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2016年9月の記事

2016年9月25日 (日)

YAMAHA CR-600

 ・2016年5月、ヤマハ製レシーバーの修理調整を承りました。
 ・チューナー部以外の機能は正常だそうです。
 ・随分と回り道をしてしまった作業記録です。

Yamaha_cr60006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CR-600 ¥95,000(1974年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA CR-600  ※サービスマニュアル入手可

Yamaha_cr60002 Yamaha_cr60012
Yamaha_cr60001 Yamaha_cr60003 Yamaha_cr60004 Yamaha_cr60005 Yamaha_cr60011
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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・全体に目立つキズもなくなかなかの美品です。
 ・電源オン、二つのメーターと指針部の照明電球点灯。
 ・TメーターとSメーターの動作OK。ただSメーターの振れが小さいか?
 ・チューニングつまみに触れるとAFCインジケーターが薄く点灯。
 ・指を離すとAFCインジケーターが点灯するはず、、ところがなぜか点滅します?
 ・FM局を受信するとSTEREOインジケーターが高速点滅。
 ・AFCインジケーターもSTEREOインジケーターに同期して点滅。
 ・受信時の音声はひどく歪んでいます。
 ・Wavespectraで波形を見ると点滅に同期して激しく波打っています。

Yamaha_cr60009

 ・MODE切換でMONOに設定して選局つまみに触れるとキレイな音が出る。
 ・MODE切換でSTEREOに設定すると上記の酷い歪が発生。。
 ・MUTING オフに設定すると歪音はでなくなる。
 ・これは難しい、、MUTING回路とSTEREO回路に不具合がありそう、、

■内部確認------------------------------------------------------------

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■修理記録:チューナー基板の部品交換----------------------------------

 ・輸出機用の回路図を見ながら原因を考える。

【MUTING ON時】
 ・チューニングつまみタッチ時→インジケーター薄く点灯 ※正常
 ・チューニングつまみ 開放時→インジケーター薄く点滅 ※異常
 ・MONO時、選局ツマミに触れると正常
 ・MONO時、選局ツマミを離すと異常
 ・AFCオフ→正常、AFCオン→異常

 ・AFC回路のトランジスタ交換、電解コンデンサ交換
 ・TR113,TR114,TR115(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・TR110,TR111(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・C138,C142,C143,C144(10uF/16V)→新品交換 ※効果なし
 ・C148(47uF/6.3V)→新品交換 ※効果なし
 ・C153(3.3/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・つまりAFC動作そのものがおかしい?

 ・MUTING回路のトランジスタ交換、電解コンデンサ交換
 ・TR107,TR108,TR109,TR112(2SC458)→2SC1815 ※効果なし
 ・C128,C130(10uF/16V)→新品交換 ※効果なし
 ・C132(1uF/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・C139(4.7uF/25V)→新品交換 ※効果なし
 ・C140(33uF/6.3V)→新品交換 ※効果なし
 ・D105,D106,D107,D109 → 交換 ※効果なし

 ・結局FM回路のすべてのトランジスタと電解コンデンサ、ダイオード交換。
 ・ところがまったく効果なし。
 ・こうなるとノイズ源はLA3311?
 ・あるいはフロントエンド内のAFC回路故障?

Yamaha_cr60070

 ・LA3311を搭載した機種を捜索。
 ・同世代の YAMAHAレシーバーCR400、YAMAHAチューナー CT-600 がヒットしました。
 ・特にCT-600のチューナー基板はCR-600と全く同じようです。
 ・部品調達のためジャンク機を探してみます。

■修理記録:チューナー基板を丸ごと交換-------------------------------

 ・ジャンク機確保のためヤフオクでCT-600を落札。
 ・ランプ切れがありましたがFM/AMとも正常に機能することを確認。
 ・受信調整して良い音で受信できるようになりました。

Yamaha_ct60001 Yamaha_ct60010 Yamaha_ct60008 Yamaha_ct60020 Yamaha_ct60023

 ・さて本題、このCT-600からLA3311を取り出してCR-600に移植しました。
 ・これで直るはず、、と思ったら、、あれ??外れでした。
 ・LA3311に繋がる38kHz調整コイルT-103をCR-600に移植 → 効果なし。
 ・最後の手段、CT-600のチューナー基板と CR-600のチューナー基板を丸ごと交換。
 ・ところが何と効果なし。
 ・つまり、CR-600のチューナー基板に故障箇所は無い、ということです。

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 ・どうやらフロントエンド(バリコンユニット)内のAFC回路が原因か?
 ・CR-600のフロントエンドを外すにはバラバラに分解する必要あります。
 ・バラすのは簡単ですが、元通りに戻せるかどうか、、ちょっと不安かも?

