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2017年1月 1日 (日)

TRIO KT-9700

■謹賀新年2017

 ・2017年が皆様にとって良い年になりますように。
 ・私は相変わらずジャンクチューナー整備に精を出します。
 ・今年もよろしくお願いします。

Kt970009

さて、
 ・2016年11月初め、KT-9700の修理調整作業を承りました。
 ・発売当時に購入したワンオーナー品だそうです。
 ・KT-9700は初体験機種です。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9700 ¥150,000 1976年
 ・Hifi Engine KENWOOD Model 600T $650 1976
 ・KT-9700はトリオがパルスカウント検波を搭載した最初の機種です。

Kt970001 Kt970010

■パルスカウント検波機の系譜------------------------------------------

 ・cooltune様のサイトにTRIO/KENWOODチューナー一覧表があります。
 ・ここからパルスカウント検波機だけを年代順に抽出しました。
 ・並べてみると進化の歴史がよく分かります。

【1976年】パルスカウント検波チューナー登場 ※検波回路はディスクリート構成
 ・KT-9700 ¥150,000 FM専用9連バリコン
 ・KT-8000 ¥ 69,800 FM専用7連バリコン

【1978年】検波回路のIC化(TR4010/TR4010A)
 ・KT-9900 ¥200,000 FM専用9連バリコン
 ・KT-8300 ¥ 63,000 FM専用5連バリコン
 ・KT-8100 ¥ 42,000 FM4連AM2連バリコン

【1979年】検波回路のIC化(TR4010A)
 ・L-01T ¥160,000 FM専用7連バリコン ※初のKENWOODブランド機
 ・L-07TII ¥130,000  FM専用7連バリコン
 ・KT-80 ¥ 37,000 FM専用4連バリコン ※システムコンポの一部

【1980年】ニューパルスカウントシステム登場、専用IC進化(TR7020+TR4011)
 ・KT-1000 ¥69,800 FM5連AM3連バリコン
 ・KT-900 ¥49,800 FM4連AM2連バリコン

【1981年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
 ・KT-9X ¥64,800 FM5連バリキャップ ※唯一のシンセサイザー機

【1982年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
 ・KT-1100 ¥73,800 FM5連AM3連バリコン
 ・KT-990 ¥53,800 FM4連AM2連バリコン

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1976。
 ・年代相応の汚れ、天板後部に錆び。フロントパネルに目立つキズは無い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。照明電球点灯。タマ切れなし。
 ・チューニングつまみを回すとSメーターとTメーターの動きは正常。
 ・IFバンド切替に応じてインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・どうやら名古屋地区のFM局を受信しているようです、、
 ・ただし固定/可変端子どちらも音が出ない。
 ・MUTINGレベルを切り替えても音が出ない。
 ・マルチパスH端子の出力を確かめると放送が聞こえる。
 ・これはミューティング回路の故障が怪しい感じ?

Kt970001_2 Kt970003 Kt970004 Kt970005 Kt970006
Kt970010_2 Kt970011 Kt970012 Kt970013 Kt970014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・X01-1250-10:RF 基板 ※FM専用9連バリコン搭載フロントエンド
 ・X02-1090-10:IF 基板 ※WIDE、NORMAL、NARROWの3段切替
 ・X02-1110-10:検波基板 ※IC化される以前のディスクリート構成
 ・X04-1090-10:MPX基板 ※HA1156・・PLL化ICの初期型、さすがにちょっと古い
 ・X13-2370-10:スイッチ基板
 ・X00-1810-10:電源基板

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Kt970032 Kt970033 Kt970038 Kt970039 Kt970040
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【IF基板 信号の流れを理解する】
 ・WIDE :FL1 → IC1 → L15 → IC2 → L16 → IC3 → L17 → 第2IF
 ・NORMAL:FL1 → IC1 → FL2 → IC4 → L16 → IC3 → L17 → 第2IF
 ・NARROW:FL5 → IC6 → FL6 → IC7 → FL7 → IC8 → L19 → IC5 → L17 → 第2IF
 ・第2IF:L17 → IC10→ L18 → FL3 → FL4 → 1.96MHz
 ・MUTING:FL5 → IC6 → FL6 → IC7 → FL7 → IC8 → L19 → IC9 → L20 → MUTING
 ・制御系:FL8 → L21 → IC11→ L22 → L23 → IC11→ MULTIPATH、Sメーター

