フォト
2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

チューナー関連リンク

カテゴリー「ピュアオーディオ」の記事

2017年11月19日 (日)

Accuphase T-101 修理調整記録

 ・前回記事の続編です。
 ・前回修理から2週間ほどで音が出なくなる症状が再発したそうです。
 ・やはり不具合原因がどこかにある。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・再度お送りいただいて動作確認したところ、前回とは異なる不具合を次々に確認。

<不具合例>
 ・STEREOランプは点灯するものの、出てくる音が酷く歪んでいる現象。
 ・音は出るがSTEREOランプが消灯し、モノラルになる現象。
 ・前回同様に二つのメーターは振れるのに音が出ない現象。
 ・MUTINGをオフにすると受信するが、MUTINGオンでは音が出ない現象。
 ・なぜこんなにも多くの不具合が出てくるか??

Accut10170 Accut10171 Accut10172 Accut10173 Accut10174
Accut10175 Accut10176 Accut10177 Accut10178 Accut10179

<原因究明>
 ・回路図に記載のある電圧値に基づいて各部電圧測定。
 ・前回はテスター棒の先端をMPX基板11番端子にあてた瞬間に直りましたが、
 ・今回も同様にMPX基板の11番端子のテスター棒を当てて、、残念、変化なし。
 ・調査過程でMPX基板8番端子の電圧が1V~3Vで不規則に変動し安定しない症状を確認。
 ・MPX基板8番端子=IF基板1番端子
 ・IF基板1番端子も1V~3Vで安定しない。
 ・IF基板1番端子=IC6(TA7061)8番端子=約4Vで安定している。
 ・どうやら基板を接続するコネクタ部の接触不良が怪しいかも?
 ・試しにIF基板とMPX基板を繋ぐコネクタピンを外してみる。
 ・このコネクタピンは裏側から引き抜ける構造でした。
 ・基板のハンダを確認したところハンダ不良なし。
 ・ということは、コネクタピンとソケット部の接触不良が原因か?
 ・裏側からコネクタピンを引き抜き、一本ずつ洗浄。
 ・コネクタピンの抜き差し作業を各50回繰り返す。
 ・再設置して電源オンしたところ、正常にステレオ音声が出ました。
 ・IF基板とMPX基板にある計5個のコネクタを外して同様に処置。

Accut10180

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・原因は基板同士を接続するコネクタピンの接触不良だったようです。
 ・処置後は安定して動作しています。たぶんこれで大丈夫でしょう。
 ・青色に浮かび上がる周波数窓が美しい、、見惚れてしまいます。

Accut10110

2017年11月12日 (日)

YAMAHA T-1 修理調整記録2

 ・2017年10月、バリコンチューナーT-1の調整作業を承りました。
 ・この時期のヤマハ製チューナーはシンプルなデザインが魅力です。
 ・以下、作業記録です。

Yamaha_t117

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-1 ¥60,000円
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-1 ¥60,000 (1977年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-1
 ・YAMAHA T-1 取扱説明書 (PDF形式)
 ・YAMAHA T-1 回路図

Yamaha_t102 Yamaha_t113

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはキレイです。キズは見当たりません。
 ・天板も艶があって光っています。天板後部に僅かに引っかきキズ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。エメラルドグリーンの美しい照明点灯。
 ・指針の照明、メーター照明も点灯。タマ切れなし。
 ・DXインジケーター点灯、STEREOランプ点灯。
 ・名古屋地区のFM局を+0.3MHzの周波数ズレで受信。
 ・FM/AMとも不具合は無さそう。
 ・ただ、メーター針の塗装がボロボロ状態。

Yamaha_t103 Yamaha_t104 Yamaha_t105 Yamaha_t106 Yamaha_t107
Yamaha_t101 Yamaha_t112 Yamaha_t114 Yamaha_t115 Yamaha_t116

■内部確認-----------------------------------------------------------

Yamaha_t120 Yamaha_t121 Yamaha_t122 Yamaha_t123 Yamaha_t124
Yamaha_t125 Yamaha_t126 Yamaha_t127 Yamaha_t128 Yamaha_t129
Yamaha_t130 Yamaha_t131 Yamaha_t132 Yamaha_t133 Yamaha_t134
Yamaha_t135 Yamaha_t136 Yamaha_t137 Yamaha_t138 Yamaha_t139
Yamaha_t142 Yamaha_t143 Yamaha_t144 Yamaha_t145 Yamaha_t146

■修理記録:メーター指針再塗装---------------------------------------

 ・TメーターとSメーターの指針を見ると塗料がボロボロ状態。
 ・この時期のヤマハ製チューナーに共通の症状です。
 ・メーターを分解してタッチペンで赤く塗り直しました。
 ・詳しい手順と注意事項は 1号機記事 参照

Yamaha_t150 Yamaha_t151 Yamaha_t153 Yamaha_t154 Yamaha_t156

■調整記録-----------------------------------------------------------

Yamaha_t1

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点へ
【FM OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → Sメーター最大
 ・83MHz調整 → IFT 調整 → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
 ・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【IF歪調整】
 ・83MHz受信 → VR201,CF201,CF204調整 → 高調波歪最小
【FM-Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR202 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・83MHz Pilot → VR204調整 → 19kHz
 ・83MHz SUB信号 → VR205調整 → Lch信号レベル最大
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz受信 → VR203、T206調整 → 19kHz漏れ信号最小、左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ受信 → VR206調整 → セパレーション最大
【REC CAL確認】
 ・REC CAL 287Hz -3dB ※確認のみ

