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2015年12月の記事

2015年12月27日 (日)

Victor FX-711

 ・2015年11月、電源が入らないVictor FX-711の修理を承りました。
 ・FX-711の修理はたぶん3台目ですが、前2台はずいぶん昔のことでした。
 ・今回はキチンと記録を残すことも目的として作業を進めました。
 ・以下、作業内容の報告です。

Fx71114

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100 サービスマニュアル、回路図あり
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71101 Fx71104

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1988」
 ・ボディには細かい擦り傷多いです。
 ・背面アンテナ端子は2系統あります。
 ・配線して電源オン、、残念ながら電源が入りません。
 ・まずは電源部の修理から着手しました。

■修理記録:電源基板--------------------------------------------------

 ・電源基板は既に数個の電解コンデンサとダイオードが交換済みでした。
 ・各部電圧確認

【J705 端子電圧確認】※修理前
 ・J705-1(Fr):-4.5V
 ・J705-2(Fr):-4.5V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V
 ・J705-6(-35V):+4.7V

Fx71141 Fx71150 Fx71151 Fx71152 Fx71153

 ・(LOGIC +5V)に電圧が出ていないのでMPUが動作しない。
 ・調べてみると ICプロテクター2個(CP801,CP802)が断線していました。
 ・CP801,802(ICP-N5)はトランジスタのような形をした2本足の部品です。
 ・パーツリストの部品名ICP-N5を頼りにネット検索すると鈴商通販サイトがヒット。
 ・ICプロテクタはヒューズような役割ですから、そもそも断線した原因が別にあるはず。
 ・そう思ってさらにトランジスタやダイオードを一つずつチェック。
 ・ダイオードD810がショート状態になっていました。
 ・D810交換、続いて ICプロテクタ―2個(CP801,CP802)交換。
 ・電源オン!、、表示管が点灯しWELCOMEメッセージが流れました。
 ・各部電圧は正常値になりました。

Fx71154 Fx71156 Fx71157 Fx71158 Fx71159

【J705 端子電圧確認】
 ・J705-1(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-2(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V → +5.7V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V → 0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V → -34.6V
 ・J705-6(POWER):+4.7V → 0.2V (OFF時+4.7V)
【メイン基板 電源部】
 ・Q801-E電圧(+30V):+28.6V
 ・Q803-E電圧(+12V):+11.7V
 ・Q805-E電圧(+ 5V):+ 5.1V
 ・Q808-E電圧(-12V):-12.8V

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・電源ボタンによるON/OFF動作が正常になりました。
 ・蛍光管表示部は文字痩せ、文字欠けはなくキレイに光っています。
 ・FMアンテナはA/Bの2系統。早速同軸ケーブルを接続して動作確認。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・アンテナA/B切替、RF切替、IF BAND切替、MUTING、REC CAL音など動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。電波強度はメーターではなくdB数値で表示するタイプです。
 ・表示は50dB~60dBと実際よりもやや低めの値を示します。
 ・メモリ登録動作OK。メモリ選局動作OK。
 ・英数字や記号で放送局名を登録できる機能も確認。
 ・手元にあった適当なループアンテナでAM受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局を正常に受信しました。
 ・FM/AMとも大きな不具合は無さそう、、、と思ったら、、

 ・快調にNHK-FMを聴いていたところ、突然受信感度が大きく低下しました。
 ・50dB~60dBだった表示が20~30dBまで低下しSTEREOランプが明滅しています。
 ・STEREOランプの明滅に合わせて音声がブツブツ途切れます。
 ・電波の強弱に合わせてMUTINGがON/OFFして音声が途切れるようです。
 ・MONO受信に切り替えるとモノ音声では受信OK。
 ・原始的な方法ですがボディを軽くトントンと叩いたら、、感度が戻りました。
 ・さらにトントンすると、、不具合が再発しました。
 ・FM受信が不調になった時もAM受信に切り替えるとAMは正常動作です。

Fx71105 Fx71106 Fx71107 Fx71108 Fx71109

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップ+PLL検波
 ・LA1266:AM/FM TUNER SYSTEM
 ・LA3450:MPX-IC
 ・特徴である光伝送

