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2015年12月27日 (日)

Victor FX-711

 ・2015年11月、電源が入らないVictor FX-711の修理を承りました。
 ・FX-711の修理はたぶん3台目ですが、前2台はずいぶん昔のことでした。
 ・今回はキチンと記録を残すことも目的として作業を進めました。
 ・以下、作業内容の報告です。

Fx71114

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100 サービスマニュアル、回路図あり
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71101 Fx71104

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1988」
 ・ボディには細かい擦り傷多いです。
 ・背面アンテナ端子は2系統あります。
 ・配線して電源オン、、残念ながら電源が入りません。
 ・まずは電源部の修理から着手しました。

■修理記録:電源基板--------------------------------------------------

 ・電源基板は既に数個の電解コンデンサとダイオードが交換済みでした。
 ・各部電圧確認

【J705 端子電圧確認】※修理前
 ・J705-1(Fr):-4.5V
 ・J705-2(Fr):-4.5V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V
 ・J705-6(-35V):+4.7V

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 ・(LOGIC +5V)に電圧が出ていないのでMPUが動作しない。
 ・調べてみると ICプロテクター2個(CP801,CP802)が断線していました。
 ・CP801,802(ICP-N5)はトランジスタのような形をした2本足の部品です。
 ・パーツリストの部品名ICP-N5を頼りにネット検索すると鈴商通販サイトがヒット。
 ・ICプロテクタはヒューズような役割ですから、そもそも断線した原因が別にあるはず。
 ・そう思ってさらにトランジスタやダイオードを一つずつチェック。
 ・ダイオードD810がショート状態になっていました。
 ・D810交換、続いて ICプロテクタ―2個(CP801,CP802)交換。
 ・電源オン!、、表示管が点灯しWELCOMEメッセージが流れました。
 ・各部電圧は正常値になりました。

Fx71154 Fx71156 Fx71157 Fx71158 Fx71159

【J705 端子電圧確認】
 ・J705-1(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-2(Fr):-4.5V → -26.1V
 ・J705-3(LOGIC +5V):0V → +5.7V
 ・J705-4(LOGIC GND):0V → 0V
 ・J705-5(-35V):-4.1V → -34.6V
 ・J705-6(POWER):+4.7V → 0.2V (OFF時+4.7V)
【メイン基板 電源部】
 ・Q801-E電圧(+30V):+28.6V
 ・Q803-E電圧(+12V):+11.7V
 ・Q805-E電圧(+ 5V):+ 5.1V
 ・Q808-E電圧(-12V):-12.8V

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・電源ボタンによるON/OFF動作が正常になりました。
 ・蛍光管表示部は文字痩せ、文字欠けはなくキレイに光っています。
 ・FMアンテナはA/Bの2系統。早速同軸ケーブルを接続して動作確認。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・アンテナA/B切替、RF切替、IF BAND切替、MUTING、REC CAL音など動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。電波強度はメーターではなくdB数値で表示するタイプです。
 ・表示は50dB~60dBと実際よりもやや低めの値を示します。
 ・メモリ登録動作OK。メモリ選局動作OK。
 ・英数字や記号で放送局名を登録できる機能も確認。
 ・手元にあった適当なループアンテナでAM受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局を正常に受信しました。
 ・FM/AMとも大きな不具合は無さそう、、、と思ったら、、

 ・快調にNHK-FMを聴いていたところ、突然受信感度が大きく低下しました。
 ・50dB~60dBだった表示が20~30dBまで低下しSTEREOランプが明滅しています。
 ・STEREOランプの明滅に合わせて音声がブツブツ途切れます。
 ・電波の強弱に合わせてMUTINGがON/OFFして音声が途切れるようです。
 ・MONO受信に切り替えるとモノ音声では受信OK。
 ・原始的な方法ですがボディを軽くトントンと叩いたら、、感度が戻りました。
 ・さらにトントンすると、、不具合が再発しました。
 ・FM受信が不調になった時もAM受信に切り替えるとAMは正常動作です。

Fx71105 Fx71106 Fx71107 Fx71108 Fx71109

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップ+PLL検波
 ・LA1266:AM/FM TUNER SYSTEM
 ・LA3450:MPX-IC
 ・特徴である光伝送

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■修理記録:トリマコンデンサ交換--------------------------------------

 ・VT電圧を調整しようとしてOSCトリマTC105に触れた瞬間、感度低下が発生しました。
 ・OSCトリマTC105をグリグリ何度も回すと感度低下は発生しなくなりました。
 ・次にRF部の受信調整をしようとTC101~TC104に触れたところ、
 ・特にTC102とTC103はセラミックドライバが軽く触れただけで感度低下が発生。
 ・ひろくん様の修理記録を参考にして TC101~TC105計5個を青色10pFタイプに交換しました。
 ・交換した後で下記調整作業をしたところ受信感度は安定しています。
 ・トントン攻撃にもびくともしません。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・英文サービスマニュアルの調整方法を一部アレンジして調整しました。
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=DX
 ・IF BAND=WIDE
 ・MUTING=OFF

Fx711algn

●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・76MHz 1kHz 100%変調 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → dB表示最大
 ・90MHz 1kHz 100%変調 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → dB表示最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → dB表示最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 1kHz 100%変調 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 1kHz 100%変調 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR401調整 → Rch > Lchもれ最小
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR402調整 → Lch > Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 427Hz

●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 感度最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 感度最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当です。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻しました。
 ・本機が示す電波強度はかなり正確な値を示しています。
 ・受信環境を測るリファレンス機として使えそうです。

Fx71116

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