Kenwood_600t_fm_if

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・マルチパスH端子からは音が出るが固定/可変端子からは音が出ない。
 ・といういことは、MUTINGが解除できない状態のようです。
 ・MPX基板(X04-1090-10)出口 11番端子(Rch),12番端子(Lch)は音が出ている。
 ・スイッチ基板(X13-2370-10)出口16番端子(Rch/fix),17番端子(Lch/fix)音がでない。
 ・スイッチ基板(X13-2370-10)出口20番端子(Rch/var),21番端子(Lch/var)音がでない。
 ・固定音声用リレーRL1、可変音声用リレーRL2どちらも作動していない。
 ・ということはミューティング信号あるいは電源系のトラブルか?

 ・調べてみるとリレー駆動回路に電圧が来ていない。
 ・電源回路を確認すると、、3本あるヒューズの内1本が切れていました。
 ・F1(250V/800mA)、目視では切れていないようですが抵抗値が無限大でした。
 ・これを新品に交換したところミューティン解除されて音が出てきました。
 ・切れたようには見えないのですが、、原因はヒューズ自体の劣化でしょうか?

Kt970065

■調整記録------------------------------------------------------------

600tblockdiagram

【OSC調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドOSC調整 → Sメーター最大
 ※一点調整のため両端では多少のズレ発生。
【RF調整】
 ・SSG 76.0MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8,L9 → Sメーター最大
 ・SSG 90.0MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6,TC7 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・SSG 83.0MHz → フロントエンドL12調整 → Sメーター最大
 ・歪最小になるIF周波数=10.75MHz
【Tメーターオフセット調整】
 ・IF基板(X02-1090-10)12番端子に周波数カウンタ接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → 選局ツマミを回して2.01MHz(*)を示す位置へ
 ・検波基板(X02-1110-10) VR1調整 → Tメーター中点
  ※本機の実測IF周波数=10.75MHz
  ※本機の水晶発振子= 8.736MHz
  ※第2IF周波数10.75-8.736=2.014MHz
  ※本来は10.7-8.736=1.964MHzですが実機に合わせました。
【IF歪調整】
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L15,L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
 ・IFバンド=NARROW
 ・SSG 83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L19調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D1カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L20調整 → 電圧最大
 ・ミューティングスイッチ40dB → VR1調整
 ・ミューティングスイッチ20dB → VR2調整
【Sメーター調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D9カソード側にDC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz → L21調整 → 電圧最大
 ・SSG 83.0MHz 20dB → VR3調整 → SメーターMAX調整
 ・SSG 83.0MHz 90dB → VR4調整 → SメーターMIN調整
【出力調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) R2右足にAC電圧計セット
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR5調整 → 500mV
【VCO調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) TP 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83.0MHz → VR2調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR3調整 → Rch
 ・SSG 83.0MHz ST信号 → VR4調整 → Lch
【DEVIATIONメーター調整】
 ・SSG 83.0MHz 100%変調信号 → VR5調整 → DEV.メーター100%位置へ

Kt9700new

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・パルスカウント検波搭載1号機に触れる嬉しい機会をいただきました。
 ・検波回路がIC化される以前の古い機種ですが、再調整で復活したと思います。
 ・NHK-FMを受信してもFM多重放送による影響はありません。
 ・再調整すれば後継の最上位機KT-9900よりも気持ち良く使えます。

Kt970007

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コメント

KT-9700を数年前にNetより落札購入しました。(以前はST-5000F)
私がオーディオにハマりだした頃のFMチューナーで、性能は抜群しかも「いい音」がでており、
ベストな音源再生器です。
BLUESSさんには、何れメンテナンスをお願いしたいです。

KT-9700 9900
ともにありがとうございます。

9700はここにもかかれているように
調整後9900を超えてしまった感が強いです。

世間はハイレゾにいくようですが、まだまだこのFMチューナーは
音楽の友とおもえるソースと感じることができる機種だとおもいました。

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