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2015年9月 6日 (日)

SANSUI TU-X1 2号機

 ・2015年8月初め、TU-X1の修理調整を承りました。
 ・この個体は 1号機を修理するために部品を取る予定だった 2号機です。
 ・以下、2号機の整備記録です。

Tux1202

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-X1 ¥135,000円(1979年)
 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-X1 ¥135,000(1979年)
 ・TU-X1 1号機の記録

Tux1201 Tux1210_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1979」、シリアルNo. 23902****、
 ・cooltune様のシリアル番号の読み方によれば「1979年2月製」と読み取れます。
 ・シリアルナンバーについては1号機記事参照。
 ・発売当初の初期ロットの製品のようです。
 ・ボディ上部には目立つ擦り傷があるが、ヤニ汚れが無いので1号機よりも綺麗に見える。
 ・FMアンテナを接続して動作確認。
 ・FM受信OK。二つのメーター動作OK。STEREOランプ点灯。+0.2MHz程度の周波数ズレ。
 ・IF切替(Wide/Narrow)OK。Muting動作OK。CAL TONE動作OK。
 ・FMチューナー部は大きな不具合は無さそうです。

Tux1203 Tux1204 Tux1205 Tux1206

 ・一方AMチューナー部は受信不可です。
 ・周波数スケール全域で完全に無音。局間ノイズもでません。
 ・Muting回路が効きっぱなしになっているのか?
 ・二つのメーターとも全く動かないので、そもそ受信できていないのか?

Tux1211 Tux1213 Tux1214 Tux1215

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・まず受信不良のAM回路を確認しました。
 ・何と、バリコン軸とプーリー軸を繋ぐ継手(ヘリカルカップリング)が割れています。
 ・選局つまみを回しても継手が空転してバリコン軸は回転しない状態でした。
 ・これでは動作確認しても意味なかったですね。
 ・この継手は1号機でも同様に割れており、結束バンドで補修してありました。
 ・そこでバリコン軸を直接指で回して受信確認しましたが、、
 ・残念ながらやはり受信しません。どこか故障個所があります。

Tux1260 Tux1261 Tux1262 Tux1263 Tux1266

 <1号機と2号機の比較>
 ・変わらない部分もあれば、結構変わっているところもあります。

区分 2号機 1号機
シリアルNo. 23902**** 23905****
製造年 1979年2月製 1979年5月製
FM side Tux1221 Tux102
FM
フロントエンド
Tux1222F2935 Tux103F2935
FM-IF基板 Tux1226F2936 Tux120F2936
FM-DET基板 Tux1230F2937 Tux126F2937A
FM-MPX基板 Tux1232F2972 Tux128F2972B
AM side Tux1240 Tux1100
AM基板 Tux1241F2783 Tux1101F2783
AM-ANT基板 Tux1242F2925 Tux1111F2925
電源基板 表 Tux1247F2792A Tux1130_2F2792B
電源基板 裏 Tux1253F2792A Tux1131F2792B

■修理記録<AM部>ヘリカルカップリング-------------------------------

 ・破損したヘリカルカップリングを外すためにAM基板を取り外しました。
 ・驚いたことに、AMバリコン直下のAM基板角部分が割れていました。
 ・ちょうどGND部分だったのでプリント配線には影響ないようです。
 ・取り外したカップリングを観察すると、中央の溝部分も3カ所で割れていました。
 ・二軸の偏心偏角を吸収するための溝ですが、相当な力が加わっていたようです。
 ・基板が割れていたのもその影響でしょうか、、
 ・一方でFMバリコン部のヘリカルカップリングは無傷です。
 ・この個体は組み付け時の精度がかなり悪かったみたいです。

Tux12641 Tux1265_2 Tux1267 Tux1268 Tux1244

 ・代替品が無いので割れた部品を結束バンドで仮補修しました。
 ・再度組み付けて選局つまみとバリコン軸が連動するようになりました。

■修理記録<AM部>--------------------------------------------------

 ・再度動作確認。
 ・二つのメーターが全く振れないのでそもそも受信していない可能性が高い。
 ・RF-ANT回路[F2925]とOSC回路を覆うシールドケースを外して回路確認。
 ・ミキサー部のIC01 LM1496N に入る局発信号が確認できない。
 ・局発回路から信号が出ていない。
 ・TR01 2SC1359 → 2SC829 交換

Tux1105 Tux1271 Tux1272 Tux1280 Tux1283

 ・今度はミキサー部のIC01 LM1496N から出るIF信号が確認できない。
 ・これは LM1496N の故障か?
 ・調べてみると LM1496N は TRIO製パルスカウント検波機でお馴染み MC1496Nと同じ。
 ・保管している KT-8100から MC1496N を拝借してICソケットで仮設置。
 ・これでAM放送を受信するようになりました。
 ・ノイズが多い状態ですがあとは調整作業で何とかなるか?