■修理記録:フロントエンドユニットを丸ごと交換-----------------------

 ・CR-600とCT-600のフロントエンドユニットは同型品でした。
 ・というか、CR-600のチューナー部はCT-600と全く同じでした。
 ・そこでCT-600のフロントエンドユニットを外し、CR-600へ移植。
 ・ユニットごと交換すればAFC回路の不具合も解消するはず、、

Yamaha_cr60080 Yamaha_cr60081 Yamaha_cr60082 Yamaha_cr60083 Yamaha_cr60084

 ・ところが不具合が解消しません??状況は同じです。
 ・検証のためCR-600から外したフロントエンドユニットをCT-600に移植。
 ・するとCT-600は正常に動作しました。
 ・ということは、、フロントエンドユニットも異常なしということです。

Yamaha_cr60088 Yamaha_cr60091 Yamaha_cr60092 Yamaha_cr60093 Yamaha_cr60094

■修理記録:LED基板が怪しい?-----------------------------------------

 ・フロントエンドユニット、チューナー基板とも問題無し。
 ・回路図を見ながら残った可能性を考える。
 ・チューナー基板に繋がるものといえば、、TメーターとSメーターか?
 ・基板からメーターに繋がる配線を外してみる、、
 ・やはり改善しない。
 ・残るは STEREOインジケーターとAFCインジケーターのLEDのみ。
 ・STEREOインジケーターとAFCインジケーターに繋がる配線を外してみると、、、、、、
 ・当たり!! ノイズのない綺麗なステレオ音声が聞こえてきました。

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 ・LEDは直径2mmの半円球。
 ・チューナー CT-600 からLEDを取り外してCR-600に移植。
 ・でも改善しない。
 ・LED自体が壊れているわけではなさそう。
 ・LEDに繋がる抵抗2個(R941/680Ω、R942/1kΩ)交換。
 ・でも改善しない。

■修理記録:電源基板が怪しい?-----------------------------------------

 ・最後の可能性はLED基板に繋がる電源基板しかありません。
 ・電源基板はチューナー基板の下にあります。
 ・再度チューナー基板を外してバラバラに分解。最下部にある電源基板を確認。
 ・LED基板に繋がる[12V]端子の電圧測定 → 10.7V ※ちょっと低い?
 ・LED基板に繋がるTR801(2SC1061)と電解コンデンサを確認。
 ・テスターで簡易確認する限りは特に不具合は無さそう。
 ・電解コンデンサ交換も改善なし。

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■修理記録:電源基板ヒューズ抵抗交換-----------------------------------

 ・電源基板には合計4個のヒューズ抵抗が使われています。
 ・このうち FR802(220Ω 1/2W)の抵抗値を測定すると780Ω。
 ・そういえばヒューズ抵抗がノイズ源だった経験は過去にもありました。
 ・これを新品に交換したところ、、
 ・AFCランプの点灯動作、STEREOランプの点灯動作が正常になりました。
 ・LED基板に繋がる[12V]端子の電圧測定 → 12.5V
 ・それとSメーターが大きく振れるようになりました。
 ・この電源12Vはチューナー基板に供給されています。
 ・やはりチューナー基板のあちらこちらに影響が出ていたようです。
 ・オシロがあればもっと早く電源異常に気付けたはず、、、

Yamaha_cr600118 Yamaha_cr600120 Yamaha_cr600119

■調整記録-------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・フロントエンドとの接続端子にSSGより10.7MHz信号注入
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
 ・76MHz 90dB 受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 90dB 受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 90dB 受信 → IFT → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 90dB 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【ミューティング調整】
 ・VR101 MUTING動作レベル設定
【38kHz調整】
 ・83MHz SUB信号 80dB 受信 → T102調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR102調整 → 漏れ信号最小
 ・実測で左右とも約40dB/1kHzでした。
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → T105調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM3調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ、T104調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → AM1,AM2調整 → Sメーター最大
【メインアンプ調整】
 ・アンプ基板 TP3~TP5 DC電圧計セット
  ・VR701調整 → 0V±0.01V
 ・アンプ基板 TP4~TP6 DC電圧計セット
  ・VR702調整 → 0V±0.01V
 ・アンプ基板 TP1~TP3 DC電圧計セット
  ・VR703調整 → 0.023V±0.005V
 ・アンプ基板 TP2~TP4 DC電圧計セット
  ・VR704調整 → 0.023V±0.005V

