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2017年1月22日 (日)

Marantz ST-8mkII

 ・2016年11月、Marantz ST-8mkII(マークツー)が届きました。
 ・オシロスコープを装備したチューナーは初体験です。
 ・以下、作業記録です。

St8mkii03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Marantz ST-8 \135,000(1979年頃)
 ・オーディオの足跡 Marantz ST-8mkII ¥135,000(1980年頃)
 ・Hifi Engine Matrantz ST-8 Quartz Stereo Tuner (1980-82) サービスマニュアルあり
 ・Marantz ST-8mkII 取扱説明書 ※依頼者様からご提供いただきました。

St8mkii01 St8mkii14

 ・ST-8 と ST-8mkIIの違いは何でしょう?
 ・外観に相違点なし。mkIIではウッドケースが標準装備になったとか?
 ・よく見るとAM受信周波数帯に違いがありました。
  ・ST-8 535~1605kHz
  ・ST-8mkII 531~1602kHz
 ・そういえば1978年(昭和53年)11月、AM放送局の送信周波数が一斉変更さました。
 ・AM部分のの仕様変更だったとか?

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・シャンパンゴールドに輝く美しいフロントパネル。とても綺麗です。
 ・ボディは多少の擦り傷があるものの、状態は良いです。
 ・本来はウッドケースに収まっていたのでしょうか、底面に足がありません。
 ・75Ω端子にアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数の目盛りと数字だけが青く浮かび上がり、指針先端は赤く光ります。
 ・ゴールドフェイスにマッチして何とも言えず高級感が漂いますね。
 ・さて、一般的なチューナーにあるTメーターやSメーターがありません。
 ・本機の特徴であるオシロスコープがその役割を果たすはずですが何も映りません?
 ・オシロスコープ下にある押しボタンで機能を選択する必要がありました。
 ・試行錯誤を繰り返してオシロスコープの使い方がだんだん分かってきました。
 ・FM受信時は垂直方向で電波強度、水平方向で同調状態を同時に表示する。
 ・AM受信時は垂直方向のみで電波強度を表示する。

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 ・マランツ機特有の円盤状の選局つまみ「ジャイロチューニング」が特徴的。
 ・タッチセンサー内蔵でジャイロに指を触れるとロック解除。
 ・指を離すとクォーツロック回路が周波数をロックする。
 ・IFバンド切替、MUTING切替、REC CALトーン機能など動作OK。
 ・AM放送は背面バーアンテナでクリアに受信OK。
 ・大きな問題点は無さそうな印象です。

St8mkii09 St8mkii10 St8mkii11 St8mkii12 St8mkii13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディと底板を外して内部確認。ST-8回路図と見比べながら細部を調査。

Marantz_st8_sche

 ・FM5連、AM3連バリコン搭載のフロントエンド。
 ・Wide系/Narrow系IF+レシオ検波
 ・制御系IF+レシオ検波
 ・HA11223:PLL-MPX
 ・LA1240:AMチューナー

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■調整記録------------------------------------------------------------

St8mk1 St8mk2

●オシロスコープ部の調整 ※高電圧・感電注意!
 ・SCOPE DISPLAY=EXT.
 ・VERT=中央位置
 ・HORIZ=中央位置
 ・EXT LEVEL=最小位置
【中点調整】
 ・オシロスコープ基板 R925(H.CENTER)調整 → オシロスコープ上の輝点を中央に
 ・オシロスコープ基板 R926(V.CENTER)調整 → オシロスコープ上の輝点を中央に
【GAIN調整】
 ・REC LEVEL=ON
 ・SCOPE DISPLAY=AUDIO
 ・オシロスコープ基板 R927(H.GAIN)調整 → H振幅=3
 ・オシロスコープ基板 R928(V.GAIN)調整 → V振幅=3 → ※輝線の傾き=45度
【TUNING BIAS調整】
 ・REC LEVEL=OFF
 ・SCOPE DISPLAY=EXT.とTUNINGを同時に押す
 ・オシロスコープ基板 R931(TUNING BIAS)調整 → オシロスコープの輝点を一番下に

