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2016年3月の記事

2016年3月27日 (日)

DENON TU-850 修理調整記録2

 ・2016年1月、ひどい雑音しか出ないTU-850の修理調整を承りました。
 ・症状を詳しく観察するとおよその故障箇所が推定できます。
 ・以下、作業の記録です。

Tu85009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 DENON TU-850 ¥70,000円(1977年発売)
 ・Hifi Engine DENON TU-850 ※輸出機の取説、カタログあります。
 ・DENON TU-850 取扱説明書 (日本語版)
  ※依頼者様からご提供いただきました。ブロック図が参考になりました。

Tu85001 Tu85010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルに目立つキズは無く、状態はかなり良いです。
 ・ボディのキズも目立ちませんが経年の汚れ、というか全体に錆びている感じ。
 ・早速 FMアンテナを接続して症状を確認しました。
 ・電源オン。二つのメーター照明点灯。周波数窓の照明も点灯。
 ・IF BAND切替(wide/narrow)ポジションランプ(緑/赤)点灯。
 ・選局ツマミを回すとSメーター、TメーターはFM局付近で反応します。
 ・さらにTメーター中点付近では STEREOランプ(赤)が点灯。
 ・これらの動作はFM放送を正常に受信していることを示しています。
 ・マルチパス-H端子の出音を確認すると正常なFM音声が聴こえます。

Tu85003 Tu85004 Tu85005 Tu85006 Tu85007

 ・ところが音声端子から出てくる音は左右chともひどい雑音だけです。
 ・「バリバリッ、ガリガリッ」局間ノイズとは明らかに違います。
 ・オーディオ回路のトランジスタが壊れているような感じかも??
 ・よく聞くと、右chと左chではレベルの異なる別々の雑音が出ています。

Tu85002 Tu85008 Tu85011 Tu85012 Tu85013

【症状確認】
 ・wide/narrow共通の雑音
 ・固定/可変音声端子に共通する雑音
 ・可変端子のVRガリではない。
 ・SメーターとTメーターの振れ方は正常
 ・STEREOランプ正常点灯
 ・マルチパス-H端子の音声正常。
 ・Muting動作は正常。FM局を外れるとMutingが作動して無音になる。
 ・MPX回路、特にMPX-IC HA11223以降のオーディオ回路を調べてみます。

■内部確認------------------------------------------------------------

・FM専用5連バリコン+広帯域レシオ検波
 ・Wide系CF2個、Narrow系+CF3個
 ・HA1137 :ミューティングとメーター制御用
 ・HA11223:復調用IC

【IF部】
 ・VR1:WIDE/NARROWレベル調整 Sメーター振れ具合を同じに。
 ・VR2:ミューティングレベル調整
 ・VR3:検波出力レベル調整
 ・T2-bottom:Tメーター中点:HA1137クアドラチュア検波調整
 ・T2-top:高調波歪最小:HA1137クアドラチュア検波調整 
 ・T3-top:Tメーター中点:レシオ検波調整
 ・T3-bottom:高調波歪最小:レシオ検波調整 FIX端子で

Tu85020 Tu85021 Tu85022 Tu85023 Tu85024

【MPX部】
 ・VR1:VCO調整
 ・VR2:Pilotキャンセル
 ・VR3:METER SELECTER=level LEVELメーター(L)調整
 ・VR4:METER SELECTER=level LEVELメーター(R)調整
 ・VR5:METER SELECTER=power out VUメータ(L)調整
 ・VR6:METER SELECTER=power out VUメータ(R)調整
 ・VR7:Rec Leve調整l 400kHz、LEVELメーター→-6dB
 ・VR8:VCO調整
 ・VR9:VCO調整
 ・VR11:WIDE側セパレーション調整
 ・VR12:NARROW側セパレーション調整
 ・TP1:VCO 76kHz確認用
 ・TP2:HA11223-8ピン
 ・TP3:GND