Cr600

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・レコードプレーヤー、CDプレーヤー、スピーカーを接続して動作確認。
 ・PHONO1、PHONO2、AUXとも問題なさそうです。
 ・TAPE入出力端子もOK。ヘッドホン端子もOK。
 ・MIC端子は未確認です。もちろんFM/AMともOK。
 ・AFCランプ、STEREOランプ正常点灯。MUTING動作OK。
 ・ボリュームやバランスにガリなし。
 ・寝室のサブシステムにちょうど良いですね。

Yamaha_cr60008

 ・それにしても随分と回り道した修理作業でした。
 ・実はオシロスコープが故障したまま、、早く新しいオシロを調達しなくちゃ、、

2016年9月18日 (日)

NIKKO FM TUNER GAMMA I

 ・2016年6月、珍しいチューナーの故障機が届きました。
 ・ニッコー FMチューナー ガンマ ワン(ローマ数字の1)
 ・この機種のことは今回初めて知りました。

Gammai07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・Hifi Engine Nikko Gamma I (1978)
 ・Tuner Information Center Nikko Gamma I (1977,$400)
 ・株式会社日幸電機製作所
 ・日幸電機製作所ブログ ※過去のオーディオ製品の紹介あり

Gammai02 Gammai10

 ・ネット検索してもこの機種に関する国内情報は乏しいです。
 ・Hifi Engineで海外版のサービスマニュアルとカタログを入手できました。
 ・T.I.C には詳しいレビュー記事があります。
 ・パワーアンプ(Alphaシリーズ)、プリアンプ(Betaシリーズ)とのシリーズ品のようです。
 ・セットでラックに収めるとカッコいいですね。
 ・幅19インチ(48.3cm)×高2.5インチ(6.4cm)×奥10インチ(25.4cm)、重量5.5kg
 ・アメリカ版カタログ(1978)によると当時の定価$399.95。
 ・ブラックパネル以外にシルバーパネルの製品もあったようです。
 ・当時の為替レートを1ドル200円とすると約80,000円くらいでしょうか。
 ・同時期の同クラス製品を探すと Technics ST-9030 が該当しそうです。

Nikko_brou

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ラックサイズの薄型ボディで奥行きも小さい。でも持ち上げるとずっしり重い。
 ・外観は年代相応の擦り傷、打ち傷があるものの、フロントパネルは綺麗。
 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。指針も赤く点灯。
 ・しかし、TメーターもSメーターも全く振れない。
 ・固定出力、可変出力ともに全くの無音。
 ・FM DET OUT端子、マルチパスH端子も全くの無音。
 ・局間ノイズも出ない。Mutingが効いている状態か?
 ・それともFM放送局を全く受信していない状態か。

Gammai01 Gammai03 Gammai04 Gammai05 Gammai09
Gammai11 Gammai12 Gammai13 Gammai14 Gammai15

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン搭載フロントエンド
 ・IF回路はWide/Narrow完全2系統
 ・Wide系 → LCフィルター+SAWフィルター+IFアンプ(HA1211)×2個
 ・Narrow系 → セラミックフィルター×4個+IFアンプ(HA1211)×3個
 ・HA11211 → FM/AM TUNER SYSTEM
 ・HA11211クアドラチュア検波 → TメーターとSメーターを駆動。AM回路は未使用。
 ・HA11211後段にレシオ検波回路(Wide/Narrowとも)。
 ・HA11223 → FM PLL MPX
 ・薄型ボディに大型フロントエンドと2階建て基板が詰め込まれている。
 ・回路構成を見ると基本性能は高そう。
 ・ただ1階基板のセパレーション調整VRの位置が悪くて調整が難しい。

Gammai20 Gammai21 Gammai23 Gammai24 Gammai25
Gammai26 Gammai27 Gammai28 Gammai29 Gammai30
Gammai32 Gammai40 Gammai41 Gammai42 Gammai43

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・電源部電圧確認 +13V→+13.2V、-13V→-13.2V。問題なさそう。
 ・IF基板 6番端子(IF信号入口)で10.7MHzが確認できない。
 ・どうやらフロントエンドが機能していない模様。
 ・調べてみると、フロントエンドのOSCが発振していない。

