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2019年7月28日 (日)

Accuphase T-107

 ・2019年6月初め、アキュフェーズT-107の故障機が届きました。
 ・何だか不思議な挙動をするそうです。
 ・さて、直せるのか??

Acct10709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-107 ¥99,800(1985年7月発売)
 ・製品カタログ Accuphase T-107 ¥99,800

Acct10702Acct10714
Acct10704Acct10703Acct10705Acct10706Acct10707
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■動作確認------------------------------------------------------------

 ●依頼者様からお聞きした不具合状況
  1) 数日間電源コードを抜いた後、電源コードを接続するとすべて正常に動作する。
  2) ただ、稼働後10分程度で突然シグナルメーターが0になり音声出力がなくなる。
    このとき周波数は表示されていて選局ボタンも利く
  3) さらに時間が経過すると、周波数表示が消え、選局ボタンも利かなくなる
    押したボタンとは別のボタンの赤インジケータが点く
  4) 電源を落とし電源コードを抜き、数日間放置すると 1)の状態に戻る
    1、2日程度では戻らない
 ●当方での確認状況
 ・電源コードとFMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数の数字が点灯しない。UP/DOWNボタンを押しても反応なし。
 ・これは教えていただいた症状(3)の状態ですね。
 ・この後電源コードを抜いて1週間放置、再度確認しましたが状況は同じでした。
 ・もう(1)の状態には戻らないようです。

Acct10700

■内部確認------------------------------------------------------------

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Acct10725Acct10726Acct10727Acct10728Acct10729
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Acct10735Acct10736Acct10737Acct10738Acct10739
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 ・電源部電圧確認
  ・IC101(78M05) + 5.6V
  ・IC102(78M15) +14.8V
  ・IC106(TC9147BP) 42pin (VDD) +4.96V、電源OFF時 +2.2V
 ・電源電圧は良さそうですが、VT電圧が出ていない
 ・T-107の底面には点検口が無いので部品交換は面倒です。
 ・フロントパネルを外し、基板を裏返して配線を確認。
 ・iPadで写真を撮って手書きアプリでメモを書き込み。

T107011

■修理記録:部品交換など---------------------------------------------

 ・IC106(TC9147BP)の周辺で気になった電解コンデンサ、トランジスタ交換 
  ・C116,117:470uF/6.3v → 470uF/25v
  ・C121:10uF/25v → 10uF/50v
  ・C122:2.2uF/35v → 2.2uF/50v
  ・C123:0.1uF/50v → 0.1uF/50v
  ・C124:1uF/50v → 1uF/50v
  ・C127:3.3uF/50v → 3.3uF/50v
  ・Q106:2SC2458/GR → 2SC1815/GR
 ・以上の部品を一気に交換して基板を組み直し通電確認 → 残念ながら効果なし。

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■修理記録:X101水晶振動子交換-------------------------------------

 ・IC106:TC9147BP は SANSUI TU-S707Xでも使われています。
 ・TU-S707Xのサービスマニュアルに基準周波数の調整方法が記載されています。
  ・TC9147BP 36pin(TEST)~42pin(VDD) をショートする
  ・TC9147BP 24pin(O/5) 周波数カウンタ接続
  ・トリマコンデンサ調整 → 25.00kHz

 ・ところがTC9147BP 24pin で 25kHzが確認できません。
 ・周波数カウンターにでたらめな数値が表示されます。
 ・そこで横向きに設置されているX101(7.2MHz)に指で軽く触れたところ、、
 ・何と、T-107が突然動作し始めました。
 ・周波数表示が出現してFM放送を受信します。
 ・Sメーターが大きく振れてSTEREOランプ点灯、正常動作です。
 ・これで直ったのかな??と思ったら、、
 ・数分後にSメーターが振れなくなり音声出力が消える、、その後周波数表示も消える、、
 ・最初に依頼者様にお聞きした症状(1)~(4)がここで確認できました。
 ・こうなると X101(7.2MHz)の故障か、あるいはTC9147BP自体の故障か?
 ・部品取り機(SANSUI TU-S707X)の水晶発振子とTC9147BPを取り外す。
 ・まずは水晶発振子を T-107 に移植したところ、
 ・何と! T-107が正常動作を始めました。
 ・18時間連続動作、電源コードを抜いて48時間放置、その後の確認でもOKです。
 ・水晶発振子の故障は初体験です。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・MUTING OFF
 ・FILTER OFF
【VT電圧】
 ・J138~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → OSCコイル調整 → 3.0v
 ・90MHz → OSCトリマ調整 → 20.0v
【RF調整】
 ・76MHz 40dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 40dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 40dB → IFT調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・D8後方端子 電圧計セット
 ・83MHz 80dB → T2調整 → 0v ※T2を左右に回して0vの中間位置に設定
【IF GAIN調整】
 ・83MHz 80dB → VR1調整 → NORMAL/NARROWでSメーター振れ同じ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz 20dB → VR2調整 → Sメーター= 20
 ・83MHz100dB → VR3調整 → Sメーター=100
【MUTING調整】
 ・MUTING ON
 ・83MHz 20dB → VR4調整 → MUTINGオン
【STEREO歪調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(ST,80dB)→ フロントエンド内IFT調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz(R/L信号,1kHz 80dB)→ VR5調整 → もれ信号最小


17330_0

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・回路図やその他資料が入手できないのでちょっと苦戦しました。
 ・でもその分とても勉強になりました。
 ・シャンパンゴールドのフロントパネルがカッコイイです。
 ・メモリーボタンのサビがちょっぴり残念、、

Acct10711

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コメント

この度は修理していただき誠にありがとうございました。
到着以来、快調にいい音を聴かせてくれています。長年の願いが叶いうれしい限りです。
故障原因が今までにない箇所であったとのこと、大変お手間をお掛けしました。
また、修理前にご報告した症状の謎も解明していただき、すっきりです。
色々ありがとうございました。

P.S.
復活を機にメモリーボタンを磨きます (^^;

その後安定して動作しているようで安心しました。
クリスタルの故障は初体験だったので、とても良い勉強になりました。
ありがとうございました。

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