Fx71120 Fx71122 Fx71123 Fx71124 Fx71125
Fx71126 Fx71127 Fx71128_2 Fx71129 Fx71130
Fx71131 Fx71132 Fx71133 Fx71134 Fx71135
Fx71136 Fx71137 Fx71138 Fx71139 Fx71140

■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・VT電圧を調整しようとしてOSCトリマTC105に触れた瞬間、感度低下が発生しました。
 ・OSCトリマTC105をグリグリ何度も回すと感度低下は発生しなくなりました。
 ・次にRF部の受信調整をしようとTC101~TC104に触れたところ、
 ・特にTC102とTC103はセラミックドライバが軽く触れただけで感度低下が発生。
 ・ひろくん様の修理記録を参考にして TC101~TC105計5個を青色10pFタイプに交換しました。
 ・交換した後で下記調整作業をしたところ受信感度は安定しています。
 ・トントン攻撃にもびくともしません。

Fx71170 Fx71171 Fx71172 Fx71173 Fx71175

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・英文サービスマニュアルの調整方法を一部アレンジして調整しました。
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=DX
 ・IF BAND=WIDE
 ・MUTING=OFF

Fx711algn

●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・76MHz 1kHz 100%変調 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → dB表示最大
 ・90MHz 1kHz 100%変調 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → dB表示最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → dB表示最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 1kHz 100%変調 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 1kHz 100%変調 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR401調整 → Rch > Lchもれ最小
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR402調整 → Lch > Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 427Hz

●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 感度最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 感度最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当です。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻しました。
 ・本機が示す電波強度はかなり正確な値を示しています。
 ・受信環境を測るリファレンス機として使えそうです。

Fx71116

2015年12月20日 (日)

PIONEER F-717

 ・2015年11月、部品取り用に PIONEER F-717 動作未確認機(2号機)を入手しました。
 ・実は当時、同型 F-717故障機(1号機)の修理作業を進めていました。
 ・修理用の部品を調達するためにこの2号機を手に入れました。
 ・部品取りの前に動作確認のため一通り調整したところ、、
 ・何と正常動作品になりました。
 ・以下の文章は、1号機と2号機の作業記録を合体したメモです。

Pioneer_f71706

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-717 ¥59,800(1987年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-91 輸出機のサービスマニュアルあり

Pioneer_f71702 Pioneer_f71711

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・正面パネルやボディに目立つキズはないものの全体に汚れた感じです。
 ・電源コードの印字:1978
 ・FM用75Ω端子はA/Bの2系統。
 ・FMアンテナA端子に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・蛍光表示部は正常に点灯。文字痩せ、文字欠け無く輝度も十分。
 ・オートチューニングでは名古屋地区のFM局の周波数で正常に停止します。
 ・Sメーターのレベル表示OK。STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナを接続してAMチェック。
 ・AM局もSメーターが振り切れる状態で受信OK。
 ・動作未確認機でしたがFM/AMとも受信できました。

Pioneer_f71703 Pioneer_f71704 Pioneer_f71705 Pioneer_f71712 Pioneer_f71713

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・基板上にシールドケースが並んでいます。
 ・ハンダ付けされたシールドケースのフタを外してみました。
 ・振動対策でしょうか、ケース内部はホットボンドが充填されています。
 ・それからPIONEERオリジナルIC PA5008が3個も配置されています。
 ・海外版SMの調整要領には記載されていないVRやコイルが多数あります。
 ・複雑な回路なので実機と回路図で勉強しました。

Pioneer_f71721 Pioneer_f71722 Pioneer_f71726 Pioneer_f71725 Pioneer_f71727
Pioneer_f71728 Pioneer_f71730 Pioneer_f71729 Pioneer_f71731 Pioneer_f71732
Pioneer_f71733 Pioneer_f71734 Pioneer_f71735 Pioneer_f71723 Pioneer_f71724