St8mkii07_2

●FM部の調整
 ・SCOPE DISPLAY=TUNING
 ・VERT=中央位置
 ・HORIZ=中央位置
 ・IF-WIDE=EXT.
 ・QUARTZ LOCK=OFF
 ・MPX NOISE FILTER=OFF
 ・MUTING LEVEL=OFF
【制御系IF同調点調整】
 ・IF基板 J220~J218間に電圧計セット(Tメーター)
 ・IF基板J201にSSG10.7MHz注入 → IF基板L213調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IF基板 J220~J218間に電圧計セット(Tメーター)
 ・SSG 76.0MHz 1kHz → フロントエンドL106調整 → 電圧ゼロ
 ・SSG 90.0MHz 1kHz → フロントエンドTC105調整 → 電圧ゼロ
  ※L106がボンドで固められていたため、83MHz一点のみで調整
  ※SSG 83.0MHz 1kHz → フロントエンドTC105調整 → 電圧ゼロ
【FM RF調整】
 ・IF基板 J220~J218間に電圧計セット(Tメーター)
 ・SSG 76.0MHz 1kHz → 電圧ゼロ確認
 ・IF基板 J212電圧計セット(Sメーター)
 ・SSG 76.0MHz 1kHz → フロントエンドL101~104調整 → 電圧最大
 ・SSG 90.0MHz 1kHz → 電圧ゼロ確認
 ・SSG 90.0MHz 1kHz → フロントエンドTC101~104調整 → 電圧最大
【FM IFT調整】
 ・IF基板 J220~J218間に電圧計セット(Tメーター)
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → 電圧ゼロ確認
 ・IF基板 J212電圧計セット(Sメーター)
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → フロントエンドL105調整 → 電圧最大
【NARROW系IF調整】
 ・IF-WIDE=OFF
 ・IF基板 J220~J218間に電圧計セット(Tメーター)
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → 電圧ゼロ確認
 ・IF基板 J212電圧計セット(Sメーター)
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → IF基板L202調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・IF-WIDE=ON
 ・IF基板 J216~GND間に電圧計セット(Tメーター)
 ・音声出力をWaveSpectra観察
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → IF基板L206調整 → 電圧ゼロ
 ・SSG 83.0MHz 1kHz → IF基板L205調整 → 高調波歪最小
【VCOフリーラン調整】
 ・TP VCO(R314)に周波数カウンタ接続
 ・SSG83.0MHz → R313調整 → 76kHz±200Hz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観察
 ・SSG83.0MHz ST変調 → R302調整 → 19kHz成分最小
【WIDE系セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHz ST変調 → フロントエンドL105調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz ST変調 → MPX基板R369調整 → Lch漏れ最小
 ・SSG83.0MHz ST変調 → MPX基板R366調整 → Rch漏れ最小
【NARROW系セパレーション調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・SSG83.0MHz ST変調 → IF基板C294調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz ST変調 → MPX基板R368調整 → Lch漏れ最小
 ・SSG83.0MHz ST変調 → MPX基板R367調整 → Rch漏れ最小
【REC LEVEL調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHz ST変調 400Hz → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL=ON → AF基板RT37調整 → -6dBレベルに
【MUTING調整】
 ・MUTINGつまみ設定=MIN
 ・SSG83.0MHz 18dB → IF基板RB10調整 → MUTING解除位置
 ・MUTINGつまみ設定=MAX
 ・SSG83.0MHz 34dB → IF基板RB47調整 → MUTING解除位置
 ・SSG83.0MHz 34dB → MPX基板R349調整 → MUTING同調点検出レベル
  ※MPX基板Q348-C電圧 → 同調時3V前後、離調時0V
【オシロスコープ:Sメーター調整】
 ・SCOPE DISPLAY=TUNING
 ・SSG83.0MHz 60dB → IF基板RB11調整 → オシロスコープレベル=3
  ※オシロスコープ目盛りの最下段を0、最上段を6とする。
【オシロスコープ:MULTIPATH調整】
 ・SCOPE DISPLAY=MULTIPATH
 ・SSG83.0MHz 60dB → IF基板RB27調整 → オシロスコープ水平振幅=3
  ※マルチパス(H)調整
●AM部の調整
【AM OSC調整】
 ・IF基板J205 電圧計セット(AM Sメーター)
 ・SSG 600kHz 60dB → IF基板L152調整 → 電圧最大
 ・SSG1400kHz 60dB → フロントエンドTC152調整 → 電圧最大
【AM RF調整】
 ・SSG 600kHz 60dB → IF基板L151、バーアンテナ調整 → 電圧最大
 ・SSG1400kHz 60dB → フロントエンドTC151,153調整 → 電圧最大
【AM IF調整】
 ・SSG1000kHz 60dB → IF基板L153,154調整 → 電圧最大 
【AM Sメーター調整】
 ・SSG1000kHz 60dB → IF基板R152調整 → オシロスコープSレベル=2.5

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シャンパンゴールドに青色照明、何とも言えず高級感があります。
 ・オシロスコープに映し出される輝線は見ていて飽きないです。
 ・オーディオ全盛期の稀少機種として価値があります。

St8mkii08

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