Tu85026 Tu85027 Tu85028 Tu85029 Tu85030

■修理記録:雑音の原因を探す---------------------------------------

 ・Sメーター、Tメーター正常 → ○HA1137
 ・マルチパスH端子の音声正常 → ○レシオ検波回路
 ・HA11223-1ピン(電圧)→ ○12.2V
 ・HA11223の各足から音を拾って確認
 ・HA11223-2ピン(検波信号入力)→ ○ 音声正常
 ・HA11223-5ピン(復調後R信号)→ × ひどい雑音
 ・HA11223-6ピン(復調後L信号)→ × ひどい雑音
 ・HA11223-8ピン(STEREO INDICATOR)→ ○ 電圧正常

 ・どうやら復調用IC HA11223 内部の復調回路が故障しているようです。
 ・交換のため HA11223 を取り外して確認するとすべての足が真っ黒。
 ・HA11223 を HA11223Wに交換しました。

Tu85050 Tu85051 Tu85052 Tu85053 Tu85054

■修理記録:2SC1313交換----------------------------------------------

 ・前回のTU-850 1号機ではトランジスタ(2SC1313)の劣化が問題になりました。
 ・今回の基板を見ると、TR15とTR16が既に 2SC1815 に交換済みでした。
 ・もう一つの2SC1313(TR9)はフロントエンドユニットの下、1階のリレー横にあります。
 ・念のためこれも 2SC1815 に交換しておきました。

Tu85060 Tu85061

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・今回初めてTU-850海外版サービスマニュアルを入手しました。

Denon_tu850_bd

●フロントエンド
【OSC調整】
 ・76MHz 無変調 90dB → Lo 調整 → ダイヤル指針76MHz
 ・90MHz 無変調 90dB → TCo調整 → ダイヤル指針90MHz
【RF調整】
 ・76MHz 無変調 40dB → LA,LR1,LR2,LR3 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 無変調 40dB → TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz,100%変調 → IFT調整 → Sメーター最大

●IF検波基板
【検波調整1】※HA1137W クアドラチュア検波
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T2 下段コア調整 → Tメーター中点
 ・TP1 Wavespectra接続 波形確認
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T2 上段コア調整 → 高調波最小
【検波調整2】※レシオ検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・無信号 → T3上段コア調整 → TP間電圧 → 電圧ゼロ
 ・固定出力端子 Wavespectra接続 波形確認
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T3下段コア調整 → 高調波最小
【WIDE/NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz,100%,70dB → Sメーター振れ位置確認
 ・IF BAND=NARROW
 ・VR1調整 → Sメーター同じ振れ位置
【MUTING調整】
 ・83MHz 1kHz,100%,20dB → VR2調整 → MUTING作動
【OUTPUTレベル調整】
 ・固定出力端子に電圧計接続
 ・83MHz 1kHz,100%,60dB → VR3調整 → 1.6V

●MPX基板
【VCOフリーラン周波数調整1】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP1~TP3(GND)周波数カウンタ接続
 ・HA11223 8ピン~9ピン短絡
 ・無信号 → VR8調整 → 76kHz±20Hz
 ・無信号 → VR1調整 → 76kHz±20Hz
【VCOフリーラン周波数調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP1~TP3(GND)周波数カウンタ接続
 ・TP2~TP3短絡
 ・無信号 → VR9調整 → 76kHz±20Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR2調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・Wavespectra接続 波形確認
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR11調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR12調整 → 漏れ信号最小
【STEREO歪調整】
 ・Wavespectra接続 波形確認
 ・IF BAND=WIDE
  ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → フロントエンド内IFT調整 → 高調波歪最小
  ・IF BAND=NARROW
  ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → IF基板 T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
  ・TP1 Wavespectra接続 波形確認
  ・83MHz 1kHz,100%,70dB → T1調整 → 高調波歪最小
【メーター調整1】チューナーレベル
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR3,VR4調整 → L/Rメーター → 0dB
【メーター調整2】オーディオレベル
 ・背面端子にオーディオ発振器接続
 ・1kHz、2.45V → VR5,VR6調整 → L/Rメーター → 0dB
【メーター調整3】REC CALレベル
 ・REC CAL on  → VR7調整 → L/Rメーター → -6dBdB

