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2016年11月の記事

2016年11月27日 (日)

PIONEER F-007 修理調整記録1

 ・2016年9月、PIONEER F-007の故障品が届きました。
 ・独特の同調方式、またPBLD検波機として貴重な機種です。
 ・以下、作業記録です。

F00710

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-007 ¥95,000(1978)
 ・オーディオの足跡 Pioneer F-007 ¥95,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER F-28 ※輸出機サービスマニュアルあり

F00702 F00704

■分布定数形遅延線検波-------------------------------------------------

 ・この検波方式は PIONEER F-26 を入手したときに少し勉強しました。
 ・パイオニアではこの検波方式を「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています。
 ・F-26以降では「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」と称されます。

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3     250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円
  ・1978年 Pioneer F-007          95,000円

 ・F-26、F-007、TX-8900比較一覧表

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはほぼ無傷、ただしプッシュボタンに錆。
 ・ボディと背面パネには全体にボツボツと金属錆が目立ちます。
 ・背面端子は可変出力端子以外は酷く錆びています。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。インジケータ類点灯
 ・ただ、FM放送を受信できません。全くの無音。
 ・マルチパスH端子は局間ノイズのみ。
 ・REC CAL信号は聞こえます。

F00705 F00706 F00707 F00708 F00709
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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド=5連バリコン+バリキャップOSC
 ・IF回路 WIDE / NARROW 切替
 ・M5109PR PBLD検波
 ・PA3001A クアドラチュア検波(同調点検出、Sメーター駆動)
 ・PA1001A PLL MPX
 ・PA1002A AF、MUTING動作
 ・回路構成や動作原理について ひろくん様のサイトで詳しく解説されています。
 ・シンセサイザー回路は輸出版回路図と随分異なります。

F28_schematic

F00720 F00721 F00722 F00723 F00725
F00726 F00727 F00728 F00729 F00730
F00731 F00732 F00733 F00734 F00735

■修理記録:フロントエンドOSC回路--------------------------------------

 ・全く受信できない状態です。
 ・調べてみるとフロントエンドからIF信号が出ていません。
 ・VT電圧12.5Vで変化しない。OSC回路が発振していない?
 ・フロントエンド内 Q4 2SC1923 → 2SC1923を新品に交換。
 ・これでFM放送を受信するようになりました。
 ・念のためフロントエンド内 Q5,Q6 2SK61 も新品交換。
 ・これで良さそうです。

F00740 F00741 F00744 F00745 F00747

■調整記録------------------------------------------------------------

・ひろくん様のサイトとサービスマニュアルを参考に調整してみました。

F007

【シンセサイザー基板】
 ・シンセサイザー基板から同軸ケーブルを抜く
 ・TP3 周波数カウンタ接続 → TC調整 → 10.2343MHz
 ・TP6 オシロスコープ接続 → 2ND,6TH調整 → 61.4MHz波形最大
 ・シンセサイザー基板に同軸ケーブル接続
 ・指針を76.1MHzにセット
 ・TP4 オシロスコープ接続 → LPF調整 → 399.8kHz方形波
【OSC VT電圧調整】
 ・TP9 電圧計セット
 ・指針を76.1MHzにセット → L6調整 → 1.07V
 ・指針を83.2MHzにセット → TC6調整 → 7.89V
【RF調整】
 ・SSG76.1MHz 30dB無変調 → L1~L5調整 → Sメーター最大
 ・SSG89.9MHz 30dB無変調 → TC1~TC5調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・SSG83.0MHz 30dB無変調 → T1調整 → Sメーター最大
【同調点調整】
 ・TP28~TP29間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T8調整 → 電圧ゼロ
【IF歪調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → T2調整 → 高調波歪最小
【IF中心周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → シンセサイザー基板TC調整 → 高調波歪最小
【PBLD検波調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → 高調波歪最小
 ※VR1を左右に大きく回し、音声が出現する範囲を特定してその中間位置にセット
【コンパレータ調整 DC Null】
 ・TP23~TP24間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 電圧ゼロ
【MUTING調整】
 ・83MHz20dB受信 → VR2調整 → ミューティング作動
【Sメーター調整】
 ・83MHz100dB受信 → VR3調整 → Sメーター100dBf
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL CHECKオン → VR4調整 → -6dBセット
【VCO調整】
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・83MHz変調オフ → VR1調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHzステレオ変調 → VR2,T1調整 → 19kHz成分最小
 ・左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHzステレオ変調 → VR3調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHzステレオ変調 → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・周波数ズレ皆無、気持ちよく同調します。
 ・歪率、セパレーションとも良い数値を示します。
 ・操作ボタンのサビ、ボディのサビが気になりますが仕方がない無いですね。
 ・稀少機として大切に残したい機種です。

F00712

2016年11月20日 (日)

SONY ST-5150D 修理調整記録3

 ・2016年9月初め、ワンオーナーST-5150Dの調整作業をお引受しました。
 ・今後も長く使うためのメンテナンスを、というご依頼でした。
 ・以下、作業記録です。

St5150d08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ST-5150D ¥49,800円 1975年頃
  →ST-5150D 回路図

St5150d02 St5150d11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・さすがワンオーナー品。フロントパネル、ボディとも目立つキズはありません。
 ・電源コードの印字は「1974」。コードがベタベタしています。
 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。
 ・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認。
 ・名古屋地区のFM局を正常に受信。
 ・+0.2MHz程度の周波数ズレ。MUTING動作OK。
 ・Sメーター最大とTメーター中央が一致しない。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK。
 ・名古屋地区のAM局を受信。特に問題なさそうです。