 ・IC102 PA5008 IF AMP
 ・IC108 PA5008 IF CONTROL & DET
 ・IC201 PA5008 DDD
 ・IC202 PA5007 DDD
 ・VR101 MONO DIST ADJ
 ・VR102 S-METER
 ・VR103 MUTING
 ・VR104 S-MTERE
 ・VR106 NARROW DIST
 ・VR107 MONO DIST ADJ
 ・T103a IC108/PA5008 DET
 ・T103b IC108/PA5008 DIST
 ・VR201 ONLY DIST
 ・VR202 MONO DIST
 ・VR203 DC BALANCE
 ・VR204 L-R SEPARATION
 ・VR205 R-L SEPARATION
 ・VR206 38kHz ADJ
 ・VR207 PILOT ADJ
 ・VR208 L-R SEPARATION
 ・VR209 R-L SEPARATION

Pioneer_f91_sche

■回路研究 ARTS:Active Real Time Tracing System---------------------

Pioneer_f71707

~海外版サービスマニュアルの回路説明より抜粋~
 ・WIDEフィルターの特徴:歪は少ないが選択度が低下する。
 ・NARROWフィルタの特徴:歪は多いが選択度は高い。
 ・一般的なチューナーはWIDEとNARROWのフィルターを状況に応じて切り換える。
 ・そこでF-91では ARTSを採用し、フィルターはNARROWのみとした。
 ・ARTS = Active Real Time Tracing System
 ・ARTS とは NARROWフィルターの中心周波数を受信信号に追随させる方式である。
 ・これによって歪と選択度の両方を性能を向上させた。

F91_block_diagram
F717_align3

 ・ブロック図に示された信号の流れを実機写真に書き込んでみました。
 ・黄色矢印は音声系の流れ、青色矢印は制御系の流れを示します。
 ・IF信号を13.45MHzに変換してNARROWフィルターを通し、再度10.7MHzに戻す。
 ・フロントパネルに小さく印字してあるだけなので気に留める人は少ないでしょうね。

Pioneer_f71740 Pioneer_f71741 Pioneer_f71742 Pioneer_f71744 Pioneer_f71780
Pioneer_f71783 Pioneer_f71782 Pioneer_f71784 Pioneer_f71785 Pioneer_f71786

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・SMにはRF調整、信号系の同調点調整、MUTING調整、REC LEVEL調整しか載っていません。
 ・そこでブロック図、回路図、回路解説を頭に入れて調整手順を組み立ててみました。
 ・正しい方法かどうか分かりませんが記録として残します。

●FM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33電圧計セット
 ・90MHz → 実測値  L3調整 → 23.5V
 ・76MHz → 実測値  7.4V ※確認のみ
【RF調整】
 ・TP22(=IC108 PA5008-10ピン)電圧計セット ※Sメーター電圧確認
 ・90MHz 60dB受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大へ
 ・76MHz 60dB受信 → L1,T1,L2調整 → 電圧最大へ
【制御用検波調整】
 ・TP24~TP26 電圧計セット ※R181両端=Tメーター出力
 ・83MHz 60dB受信 → T103a(右)調整 → ±0V
 ・TP25(=IC108 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続 ※クアドラチュア検波出力
 ・83MHz 60dB受信 → VR101調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T101,102調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T103b(左)調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR106調整 → MONO歪最小
【IF VCO調整】
 ・TP29 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → L118 調整 → 13.45MHz
 ・TP27 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB受信 → 10.7MHz ※確認のみ
【IF歪調整】
 ・TP15(=IC201 PA5008-12ピン)WaveSpectra接続
 ・83MHz 60dB受信 → VR107調整 → MONO歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → T105,T106,T107,T108,T109,T104調整 → MONO歪最小
【検波歪調整】
 ・83MHz 60dB受信 → シールドケース内T201調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 60dB受信 → VR201,VR202調整 → 高調波歪最小
【38kHz調整】
 ・TP19 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 60dB(無変調)受信 → VR206調整 → 38kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR207調整 → 19kHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR204,VR209調整 → L-R調整
 ・83MHz 60dBステレオ受信 → VR205,VR208調整 → R-L調整
【Sメーター調整】
 ・VR104(=IC108 PA5008 10ピン)→ Sメーター点灯レベル調整
 ・VR102 ※VR104との関係がよく分からない
【ミューティング調整】
 ・83MHz 18dB受信 → VR103調整 → ミューティング動作位置へ
【REC LEVEL調整】
 ・REC CAL オン → 出力レベル確認(実測339Hz)→ VR302調整 → 出力レベル-6dB
 ・実測339Hz