 ・OSC部供給電源確認+13.2V OK。
 ・ところが Q3(2SC1215) コレクタ電圧ゼロ。
 ・Q3の導通テストOK。トランジスタは壊れてはいない。
 ・R10(100Ω)の両端電圧+13.2V、+12.2V。これは正常値。
 ・R10の足で測定すると+12.2V。ところが Q3コレクタ足ではなぜか電圧ゼロ??
 ・R10とQ3の接合部のハンダ不良を疑ってハンダ鏝を当ててみる。
 ・何と!これで直りました。原因はR10とQ3の接合部のハンダ不良でした。

Gammai50 Gammai51 Gammai52 Gammai53

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・OSC回路が動き始めたのでもう一度動作確認。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレがあるものの、名古屋地区のFM局受信OK。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・Wide/Narrow切替、Hi-BLEND、Muting動作OK。インジケーター点灯OK
 ・可変出力VRに多少のガリ。
 ・FM DET OUT端子とマルチパスH端子から音声が聴こえる。
 ・更なる故障個所は無さそうです。

■調整記録------------------------------------------------------------

Nikko

Nikko_sche

【機器の設定】
 ・IF BAND=Narrow
 ・HI BLEND=OFF
【検波調整】
 ・IF基板 6番端子に SSGより10.7MHz直接注入
 ・T102調整 → Tメーター中点(クアドラチュア検波)
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・T103(緑)調整 → 0.0v±50mv(レシオ検波)
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → OSCコイルLo調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマTCo調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → RFコイル RFA,RF1,RF2,RF3調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマ TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンド IFT調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針83MHz位置セット
 ・SSG83MHz 無変調 80dB → フロントエンドIF(T1)調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・IF BAND=Narrow 
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → TP電圧ゼロ(Tメーター中点確認)
 ・T103(赤)調整 → 高調波歪最小
【IF Wide調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → T101,R112調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R135調整 → Sメーター目盛り4.5
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R137調整 → Sメーター目盛り4.5
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・TP55 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → R302調整 → 76kHz±10Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → R322調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R322調整 → 反対ch漏れ最小
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R323調整 → 反対ch漏れ最小
 ※セパレーション調整VRは1階基板にあるので調整しづらい。
【ステレオ歪調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R112調整 → 高調波歪最小

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・5連バリコン、Wide/Narrow切替、レシオ検波、HA11223。
 ・薄型ボディによくぞこれだけ詰め込んだものと感心します。
 ・当時は高性能実力派チューナーだったと思います。
 ・周波数窓やメーターのデザインにもう少し工夫があったら、、ちょっと残念。

Gammai06

2016年9月11日 (日)

OTTO FMT-1100

 ・OTTO製チューナーの修理調整作業を承りました。
 ・「オットー」、今は亡きSANYOのオーディオブランドです。
 ・照明窓の雰囲気がとても良い機種です。

Otto_fmt110007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 OTTO/SANYO FMT-1100 \59,800(1973年頃)
 ・上記サイトの記述によれば「当時のラインナップの最上位機」だそうです。

Otto_fmt110001 Otto_fmt110011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。青色を基調とした鮮やかな照明が点灯。電球切れは無さそう。
 ・FM/AMポジションランプ点灯。名古屋地区のFM放送を受信しました。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
 ・固定出力/可変出力ともOK。可変VRにガリあり
 ・ミューティング動作OK。
 ・ヘッドホン端子からも音がでました。
 ・背面AMバーアンテナの取付部が破損していますがAM受信もOKです。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ALPS製FM4連AM3連フロントエンド。
 ・デュアルゲートMOS型FETを採用した高周波2段増幅回路。
 ・IF段は専用ICとクリスタルフィルターとLCブロックフィルター。
 ・MPX回路は専用IC(LA3300)によるダブル・バランスドディモジュレーター方式。
 ・16kHzローパスフィルター搭載。
 ・ミューティングレベル可変、出力レベルコントロール機能搭載。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・IF基板 TP1 に SSGから10.7MHz直接注入
 ・IF基板 T2調整 → Sメーター最大
 ・IF基板 TP2 周波数カウンタ接続 T1上段コア調整 → Tメーター中点
 ・IF基板 VR1調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンドLO調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンドTCO調整 → Sメーター最大
【トラッキング調整】
 ・指針76MHz位置にセット
 ・76MHz 60dB → フロントエンド LA,LR1,LR2 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置にセット
 ・90MHz 60dB → フロントエンド TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・指針83MHz位置にセット
 ・83MHz 60dB → フロントエンドIF調整 → Sメーター最大
【MPX調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・MPX基板 TP38kHz 周波数カウンタ接続
 ・MPX基板 T3調整 → 38kHz
 ・T4,T5調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・83MHz 1kHz 100% 60dB L/Rch → MPX基板VR2,VR3調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】
 ・OSC調整
  ・729kHz(NHKラジオ)位置にセット AM OSC調整 → Sメーター最大
  ・1332kHz(東海ラジオ)位置にセット AM3 OSC調整 → Sメーター最大
 ・RF調整
  ・729kHz受信 バーアンテナ内コイル、AM RF調整 → Sメーター最大
  ・1332kHz受信 AM1,AM2調整 → Sメーター最大

