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2016年9月18日 (日)

NIKKO FM TUNER GAMMA I

 ・2016年6月、珍しいチューナーの故障機が届きました。
 ・ニッコー FMチューナー ガンマ ワン(ローマ数字の1)
 ・この機種のことは今回初めて知りました。

Gammai07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・Hifi Engine Nikko Gamma I (1978)
 ・Tuner Information Center Nikko Gamma I (1977,$400)
 ・株式会社日幸電機製作所
 ・日幸電機製作所ブログ ※過去のオーディオ製品の紹介あり

Gammai02 Gammai10

 ・ネット検索してもこの機種に関する国内情報は乏しいです。
 ・Hifi Engineで海外版のサービスマニュアルとカタログを入手できました。
 ・T.I.C には詳しいレビュー記事があります。
 ・パワーアンプ(Alphaシリーズ)、プリアンプ(Betaシリーズ)とのシリーズ品のようです。
 ・セットでラックに収めるとカッコいいですね。
 ・幅19インチ(48.3cm)×高2.5インチ(6.4cm)×奥10インチ(25.4cm)、重量5.5kg
 ・アメリカ版カタログ(1978)によると当時の定価$399.95。
 ・ブラックパネル以外にシルバーパネルの製品もあったようです。
 ・当時の為替レートを1ドル200円とすると約80,000円くらいでしょうか。
 ・同時期の同クラス製品を探すと Technics ST-9030 が該当しそうです。

Nikko_brou

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ラックサイズの薄型ボディで奥行きも小さい。でも持ち上げるとずっしり重い。
 ・外観は年代相応の擦り傷、打ち傷があるものの、フロントパネルは綺麗。
 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。指針も赤く点灯。
 ・しかし、TメーターもSメーターも全く振れない。
 ・固定出力、可変出力ともに全くの無音。
 ・FM DET OUT端子、マルチパスH端子も全くの無音。
 ・局間ノイズも出ない。Mutingが効いている状態か?
 ・それともFM放送局を全く受信していない状態か。

Gammai01 Gammai03 Gammai04 Gammai05 Gammai09
Gammai11 Gammai12 Gammai13 Gammai14 Gammai15

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン搭載フロントエンド
 ・IF回路はWide/Narrow完全2系統
 ・Wide系 → LCフィルター+SAWフィルター+IFアンプ(HA1211)×2個
 ・Narrow系 → セラミックフィルター×4個+IFアンプ(HA1211)×3個
 ・HA11211 → FM/AM TUNER SYSTEM
 ・HA11211クアドラチュア検波 → TメーターとSメーターを駆動。AM回路は未使用。
 ・HA11211後段にレシオ検波回路(Wide/Narrowとも)。
 ・HA11223 → FM PLL MPX
 ・薄型ボディに大型フロントエンドと2階建て基板が詰め込まれている。
 ・回路構成を見ると基本性能は高そう。
 ・ただ1階基板のセパレーション調整VRの位置が悪くて調整が難しい。

Gammai20 Gammai21 Gammai23 Gammai24 Gammai25
Gammai26 Gammai27 Gammai28 Gammai29 Gammai30
Gammai32 Gammai40 Gammai41 Gammai42 Gammai43

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・電源部電圧確認 +13V→+13.2V、-13V→-13.2V。問題なさそう。
 ・IF基板 6番端子(IF信号入口)で10.7MHzが確認できない。
 ・どうやらフロントエンドが機能していない模様。
 ・調べてみると、フロントエンドのOSCが発振していない。

 ・OSC部供給電源確認+13.2V OK。
 ・ところが Q3(2SC1215) コレクタ電圧ゼロ。
 ・Q3の導通テストOK。トランジスタは壊れてはいない。
 ・R10(100Ω)の両端電圧+13.2V、+12.2V。これは正常値。
 ・R10の足で測定すると+12.2V。ところが Q3コレクタ足ではなぜか電圧ゼロ??
 ・R10とQ3の接合部のハンダ不良を疑ってハンダ鏝を当ててみる。
 ・何と!これで直りました。原因はR10とQ3の接合部のハンダ不良でした。

Gammai50 Gammai51 Gammai52 Gammai53

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・OSC回路が動き始めたのでもう一度動作確認。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレがあるものの、名古屋地区のFM局受信OK。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・Wide/Narrow切替、Hi-BLEND、Muting動作OK。インジケーター点灯OK
 ・可変出力VRに多少のガリ。
 ・FM DET OUT端子とマルチパスH端子から音声が聴こえる。
 ・更なる故障個所は無さそうです。

■調整記録------------------------------------------------------------

Nikko

Nikko_sche

【機器の設定】
 ・IF BAND=Narrow
 ・HI BLEND=OFF
【検波調整】
 ・IF基板 6番端子に SSGより10.7MHz直接注入
 ・T102調整 → Tメーター中点(クアドラチュア検波)
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・T103(緑)調整 → 0.0v±50mv(レシオ検波)
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → OSCコイルLo調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマTCo調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針76MHz位置セット
 ・SSG76MHz 無変調 80dB → RFコイル RFA,RF1,RF2,RF3調整 → Sメーター最大
 ・指針90MHz位置セット
 ・SSG90MHz 無変調 80dB → OSCトリマ TCA,TCR1,TCR2,TCR3調整 → Sメーター最大
  ※上記調整を数回繰り返す
【フロントエンド IFT調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・指針83MHz位置セット
 ・SSG83MHz 無変調 80dB → フロントエンドIF(T1)調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・IF BAND=Narrow 
 ・TP~GND間にDC電圧計セット(TP=レシオ検波用Tメーター端子)
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → TP電圧ゼロ(Tメーター中点確認)
 ・T103(赤)調整 → 高調波歪最小
【IF Wide調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → T101,R112調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R135調整 → Sメーター目盛り4.5
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → R137調整 → Sメーター目盛り4.5
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・TP55 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → R302調整 → 76kHz±10Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → R322調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R322調整 → 反対ch漏れ最小
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R323調整 → 反対ch漏れ最小
 ※セパレーション調整VRは1階基板にあるので調整しづらい。
【ステレオ歪調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → R112調整 → 高調波歪最小

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・5連バリコン、Wide/Narrow切替、レシオ検波、HA11223。
 ・薄型ボディによくぞこれだけ詰め込んだものと感心します。
 ・当時は高性能実力派チューナーだったと思います。
 ・周波数窓やメーターのデザインにもう少し工夫があったら、、ちょっと残念。

Gammai06

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