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障箇所は無かったです。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・エメラルドグリーンに映える周波数窓、うっとりしていつまでも眺めていられます。

Yamaha_t111

2017年11月 5日 (日)

KENWOOD L-03T

 ・2017年10月初め、L-03Tの修理調整を承りました。
 ・中身はKT-2200と同じと分かっていますが、L-03T実機に触れるのは初体験。
 ・以下、作業記録です。

Kenwood_l03t06

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-03T ¥120,000
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-03T ¥120,000 (1983年発売)

Kenwood_l03t02 Kenwood_l03t11

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観の状態はあまり良くない。
 ・フロントパネルの角に打ちキズ多数、ボディも汚れた感じ。
 ・背面のFMアンテナ端子が陥没している。
 ・音声出力端子が外れているのか?端子がグラグラしている。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、指針が赤く点灯。
 ・名古屋地区のFM局受信OK。-0.2MHzほどの周波数ズレ。
 ・IF BAND切替OK、RF切換OK。MUTING動作OK。
 ・STEREOランプ点灯、SERVO LOCK動作もOK、DEVIATIONメーターOK
 ・ところがLchの音が出ない。REC CALトーンもLchの音が出ない。
 ・グラグラのLch端子に触れると音が出る。
 ・これは接触不良がありそう。

Kenwood_l03t01 Kenwood_l03t03 Kenwood_l03t04 Kenwood_l03t05 Kenwood_l03t09
Kenwood_l03t10 Kenwood_l03t12 Kenwood_l03t13 Kenwood_l03t14 Kenwood_l03t15

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・音声出力端子のプラスチック部分が割れている。
 ・FMアンテナ端子も同様に破損。
 ・どちらも無理な抜き差しが原因と思います。
 ・まずは端子の修理から着手。

Kenwood_l03t20 Kenwood_l03t21 Kenwood_l03t22 Kenwood_l03t23 Kenwood_l03t25
Kenwood_l03t26 Kenwood_l03t27 Kenwood_l03t28 Kenwood_l03t29 Kenwood_l03t30
Kenwood_l03t31 Kenwood_l03t32 Kenwood_l03t33 Kenwood_l03t34 Kenwood_l03t35_2

■修理記録:アンテナ端子交換-----------------------------------------

 ・相当無理な力が加わったらしく、FM75Ω端子が陥没しています。
 ・これは交換するしかないです。
 ・背面パネルから外してみたらプラスチック部分が割れてました。
 ・ジャンク箱にあった同型端子と交換。

Kenwood_l03t50 Kenwood_l03t24_2 Kenwood_l03t51 Kenwood_l03t53 Kenwood_l03t52

■修理記録:マルチパス端子、音声出力端子補修-------------------------

 ・マルチパス端子と音声出力端子は同一ユニット部品です。
 ・内側から見るとプラスチック製台座部分が見事に割れています。
 ・FMアンテナ端子同様に無理な力が加わったみたいです。
 ・ジャンク箱に同型部品はありましたが、ただ金メッキ端子の部品が無い。
 ・L-03Tの高級感を保つために金メッキ端子は残しておきたい。
 ・ということで、割れたブラスチック部品を強力接着剤で固める。
 ・さらにヒビ割れに沿って補強部品を強力接着剤で固定しました。
 ・端子はピカールで磨いておきました。

Kenwood_l03t40 Kenwood_l03t41 Kenwood_l03t43 Kenwood_l03t45 Kenwood_l03t46

■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・Σ回路以外はKT-2200と同じ。調整方法もKT-2200を共通です。

L03t

【機器の設定】
 ・RF=DISTANCE
 ・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
 ・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16右側)周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
    → Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP R163上側に周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%

■試聴---------------------------------------------------------------

Kenwood_l03t07

 ・ちょうど同時期にKT-2200の調整作業を行っていました。
 ・KT-2200とL-03Tを並べた記念写真です。
 ・外寸、内部構成、は全く同じ。違いはΣドライブ回路と銅メッキシャーシ。

L03tkt220009

L03tkt220001 L03tkt22000
L03tkt220002 L03tkt220003 L03tkt220004 L03tkt220005 L03tkt220006

2017年10月29日 (日)

TRiO KT-2200 修理調整記録2

 ・2017年8月、KT-2200の故障品を寄付していただきました。
 ・外観は KT-1100 とソックリ、でも中身は KENWOOD L-03T と同じ。
 ・以下、作業記録です。

Kt220008

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 TRiO KT-2200
 ・オーディオの足跡 TRiO KT-2200 ¥99,800円(1983年頃)
 ・KT-2200 取扱説明書 PDF形式

Kt220002 Kt220010

■動作確認------------------------------------------------------------

<ご指摘の不具合状況>
 ・周波数ズレ大きい
 ・低い周波数の時にステレオランプが点灯したりしなかったり
 ・点灯してもステレオにならない

<確認事項>
 ・とてもキレイな個体で、フロント・ボディともキズはほぼ見当たらない。
 ・電源オン。二つのメーター照明点灯。赤い指針点灯。
 ・RF DISTANCEで名古屋地区のFM放送を受信OK。
 ・同調後にチューニングつまみから指を離すとサーボロックランプ点灯。
 ・+0.2MHzほどの周波数ズレ。IF BAND切替OK。
 ・ご指摘通りSTEREOランプが点灯しない。
 ・聴感上もステレオ感がない。
 ・RF DIRECTにするとSメーターの振れが弱くなるがFM局受信はOK。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・REC CAL音OK。SメーターとDEVIATIONメーターの切替OK。
 ・MUTING動作OK。スライド式VRでMUTINGレベル可変OK。
 ・固定/可変出力OK。可変VRにガリなし。マルチパスH端子からも音声確認。
 ・インジケーター類すべて点灯。基本動作OK。
 ・問題はSTEREOランプが点灯しないこと。