St5150d03 St5150d04 St5150d05 St5150d07 St5150d12

■分解清掃------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル裏側に「49.6.10」と印字されていました。
 ・「昭和49年6月10日」と読めますね。
 ・周波数窓裏側に堆積していたホコリを清掃してガラス磨き。
 ・ガラス板を磨きすぎると数字や目盛りを傷つけるので注意、注意。

St5150d20 St5150d21 St5150d22 St5150d23 St5150d24
St5150d25 St5150d26 St5150d27 St5150d28 St5150d29
St5150d30 St5150d31 St5150d33 St5150d34 St5150d36

■再調整--------------------------------------------------------------

 ・FM OSC調整:CT104、L104
 ・FMトラッキング調整:CT101,102,103、L101,L102,L103
 ・FMレシオ検波調整:T201上段 Tメーター中央へ
 ・FMレシオ検波調整:T201下段 高調波歪最小へ
 ・FMステレオ調整:T401 L+R信号→Lch最大へ
 ・FMセパレーション調整:RT401
 ・FM Sメーター調整:RT202
 ・FMミューティング調整:T202 → D205電圧最大へ
 ・FMミューティングレベル調整:RT201
 ・固定出力調整::RT402(Rch) / RT403(Lch)→同レベルへ
 ・AM 調整:バーアンテナ、CT301、CT302、T301、CFT301
 ・AM Sメーター調整:RT301

St5150d

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・何度も書いてますが、この時期のソニーデザインは最高です。
 ・シルバーパネルに映えるグリーンイルミネーションがたまりません。
 ・各部調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・これからもご愛用ください。

St5150d09

2016年11月13日 (日)

TRIO KT-9900 3号機

 ・2016年7月、KT-9900(3台目)を修理調整を行いました。
 ・以下、作業記録です。

Kt990009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能
 ・1号機の記録 2015年10月4日記事
 ・2号機の記録 2015年11月15日記事

Kt990001 Kt990010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・アンテナAに同軸ケーブルを接続して電源オン。電源オンから音が出るまで約10秒。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
 ・オレンジ色のインジケーター点灯。緑色のIFバンド表示も点灯。
 ・僅かに周波数ズレあるものの地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
 ・受信から数秒後にDDLインジケータ点灯。
 ・照明やインジケータ類はすべて点灯。
 ・それぞれのメーターは正常に動作している。
 ・出てくる音声にステレオ感あり。特に気になる雑音もない。
 ・マルチパスH端子からも雑音の無いキレイな音声が出ています。
 ・顕著な不具合はなさそう。

Kt990003 Kt990004 Kt990005 Kt990012 Kt990013

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用9連バリコン
 ・HA1137WでTメーター、Sメーター駆動
 ・パルスカウント検波
 ・HA11223W によるMPX
 ・HA1156W(裏面DDL基板)
 ・部品交換や改造の形跡はなさそうです。
 ・電源回路で頭が飛び出した電解コンデンサ4個が気になります。

Kt990020 Kt990021 Kt990022 Kt990023 Kt990024
Kt990025 Kt990026 Kt990027 Kt990028 Kt990029
Kt990032 Kt990033 Kt990034 Kt990035 Kt990036

■修理記録:電源回路電解コンデンサ交換---------------------------------

 ・100uF/25V 4個交換

Kt990033_2 Kt990041 Kt990042 Kt990045 Kt990046

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・1号機、2号機の記録参照

■FM多重放送によるノイズ問題------------------------------------------

 ・【SCA調整】の項目
 ・KT-9900 L6 調整 → D4(X04-)カソード側DC電圧最大へ

 ・KT-9900 1号機では SCAスイッチが頻繁に ON/OFF を繰り返す症状がありました。
 ・KT-9900 2号機では 電圧が低すぎてSCAスイッチが作動しません。
 ・KT-9900 3号機も2号機と同じ症状でした。
 ・3台目の検証ですが、やはりNHK-FMのノイズ問題を回避できません。
 ・このノイズは電波状況が悪くて「サー」という雑音が聴こえる状況と似ています。
 ・曲間の無音時やクラシック曲のピアニシモ部分で特に気になります。
 ・大音量のロックやジャズではあまり気にならないです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・民放FM局ではFM多重放送の問題はありません。
 ・割り切って使っていきましょう。

Kt990008

2016年11月 6日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録2

 ・2016年8月、KT-1100Dの調整作業を承りました。
 ・この機種は発売当時に購入して長くエアチェックに使っていました。
 ・ただFPGAチューナーを使うようになって処分してしまいました。

Kt1100d05

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版
  ※KT-1100Dの他に D-3300T、KT-1010F、KT-880Fが載っています。

Kt1100d02 Kt1100d04

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く状態はとても良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管がキレイに点灯。文字欠け、文字痩せなし。
 ・オート選局、マニュアル選局とも周波数ズレなし。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・各種ボタン操作に軽快に反応する。切替動作正常。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送もオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
 ・電源プラグを抜いてから4日後でもメモリ保持していました。

Kt1100d08 Kt1100d09 Kt1100d11 Kt1100d12 Kt1100d13
Kt1100d01 Kt1100d03 Kt1100d15 Kt1100d16 Kt1100d17

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部記録写真

Kt1100d20 Kt1100d21 Kt1100d22 Kt1100d23 Kt1100d24
Kt1100d25 Kt1100d26 Kt1100d27 Kt1100d28 Kt1100d29
Kt1100d30 Kt1100d31 Kt1100d32 Kt1100d33 Kt1100d35

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt1100d

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.3V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測25.7V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・531kHz → L20調整 → 実測 2.8V 確認のみ
 ・1602kHz→ TC2調整 → 実測21.2V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・特に故障箇所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt1100d06

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