■修理記録:別の雑音確認------------------------------------------------

 ・HA11223交換によって当初の雑音問題は解消しました。
 ・ところが上記調整を済ませたところ、別の雑音が発生していました。
 ・不定期に「ザザッ」という雑音が混じります。
 ・TP-VCOで観測される76kHzが雑音とともに大きく乱れていました。
 ・不定期に左右両ch同時発生なので、19kHz信号の乱れが怪しいか?
 ・VCO周り、パイロットキャンセル周りの電解コンデンサ交換。
 ・C4,C14,C15 10uF/16V、C8 3.3uF/50V、C10,C50 0.47uF/50V
 ・しかし改善せず。
 ・最終的にTR21 2SC1345 を 2SC1815 に交換して雑音が収まりました。

Tu85055 Tu85056 Tu85057 Tu85058

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最後にフロントパネルを分解してガラス窓の内側まで磨いておきました。
 ・独特の雰囲気、というか存在感がありますね。
 ・巨艦サイズなので設置場所に苦労しそうですが、雰囲気は最高です。

Tu85008_2

2016年3月20日 (日)

Aurex ST-720

 ・2016年1月、Aurex ST-720の調整作業を承りました。
 ・Aurexは東芝のオーディオブランドです。
 ・一見するとチューナーとは思えない独特な外観です。
 ・以下、作業内容のご報告です。

Aurex_st720_11

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Aurex ST-720 \105,000(1975年頃)
 ・オーディオ懐古録 Aurex ST-720 \105,000

Aurex_st720_02 Aurex_st720_21

St720book
 ・ラジオ技術 1976年1月号 東芝技術陣によるST-720の解説記事。
 ・地元の県立図書館でバックナンバーを閲覧してコピーしてきました。
 ・回路図などが見つからないので、この記事がとても参考になりました。

  ・1974 ST-910 280,000円 ※国産初のシンセチューナー
  ・1975 ST-720 105,000円 ※ピンボード・プリセット方式
  ・1976 ST-630  69,800円 ※マニュアル選局方法がST-720と同じ

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・W450mm×D365mm×H148mm、重量8.3kg
 ・初めて実機を見ましたが、想像以上にビッグサイズでした。
 ・天板には目立つ擦り傷多数、ただ幸いにもフロントパネルはほぼ無傷。
 ・今まで見てきたシンセチューナーとは明らかに顔つき(操作方法)が違います。
 ・まず、どうやって操作するの??

【選局方法】
 ・フロントパネル中央部に選局ボタンが5個(CH1~CH5)縦に並んでいます。
 ・上から4個(CH1~CH4)はプリセット選局、一番下(CH5)のボタンがマニュアル選局です。

Aurex_st720_01

【マニュアル選局】
 ・このマニュアル選局の方法がマニアックで面白いです。
 ・本体下部に横一列に並ぶ小さなプッシュボタンで受信周波数を設定します。
 ・左から[80/70]、[8],[4],[2],[1]、[0.8],[0.4],[0.2],[0.1]
 ・例えば82.5MHzを受信するには[80]、[2]、[0.4],[0.1] を押し込んだ状態にします。
 ・同じAurex ST-630 のマニュアル選局も同じような構造でした。
 ・さすが、シンセチューナー黎明期の製品ですね。

Aurex_st720_03 Aurex_st720_04 Aurex_st720_10 Aurex_st720_05 Aurex_st720_08

【プリセット選局】※各部の名称は上記雑誌記事の記述に従っています。
 ・「ピンボード」を使って選局ボタン(CH1~CH4)に対応する周波数をセット。
 ・フロントパネルに並んだ「ピンボード収納ケース」を手前に引っ張って取り外す。
 ・収納ケースの左端を跳ね上げて中にセットされたピンボードを取り出す。
 ・マニュアル選局同様に、ピンボードのピンを折ることによって受信する周波数を設定。
 ・各収納ケースにそれぞれ2個のピンボードが入っていました。
 ・4段×各2個=合計8個のピンボードのうち、5個が未使用でした。
 ・受信周波数を設定したピンボードを収納ケースに納めてチューナー本体にセット。
 ・収納ケースをグッと押し込むだけです。
 ・放送局名や周波数を透明シートに印字して収納ケース前面に貼れば完璧です。

