フォト
2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

チューナー関連リンク

« TRIO KT-9900 4号機 再修理記録 | トップページ | SONY ST-5070 »

2018年7月29日 (日)

Technics ST-8080

 ・2018年6月末、テクニクス製ST-8080、通称80Tの修理調整を承りました。
 ・ガンメタボディにオレンジ照明が映える逸品です。
 ・以下、作業記録です。

St808011

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 / Technics ST-8080(80T) ¥50,000(1977年頃)
 ・Hifi Engine / Technics ST-8080 AM/FM Stereo Tuner (1976-79)

St808002 St808004

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・シリアリナンバー:FA6L20C147 → 1976年12月20日製造
 ・ボディには擦り傷、打ち傷が多数あってちょっと残念な状態。
 ・75Ω同軸ケーブル接続端子がF型でない点が残念。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓にオレンジ照明が灯ってイイ感じ。電球切れなし。
 ・名古屋地区のFM放送を受信してみると、+0.2MHzズレた位置で受信。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・メーター指針の動き方に滑らかさが無い。
 ・指針の移動に伴って「バリバリッ」という雑音が混入する。
 ・STEREOランプが点灯しない。実際のステレオ感も無い。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信を試みる。
 ・ところがAM放送はまったく受信しない。Sメーター動かない。
 ・AMは故障かと思ったらMUTINGオフにすると909kHz(NHK第二)だけ受信できる。
 ・AM放送でもMUTING回路が効くみたい、でもSメーターはほとんど動かない。

St808005 St808006 St808007 St808008 St808009
St808003 St808012 St808013 St808014 St808015

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → CFフィルタ×4
 ・AN217:FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
 ・AN377:FM IF Amplifier & Detector
 ・AN363:FM Mutiplex PLL Demodulator
 ・輸出機のサービスマニュアルにICブロック図が掲載されていました。

217 363 An377

 ・VR101:Muting Level Adj.
 ・VR102:FM Meter Adj.
 ・VR301:19kHz OSC Adj. (VCO)
 ・VR302:19kHz Level Adj. (Pilot Cancel)
 ・VR401:Recording Check Signal Level Adj. (REC CAL)
 ・T101:FM Discri IFT
 ・T201:AM IFT(1st)
 ・T202:AM IFT(2nd)
 ・L202:AM OSC Coil
 ・L301:19kHz Phase Adj. (Pilot Cancel)
 ・TP1:AM IF input point
 ・TP2:FM output point
 ・TP101:FM IF output point
 ・TP201:AM output point
 ・TP301:FM composit signal output point
 ・TP302:19kHz output point

St808020 St808021 St808022 St808023 St808024
St808025 St808026 St808027 St808028 St808029
St808030 St808031 St808032 St808033 St808034
St808035 St808036 St808037 St808038 St808039

■修理記録:AMの不調原因-------------------------------------------------

 ・IC201:AN217 / FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
 ・AM用IC201:AN217-15ピン(AM OSC) → 周波数カウンタ確認 → 発振周波数正常
 ・AM用IC201:AN217-15ピン(AM  IF) → 周波数カウンタ確認 → 周波数安定しない?
 ・AN217ブロック図を見るとIC内のミキサー回路の故障、またはT201の故障か?
 ・交換用のAN217を探しましたが見つかりません。
 ・そこで回路図を頼りにAN217搭載機種を探してみました。
 ・Technics ST-7300II、ST-8044、ST-8077、ST-8075、ST-8080など
 ・たぶん同じT201も載っているはず。
 ・捜索を始めたところ近所のリサイクルショップでST-7300IIを発見。
 ・動作未確認の品でしたが、幸いFM/AMとも正常動作確認。
 ・このST-7300IIのAN217をST-8080へ移植。
 ・これによってAM放送も正常に受信するようになりました。

St808040 St808041 St808042 St808043 St808044

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルに基づいて各部調整しました。

St8080

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・T101(赤)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → L5 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR102調整 → Sメーター振れ調整
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB → VR101調整 → ミューティング作動
【VCO調整】
 ・TP302 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → 高調波歪最小
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR302,L301調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chバランス注意
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → CT401調整 → 38kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR402調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → VR401調整 → -6dB(※363Hz)
【AM OSC調整】
 ・600kHz → L202調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT202調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz → L201(バーアンテナ内)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT201調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
 ・1000kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・この時期のテクニクス製品はガンメタ+オレンジ照明がイイですね。
 ・40年も経過した製品とは思えないです。
 ・状態の良いジャンク品があれば外装だけ交換すると良いです。

St808010

« TRIO KT-9900 4号機 再修理記録 | トップページ | SONY ST-5070 »

ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« TRIO KT-9900 4号機 再修理記録 | トップページ | SONY ST-5070 »