●AM部調整
【VT電圧調整】
 ・TP33 電圧計セット
 ・522kHz → L301調整 → 2V±0.3V
 ・1629kHz → TC301調整 → 19.5V±0.5V
【受信調整】
 ・TP35 電圧計セット
 ・VR301を中央位置にセット
 ・729kHz 受信 → T301調整  → 電圧最大へ
 ・1332kHz受信 → TC302調整 → 電圧最大へ
 ・603kHz 100dB受信 → VR301調整 →4.9V±0.1V ※注意:5.2V以上にしないこと

F717_align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・部品取りのつもりが思いがけず正常動作品に生まれ変わりました。
 ・代わりに本来修理対象だった1号機を部品取り機として保管することにします。
 ・今回は新しい発見があってとても勉強になりました。
 ・貴重な機会をいただいたことに感謝いたします。

Pioneer_f71709

2015年12月13日 (日)

YAMAHA T-2

 ・2015年11月初め、YAMAHA T-2の修理調整作業を承りました。
 ・ついに T-2 に触れる機会が巡ってきました。
 ・以下、作業の記録です。

Yamaha_t205

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 (1978-81)
 ・取扱説明書 YAMAHAホームページのダウンロードサイトで入手可能

Yamaha_t202 Yamaha_t204

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・薄型なのに持ち上げるとずっしり重い。重量感あるボディです。
 ・外観に目立つキズは無く、状態はなかなか良いです。
 ・電源スイッチオン。指針とメーター照明点灯。
 ・あれ?周波数のデジタル表示が点灯しない?
 ・と思ったら、放送局を受信したときだけデジタル表示が出現するようです。
 ・赤く光るダイヤル指針とデジタル表示はピッタリ一致しています。
 ・IFバンド切替、MUTING動作、REC CALなど操作ボタンは問題なさそう。
 ・固定出力、可変出力とも正常。マルチパスH端子から受信音が聴こえます。
 ・基本動作に問題は無いようです。
 ・Tメーター、Sメーターの指針の塗装がボロボロに劣化している点が気になります。

Yamaha_t207 Yamaha_t208 Yamaha_t209 Yamaha_t210 Yamaha_t211
Yamaha_t212 Yamaha_t213 Yamaha_t214 Yamaha_t215 Yamaha_t216

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・底板を外すと部品実装面が見える「逆さま構造」です。
 ・フロントパネルとボディは一体構造でした。
 ・ボディとフロントパネルの分解方法はサービスマニュアルに載っています。
 ・フロントエンド横にある小さな基板の下にデジタル表示用の基板が隠れています。
 ・7連バリコン+Wide/Narrow IF+レシオ検波+LA3350

Yamaha_t220 Yamaha_t219 Yamaha_t221 Yamaha_t223 Yamaha_t224
Yamaha_t225 Yamaha_t226 Yamaha_t228 Yamaha_t229 Yamaha_t230
Yamaha_t231 Yamaha_t232 Yamaha_t233 Yamaha_t235 Yamaha_t236
Yamaha_t280 Yamaha_t281 Yamaha_t282 Yamaha_t283 Yamaha_t284

■修理記録:メーター指針塗装------------------------------------------

 ・塗装ボロボロの指針は130,000円の高級機に相応しくありません。
 ・そこでメーターを分解して指針を再塗装しました。
 ・以前 YAMAHA T-1の指針を塗装した赤色のエナメル塗料を使いました。
 ・キレイに塗装できたのですが、指針の背景が黒色なので指針が目立ちません。
 ・蛍光オレンジ色にした方が良かったかも?