Aurex_st720_62 Aurex_st720_63 Aurex_st720_64 Aurex_st720_65 Aurex_st720_66
Aurex_st720_70 Aurex_st720_71 Aurex_st720_72 Aurex_st720_73 Aurex_st720_74
Aurex_st720_75 Aurex_st720_76 Aurex_st720_77 Aurex_st720_78 Aurex_st720_79

【動作確認】
 ・当初は周波数表示が壊れているかと思いましたが、、
 ・操作方法が理解できたところで再度動作確認して正常表示を確認しました。
 ・周波数表示は7セグメントのLEDです。
 ・マニュアル選局で名古屋地区のFM局を受信できました。
 ・STEREOランプ点灯、実際にステレオ感もあります。
 ・FM局が存在しない周波数ではエラーインジケーター[TUNING ERROR]が点灯します。
 ・モード切替OK、ハイブレンドスイッチたぶん効果あり。
 ・REC CALトーンOK。可変出力VRガリ無し。
 ・マルチパスH端子からも正常音声が聞こえます。
 ・どうやら基本動作はOKのようです。

Aurex_st720_06 Aurex_st720_07 Aurex_st720_09 Aurex_st720_22 Aurex_st720_23

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド、チューナー基板、コントロール基板、電源基板が整然と並んでいます。
 ・5連構成フロントエンド。局発回路はもう一つのシールドケース内にありました。
 ・実質6連バリキャプ相当と言えるでしょうか。
 ・IF段(4極LCブロックフィルター×3段構成)→ レシオ検波 → LA3350(PLL-MPX IC)
 ・VR1:VCO調整 → TP19kHz
 ・VR2:セパレーション調整
 ・VR3:REC CALトーン調整

St720bd

Aurex_st720_30 Aurex_st720_31 Aurex_st720_32 Aurex_st720_33 Aurex_st720_34
Aurex_st720_35 Aurex_st720_36 Aurex_st720_37 Aurex_st720_38 Aurex_st720_39
Aurex_st720_40 Aurex_st720_41 Aurex_st720_42 Aurex_st720_43 Aurex_st720_44
Aurex_st720_45 Aurex_st720_46 Aurex_st720_47 Aurex_st720_48 Aurex_st720_49
Aurex_st720_50 Aurex_st720_51 Aurex_st720_52 Aurex_st720_53 Aurex_st720_55

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・フロントエンド 黄色リード線にDC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → OSC L01 調整 → 確認のみ※実測 3.2V
 ・90MHz → OSC VD01調整 → 確認のみ※実測13.8V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(無変調,40dB)→ L01~L05調整 → 電圧最大
 ・90MHz(無変調,40dB)→ VD01~VD05調整 → 電圧最大
 ・83MHz(無変調,40dB)→ IT01調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・83MHz(1kHz,80dB)受信 → IFT02調整 → 0.0V
 ・83MHz(1kHz,80dB)受信 → IFT01調整 → 高調波歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TPに周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR01調整 → 19kHz
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(R/L信号,80dB)→ VR02調整 → もれ信号最小
【HI BLEND】
 ・スイッチONで 6000Hz以上が緩やかに減衰することを確認。
【REC CAL調整】
 ・基準音539Hz
 ・本体スイッチ設定 50% → VR03調整 → -6dB設定
 ・本体スイッチ設定100% → 確認のみ → ±0dB

St720

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・1975年製、シンセチューナー黎明期の貴重な機種です。
 ・ガチャン、ガチャン と選局するクラシカルな感じがイイですね。
 ・特別に高音質というわけではありませんが、でもFM放送を不満無く受信できます。
 ・歴史的な価値がありそうです。

Aurex_st720_12

2016年3月13日 (日)

PIONEER TX-100

 ・2015年12月、またまたアンティークチューナーを入手しました。
 ・状態はかなり悪そう、、でも型番が示すように当時のラインナップ最上機です。
 ・こういう機種のメンテナンスをすることがとても楽しいです。

