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2016年4月10日 (日)

Victor FX-711 修理調整記録2

 ・2016年1月、Victor FX-711の故障品2台セットが届きました。
 ・最悪の場合はニコイチで、とも思いましたが幸い2台とも復活しました。
 ・以下、作業記録です。

Fx71101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100 サービスマニュアル、回路図あり
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71103

■動作確認------------------------------------------------------------

【1号機】フロントパネルにシールあり
 ・ひどいヤニ汚れ。ボディには細かい擦り傷多数。
 ・電源投入OK、表示管点灯、周波数表示OK。
 ・ところが STEREO/MONOともに全く入感しません。
 ・電界強度表示は 0dB を示すだけです。

Fx711101 Fx711103 Fx711105 Fx711106 Fx711107

【2号機】フロントパネルにシールなし
 ・ヤニ汚れは無いものの、ボディには細かい擦り傷多数。
 ・電源投入OK、表示管点灯。周波数表示OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しました。
 ・アンテナA/B切替、RF切替、IF BAND切替、MUTING、REC CAL音など動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。
 ・電界強度表示は100dB~120dBと実際より相当高い値を示します。
 ・手元にあった適当なループアンテナでAM受信確認。
 ・名古屋地区のAM放送局を受信しました。
 ・ただ1000kHz以上の放送局の受信感度が悪いようです。

Fx711201 Fx711203 Fx711108 Fx711205 Fx711206

■1号機:修理記録:電源----------------------------------------------

 ・まずは1号機の電源周りを調査しました。
 ・電源基板から出ている電圧は正常ですが、メイン基板Q3エミッタ電圧がおかしい。

【メイン基板 電源部】
 ・Q801エミッタ電圧(+30V):+28.5V
 ・Q803エミッタ電圧(+12V):+1.5V →R817交換→ +11.8V
 ・Q805エミッタ電圧(+ 5V):+ 5.1V
 ・Q808エミッタ電圧(-12V):-12.8V

 ・周囲を調べてみると Q802(2SC458)の電圧がおかしい。
 ・Q802を 2SC1815 に交換 → 変化なし
 ・不具合の原因はヒューズ抵抗 R817 4.7Ω の断線でした。
 ・R817 を外して見ると黒く焼け焦げた跡があります。
 ・これを交換したところ、電界強度表示が出現、FM放送を受信できるようになりました。

Fx711120 Fx711121 Fx711125 Fx711126

■1号機:再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・電界強度表示が現れてFM放送を受信できるようになりました。
 ・ただしモノラル受信だけ可能で、STEREO受信では全く音が出ません。
 ・モノラル受信=MUTINGオフの状態
 ・電界強度表示は60dB辺りを示すのに音が出ない、、
 ・動作を見ているとどうやらMUTINGが効いている感じ?
 ・同調点検出がズレているため MUTINGが解除できないのか?

■1号機:修理記録:FM同調点------------------------------------------

・まずは過去の事例に倣って一通り受信調整してみました。
・すると、
【FM同調点調整】
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
 ・この電圧が最小でも100mV前後。0Vに合わせられません。

 ・どうやら T206内部のコンデンサ容量抜けのようです。
 ・回路図で確認、R667に並列に22pF温度補償型コンデンサをハンダ面に外付け。
 ・これでTP103電圧をゼロに設定できました。
 ・上記調整でFM同調点が決まった途端、STEREO受信できるようになりました。
 ・やはり同調点ズレのため受信したと判定できず、MUTINGが解除できなかったわけです。
 ・あとは再調整で直りそうです。

Fx711130 Fx711131 Fx711132 Fx711140 Fx1100bk_la1266

■1号機:調整記録-----------------------------------------------------

 ・英文サービスマニュアルの調整方法を一部アレンジして調整しました。
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=DX
 ・IF BAND=WIDE
 ・MUTING=OFF

Fx711algn

●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・76MHz 1kHz 100%変調 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → dB表示最大
 ・90MHz 1kHz 100%変調 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → dB表示最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → dB表示最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → VR602調整 → 表示74dB
 ・83MHz 1kHz 100%変調 30dB → VR601調整 → 表示24dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz stereo変調 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 1kHz 100%変調 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 1kHz 100%変調 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR401調整 → Rch > Lchもれ最小
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR402調整 → Lch > Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 1kHz STEREO変調 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 427Hz

●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 感度最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 感度最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当です。

■2号機:修理記録 高い周波数のAM局の受信感度が悪い

 ・TC301,TC302 トリマコンデンサ(20pF)を交換交換しました。
 ・交換後にAM部の調整をやり直しました。
 ・たぶん大丈夫だと思います。

Fx711230 Fx711240 Fx711241

■1号機、2号機:修理記録 キャパシタ交換------------------------------

 ・1号機、2号機とも登録したメモリ内容がすぐに消えてしまいます。
 ・フロントパネル内側基板にある電気二層コンデンサを交換しました。
 ・C703 0.047uF/5.5V → 0.1uF/5.5V
 ・電源プラグを抜いて1週間後もメモリ内容を保持していました。