Otto

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったので調整作業のみ行いました。
 ・青色照明が映える周波数窓、雰囲気は抜群に良いですね。
 ・どことなくパイオニア製チューナーに似た感じです。
 ・BGM用、観賞用チューナーとして十分使えます。

Otto_fmt110008

2016年9月 4日 (日)

SONY ST-SA50ES

 ・2016年6月、ST-SA50ESの故障機が届きました。
 ・オート選局できない状態だそうです。
 ・外観は悪くないので何とか復活させたい、、

Stsa50es10

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-SA50ES \40,000(1997年10月発売)

Stsa50es02 Stsa50es13

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1997」。
 ・ボディに多少の擦り傷ですがまずまずの保存状態です。
 ・電源オン。ドットマトリクス式の表示部点灯。輝度劣化は無さそう。
 ・FMアンテナを接続してオート選局実行。
 ・76MHz~90MHz、TV1ch~3ch区間をサーチしますが地元FM局をすべて素通り。
 ・マニュアル選局では-0.1MHzの周波数でSメーターが僅かに点灯。
 ・ただしMONO受信。STEREOランプ点灯せず。
 ・検波回路の調整ズレが予想されます。
 ・AMは手持ちのループアンテナで受信できました。
 ・AMはステレオ放送対応でした。
 ・名古屋地区のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯します。
 ・メモリ登録OK。ただしメモリボタンのうち「3」「5」の反応が鈍い。

Stsa50es03 Stsa50es04 Stsa50es05 Stsa50es06 Stsa50es08
Stsa50es01 Stsa50es12 Stsa50es14 Stsa50es15 Stsa50es16

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ESシリーズの流れを汲む、とは思えない簡素な造りです。
 ・PLL回路内蔵のフロントエンドパック。
 ・LA1235:FM IFシステム
 ・LA3401:PLL FM MPX
 ・LA1247:AM Tuner
 ・MC13028AP:AM Stereo Ddecoder
 ・LC72130:AM/FM PLL Frequency Synthesizer

Stsa50es20 Stsa50es21 Stsa50es22 Stsa50es23 Stsa50es24
Stsa50es25 Stsa50es26 Stsa50es27 Stsa50es28 Stsa50es29
Stsa50es30 Stsa50es31 Stsa50es32 Stsa50es33 Stsa50es34
Stsa50es35 Stsa50es36 Stsa50es37 Stsa50es38 Stsa50es39

■調整記録------------------------------------------------------------

【Sメーター調整】
 ・83MHz(無変調,60dB)受信 → RV221調整 → メーター表示60dB
 ※Sメーターは切替操作によってdB表示可能。
【検波調整】
 ・TP251 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T252調整 → 0.0V ※実測252mV
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T253調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】
 ・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内コイル調整 → Sメーター最大
 ・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内IFT調整 → Sメーター最大
 ※フロントエンド内RFコイルの調整は難しいです。触らない方が無難。
【IF歪調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV232調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV301調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV302調整 → 漏れ信号最小
【STレベル調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)受信 → RV251調整 → STEREOランプ点灯位置へ
【AM調整】
・1053kHz(CBCラジオ)受信
 ・FE401左側コア調整 → Sメーター最大
 ・IFT401コア調整 → Sメーター最大
  ※FE401右側コア→AM OSC

Stsa50es

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特にFM検波調整が大きくズレていました。
 ・各部再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・本機は AM受信時に STEREO ランプが点灯する貴重な機種です。
 ・名古屋のCBCラジオ(1053kHz)はまだAMステレオで放送しています。
 ・Wikiによれば、全国でAMステレオ放送を実施しているのは4局のみ。
 ・次の放送設備更新時までは続くのでしょうか、、

Stsa50es51_2

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