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2017年9月 9日 (土)

TRIO KT-8000 4号機 修理記録

 ・2017年年7月末、TRIO KT-8000の修理調整を承りました。
 ・FM専用7連バリコン、トリオ自慢のパルスカウント検波搭載機。
 ・ぜひ復活させたい逸品です。

Kt800009

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000取扱説明書

Kt800001 Kt800012

 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。パルスカウント検波

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1977」
 ・外観はとてもキレイ。
 ・「パルスカウント検波」を誇示する表示はどこにも見当たらない。
 ・電源オン。窓照明、メーター照明点灯。二つのメーター動作OK。
 ・受信動作は正常ですが、固定/可変出力とも音が出ない。
 ・Mutingオン/オフ、MPX filterオン/オフ、Stereo/Monoに関わらず音が出ない。
 ・Wide/Narrowどちらも音が出ない。
 ・通電状態でしばらく放置していると、ときどき音が出ることがある。
 ・音が出るといってもノイズ混りのヒドイ音、またすぐに音が出なくなる。
 ・マルチパスH端子の出力を聴くとノイズ皆無で正常な音です。
 ・MUTINGオフにすると局間ノイズが出る。つまりミューティング回路は正常。
 ・これは難しそう、、

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用7連バリコン → HA1137W → MC1496 → 1.96MHz-BPF → PC検波 → HA11223
 ・TメーターとSメーターが正常に動作している。
 ・マルチパスH端子から正常音声が聴こえる。
 ・つまり HA1137W クアドラチュア検波まで正常
 ・TP1.96MHzに周波数カウンタ接続 → 第2IF確認 → L16調整可能 → 正常
 ・HA11223W-2ピン(検波信号入力)→ ノイズ混りの酷い音×
 ・HA11223W-5ピン(Rch)、6ピン(Lch)→ ノイズ混りの酷い音×
 ・不調原因はパルスカウント検波回路~HA11223W入口までの区間にありそう。

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■修理記録1:HA1457交換-----------------------------------------------

 ・HA11223W-2ピンの直前にある IC8:HA1457
 ・HA1457-1ピン(出力)=音無し
 ・HA1457-6ピン(入力)=検波信号が聞こえる
 ・HA1457:High Voltage Low Noise Preamplifire → 検波信号増幅用
 ・HA1457 → HA1457W 交換
 ・これによって出力端子から常時音が出るようになりました。
 ・ただ、出てくる音はノイズ混りのヒドイ音。
 ・これは聞き覚えのある雑音、、
 ・ノイズ源は例のLPFか?

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■修理記録2:パルスカウント検波LPF------------------------------------

 ・KT-8000のパルスカウント検波回路は、専用ICが登場する以前の古いタイプです。
 ・KT-9900と同様にディスクリートでパルスカウント検波回路が構成されています。
 ・この回路中にあるLPFが怪しい感じです。
 ・まず実験として FL2(L79-0059-05) を取り外してジャンパ線で直結。
 ・予想通り酷いノイズが消えて受信音が聞こえてきました。
 ・経験的に200kHz前後のカットオフ周波数であればOKのはず。
 ・今回は代用品として 36pF,10mH,68pF,10mH,36pF(カットオフ周波数265kHz)
 ・基板に開いていた穴を少し拡幅して部品を配置。
 ・これでキレイなFM放送が聞こえてきました。
 ・さらに実験的措置としてパルスカウント検波回路の下記部品を交換。
  ・2SC535 → 2SC1923 ×6個
  ・2SC1981 → 2SC1815 ×1個
  ・2SA733 → 2SA1015 ×1個
  ・電解コンデンサ ×6個

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・SSG 90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・SSG 90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz → L11調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・SSG 83MHz → L14調整 → 本体Tメーター中央
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・SSG 83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・SSG 83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Sメーター振れ調整】
 ・VR3:Sメーター振れ調整
【ノイズアンプ調整】
 ・D5 カソード側に電圧計セット
 ・離調時 →  VR8調整 → 8.3V
 ・同調時  → 0V 確認のみ
【MUTING調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・SSG 83MHz 15dBf → VR1調整 → Muting作動位置
 ・IF BAND=Narrow
 ・SSG 83MHz 15dBf → VR2調整 → Muting作動位置
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

Kt8000

 ※MUTINGとVR8の調整方法を修正しました。
 ※実は、同時期にKT-7300の調整作業をしていました。
 ※KT-8000とKT-7300のIF回路はほとんど同じ。
 ※KT-7300は回路図、調整要領が揃っています。
 ※VR8調整方法も再検討し、KT-7300に準じた方法に変更。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・HA1457の故障は初ケースでした。
 ・それにしても最近はTRIO製チューナーのLPF故障事例に頻繁に遭遇します。
 ・L-01T、KT-8300、KT-9900、KT-8000
 ・パルスカウント検波回路に使われているLPFはそろそろ寿命を迎えているのか?
 ・1977年製とすれば約40年、よく持ちこたえたと言ってあげるべきですね。
 ・今のFM放送が続く限り、もうちょっと頑張ってね。

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