Tx10010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER TX-100 ¥60,000(1971年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER TX-1000 (1972) ※回路図あり

Tx10002 Tx10014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・経年のキズ、汚れ、シール痕が目立ちます。
 ・ただフロントパネルがほぼ無傷なのが救いです。
 ・残念な点は背面のAMバーアンテナの台座が破損していること。
 ・電源オン、二つのメーター照明点灯。周波数窓の中央部がやや暗い。
 ・指針の照明が点灯しないので電球切れかと思ったら、、
 ・実は先端だけがわずかに点灯していて、同調すると指針全体が点灯するタイプでした。
 ・-0.2MHzほどの周波数ズレがあるもののFM放送を受信しました。
 ・STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。MUTINGレベルはフロントパネルのVRで可変。

Tx10003 Tx10004 Tx10006 Tx10007 Tx10012

 ・グラグラ状態の背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送を受信できました。
 ・インジケータランプ点灯、Sメータ動作正常。
 ・OUTPUTつまみのガリはないが固定/可変ともRchの出力レベルが小さめ。
 ・問題点は照明電球切れとRchの出力レベルが小さいこと、です。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・PIONEER TX-90 とよく似た感じ。
 ・機能ごとの基板が整然と並んだ分かり易い構造です。
 ・FM4連、AM3連の独立したバリコンが2基並んでいます。
 ・クリスタルフィルター → レシオ検波 → ディスクリートMPX

Tx10021 Tx10022 Tx10023 Tx10024 Tx10025
Tx10027 Tx10028 Tx10029 Tx10030 Tx10031
Tx10032 Tx10033 Tx10034 Tx10035 Tx10036
Tx10050 Tx10051 Tx10052 Tx10053 Tx10054

 ・W11-042 FM FRONTEND
 ・W12-033 FM IF UNIT
 ・W13-028 MPX UNIT
 ・W18-034 MUTING UNIT
 ・W28-005 HEADPHONE UNIT
 ・W14-016 AM TUNER UNIT
 ・W36-014 AF UNIT
 ・W16-034 POWER UNIT

■修理記録:照明窓電球交換--------------------------------------------

 ・周波数窓中央部が暗い原因はやはり電球切れでした。
 ・ヒューズ型電球 8V 0.3A 手持ちの中古電球に交換して完了。
 ・電球交換はフロントパネルを外して前面から行った方が簡単です。
 ・指針が移動するレールに軽く潤滑剤を塗っておきました。
 ・フロントパネルは分解清掃して輝きを取り戻しました。

Tx10040 Tx10043 Tx10041 Tx10044 Tx10046

■修理記録:Rchの出力レベルが小さい-----------------------------------

 ・FM/AMとも固定/可変出力のRchレベルが小さい。
 ・FM-IF基板の検波出力 → 正常
 ・マルチパスH端子出力 → 正常
 ・AF基板 Lch INPUT1○ → REC OUT6○ → OUTPUT2○
 ・AF基板 Rch INPUT2○ → REC OUT8× → OUTPUT12×
 ・不調原因は Q2 2SC871 の故障でした。
 ・代替品として 2SC1815 に交換してレベル差解消しました。※足の並びに注意!
 ・左右のバランスを保つためにLch側も交換しました。

Tx10060 Tx10061

■修理予定:AMバーアンテナの台座-----------------------------------

 ・私の記録の中ではAMアンテナの同型品は同じTX-910、TX-8900のようです。
 ・いつか同型ジャンク品が入手できたらアンテナごと交換しましょう。

Tx10015 Tx10016 Tx10017 Tx10018 Tx10013

■調整記録------------------------------------------------------------

Pioneer_tx100

Tx1000_block Tx1000_fm_front Tx1000_fm_if Tx1000_mpx Tx1000_af_head Tx1000_muting Tx1000_am