Yamaha_t240 Yamaha_t250 Yamaha_t251 Yamaha_t252 Yamaha_t253
Yamaha_t254 Yamaha_t255 Yamaha_t256 Yamaha_t257 Yamaha_t258

■修理記録:指針電球交換----------------------------------------------

 ・メーター指針再塗装のためにボディを外して初めて気が付きました。
 ・光るダイヤル指針は二つの電球によって構成されており、一方がタマ切れでした。
 ・電球一つでも指針に違和感は無かったのですが、気が付いた以上は放置できません。
 ・指針の照明は光の屈折を利用した凝った造作になっています。
 ・ジャンク箱から同等仕様(14.5V/80mW)の電球を見つけて交換しました。
 ・この電球に繋がる電解コンデンサ3個が劣化状態だったのでこれも交換しました。

Yamaha_t260 Yamaha_t261 Yamaha_t262 Yamaha_t263 Yamaha_t264
Yamaha_t265 Yamaha_t266 Yamaha_t267 Yamaha_t268 Yamaha_t208_2
Yamaha_t270 Yamaha_t271 Yamaha_t272 Yamaha_t273 Yamaha_t200

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF

T2align

【同調点調整】
 ・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整 → Tメーター中点
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・重厚な薄型ボディ、赤いデジタル表示、高級感漂うチューナーです。
 ・受信感度、音質とも良好で、とても聴きやすい音です。
 ・ただ照明効果がシンプルなのでインテリアとしてはちょっと物足らないかも。
 ・良い機会をいただき、ありがとうございました。

Yamaha_t206

 ・YAMAHA T-1~T-9 一覧表 ※6年かかってようやく完成しました。

2015年12月 6日 (日)

LUXMAN T-530

 ・2015年11月初め、LUXMAN T-530の調整作業を承りました。
 ・実機を見るのは初めてなので興味津々です。
 ・以下、作業内容をご報告します。

T53008

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 LUXMAN T-530 ¥78,000
 ・オーディオの足跡 LUXMAN T-530 ¥78,000(1982年6月発売)
 ・Hifi Engine Luxman T-530 ※海外版サービスマニュアル

T53002_2 T53011_2

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・操作ボタンの色や形状がこの時期のラックスっぽい印象です。
 ・フロントパネルはほぼ無傷ですが木製ボディにキズが多いのがちょっと残念。
 ・アナログチューナーと同様に、フロント両端に電球を配置した構造でした。
 ・この照明によってフロントパネルの文字が青く浮かび上がります。
 ・インジケーターはすべて赤色LED。Sメーターは赤色7連LED。
 ・白い周波数表示は十分に明るく文字痩せなし。
 ・FMの受信周波数帯は76.1MHz~89.9MHzです。
 ・AMは手持ちのループアンテナを接続して受信確認。
 ・FM/AMとも特に問題は無さそうです。

T53009 T53004 T53006 T53012 T53013

■C.A.T.システム / Computer Analized Tuning System--------------------

 ・受信状態に応じてコンピューターが4つの機能を自動切替し最適組合せを実現する機能。
 ・通常は C.A.T.ボタンは押さない状態(インジケータ点灯)で使用。
 ・C.A.T.ボタンを押した状態(インジケータ消灯)でC.A.T.システムオフ。
 ・C.A.T.システムオフのとき4つの機能は手動で個別選択できる。

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【Antenna Attenuator】アンテナアッテネーター
 ・6連バリコン相当の6バラクター構成により強電界における妨害排除能力を高める機能
 ・スイッチオンによ4連フロントエンドパックに加えてアンテナ側2連が起動する。
 ・強い電波の近接局がある場合に有効
【IF Selector】IF帯域切替
 ・Wide(400kHz)とNarrow(300kHz)の2段切替機能
【C.S. Filter】アンチバーディーフィルター
 ・不要な高域成分をカットし隣接局からの妨害波によるビート障害を排除する機能
  ※おまけ「C.S.」の意味は?
  ・サービスマニュアルに「C.S.Filter(Anti-Birdie Filter)」と記載あります。
  ・LUXMANカタログに「Anti-Birdie Filter (Clean Sound Filter) 」と記載あり。
  ・つまり、C.S.Filter=アンチバーディーフィルター=Clean Sound Filter
【High Blend】ハイブレンド
 ・受信強度に応じてステレオセパレーションを調整する機能

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・4連相当フロントエンドパック+アンテナ側に外付け2連=6連相当
 ・LA1235 FM IF SYSTEM クアドラチュア検波
 ・LA3390 PLL MPX DEMODULATOR
 ・LA1245 AM TUNER