Fx711141 Fx711142 Fx711143 Fx711144

■追記:タクトスイッチ------------------------------------------------

 ・フロントパネルのスイッチのうち、反応の鈍いものがいくつかあります。
 ・パネルを外してみると、タクトスイッチ(6mm角 ボタン高6mm)合計32個ありました。
 ・本来はタクトスイッチ全数交換がベストですが、ちょっと数が多過ぎて、、、
 ・何度もON/OFFを繰り返すうちに反応するようになったので、
 ・今回は交換は見送りました。

Fx711220 Fx711224 Fx711225 Fx711226

■試聴-------------------------------------------------------------

 ・1号機はちょっと手間がかかりましたがどちらも復活しました。
 ・両機とも良い性能を取り戻したと思います。

Fx71104

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コメント

このたび間違えてSSGを2台(VP-8191A/MG3633A)落としてしまいました。その後にMSG-2170もやってしまいました・・・いずれも保証なしで若干後悔してます。
目的は、FX-711の復活です。ところで、SSGをFX-711に接続する際に、マニュアルにはダミーアンテナを使うようにありますが、SSGから直接<BNC+同軸ケーブル+BNC>でFX-711のアンテナ端子に接続してはNGでしょうか(75Ωケーブル長1m)。SSGのインピーダンスが50Ωなので抵抗直列25ΩでOKという情報もありますが、測定結果に大差なければいいのですがチューナが壊れないか心配です。調整結果に支障がないような実用的な接続方法を教えていただけないでしょうか。お願いいたします。また、両SSGとも起動・設定・表示はOKなので、精度はともかく、せっかくですから両機でどれだけ結果が違うかも検証したいと考えています(暇なので!)。すみませんがご教授をお願いいたします。

マドラス様

本来は50Ωと75Ωの変換器(整合器)が必要です。が、、

SSG50Ω出力をそのままチューナーに接続してもチューナーが壊れることはないと思います。ただ正確な計測はできないということです。

アマチュア趣味で精度の怪しい測定器を使っている範囲なら、まあ気にすることはないと思います。

BLUESS 様
はい、あくまでも趣味・遊びの範囲でのことで、耳で違いがわかる程度の改善があればきっと満足すると思います。ありがとうございます。

BLUESSさん、ご無沙しております。
通りすがったので少し(たくさん?)書いていきます。

SSGの負荷は50Ωでも75Ωでも壊れることはありません。負荷オープンにしても壊れませんし、ショートしてもおそらく壊れないでしょう。
(保証はできませんが・・・)

しかし、SSGのZo(出力インピーダンス)が50Ωですから、負荷の大きさによって端子に現れる出力電圧が異なってきます。
60dB EMFの時、オープンだと1mVの出力ですが、50Ω負荷だと出力インピーダンス(=内部インピーダンス)に半分食われて0.5mV出力になります。
0Ω負荷だと全電圧が内部インピーダンスに食われて0mV出力になります。

・・・75Ω負荷の時、出力に何V現れるのか? その値は50Ω負荷と比べて何%の違いが生じるのか? それをdB表示に直すと何dB分の違いになるのか? 全て計算出来ますよね。


>SSGのインピーダンスが50Ωなので抵抗直列25ΩでOKという情報もありますが

これは全く無意味です。
チューナー側から見た(見かけの)SSGの出力インピーダンスは75Ωになりますが、SSG側から見た負荷インピーダンスは100Ωになります。つまり、75Ω負荷時よりも更に出力電圧が違ってくることになります。

どうせ抵抗を挿入するなら、直列ではなくて並列に150Ωを挿入する方がまだましです。こうすれば、SSGから見た負荷インピーダンスは50Ωになるので、少なくともSSGの出力表示(dB EMF)は正確になります。

いな様

いつも適切なアドバイスをいただき感謝いたします。
私のいい加減なレスにキチンと答えていただき誠にありがとうございました。

BLUESS 様
本日、おかげさまでようやくFX-711の調整(?)が終わりました。正常(?)と思われるF-777と比べると、曲間ノイズは同等ですが、粒立ち感・透明感があきらかに勝っています。インピーダンス変換の件では、抵抗型変換器で直列に43Ω、並列に86Ωにより(損失5.7dB)で対応できる、というページにたどり着け、オシロで検証したところそのとおりでした!
歪率もWave.Sで0.034%(輸出仕様レベル?)が得られこんなもんかなと思っています。いろいろと御指南ありがとうございました、次はTX-8900に挑戦してみたいと思っています。

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