Kt220003 Kt220004 Kt220005 Kt220006 Kt220007
Kt220001 Kt220011 Kt220012 Kt220013 Kt220014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連AM3連バリコン搭載。※AMバリコンは未使用
 ・IF段に多くのコイルが並んでいます。
 ・TR7040:MPX-IC KT-1100にも同じICが使われている。

Kt220020 Kt220021 Kt220022 Kt220023 Kt220024
Kt220025 Kt220026 Kt220027 Kt220028 Kt2200291

■調整記録------------------------------------------------------------

【機器の設定】
 ・RF=DISTANCE
 ・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
 ・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16右側)周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
  ※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
    → Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP R163上側に周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
 ・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%

Kt2200algn

<調整結果>
 ・部品の故障はなかったです。
 ・VCO調整によってSTEREOランプが点灯しステレオ受信できました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・発売当時、このフロントマスクはずいぶん斬新なデザインだと思いました。
 ・美しい照明窓は無いけれど、バリコンチューナーの未来形という感じでした。
 ・ただ、残念ながらバリコンチューナーに未来は無かった、、

Kt220009

2017年10月22日 (日)

Accuphase T-101

 ・2017年9月、アキュフェーズT-101の故障品をお預かりしました。
 ・1974年発売、FM専用チューナーの高級機です。
 ・今回初めて実機に触れる機会をいただきました。
 ・以下、作業記録です。

Accut10110

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine  Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版) ※同梱していただいた取説をPDF化しました。

Accut10101 Accut10112

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗。きっと大切に使われているんでしょう。
 ・重量11kg、持ち上げるとアンプ並みに重い。
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる。
 ・75Ω同軸ケーブルをアンテナ端子に接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM放送を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる。
 ・マルチパスメーターもそれなりに動いている。
 ・三つのメーターの動き方を見ると正常に受信しているようです。
 ・しかし固定/可変出力とも全く音が出ない。
 ・マルチパスH端子、FM DET OUT端子からも音声が出てこない。
 ・MUTINGオフの状態で離調しても局間ノイズが聞こえない。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・IFバンド切替、MUTING切替などのインジケーターが点灯しない。
 ・依頼者様によると、使用中に突然インジケーター消灯し音が出なくなったそうです。
 ・これは電源回路が怪しいか?

Accut10102 Accut10103 Accut10104 Accut10105 Accut10108
Accut10113 Accut10114 Accut10115 Accut10116 Accut10118

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・ブロックごとに配置された基板、その基板上に整然と並んだパーツ類。
 ・さすが高級機、という感じです。
 ・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波

Accut10120 Accut10121 Accut10122 Accut10123 Accut10124
Accut10125 Accut10126 Accut10127 Accut10129 Accut10130
Accut10131 Accut10134 Accut10135 Accut10137 Accut10138
Accut10139 Accut10140 Accut10141 Accut10142 Accut10143
Accut10144 Accut10145 Accut10146 Accut10147 Accut10148
Accut10149 Accut10150 Accut10151 Accut10152 Accut10153

 ・MPX-IC:TA7156P → パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・TA7156P のデータシートは見つかりません。
 ・しかし状況証拠から TA7156P=MC1310P(LM1310N、LM1310P)です。
 ・MC1310 と MC1310P の違いは不明ですが、
 ・ようやく東芝製互換品に巡り合えました。

Accut10135_2

【MC1310互換品】
 ・PA1310BA1310SN76115、HA1156、LM1310、CA1310、AN115、、、

■修理記録:音が出ない原因を探る---------------------------------------

【症状】
 ・Sメーター、Tメーターは正常に動作している。
 ・マルチパスメーターも動いている
 ・ということは、検波回路までは正常
 ・でもマルチパスH端子(FM DET OUT端子)から音が出ない
 ・ミューティング回路が動作していない
 ・フロントパネルのスイッチに連動したインジケーター(電球)が点灯しない

Accuphase_t101_sche

 ・まずは電源回路から調査開始
 ・電源基板 6番端子:+16v   / 実測 16.2v ※異常なし
 ・電源基板 7番端子:-16.2v / 実測-16.7v ※異常なし
 ・電源基板 8番端子:+7.0v  / 実測 6.96v ※異常なし

 ・続いてMPX基板の7vラインを点検。
 ・フロントパネルのスイッチに連動したインジケーター(電球)が点灯しない、ということは
 ・MPX基板 11番端子:+7.0v を確認。
 ・電圧測定のためテスター棒の先端を11番端子に当てた瞬間!!
 ・「カチッ」リレー動作音が聞こえたと思ったら、、
 ・何とFM放送が聞こえてきました!!
 ・固定端子、可変端子ともFM放送が聞こえる。
 ・マルチパスH端子、FM DET OUT端子からもFM放送が聞こえる。
 ・STEREOインジケーターが赤く点灯。
 ・気が付けば、切換スイッチに連動したインジケーターが青く点灯している。
 ・離調時のMUTING動作OK、、
 ・さっきまでの不調が嘘のよう、、何故か?直ってしまいました。。

Accut10160 Accut10161 Accut10147_2 Accut10162 Accut10163

 ・その後、11番端子に再度触れても、ちょっと押しても正常動作を続けています。
 ・11番端子の接触不良では無さそう。
 ・何らかの理由でMPX基板の7V回路が動作していなかった?
 ・原因不明です?

