整を承りました。
 ・ST-5000F と ST-5000 の違いに興味あります。
 ・以下、作業記録です。

St5000207

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・SONY ST-5000  1967年 88,000円
 ・SONY ST-5000F 1969年 98,000円

St5000200 St5000202 St5000203 St5000204 St5000205

 ・フロントエンドのトランジスターがFETに代わり型番にFETの「F」が付けられた。
 ・ST-5000F の輸出機型番は「ST-5000FW」でした。
 ・勘を働かせて「ST-5000W」をキーワードに検索すると海外サイトが多数ヒット。
 ・「F」は FET の頭文字だったはず。
 ・「W」は ?、、ひょっとして WORLD の頭文字とか?

St5000210 St5000212 St5000213 St5000214 St5000215

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルに目立つ傷はなく状態は良好。
 ・ただボディや背面パネルには擦り傷やサビがあります。
 ・300Ω端子にFMアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーター照明点灯。周波数窓の照明も点灯、ただしちょっと暗い印象。
 ・Sメーターは勢いよく振り切れる。Tメーターも動作OK。
 ・83.0MHzのテスト信号を83.2MHz付近で受信する。+0.2MHz程度の周波数ズレ。
 ・FM放送モノラル受信OK。ただしLchの音量が極端に小さい。
 ・STEREOランプ点灯しない。実際に聞こえてくる音もモノラル。

 ・ここまで確認したときに電源コードが損傷していることに気付きました。
 ・特に本体付け根側が断線寸前。プラグ側付け根も芯線が見える状態でした。
 ・通電中に気が付いたので、すぐさま作業中断。

■修理記録1:電源コード交換-------------------------------------------

 ・このままでは作業が進まないので、損傷した電源コードを交換しました。
 ・部品取り用に保管していたSONY ST-5150Dの電源コードを外して移植。
 ・コードストッパーは内側から丁寧に外して再利用しました。
 ・交換後もオリジナルに近い雰囲気は保っています。
 ・パッと見では電源コードが変わったとは気付かないでしょう。
 ・でも良く見るとコードの印字が「1974」に変わっているところがミソ。

St500001 St500002 St500045 St500046 St500051

■動作再確認----------------------------------------------------------

 ・動作確認再開。
 ・そういえばTメーターの針の振れ方が変?左右逆じゃないか?
 ・75Ω端子に同軸ケーブルを接続すると受信感度が大幅低下。
 ・Mutingは正常に動作しているようです。

<問題点>
 ・75Ω端子の配線確認。
 ・+0.2MHz周波数ズレ
 ・Tメーター振れ方が左右逆
 ・ステレオ受信不可
 ・左右の音量レベルの違い

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連バリコン → 7段のLCフィルタ → レシオ検波 → MPX
 ・回路構成は ST-5000F とは全く違いますね。
 ・照明用電球は修理済み。ただ配線がかなり変更されている。
 ・STEREOランプ点灯しないが球切れではない。電球仕様12V100mA。
 ・トランジスタや電解コンデンサーがいくつか交換済み。
 ・75Ωアンテナ端子からの内部配線が切断されている。
 ・既にかなり手が加えられた個体のようです。

St500003 St500004 St500005 St500009 St500011
St500030 St500031 St500033 St500034 St500035

■修理記録2:Tメーターの針の振れ方が逆---------------------------------

 ・たぶん電球配線を変更した先人が、作業時にメーター配線を一時的に外したと思います。
 ・その後復旧するときに配線を逆にしたようです。
 ・Tメーターに繋がる配線を逆にすると針の振れ方が正常に戻りました。

St500021 St500022 St500023 St500024 St500025

■回路図購入----------------------------------------------------------

 ・ST-5000(国内)→ ST-5000W(海外)
 ・ネット上で無料の回路図を探しましたが発見できず。
 ・アメリカのマニュアル販売サイト Manual-in-PDF でサービスマニュアルを購入しました。
 ・7.98米ドル。支払いはPayPalです。
 ・ここは今まで10回以上利用していますが、今のところ購入トラブルなし。
 ・回路図と詳細な部品リスト、合計10ページのコンテンツでした。
 ・部品リストに日付がありました。1967年6月。
 ・調整方法の解説ページはなかったです。

St5000adj2

■回路図と実機の照合--------------------------------------------------

 ・照合の結果、実機と回路図はほぼ一致しました。
 <パーツリストより抜粋>
 ・フロントエンドユニット FMC-023W1 回路図
 ・フロントエンドユニット FMC-023J1 実機
 <IFユニット>
 ・IFT215 DET primary
 ・IFT216 DET Secondary
 <MPXユニット>
 ・T506,T508 Coil 19Kc Trap
 ・T507      Coil 67Kc
 ・T503 19kc doubler
 ・T504 38Kc pickup
 ・T505 38kc switching