 【フロントエンド】
 ・OSC調整 TCo、Lo
 ・RF調整 TC1,TC2,TC3 / L1,L2,L3
 【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態でIF基板 T2上段コア調整 → Tメーター中央へ
 ・フロントエンドT1、IF基板T2下段コア → 高調波歪最小
 ・IF基板T1調整 → Sメーター最大振れ位置へ
 【MPX調整】
 ・L-R信号送信 → Lch出力最大へ
 ・VR1 → セパレーション調整
 【AM調整】
 ・OSC調整 T2,AM3
 ・RF調整 バーアンテナ,T1 AM1,AM2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・このノスタルジックな雰囲気がたまりません。
 ・ステレオ受信時の歪率0.1%、セパレーション約50dB。
 ・BGM用の試聴なら十分な性能を保っています。

Tx10011

2016年3月 6日 (日)

A&D DA-F9000 修理調整記録

 ・2016年1月、DA-F9000の修理調整作業を承りました。
 ・DA-F9000は私自身も発売当時に購入し、留守録専用機として長く愛用した機種です。
 ・当時はマイナー機種でしたが、性能は最高だと思っていました。
 ・思い入れのある機種ですから何とか復活のお手伝いがしたい。

Daf900009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録  A&D DA-F9000
 ・Hifi Engine AKAI AT-93 (1988)
 ・DA-F9000 取扱説明書
 ・A&D総合カタログ 1988年11月版

Daf900002 Daf900011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板やサイドウッドに多少の擦り傷。でもフロントパネルはほぼ無傷です。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。周波数表示が明るく点灯。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・マニュアル選局でも受信OK。周波数ズレなし。
 ・STEREOランプ点灯。IF BAND切替OK。STEREO/MONO切替OK。アンテナ切替OK。
 ・REC CALトーンOK。
 ・AMは適当なループアンテナを接続して受信確認しました。
 ・名古屋地区のAM局を受信しました。
 ・FM/AMとも正常に動作することを確認しました。

Daf900003 Daf900004 Daf900005 Daf900006 Daf900007

 ・時々ノイズが発生するそうですが、、
 ・お預かりしてから約2週間、ほぼ毎日動作確認しましたがご指摘のノイズが確認できません?
 ・1週間放置した後、再び動作確認しましたが快調に動作しています。
 ・ご指摘のノイズは私の環境では再現しないようです?

Daf900016 Daf900015 Daf900012 Daf900013 Daf900014

■内部確認------------------------------------------------------------

【フロントエンド基板】
 ・VC1,VC3,VC4,VC5
 ・L1,L2,L4,L5,L6,L7
 ・T1
【メイン基板】
 ・LA1231N FM IF System
 ・TA7413AP PLL FM STEREO MULTIPLEXER
 ・LA1245 AM Tuner
 ・VR 1:FM SIGNAL INDICATOR LEVEL(NARROW)
 ・VR 2:FM SIGNAL INDICATOR LEVEL
 ・VR 3:TUNED NOISE
 ・VR 4:PHASE OF 19kHz
 ・VR 5:19kHz PILOT CANCEL
 ・VR 6:CHANNEL SEPARATION (WIDE)
 ・VR 7:CHANNEL SEPARATION (WIDE)
 ・VR 8:CHANNEL SEPARATION (NARROW)
 ・VR 9:DC BALANCE
 ・VR10:DC BALANCE
 ・VR11:FM SIGNAL INDICATOR LEVEL upper?
 ・VR12:FM SIGNAL INDICATOR LEVEL lower?
 ・VR13:AM SIGNAL INDICATOR LEVEL
 ・VR14:回路図、部品リストに記載なし
【電源電圧】
 ・+35V → 正常時 +31.6V
 ・+15V → 正常時 +14.8V
 ・+15V → 正常時 +14.5V
 ・-15V → 正常時 -14.5V
 ・ +5V → 正常時 +5.43V

Daf900020 Daf900021 Daf900022 Daf900023 Daf900024
Daf900025 Daf900026 Daf900027 Daf900028 Daf900029
Daf900030 Daf900031 Daf900032 Daf900033 Daf900035