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)

Accut101

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・私としては MC1310の東芝製互換品に巡り会えたことが大きな成果です。
 ・しかし不具合の原因は分からないままです。
 ・各部再調整して良い性能を取り戻したと思います。
 ・この状態でお返ししますので、引き続き動作確認をお願いします。
 ・不具合が再発した場合はご連絡ください。

Accut10111

■追記(2017年11月19日)------------------------------------------------

 ・不具合が再発しました。
 ・原因究明と対策は別記事にまとめました。

2017年10月15日 (日)

YAMAHA CR-400

 ・2017年8月、ヤマハ製レシーバーCR-400の修理を承りました。
 ・ステレオランプが点灯しない状態だそうです。
 ・ちょっと難航しましたが何とか作業完了しました。
 ・以下、作業記録を残します。

Yamaha_cr40006

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CR-400 \59,000(1974年頃)
 ・Hifi Engine Yamaha CR-400 FM/AM Receiver (1977)

Yamaha_cr40001 Yamaha_cr40011

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドボディに凹みやキズは無くとても綺麗な状態。
 ・フロントパネル、スイッチ、ツマミも光っている。
 ・外観は既に清掃済みのよう。
 ・電源オン、メーターと指針の照明点灯。
 ・300Ω端子に外部アンテナを接続してFM受信チェック。
 ・僅かな周波数ズレあるものの名古屋地区のFM局を受信。
 ・ただし、ご指摘の通りステレオランプが点灯しない。
 ・聴感上もステレオ感ない。
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さい。僅かに左右に振れる程度。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局受信OK。
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。
 ・音量調整VR、音質調整VRに僅かにガリ音あり。何度も回すうちに解消。
 ・プリアンプ部、パワーアンプ部は問題なさそう。
 ・問題はFM放送がステレオにならないこと。

Yamaha_cr40003 Yamaha_cr40004 Yamaha_cr40005 Yamaha_cr40008 Yamaha_cr40009
Yamaha_cr40013 Yamaha_cr40014 Yamaha_cr40015 Yamaha_cr40016 Yamaha_cr40017

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3蓮AM2連バリコン、セラミックフィルター、レシオ検波。
 ・上位機CR-600と比較すると、回路構成が随分シンプルになっている。
 ・LA3311:MPX用IC ※CR-600、CT-600と同じ。

Yamaha_cr40020 Yamaha_cr40021 Yamaha_cr40022 Yamaha_cr40023 Yamaha_cr40024
Yamaha_cr40025 Yamaha_cr40026 Yamaha_cr40027 Yamaha_cr40028 Yamaha_cr40029
Yamaha_cr40030 Yamaha_cr40031 Yamaha_cr40032 Yamaha_cr40033 Yamaha_cr40034

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ステレオランプが点灯しない原因はMPX部の調整ズレか?
 ・まずは輸出機用サービスマニュアルを参考にして各部調整してみました。

Yamaha_cr400

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大

 ※STEREO受信時、T302調整で19kHz信号を最大にできる
 ※しかしLA3311 13pinに38kHz信号が出現しない
 ※調整要領と回路図において T301とT302の記述が混乱している。
 ※ここでは以下の定義で記載します。
  T301=GE6069 (Yellow)
  T302=GE6056 (Orange)

【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ※そもそもステレオ分離できていないので調整不可
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大
【メインアンプ調整】
 ・アンプ基板 TP1~GND DC電圧計セット → VR601調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP3~GND DC電圧計セット → VR602調整 → 0V±30mV
 ・アンプ基板 TP2~TP1 DC電圧計セット → VR603調整 → 25mV±5mV
 ・アンプ基板 TP4~TP3 DC電圧計セット → VR604調整 → 25mV±5mV

Yanaha_cr400_sche

  ※VR603 基板上の印字はVR605
  ※MPX調整以外は調整完了。

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-------------------------------------

 ・調整ズレが原因ではなかった、、ということは部品故障か?
 ・STI(+)端子電圧 → 10.9V
 ・STI(-)端子電圧 → 11.3V ※STEREO/MONO時で電圧変化なし
 ・IC301:LA3311- 9ピン電圧=12.9V → OK
 ・IC301:LA3311- 4ピン電圧=10.9V → ST/MO 同値で変化なし
 ・IC301:LA3311-14ピン電圧=12.2V、周波数カウンタ19kHz確認
 ・IC301:LA3311-13ピン電圧= 3.2V、周波数カウンタ38kHz確認できず

 ・ステレオにならない原因はIC301:LA3311-13ピンに38kHz信号が出現しないこと
 ・回路図を確認しながらIC301周辺のトランジスタと電解コンデンサを交換
 ・TR105:2SC458 → 2SC1815Y ※BCE→ECB配列注意
 ・TR106:2SC458 → 2SC1815Y ※同上
 ・C122:1uF/25v → 1uF/50v
 ・C123:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C124:33uF/6.3 → 33uF/25v
 ・C302:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C304:4.7uF/25 → 4.7uF/50v
 ・C303:470uF/16 → 470uF/25v
 ・C318:47uF/6.3 → 47uF/25v

Yamaha_cr40050 Yamaha_cr40051 Yamaha_cr40052 Yamaha_cr40060

 ・以上のトランジスタ、電解コンデンサ交換でも改善なし
 ・38kHzが出現しない原因は IC30:LA3311自体の故障か?
 ・LA3311をネット検索しましたがどうやら新品入手は困難。
 ・LA3311は上位機CR-600と単体チューナーCT-600で見たことがあります。
 ・ジャンク機を探して部品取りするか?