■仮調整--------------------------------------------------------------

 ・問題箇所を特定するために現状のベスト状態に調整してみました。

5000upper 5000lower

【OSC 調整】
 ・D202上側(Sメーター電圧確認ポイント)
 ・90MHz C106:調整OK
 ・76MHz L105:周波数が変化しない
<課題>
 ・高い周波数では指針と目盛りはぴったり合います。
 ・L105で調整不可。低い周波数では+0.3MHzほどのズレが解消できません。
【RF調整】
 ・D202上側(Sメーター電圧確認ポイント)
 ・90MHz:C102,103,104,105
 ・76MHz:L101,102,103,104
 ・IFT101,102
【IF部調整1】
 ・SSGから10.7MHzを直接入力
 ・VR201 RF-ATT 最大位置に設定
 ・D202上側(Sメーター電圧確認ポイント)
 ・IFT201,202,203,204,205,206 → Sメーター電圧最大
 ・音声出力をWaveSpectraで観察、最大出力ポイントを確認
【IF部調整2】
 ・R276(電圧確認ポイント)
 ・IFT207,208,209,210,211,212,213,214 → Sメーター電圧最大
 ・音声出力をWaveSpectraで観察、最大出力ポイントを確認
【レシオ検波調整】
 ・IFT215:高調波歪調整
 ・IFT216:Tメーター中央
【Muting調整】
 ・D209電圧確認
 ・IFT217,218調整 D209電圧最大へ
 ・実際のMuthing動作レベルは背面パネルVR202で調整
【既に交換済み部品】
 ・X213:2SC403 → 2SC1815
 ・X217:2SC401 → 2SC1815
<課題>
 ・トランジスタ2個が既に交換済み。
 ・IF回路のIFTコアがひどくズレていました。
 ・ミューティング動作OK。
 ・IF回路は問題無さそうです。
【MPX調整】
<実機と回路図との相違箇所>
 ・X503 2SC401(回路図)→2SC631(実機)
 ・ステレオ復調調整不可
<交換済み部品>
 ・C523 10uF/25V
 ・C526,527 30uF/12V
<動作不良1>
 ・Lchの音が小さい
 ・X511(B)=X512(B)
 ・X511(C)≠X512(C)
<動作不良2>
 ・STEREOランプが点灯しない
 ・X501(B)正常
 ・T503入力側までOK、出力側に信号なし
 ・スイッチング信号が出ていない。

■修理記録3:Lchの音が小さい---------------------------------------

 ・この現象はステレオ復調後のトランジスタ不良が怪しいか?
 ・MPX回路のトランジスタにICクリップを引っ掛て出音を直接確認。
 ・すぐに不良箇所発見。Lch X511 2SC401コレクタ出力がRchより大幅に小さい。
 ・X511 2SC401 → 2SC1815 交換
 ・ところが症状が改善しない??
 ・それなら電解コンデンサーが原因か? C525 10u/25V 交換。
 ・でもやはり改善せず。
 ・C525、X511周辺を重点捜索したところ、プリント基板側の配線断裂を発見。
 ・この近くの電解コンデンサ C527(30uF/12V)→ 47uF/50V に交換済み。
 ・半田ごての先端が滑った勢いでプリント配線を切断したような痕跡です。

St500066 St500070 St500071 St500072 St500073

 ・切断箇所にハンダを被せて修理完了。出音確認。
 ・Lchのレベルが上がってRchとほぼ同レベルに回復しました。
 ・トランジスタや電解コンデンサの交換は無用でした

■修理記録4:MUTING不調---------------------------------------------

 ・左右の音量差問題が解消したところでモノ受信で再度動作確認。
 ・電源投入から3時間ほど経つとMUTING動作が不調になる。
 ・十分な信号強度があるにも関わらずMUTINGが作動して聞こえなくなる。
 ・動作確認でIF回路は正常と思いましたが、MUTING制御用トランジスタの不調か?。
 ・トランジスタX213/2SC403→2SC1815 既に交換済み
 ・今回は X214,215,216/2SC401→2SC1815に交換しました。
 ・特にX216のベース足が切れかかっていました。
 ・ついでにX211,X212/2SC403→2SC1815交換。
 ・MUTING動作は正常になったと思います。

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■修理記録5:STEREOランプが点灯しない。

 ・STEREOランプの電球自体は生きています。単純なタマ切れではない。
 ・ステレオ復調、パイロット信号によるスイッチングができていない。

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 ・詳細調査の結果、T503の一次側で信号が確認できません。
 ・回路図を追って怪しいトランジスタX502(2SC401)→2SC1815に交換。効果なし。
 ・その他多くのトランジスタとコンデンサを交換しましたが改善なし。
 ・T503は既に外した痕跡がありました。
 ・試しにT503を外して確認すると、T503内部で断線していました。
 ・目視でも分かります。細い線が端子との接合部で3か所切れています。
 ・T501、T502、T503は用途は違いますが同じ型番の部品でした。
 ・T501、T502ともコア割れ。T503は内部断線で使用不可。
 ・T503はスイッチング信号38kHzを生成するコイルです。

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 ・部品取り用のLUXMAN T-300Vから同等部品を取り外して実験基板を制作。
 ・これを新T503として接続してみるとSTEREOランプが点灯しました。
 ・本来はT502で19kHzを最大に調整するようですが、コア割れのため正確に調整できません。
 ・T502の割れたコアをグリグリいじって試行錯誤で最適位置を見つけてボンド固定。
 ・STEREOランプ点灯しますがちょっと暗いです。

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■動作確認---------------------------------------------------------

 ・STEREOランプが点灯するようになったのでMPX回路を再調整しました。
 ・STEREO受信時に左右の出力レベル差あります。Lchがやや小さい(-6dB程度)
 ・MONO受信時は左右同レベル。
 ・ステレオ分離後のトランジスタや電解コンデンサを交換しましたが改善せず。
 ・セパレーション値は25dB程度とよくないです。
 ・やはり別機種から移植した代替品ではスイッチング動作が正常ではないかも?
 ・一応ステレオ受信しますが、モノラルで聞いた方が良い音で聴けます。
 ・作業は一旦ここまでとします。

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■記念写真--------------------------------------------------------

 ・私のST-5000Fと並べてみました。
 ・意外なことに、周波数を刻んだガラス板サイズが違いました。
 ・周波数目盛りの間隔も違います。
 ・ガラス板が流用できそう、、と思ったらアテが外れました。

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