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・JW2~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L6調整 → 7.0V±0.1V ※実測7.13V
 ・90MHz → VC5調整 →23.0V±0.2V ※実測24.2V
【OSC BUFFER調整】
 ・TP1~GND オシロスコープセット
 ・76MHz →  L7調整 → 波形最大
 ・90MHz → VC6調整 → 波形最大
【RF調整】
 ・LA1231-13ピン DC電圧計セット
 ・76MHz(無変調,40dB)→ L1,L2,L4,L5調整 → 電圧最大
 ・90MHz(無変調,40dB)→ VC1,VC3,VC4調整 → 電圧最大
 ※L1,L2は調整難しいのでノータッチ
【IFT調整】
 ・LA1231-13ピン DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ T1(フロントエンド内)調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】LA1231
 ・R43両端 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,70dB)受信 → T2調整 → 0.0V±50mV ※実測225mV
 ・TUNEインジケータ点灯を確認
【検波調整】
 ・R168前足~GND DC電圧計セット
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)受信 → T4調整 → 0.0V±50mV ※186mV
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)受信 → T3調整 → 歪み最小(0.08%以内)
【19kHz位相調整】
 ・IF=WIDE、BLEND=OFF
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(1kHz SUB信号 70dB)受信 → VR4調整 → Lchレベル最大
【PILOT CANCEL調整】
 ・IF=WIDE、BLEND=OFF
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(Piloto信号のみ)受信 → VR5調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【歪調整 STEREO】
 ・IF=WIDE、BLEND=OFF
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(1kHz,STEREO,70dB)→ T1,VC1調整 → 歪み最小 ※0.05%
 ※歪率が左右で大きく異なる場合は上記VR5調整をやり直す
 ※IF=NARROW で0.8%以下であることを確認 ※0.06%
【SEPARATION調整】WIDE
 ・IF=WIDE、BLEND=OFF
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(R信号,80dB)→ VR6調整 → Lchもれ最小 ※実測68.8dB
 ・83MHz(L信号,80dB)→ VR7調整 → Rchもれ最小 ※実測69.5dB
 ※目標55dB以上
【SEPARATION調整】NARROW
 ・IF=NARROW、BLEND=OFF
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(R,L信号,80dB)→ VR8調整 → 左右chもれ最小 ※実測65.5dB
 ※目標40dB以上
【SIGNALメーター調整】
 ・IF=WIDE、BLEND=OFF
 ・83MHz(STEREO,20dB)→ VR2調整 → LED(1番目)点灯
 ・LED(3番目)が点灯するまでSSGの出力を上げる
 ・SSG MONOモードに切り替える
 ・83MHz(MONO,60dB)→ VR11調整 → LED(5番目)点灯
 ・上記の状態でNARROW切り替え VR1調整 WIDE点灯時と同じ
【NOISE DETECTION LEVEL調整】
 ・TR11 コレクタ(R77後足)~GND DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,60dB)→ VR3調整 → 0.1V±0.05V
【DC BALANCE調整】
 ・左右出力端子にDC電圧計セット
 ・83MHz(STEREO,60dB)→ VR9調整 → Rch 1mV以下
 ・83MHz(STEREO,60dB)→ VR10調整 → Lch 1mV以下
【REC CAL】
 ・83MHz(STEREO,60dB)→ 出力レベル記録
 ・REC CAL オン → VR14調整 → 記録値-6dBにセット
 ※REC CALは国内機だけに搭載された機能。
 ※海外版回路図、パーツリスト、調整手順に記載なし。

●AM部
【OSC調整】
 ・R94後足~GND DC電圧計セット
 ・1602kHz → T7調整 → 20V±0.05V ※実測22.0V
 ・ 531kHz → 確認のみ ※実測1.57V
【RF調整】
 ・ 531kHz → T5調整 → シグナルメーター最大点灯
 ・1602kHz → VC3調整 → シグナルメーター最大点灯
【歪調整】
 ・999kHz → T9調整 → 歪み最小
【SIGNALメーター調整】
 ・VR13調整 → LED点灯 ※お好みで、、

Daf9000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・各部再調整の結果、とても良い性能を発揮していると思います。
 ・この状態で一旦お返ししますので、依頼者様の環境で再度ご確認願います。
 ・もしも不具合が再発する場合は再修理調整を承りますのでご一報ください。

Daf900008

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