■修理記録:CT-400入手-----------------------------------------------

 ・CR-600、CT-600のジャンク品をヤフオクで探していると手頃な価格のCT-400発見。
 ・MPX部はたぶんCR-400と同じだろう、、と予想してジャンク品ゲット。
 ・手元に届いて内部を確認したところ、予想通りMPX部の回路構成はほぼ同じ。
 ・ただ使われているICは LA3311ではなく LA3310でした。
 ・LA3311とLA3310の違いは何?

Yamaha_ct40001 Yamaha_ct40020 Yamaha_ct40021 Yamaha_ct40031 Yamaha_ct40032

■研究記録:LA3310とLA3311の違い-----------------------------------------

 ・LA3310搭載機種:YAMAHA CT-400
 ・LA3311搭載機種:YAMAHA CT-600、CR-600、CR-400
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を CT-400記事 にまとめました。
 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

■修理記録:LA3311→LA3310交換----------------------------------------

 ・若松通商 で LA3310(@294円)を発見。
 ・LA3311が見つからない状況なので、代替品としてLA3310を使ってみる。
 ・Vcc電圧に違いがあるようですが、とりあえずLA3310に交換。
 ・ICソケットを介してLA3310装着 → MPX部の再調整実施。
【MPX調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T302(GE6056)調整 → 19kHz信号最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz ST変調 → T301(GE6069)調整 → 38kHz信号最大
 ・13pinに38kHz信号が出現してSTEREOランプ点灯。
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
 ・めでたくステレオ分離できるようになりました。

Yamaha_cr40061 Yamaha_cr40063 Yamaha_cr40064 Yamaha_cr40065 Yamaha_cr40010

■修理記録:レシオ検波コア交換----------------------------------------

 ・当初から気になっていたのですが、
 ・Tメーターの振れ幅がとても小さく中点からわずかに左右に振れる程度。
 ・FM受信音の音声出力レベルがちょっと低い。
 ・レシオ検波コア(T101:GE6025)はダイオード+コンデンサ内蔵タイプ。
 ・このT101が劣化しているかも?
 ・ドナーCT-400に同じT101:GE6025があったのでCR-400に移植。
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。

Yamaha_cr40070 Yamaha_cr40071 Yamaha_cr40072 Yamaha_cr40073 Yamaha_cr40074
Yamaha_cr40075 Yamaha_cr40076 Yamaha_cr40077 Yamaha_cr40079 Yamaha_cr40080

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・二つのメーターを3個の電球でライトアップしています。
 ・正面から見て一番左側の電球が切れていました。
 ・ヤマハ製チューナーから部品取りした同じ電球に交換。
 ・微妙に明るさが違うかも? でも見た目が随分良くなりました。

Yamaha_cr40091 Yamaha_cr40092 Yamaha_cr40093 Yamaha_cr40094 Yamaha_cr40095

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・LA-3310 と LA3311 のVcc電圧の違いがちょっと気になります。
 ・LA-3310 を 12V電圧で使い続けて大丈夫か?という心配です。
 ・私のBGM環境に置いて1週間ほど酷使してみましたが今のところ問題なさそう。
 ・この状態でお返ししますので、引き続き動作確認をお願いします。
 ・再度不調になった場合は再修理を承ります。
 ・予想外に難航した修理作業でしたが LA3310とLA3311の違いが勉強になりました。

Yamaha_cr40007

2017年10月 8日 (日)

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録7

 ・2017年9月、333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・333ESシリーズの原点ともいえる名機です。
 ・以下、作業内容のご報告です。

333esxii04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02 333esxii11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板、フロントパネル、サイドウッドともほぼ無傷。
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが堆積している。
 ・オート選局で-0.2MHzの周波数で名古屋地区FM局を受信。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・FM放送は聴けるが、サ行の発音が割れる状態。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・チューニングつまみがグラグラ状態。

333esxii05 333esxii06 333esxii12 333esxii13 333esxii14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部清掃。
 ・復調回路IC:CX1064
 ・最終オーディオ回路LPF:アクティブ型

333esxii20 333esxii21 333esxii22 333esxii23 333esxii24
333esxii25 333esxii26 333esxii27 333esxii28 333esxii29
333esxii30 333esxii31 333esxii32 333esxii33 333esxii34

■修理記録:チューニングつまみ修正------------------------------------

 ・チューニングつまみがグラグラ状態。
 ・フロントパネルを外し確認。
 ・つまみの軸を固定するナットが緩んでいる。
 ・これをスパナで増し締めして完了。

333esxii40 333esxii41 333esxii42 333esxii43 333esxii44

■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・ハンダ面を確認してハンダクラックを数カ所発見。
 ・不具合としては発症していませんが予防措置としてクラック箇所を修正。

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.45V
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.9V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-625mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測63dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測66dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.2dB 298Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■修理記録・PLL検波 CT201交換----------------------------------------

 ・調整後の試聴で更なる不具合を確認。
 ・不定期に「ガサゴソ」という雑音が発生します。
 ・ゴキブリが紙の上を這っているような不快な音が音声に被る状態です。
 ・これは経験的にPLL検波回路にある CT201 の劣化が怪しい感じ。
 ・CT201(容量不明)を20PFの赤色トリマに交換。
 ・回路図やパーツリストにCT201の容量記載ありませんが 20pFでよさそうです。
 ・交換後、再度調整実施。
 ・1週間に渡って動作確認していますが不快な雑音は解消したようです。