 ・VR101:FM Signai LED
 ・VR102:FM Muting
 ・VR103:AM Signal LED
 ・VR104:VCO
 ・VR105:FM Stereo Separation
 ・VR301:Test Tone

 ・CT101:FM Tracking(High End)
 ・CT102:FM Tracking(High End)
 ・CT103:AM Tracking(1400kHz)
 ・CT104:AM Tracking(1400kHz)

 ・IFT :FM Stereo Distortion
 ・L101:FM Tracking(Low End)
 ・L102:FM Tracking(Low End)
 ・L103(Left):FM Distortion
 ・L103(Right):FM Center
 ・L104:AM Tracking(600kHz)
 ・L105:AM IF
 ・L106:AM IF
 ・L107:AM Tracking(600kHz)

 ・F106:FM Stereo Carrier Leak
 ・F107(Black):FM Stereo Carrier Leak

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルに日本語で書かれた調整手順が掲載されています。

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●FM部
 ・C.A.T.オフ、Mutingオフ
【FM同調点調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(IC側)調整 → 電圧ゼロ
【FM同調点調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(逆側)調整 → 歪最小
【VCO調整】
 ・TP5 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR104調整 → 19kHz±10Hz
【セパレーション調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → VR105調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・フロントエンドユニット内IFT調整→ ステレオ歪最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・Mutingオン
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → F106,F107(黒)調整 → 漏れ信号最小
【ミューティング調整】
 ・Mutingオン
 ・83MHz mono 1kHz 20dB → VR102調整 → 音が出る位置に
【Sメーター調整】
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → VR101調整 → SメーターLED全灯
【テストトーン調整】
 ・音声出力にWaveSpectar接続
 ・83MHz mono 1kHz 50dB → OUTPUTレベル記録
 ・test tone オン → VR301調整 → 上記レベル-6dB ※実測474kHz
【フロントエンド調整】
 ・C.A.T.オフ、Antenna att.オン
 ・LA1235 13ピンにDC電圧計セット →Sメーター電圧
 ・76.1MHz mono 1kHz 50dB → L101,L102,※L103,L104,L105調整 → Sメーター最大
 ・89.9MHz mono 1kHz 50dB → CT101,CT102,CT103,CT104,CT105調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を数回繰り返す。
  ※L103,L104,L105の調整は難しいので触らない方が無難。
  ※C.A.T.オフ、Antenna att.オンにしないとアンテナ側2段が動作しない。

【C.A.T.システム動作確認】
 ・サービスマニュアルにC.A.T.システムの動作確認について解説がありました。
 ・SGは1台しかないので希望信号をNHK-FMとし SGで妨害信号を生成してミックス。
 ・パッシブ型の2分配器を逆接続して混合器代わりにしました。
 ・82.50MHz NHK-FM 約60dB前後を受信。
 ・82.65MHz SGから信号強度を変えながら妨害電波送信。

Cat_drive T53070 T53071 T53072

 ・この実験で一覧表にある「希望信号60dB」における動作がほぼ再現されました。
 ・動作確認表の「FULL CAT」の状態になるとインジケーターがフル点灯します。
 ・「受信不能」とは妨害電波の音が聞こえる状態になることです。
 ・コンピューター制御はシーケンス通りに動作しているようです。

●AM部
【VT電圧】
 ・TP1 DC電圧計セット
 ・受信周波数 603kHz → L107調整 → 2V
 ・受信周波数1404kHz → CT104調整 → 7V
【RF調整】
 ・603kHz 1kHz 30%変調 → L104調整 → Sメータ最大
 ・1404kHz1kHz 30%変調 → CT103調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら L105,L106調整 → 歪感最小
【Sメーター調整】
 ・1053kHz CBCラジオを聴きながら VR103調整 → SメーターLED

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM受信性能や音質は並クラスかな?と思います。
 ・でも照明によって浮かび上がる青色文字が上品な感じです。
 ・インジケーターの赤色LED、特にSメーターの赤色7連LEDがやや目立ち過ぎかも。
 ・C.A.T.システムについて大変勉強になりました。

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