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・1号機の記録 参照

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・FM放送の受信性能や音質は再調整によって1号機と同程度になりました。
 ・一方のAM放送は受信できるようになりましたが、、
 ・1号機で感じた「新鮮な驚き」が無いです。
 ・他のチューナーでAM放送を聴くのと大差ない印象です。
 ・どこかまだ故障箇所があるのか?交換した部品が悪かったか?
 ・研究材料としてもうしばらくお預かりさせていただきます。

Tux1207

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ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

BLUESS Lab.様

1号機の依頼主です。部品取り機(2号機)の整備経過拝見いたしました。

バリコンとチューニング機構の軸については、偏心が大きい場合にはオルダムカップリングを使うと思われますが、プラスチックのヘリカルカップリングに比べてしまうと高額です。

オルダムカップリングは米軍の無線機によく使われていましたが、摺動部の磨耗を考えると、メインテナンス前提の採用になってしまうのだと思われます。

究極の選択は3継のユニバーサルジョイントとなりますが、20mm程度の間隔をつなぐには高価すぎるかもしれません。

次週県内AM放送設備のメインテナンスがあるようです。普通では受信できないAFN(810KHz)の受信を楽しめそうです。

ヘリカルカップリング、オルダムカップリング、、
今回はいろいろ勉強になりました。

バリコン軸の糸を解かなくても基板が外せる構造は有難いのですが、組み立て精度が悪いと余計な力が加わって耐久性に問題がありますね。
もっとも30年以上も使われるとは想定外だったと思いますが。

BLUESS Lab.様

製造年では2号機の方が古いのですが、1号機との外見の微妙な差に気がつきました。

AMダイアルの左上に書かれているアクリルパネルの"AM"の文字

1号機 → 白色の文字
2号機 → 赤色の文字

FMダイアルの右上の"FM"の文字は、1号機・2号機とも緑色です。

ネットで画像検索しても、赤と白があることが分かりました。

100台/ロットということですが、他のロットでも似たような差があるのかもしれません。あるいは退色かも?しれません。

anchor様

なるほど、、これは気が付きませんでした。

よく見ると他にも違いがありそうですね。

anchorさん、はじめまして。
自宅と作業場で二台のTU-X1を使っているのですが、自宅は赤、作業場は白でした。
5年くらい併用していますがぜんぜん気づきませんでした (^^;
ヨーロッパ向けのカタログには周波数目盛りが黄色のものがあるのですが、少しは派手に見えるように考えたのかもしれませんね。

cooltuneさん、いつもHPを拝見させて頂いております。

TU-X1の存在は、cooltuneさんとJH2CLVさんの”意外と知られていないAMラジオ放送の周波数特性”に関連する記事を見てからです。BLUESSさんのお力で、ラジオ体操のテーマ(と深夜便)を堪能しています。以前は受信できなかったAFN(810KHz)も受信できることを確認できました。

”AM”の文字色ですが、BLUESSさんが2台重ねの写真を掲載されるまで把握できていませんでした。黄色もあるのですね、もちろん知りませんでした!ロットによる違いなど、大変勉強をさせて頂いております。

JH2CLVさんのところでご覧になったのですね。JH2CLVさんからはTU-X1の素の周波数特性を測っては、とアドバイスされたのですが私がひっくり返ってしまいそのままになっています。
以前のAFNは高域が15kHz~16kHzまで出ているということでしたが今はどうなのでしょう。

cooltuneさん

AMの音声帯域に関する議論ですが、大変興味深いところです。おそらく国内のAM放送局に導入されているORBAN Optimod 9300(9400?)の仕様を見ると、

「OPTIMOD-AM controls the transmitter bandwidth as necessary to meet government regulations, regardless of program material or equalization. OPTIMOD-AM's high-frequency bandwidth can be switched instantly in 500 Hz increments between 4.5 kHz and 9.5 kHz. The lower cutoff frequencies meet the output power spectral density requirements of ITU-R 328-5 without further low-pass filtering at the transmitter, while the 9.5 kHz filter meets the requirements of the NRSC-1 standard (North America).」