333esxii50 333esxii51

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・再調整によってFM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・1987年発売、もう30年も前になるんですね、、
 ・当時は ESXII → ESG → ESA → ESJ → 5ES と新製品を買い替えていました。
 ・何ともバブリーなオーディオ全盛期でした。

333esxii03

2017年10月 1日 (日)

YAMAHA CT-400

 ・2017年9月、部品取り目的でジャンク品を入手しました。
 ・兄弟機のCT-800、CT-600はここで取り上げたことがあります。
 ・末っ子のCT-400は初体験。

Yamaha_ct40007

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA CT-400 ¥40,000(1976年頃)
 ・YAMAHA アンプ&チューナーカタログ 1975年11月版

Yamaha_ct40002 Yamaha_ct40010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディ全体に経年の汚れがあるが幸い目立つキズはない。
 ・クリーニングすればグッドコンディションに戻りそう。
 ・電源オン、二つのメーター照明点灯。
 ・あれ?指針の照明は無いのか?
 ・300Ω端子にFMアンテナを接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM局でSメーターとTメーターが振れて音声が流れる。
 ・僅かな周波数ズレ。STEREOランプ点灯。実際のステレオ感もあり。
 ・MONO/STEREO切替OK。MUTING作動OK。
 ・背面AMバーアンテナで名古屋のAM局受信OK。
 ・FM/AMとも特に不具合は無さそう。

Yamaha_ct40001 Yamaha_ct40003 Yamaha_ct40004 Yamaha_ct40005 Yamaha_ct40006
Yamaha_ct40009 Yamaha_ct40011 Yamaha_ct40012 Yamaha_ct40013 Yamaha_ct40014

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ウッドケースから引き出してみると中身は超スカスカ。
 ・スチール枠の上にチューナー基板、側面に小さな電源トランス。
 ・FM3連AM2連バリコン搭載ユニットは 同時期のレシーバー CR-400 と同じ。
 ・レシオ検波、LA3310 を使ったMPX回路。
 ・周波数窓を照らす電球なし、指針照明もなし。
 ・さすがコストダウン機。

Yamaha_ct40020 Yamaha_ct40021 Yamaha_ct40022 Yamaha_ct40023 Yamaha_ct40024
Yamaha_ct40025 Yamaha_ct40026 Yamaha_ct40027 Yamaha_ct40028 Yamaha_ct40029
Yamaha_ct40030 Yamaha_ct40031 Yamaha_ct40032 Yamaha_ct40034 Yamaha_ct40036

■調整記録-----------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・FM電波を受信しない状態
 ・T101(上段コア)調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Lo調整不可のため83MHzのみで調整
【フロントエンドRF調整】
 ・83MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 受信 → IFT → Sメーター最大
  ※LA,LR調整不可のため83MHzのみで調整
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 受信 → T101(下段コア)→ 歪最小
【19kHz調整】
 ・IC301 LA3311 14pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T302(GE6056)調整 → 19kHzレベル最大
 ・IC301 LA3311 13pin WaveSpectra接続
 ・83MHz Pilot信号 受信 → T301(GE6069)調整 → 38kHzレベル最大
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・83MHz ST変調 80dB 受信 → VR301調整 → 漏れ信号最小
【AM OSC調整】
 ・600kHz 受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCo(AM) 調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・600kHz 受信 → バーアンテナ → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCA(AM)調整 → Sメーター最大

Yamaha_ct400

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・白木のウッドケースにアルミパネルが良くマッチしています。
 ・外観は上記機 CT-600、CT-800とほぼ同じ雰囲気です。
 ・窓照明が無いことが残念ですが、FM/AMとも不満なく使えます。

Yamaha_ct40008

■研究:LA3310とLA3311-----------------------------------------

 ・実はMPX用IC:LA3311 を部品取りしようと思って入手したのですが、
 ・CT-400ではMPX回路に LA3310 が使われていました。
 ・上位機の CT-600 ではほぼ同じMPX回路に LA3311 が使われています。
 ・同時期のYAMAHA製レシーバー CR-400、CR-600でも LA3311 が使われています。
 ・LA3310 と LA3311 の違いは何だろう??
 ・データシートはどちらも見つかりません。
 ・サービスマニュアルや回路図中で見つけた情報を以下にまとめておきます。

Yamaha_ct40031_2LA3310 / YAMAHA CT-400 Yamaha_ct60027LA3311 / YAMAHA CT-600

 ・YAMAHA CR-200E(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la3_2

 ・Marantz 2215(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Marantz2215

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) 回路図より
Yamaha_la1_2

 ・YAMAHA CR-400(ステレオレシーバー) サービスマニュアルより
Yamaha_la2

 ・互換品情報
Yamaha_la4

 ・互換品情報によると LA3311=ECG1225、LA3310=ECG1230
 ・両者の内部構成は同じで Vcc電圧に違いがあるようです。
  ・CR-600 LA3311-9pin電圧=実測12.2V ※以前の調整記録より
  ・CR-400 LA3311-9pin電圧=実測12.1V ※実機確認
  ・CT-400 LA3310-9pin電圧=実測10.8V ※実機確認

2017年9月24日 (日)

CRAIG SERIES 5000

 ・2017年7月、CRAIG社製レシーバーの修理調整作業を承りました。
 ・クレイグ?? 耳慣れないメーカー名です。
 ・どんな機種なの?

