フォト
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

チューナー関連リンク

« TRiO KT-990 修理調整記録3 | トップページ | TRIO KT-8100 修理調整記録 »

2015年7月 5日 (日)

TRIO KT-1010 修理調整記録2

 ・2015年5月末、KT-1010の修理依頼を承りました。
 ・久しぶりに触れる機種です。
 ・以下、作業記録です。

Kt1010_08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 ※外観はそっくりです。

Kt1010_02 Kt1010_12

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の症状>
 ・電源を入れるとFMは76.0MHz、AMは522KHzで周波数表示が固定される。
 ・Tuning用のUP/DOWNボタンを押しても反応しない。
 ・ワンタッチ選局ボタンの反応が悪い。
<動作確認>
 ・ご指摘の状況を確認しました。さらに、、
 ・照明用電球が全部切れている。
 ・IF BAND切替ボタン(WIDE/NARROW)は軽快に反応する。
 ・TUNING MODE切替ボタン(AUTO/MANUAL)も軽快に反応する。
 ・ワンタッチ選局ボタンは反応鈍いがメモリ登録動作は正常に反応する。。
 ・FM76.0MHzに固定された状態で信号発生器から76.0MHz電波を送信。
 ・何と正常に受信動作しました。
 ・Sメーター(LED)振り切れてSTEREOランプ点灯。ステレオ音声も正常です。
<課題>
 ・FM回路は生きています。問題は制御用ICの動作不良か?
 ・それともUP/DOWNボタンの接触不良か?

Kt1010_03 Kt1010_04 Kt1010_05_2 Kt1010_06 Kt1010_07

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを外してタクトスイッチを直接押してみました。
 ・Tuning用のUP/DOWNボタンはやはり反応しない。
 ・一方、反応の悪かったワンタッチ選局ボタンは軽快に反応する。
 ・やはり原因は制御用IC周辺か?

Kt101020 Kt101032 Kt101035 Kt101036 Kt101050

【制御用IC:TC9147AP】
 ・42ピン:動作電圧確認5.12V→※動作OK
 ・ 7ピン:TUNE MODEボタンManual:ON-0V、OFF-4.8V→※動作OK
 ・ 8ピン:TUNE MODEボタンAUTO:ON-4.8V、OFF-0V →※動作OK
 ・TC9147APの各足にテスターを当てながら電圧測定していると、、
 ・まったく反応しなかったTUNINGのUP/DOWNボタンが操作できるようになりました?
 ・AUTO受信でFM放送局を受信できます。周波数ズレなし。
 ・Sメーター(LED)が振り切れてSTEREOランプも点灯。ステレオ音声も正常です。
 ・AMも同様にAUTO受信で地元AM局を受信できます。
 ・原因は何だったのでしょう??
 ・長期保管品とのことですから、通電ショックで眠っていた回路が覚醒したか??
 ・原因不明ですがとにかく正常動作するようになりました、、

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・シンセ式チューナーなのに正面パネル照明にフィラメント電球を使っています。
 ・STEREOランプ、メモリ選局ランプ、PROGRAMランプも同じフィラメント電球です。
 ・大量にストックしている中古部品から適合品を探して交換しました。

Kt1010_05 Kt101040 Kt101041 Kt101042 Kt101043

■修理記録:タクトスイッチ--------------------------------------------

 ・フロント基板を分解して確認。7mm角、アース端子付きのスイッチでした。
 ・名古屋大須のパーツ屋で探してきました。
 ・全数(13個)を交換しようとしましたが、、
 ・タクトスイッチ前面に1mm厚のフェルトを貼って隙間を埋めてみました。
 ・結果は成功、プッシュスイッチは軽快に反応します。
 ・タクトスイッチは調達しましたが、交換は見送りました。