という記載があります。ここで引用されているNRSC-1 Std.を見ると、その7.2章で「10 kHz Bandwidth for Analog AM Transmission」にて、10KHzステップの地域における10KHzを超える帯域の帯域仕様が書かれています。そこでは、上は15KHzで-50dBとなっています。ですので、cooltuneさんの結論の通り、国内でも上は15KHzまで放送されているのではないかと期待できます。

#7.2章では「The analog AM audio bandwidth transmission standard is specified in Figure 4. 」として図が掲載されていますので分かり易いです

Optimodの上を何KHzに設定するかで、NRSC-1記載のグラフが変更されると思われますが、少なくとも「AMは7.5KHzより上は出ているわけがない」は間違いである可能性が大と思います。

長文失礼いたしました。

cooltuneさん、BLUESS Lab.さん

度々すみません。NRSC-1 Std.のURLを添付しました。

15KHzにて電力比で-50dBですから1/10000以下、ローカルNHKの5KWとしても1W以下です。ですが、受信できないわけではないので、NHKのAMローカルの音は、決して悪いわけではないと思われます。

私の所在地は第1が819KHzのため、同期検波がないとAFN(810KHz)や韓国方面の局がひしめき合っていて、USBを選ばないと聞けたものではありません。TU-X1の同期検波が是非とも欲しかった理由のひとつです(ポータブルラジオの同期検波は、受信はできたとしてもそれまでで、音質を議論するとかの次元ではありません)。

BLUESS Lab.さんに整備して頂いたTU-X1は、LSB/USBの切り替えでも差分が分からない位に調整がパーフェクトです。チューニングメーターを見ていると、同期時の振る舞いがよく分かるようになりました。

anchor様
AMの受信状況が厳しいようでしたら,Perseus,WINRADIOなどSDRも試されたらいかがでしょうか。
選択度は連続可変で,スペクトラムも見えます。
ちなみに私はWINRADIO WR-G305eを使っています。

Dr. GEROさん、はじめまして。

FUNcube Dongle PROを使っていたことがあるのですが、どうも馴染めませんでした。任意の帯域を選択できたり同期検波ができるのも嬉しかったのですが...ベンダごとに異なるチューナーのデザイン萌えるのでしょう。

私はほとんど電信しかしないのですが、アマチュア無線機にはSDR(正しくはダイレクトコンバージョンIF DSPのElecraft KX3)を使っています。ほぼ任意の帯域が選択できるのは便利ですね。AMは6KHzまでしか帯域を選択できず、まだ同期検波が実装されていないのが残念です。

電信のような単一トーンは「ブザーのような音になる」といってSDR(IF DSP)を嫌う方もいらっしゃって、LCフィルタが使われているアンティークを使う方がいます。「やっぱりアナログがいい」という点が、AMやFMを受信するオーディオ機器としてのチューナーにも通じるところがあるように思いました。

anchor様
私より無線関係お詳しいのに失礼しました。
私自身も好みではバリコンチューナです。
ところで,手持ちのSDRで選択度をいろいろ変えて地元関西のAM局を聞いてみました。
スペクトラムを見ますとキャリアから10kHz近く離れた周波数でも信号成分があるようです。
音質は選択度を10, 13, 15, 18kHzと変えると変化する(高音が出る)のが分かりました。
選択度18kHzと20kHzでは音質の違いは小さく,ノイズ成分の違いの方が大きいようでした。

>anchorさん
私が気付いた範囲で「AMは7.5KHzより上は出ているわけがない」放送がありました。
これからシーズン入りですが駅伝やマラソンの中継です。7.5kHzあたりでまるでFM放送の15kHzにようにバッサリ切られています。(NHK以外は未確認)番組が始まると高域が切られて、次の番組に切り変わると出るようになります。
恐らく中継車または東京のスタジオの段階で切られていると思います。
これを見ても通常の放送は7.5kHzで切られていることはありえません。

>anchorさん
AM用放送機材の仕様を見るとデジタル化のサンプリング周波数は32kHzのようです。音声帯域はFM放送同様15kHz程度だと思います。実際の放送では12-13kHzだと思いますが、同じ番組でもキー局と地方局、さらには小電力の中継局では異なるかもしれません。
私の地元の民放局では番組を配信するキー局によっても高域の切られ方が変わります。

AM放送に関しては無知なので難しい議論には参加できませんが、今回初めて同期検波の音を聴いて本当に驚きました。TU-X1という機種の価値がよ~く分かりました。

不調の2号機はまだ作業が進んでいません。まだ時間がかかりそうです。

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