Craig500011

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・CRAIG Electronics
 ・CRAIG History ※社史のページにSERIES5000の写真あり

Craig500002 Craig500004

 ・調べてみると CRAIG Electronics社は1963年創業のアメリカ企業。
 ・eBayで検索するとレシーバーやデッキなどオーディオ製品が多数ヒットします。
 ・ホームページで社史を見ると「SERIES 5000」の写真がありました。
 ・セットになるレコードプレーヤーやスピーカーもあったようです。

Craig500001 Craig500003 Craig500005 Craig500006 Craig500007

 ・本体サイズ:実測492(W)×138(H)×330(D)突起物含まず。電源電圧100V
 ・受信周波数帯 FM 76~90MHz、AM 540~1600kHz
 ・背面端子:PHONO、AUX、TAPE MON、TAPE REC、FM DETOUT
 ・スピーカーA/B 2系統。4本接続した場合マトリクス式4chとして使える。
 ・メーカー名や型番を記載したパネルは文字が消えて全く読めない。

Craig500013 Craig500014 Craig500015 Craig500016 Craig500017

 ・本機の背面には MADE IN JAPAN の印字、 FM周波数帯や電源電圧は日本仕様です。
 ・ということは、日本国内で生産された製品。
 ・依頼者様の情報によると「興北電気」という会社が国内で製造していたそうです。
 ・ネット検索しても詳細情報が見つかりません。

■動作確認+内部調査--------------------------------------------------

 ・上部ボディはウッドケース。
 ・本体を持ち上げて傾けると内部で「カラカラ」と何かが転がる音がする。
 ・音の正体を調べるため、通電する前にボディと底板を外して内部調査。
 ・「カラカラ」音の原因は電線を束ねるプラスチック部品の割れた欠片でした。
 ・基板上面は大量に堆積したホコリによって部品がまったく見えない状態。
 ・まずはホコリをエアーで吹き飛ばし、部品が見えるようにブラシで清掃。
 ・小さなフロントエンドFM3連AM2連バリコン →レシオ検波→アナログMPX。
 ・FM/AM回路に調整用VRが一つもない。

 ・電源コードの印字1974、電源に接続してPOWERオン。
 ・青緑色の窓照明点灯。指針照明点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・入力ソースを示す橙色インジケーター点灯。電球切れは無さそう。
 ・照明が点灯した雰囲気は1970年代前半のPIONEER製レシーバーとよく似ている。
 ・これはテンションが上がる!

 ・プッシュ式スピーカーターミナルのバネ機構が固着して動かない。
 ・これではスピーカーを接続したテストができない。
 ・とりあえずヘッドホン端子で音を聞きながら動作確認続行。
 ・300Ω端子にアンテナを接続、名古屋地区のFM放送局受信OK。
 ・赤色のSTEREOランプ点灯。聴感上のステレオ感もあり。
 ・本体内部に配置されたバーアンテナで地元AM放送局受信OK。
 ・TAPE端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK。
 ・AUX端子にCDプレーヤー接続、音出しOK。音質OK
 ・PHONO端子にレコードプレーヤー接続、音出しOK。音質はそこそこ。
 ・音量、バランス、BASS、TREBLE 各調整VRはスムーズに回る。僅かにガリ。
 ・ヘッドホン端子からの音出し確認OK。
 ・TAPE REC端子からも音出し確認OK。
 ・スピーカーからの音出し確認はできないものの各機能は動作している模様。

Craig500020 Craig500021 Craig500022 Craig500023 Craig500024
Craig500025 Craig500026 Craig500027 Craig500028 Craig500029
Craig500030 Craig500031 Craig500032 Craig500033 Craig500034

■修理記録:スぺーカーターミナル--------------------------------------

 ・プッシュ式スピーカー端子のプッシュ部分がビクとも動かない。
 ・バネ機構がサビて固着しているのか?
 ・まずは配線を外してターミナル基板を取り外す。
 ・基板から端子を取り外し、試しに1個を分解。
 ・固着原因はやはり錆でした。バラバラに分解してパーツを丹念に磨く。
 ・合計8個の端子を分解清掃して組み直しました。
 ・多少の引っ掛かり感はありますが、スピーカー接続ができるようになりました。

Craig500050 Craig500051 Craig500052 Craig500053 Craig500054

■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・スピーカーから音が出るようになったので、再度動作確認。
 ・音量、バランス、TREBLE、BASS各調整VRにガリ無し。
 ・ラウドネス、ハイ/ローフィルターの効果を確認。
 ・スピーカー4本をA/B両系統に接続すると、切り替えスイッチで疑似4chとして使える
 ・MAIN、REMOTE、MATRIX、BALANCE、それぞれインジケーター点灯。
 ・特に不具合なし、、これはもう奇跡的!!

Craig500040 Craig500041 Craig500042 Craig500043

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → T104(上段)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・指針を76MHz目盛り位置にセット
 ・76MHz受信 → L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC101調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TC102,TC103調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz 1kHz受信 → T102調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → T103調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 1kHz受信 → L104(下段)調整 → 高調波歪最小
【MPX調整】19kHz,38kHz調整
 ・WaveSpectraにて観察
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T108調整 → Lchレベル最大
 ・83MHz 1kHz SUB信号 → T109調整 → Lchレベル最大
 ※セパレーション調整VRなし → 左右chとも約40dB程度
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → T105,T107調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC OSC,TC ANT調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T106調整 → Sメーター最大
【アンプ部】
 ・Q201(E) → VR0201調整 → 0.6v
 ・Q202(E) → VR0202調整 → 0.6v
 ※とりあえず左右レベルを揃えただけ

