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2016年6月12日 (日)

ALPINE/LUXMAN T-117

 ・2016年2月、研究材料としてT-117をご提供いただきました。
 ・薄型ボディが特徴のFM/AM/TVチューナーです。
 ・調べてみると電波状況に応じてPLL検波とパルスカウント検波を切り換える仕組み。
 ・これはとても興味深い機種です。

T11708

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ALPINE/LUXMAN T-117 ¥59,800(1987年6月発売)
 ・Hifi Engine LUXMAN T-117 AM/FM Stereo Tuner (1988-90) ※TV回路なし

T11702 T11711

 ・ALPINE/LUXMANはアルパインとラックスマンのジョイントブランド。
 ・ネット情報によると1984年~1994年に存在したようです。
 ・でもT-117は海外ではLUXMAN単独ブランドで販売されていました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1986」。
 ・脚を含めた本体高さはわずか62mm。サンスイTU-S707Xに匹敵する薄型ボディです。
 ・外観にキズは少なく保存状態は良いのですが、天板がベタベタします。
 ・背面には専用端子で繋がったAMループアンテナ付属。たぶん純正品。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部が点灯、文字痩せや欠損なし。
 ・オート選局で地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・IF BAND切替インジケーター点灯。REC CALトーンOK。
 ・付属AMアンテナで地元AM局を受信。ただAM受信が不安定。
 ・AMアンテナ端子に接触不良がありそう。
 ・TV機能は確認不可。

T11703 T11704 T11705 T11706 T11707
T11712 T11713 T11714 T11715 T11716

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM4連バリキャップのフロントエンドパック。
 ・IF BAND切り替え(WIDE/NARROW)
 ・LA1231N:クアドラチュア検波、MUTING制御、Sメーター制御
 ・uPC1211:PLL検波
 ・74LS123:パルスカウント検波用ワンショットマルチ
 ・BU5053:PLL検波パルスカウント検波切替
 ・LA3450:復調用IC
 ・LA1245:AMシステム

T11720 T11721 T11722 T11723 T11724
T11725 T11726 T11727 T11728 T11729
T11730 T11731 T11732 T11733 T11734
T11735 T11736 T11737 T11738 T11739
T11740 T11741 T11742 T11743 T11744

■パルスカウント検波:第2IF周波数-------------------------------------

●KENWOOD製パルスカウント機(1981以前)
  [ 10.7MHz ] → [ LC発振8.74MHz ] → 1.96MHz
●PIONEER F-120/120D(1982/1984)
  [ 10.7MHz×2 ] → [ 水晶発振20.14MHz ] → 1.26MHz
●Technics ST-G7 (1983)
  [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振32.3MHz ] → 0.8MHz
●ALPINE/Luxman T-117(1987)
  [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振32.975MHz ] → 0.8075MHz

T117align02

 ・T-117は Technics ST-G7 と同様にIF周波数を3逓倍する方式です。
 ・電波強度が十分に高いときはパルスカウント検波、弱いときはPLL検波に切り替える。
 ・検波方式の特徴を活かした贅沢な回路構成ですね。
 ・パルスカウント検波と MPX-IC LA3450 との組み合わせは初体験。

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・AM放送の受信状態が不安定です。
 ・ループアンテナに触れると受信できたりできなかったりします。
 ・AM回路周辺を指で触るときれいに受信できます。
 ・接触不良が怪しいかも?
 ・薄型ボディの弱点で底板が外せません。基板全体を外して裏返しました。
 ・予想通りAM端子がつながる部分にハンダクラック発見。
 ・これを補修して修理完了。

T11713_2 T11750 T11751 T11752 T11753

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・サービスマニュアルにはJAモデルの掲載もあり日本語で調整方法が記されています。
 ・ただ簡易的な調整方法なので独自にアレンジして以下に残します。

T117align01

【本体設定】
 ・auto seek OFF
【VT電圧】
 ・フロントエンドパック手前に並んだTPのうち右から5番目にDC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76.1MHz  →  3.5V ※確認のみ
 ・89.9MHz  → 22.1V ※確認のみ
【クアドラチュア検波調整】※Sメーター、MUTING用
 ・TP2~TP3(R157両端) DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)→ L105調整 → 0.0±20mV
【RF調整】
 ・LA1231 13端子(R151奥側) DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ L1~L3調整 → 電圧最大
 ※空芯コイルの調整は難しいので今回はノータッチ
【IFT調整】
 ・LA1231 13端子(R157奥側) DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,40dB)→ T1(フロントエンド内)調整 → 電圧最大
【IFモノラル歪調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)MONO受信
 ・VR202 → 時計方向に廻しきる
 ・VR201 → 反時計方向に廻しきる
 ●この状態でパルスカウント検波出力がMPX回路に流れる
 ・L101調整 → 歪最小
【IFステレオ歪調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)STEREO受信
 ・L104調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)MONO受信
 ・R224(奥側)周波数カウンタ接続 → L205調整 → 10.7MHz ※確認のみ
 ・C232(手前)周波数カウンタ接続 → L206調整 → 32.1MHz
 ・R231(奥側)周波数カウンタ接続 → L208,L209調整 → 0.8075MHz ※実測0.804MHz
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・VR404調整 → 700mV
 ・VR204 → 反時計方向に廻しきる → 少しずつ戻しながら歪最小点を探す
 ・VR404調整 → 700mV
【PLL検波出力調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,70dB)MONO受信
 ・VR201 → 時計方向に廻しきる
 ●この状態でPLL検波出力がMPX回路に流れる
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・VR203調整 → 700mV
 ・L202調整 → 歪最小
【PLL検波/パルスカウント検波 切換レベル調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット、Wavespectra接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,50dB)MONO受信
 ・VR201調整 → PLL/パルスカウントが切り替わる位置に調整
 ※PLL/パルスでは高調波歪の波形の様子が異なるので、これを見て切替状況を判断する
 ※今回は50dB以上でパルスカウント検波がMPX回路に流れるように設定した
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR403調整 → 19kHz信号最小
【SEPARATION調整】Wide
 ・83MHz(L信号,80dB)→ VR401,VC401調整 → Rchもれ最小
 ・83MHz(R信号,80dB)→ VR402,VC402調整 → Lchもれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・VR103 → 反時計方向に廻しきる
 ・83MHz(1kHz90%変調+19kHz10%変調,20dB)
 ・VR102調整 → 第1灯が点灯する位置へ
【IF GAIN調整】
 ・83MHz(1kHz90%変調+19kHz10%変調,20dB)
 ・VR101調整 → 第1灯が点灯する位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP1(R323右)DC電圧計セット
 ・ 603kHz →  L306調整 → 2.2V±0.1V
 ・1404kHz → TC304調整 → 7.1V±0.1V
【AM受信調整】
 ・ 729kHz(NHKラジオ)受信 →  L302調整 → 感度最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC302調整 → 感度最大
 ・VR301 Sメーター点灯
 ・VR302 ミューティングレベル

T117sches

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・検波回路の前後は共通回路なので、検波方式の違いを確かめる実験ができます。
 ・同じ条件でデータを比較するとパルスカウント検波の方がかなり優秀でした。
 ・こんなに面白い機種があるなんて知らなかったです。
 ・毎回いろいろな発見があって楽しいです。

T11709

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