Kt101051 Kt101052 Kt101053 Kt101056 Kt101055

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップ、PLL検波、DCC歪補正回路、電源トランス2個。
 ・IC3:LA1231N FM-IFシステム
 ・IC6:LA1245 AMシステム
 ・IC8:uPC1223C MPXシステム
 ・VR1:WIDE GAIN
 ・VR2:MUTE LEVEL
 ・VR3:VCO
 ・VR4:PILOT CANCEL
 ・VR5:WIDE SEP
 ・VR6:WIDE SEP
 ・VR7:NARROW SEP
 ・VR8:DIST DET
 ・VR9:WIDE MONO DIST
 ・VR10:NARROW MONO DIST
 ・VR11:WIDE STEREO DIST
 ・VR12:NARROW STEREO DIST

Kt1010

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】R16後 ※確認のみ
 ・76MHz → 23.2V(L7)
 ・90MHz →  7.0V(TC5)
【RF調整】※LA1231-13pin
 ・76MHz → L1,L2,L3 
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3
【FM同調点調整】
 ・83MHz → L11調整 → TP1~TP2間電圧ゼロ ※調整前実測160mV
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
 ・83MHz(WIDE) → L5,L8 → LA1231-13pin電圧最大
 ・83MHz(NARROW) → VR1 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
 ・83MHz → L13 → TP3~TP4間電圧ゼロ ※調整前実測520mV
 ・83MHz → VR8 → 高調波歪最小
【MPX調整】
 ・VCO調整 → VR3 → TP7(76kHz)
 ・PILOTキャンセル調整 → VR4,L21 → 19kHz最小へ
 ・WIDEセパレーション調整
  →VR5 Lch ※調整後実測62dB
  →VR6 Rch ※調整後実測60dB
 ・NARROWセパレーション調整
  →VR7 ※調整後実測左右とも55dB
【DCC歪補正】
 ・MONO WIDE受信 → VR9 → 二次高調波最小
 ・MONO NARROW受信 → VR10 → 二次高調波最小
 ・STEREO WIDE受信 → VR11 → 二次高調波最小
 ・STEREO NARROW受信 → VR12 → 二次高調波最小
【FMミューティング調整】
 ・VR2
【AM調整】
 ・手持ちのAMループアンテナを使って調整
 ・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
 ・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ
<調整結果>
 ・特にPLL検波調整によって歪率が小さくなりました。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

Kt101060 Kt101061 Kt101062 Kt101063 Kt101064

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・現状でFM/AMとも正常動作しています。ボタン操作も軽快。
 ・FM放送は遠距離局も感度良く受信できます。
 ・WIDE端で聞くAM放送は高音域が伸びて瑞々しい印象です。
 ・当初動作不良だった原因は結局のところよく分からないままです。
 ・釈然としない感じですが、作業はここまでとしました。

Kt1010_09

« TRiO KT-990 修理調整記録3 | トップページ | TRIO KT-8100 修理調整記録 »

ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

VT電圧が勝手に直ってしまった原因は、経験上、VT回路の電解コンデンサの可能性が高いです。非売品で試作機と思われる SONY ST-JX310 を入手(寄贈品)しました。この型式は海外版しかなく、国内版は発売されなかったはずです。

いつもアドバイスいただきありがとうございます。

なるほど、VT回路の電解コンデンサですか、、
未確認のまま依頼者様にお返ししてしまいました。
再修理の機会があれば確かめてみます。

ST-JX310の記事を楽しみしています。

多分TC8が劣化して、一時的にクロックが停止していたのだと思います。
症状が概ね合致しますし、クロックを入力しているICの足をテスタで当たればそのはずみで復活することも十分あり得ます。

いな様

なるほど、TC8ですか、、
症状から故障箇所を探ること自体が楽しいのですが、今回のように原因不明のまま復活してしまうと釈然としないモヤモヤ感が残りますね。

いろいろな故障事例に接することで私自身とても良い勉強になっています。
海外版333ESGの情報もありがとうございました。お礼申し上げます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« TRiO KT-990 修理調整記録3 | トップページ | TRIO KT-8100 修理調整記録 »