Craig5000

【電波強度とSメーターの振れ具合】
 ・Sメーターが全く振れないレベルでもSTEREOランプ点灯しFM放送を受信できます。
 ・一般的な機種では、Sメーターの振れ具合を調整する半固定抵抗VRがあるのですが、、
 ・本機のFM回路はとてもシンプル構成で調整用VRが一つもありません。
 ・電波強度に応じた各種動作をまとめておきました。

Craig_50002_3

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・MUTINGレベル調整VR、Sメーター振れ調整VR、セパレーション調整VRなし。
 ・当時の価格は分かりませんが、たぶん入門機クラスと思われます。
 ・それでも2メーター装備のフロントマスクが高級感を醸し出しています。
 ・FMステレオではセパレーションは約35dBほど確保。
 ・各機能とも正常、特に不都合は感じません。
 ・これは大切に残しておきたい逸品ですね。

Craig500065 Craig500066 Craig500067 Craig500068 Craig500069

Craig500012

2017年9月17日 (日)

TRIO KT-7300

 ・2017年8月初め、TRIO KT-7300の修理調整作業を承りました。
 ・KT-7300の実機を見るのは初めてです。
 ・以下、作業記録です。

Kt730010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO アンプ・チューナー総合カタログ 1979年2月版
 ・Hifi Engine Kenwood KT-7500 AM/FM Stereo Tuner (1977-79) ※輸出機

Kt7300_2

 ※トリオ製品の輸出機型番がホントに分かりにくい
  ・国内機 KT-7300 → 輸出機 KT-7500
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300
  ・国内機 KT-7700 → 輸出機 KT-8300

Kt730001 Kt730003

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1977」。
 ・フロントパネルのデザインはKT-7700に似ている。
 ・でもチューニングつまみやスイッチレバーのデザインはKT-8000と同じ。
 ・外観に目立つキズなく保存状態は良さそう。
 ・FM用F型端子が無いのが残念。300Ω端子にアンテナ接続。
 ・電源オンで周波数窓の照明点灯。二つのメーター照明点灯、タマ切れなし。
 ・名古屋地区のFM放送局受信OK。STEREOランプ点灯。多少の周波数ズレあり。
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない。
 ・固定/可変出力端子ともOK。マルチパスH端子出力OK。
 ・IF BANDを切り替えて Narrow 受信にすると Sメーターの振れが大幅に弱くなる。
 ・そのせいか、NarrowではMUTING作動して音が出なくなる。
 ・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信OK。
 ・FM回路、特にNarrow側の IFアンプが劣化しているか??

Kt730005 Kt730006 Kt730007 Kt730012 Kt730013
Kt730014 Kt730015 Kt730016 Kt730017 Kt730018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連AM2連バリコン搭載フロントエンド
 ・IFバンド Wide/Narrow切換
 ・Wide側  CF1個×IFアンプ
 ・Narrow側 Wide + CF4個、IFアンプ(LA1222)追加
 ・HA1137W  FM IF System
 ・HA1196  PLL FM Stereo Demodulator
 ・HA1197  AM Radio Receiver System
 ・VR1:ミューティング調整(Wide)
 ・VR2:ミューティング調整
 ・VR3:Sメーター調整
 ・VR4:VCO
 ・VR5:セパレーション(Narrow)
 ・VR6:セパレーション(Wide)

Kt730020 Kt730021 Kt730022 Kt730023 Kt730024
Kt730025 Kt730026 Kt730027 Kt730028 Kt730029
Kt730030 Kt730031 Kt730032 Kt730033 Kt730035

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L4,T5調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND → Narrow
 ・アンテナ入力なし → L8(下段)調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Wide
 ・アンテナ入力なし → L3調整 → Tメーター中点
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 1kHz受信 → L8(上段)調整 → 高調波歪最小
【FM OSC調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・指針を83MHz目盛り位置にセット
 ・83MHz受信 → CT5調整 → Sメーター最大
  ※本来は90MHz→CT5、76MHz→T6
  ※T6はボンドで固められているので調整不可
【RF調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・90MHz受信 → CT4,CT3,CT2,CT1調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → T4,T3,T2,T1調整 → Sメーター最大
 ※受信感度が大幅に向上しました。
【MUTING調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 20dB → VR2調整 → MUTING作動位置
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 20dB → VR1調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 40dB → L3調整 → Sメーター振れ最大
 ・83MHz 80dB → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX VCO調整】
 ・R45後足 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR4調整 → 76KHz
【セパレーション調整】
 ・IF BAND → Narrow
 ・83MHz 60dB → VR5調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND → Wide
 ・83MHz 60dB → VR6調整 → 漏れ信号最小
【AM部】
 ・ 600kHz受信 → L11,バーアンテナ調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → CF6調整 → Sメーター最大

Kt7300 Kenwood_kt7500_sche

 ・当初はNarrow側の受信感度が大幅に低いのでIFアンプの故障を疑いました。
 ・でもRF調整によって受信感度が大幅アップし、Wide側との感度差は解消しました。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・動作確認時に懸念した故障箇所は無かったです。
 ・HA1137Wによるクアドラチュア検波、HA1196による復調回路。
 ・Wide、STEREO歪率0.08%、セパレーション左右とも約60dB。
 ・TRIO製チューナーとしては最小構成ですが、聴感上は全く問題なし。
 ・再調整の結果クアドラチュア検波の良い性能を取り戻したと思います。
 ・この美しい照明窓が癒しのひと時ですね。
 

Kt730011

より以前の記事一覧