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カテゴリー「ピュアオーディオ」の記事

2018年4月 1日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録4

 ・2018年1月初め、D-3300Tの故障機が届きました。
 ・某FM放送局でモニター用に使われていたものだそうです。
 ・これはある意味「由緒正しい」個体ですね。
 ・さて、作業内容をご報告します。

D3300t09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)

D3300t02 D3300t12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッド無し、側面を固定するネジ無し、底面の脚も無し。
 ・フロントパネルに白い番号シール、可変出力VRの目盛りに赤い目印シール。
 ・放送をモニターするため複数台のD-3300Tがラックに収まっていたのかな?
 ・放送局のモニタールームを妄想してしまいます。
 ・さて、アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部の文字数字が輝度劣化のため部分的に痩せて暗い。
 ・これは長期間に渡って同じ周波数を表示し続けていた証拠ですね。
 ・チューニングつまみの回転フィーリングがとても重い。
 ・もしかしたら回したことがほとんど無いのかも?
 ・地元FM局を受信しようとしたところ、
 ・オートチューニングでは局周波数をすべて素通りしてしまいます。
 ・Tuneメーター点灯しない、Signalメーターも点灯しない。
 ・RF切換 DIRECT / DISTANCE どちらでも受信しない。
 ・IF切換 WIDE / NARROW どちらも受信しない。
 ・マニュアル受信でも全く受信しない。
 ・Modulationを示す横バーが点灯しない。
 ・アンテナ端子B でも症状は同じ。
 ・REC CALトーンは一瞬音が出るがすぐに消える。
 ・これはなかなか手強そうです。

D3300t03 D3300t04 D3300t05 D3300t06 D3300t07

■原因調査------------------------------------------------------------

【電源部】
 ・長期間通電したまま酷使されていたという事からまずは電源部のチェック。
 ・電解コンデンサの液漏れやパンクなど目視で分かる不具合は無さそう。
 ・電圧の異常値は見当たらない。

【フロントエンド、RF部】
 ・VT電圧OK
 ・OSC発振周波数OK。IF信号は出ている。

【FM同調点】検波回路基板(X86-1020-00 B/3)
 ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧変化なし
 ・LA1231N-11ピン:Vcc → 15.1V OK
 ・LA1231N- 1ピン:IF IN → 10.7MHzOK
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力なし
 ・LA1231N-13ピン:S METER → 電圧なし
 ・同調コイルL9の内部コンデンサ容量抜け、またはLA1231N自体の故障か?

D3300t40_2

■修理記録:検波回路基板(X8601020-00 B/3)交換-----------------------

 ・検波回路基板(X8601020-00 B/3)を取り外す。
 ・実はD-3300Tの検波回路基板はKT-1100D、KT-V990、KT-7020と同じものです。
 ・そこで部品取り用にKT-7020を入手し、検波回路基板をD-3300Tに移植してみました。
 ・するとフロントパネルの表示管にTメーターとSメーター表示が出現!
 ・LA1231N- 6ピン:AF OUT → クアドラチュア検波出力OK、下記検波調整もOK。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 電圧ゼロ
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 電圧ゼロ
 ・まずは一歩前進ですが、音声出力端子からは非常に歪っぽい音が出てきます。
 ・一方マルチパスH端子からは正常な受信音声が聴こえます。
 ・さて、次はノイズ源の捜索。

D3300t40 D3300t41 D3300t42 D3300t43 D3300t46

■修理記録:ノイズフロアが異常に高い----------------------------------

 ・WaveSpectraで波形観察。
 ・マルチパスH端子からは正常な受信音が出ている。
 ・しかし音声出力端子からはノイズフロアが異常に高い音声が出てくる。
 ・REC CALトーンを出すと同様にノイズフロアが異常に高い。
 ・この現象の原因は電源系統のトランジスタか電解コンデンサの劣化か?
 ・まずは検波基板CN4-7ピンを辿って電解コンデンサ交換。
  ・C102 0.22uF/50V交換 → 効果なし
  ・C39 1uF/50V交換 → 効果なし
  ・C40,41 4.7uF/35V交換 → 当たり!
 ・原因は電源回路放熱板横にあるC40 4.7uF/35Vの劣化でした。
 ・音声出力端子、マルチパスH端子それぞれから正常な受信音が出るようになりました。

D3300t34

■修理記録:STEREOランプが点灯しない-----------------------------------

 ・次なる問題はステレオ放送受信時に「STEREO」ランプが点灯しないこと。
 ・実際に聴感上もステレオ感がない。
 ・VCO調整を実施してもTP(VCO)に76kHzが出現しない。
 ・IC17(AN7418S)周辺の電解コンデンサ交換
 ・C126 0.47uF/50V交換 → 効果なし
 ・C127 0.22uF/50V交換 → 当り! STEREOランプ点灯
 ・C127が短絡していました。
 ・ついでにMPX回路の電解コンデンサをすべて交換。

D3300t50

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.2V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V ※実測25.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測-0.51V
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV ※実測+0.48V
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■修理記録:オートチューニングで+0.1MHzズレる--------------------------

 ・上記調整方法で各部正常に調整できました。
 ・これで良し!と思って試聴を始めたところ思わぬ不具合発覚、、
 ・上り方向のオートチューニングではFM局周波数で正常に止まる。
 ・ところが下り方向では+0.1MHzズレた周波数で止まってしまう。
 ・メモリー選局すると検波調整はズレていない。
  ・TP10~TP11  L12(X86-)調整 → 正常
  ・TP16~TP17  L9 (X86-)調整 → 正常
 ・通電から1時間ほど経つと正常周波数で止まるようになる。
 ・コントロール部周辺の電解コンデンサー交換するも効果なし。
 ・この原因がよく分かりません。
 ・FM局をメモリーに登録し、メモリー選局すれば正常に使えます。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・かなり時間がかかりましたが、FM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって良い音が出ています。
 ・ただ、かなり劣化した表示部とオートチューニングの件がちょっと残念です。

D3300t08

■おまけ:D-3300TとKT-7020の基板比較----------------------------------

 ・検波回路基板と歪補正回路基板を並べてみました。
 ・検波回路基板は両者ほぼ同じ。
 ・歪補正回路を比べるとKT-7020は省略型。
 ・ただ基板は同じなので、部品を追加すればD-3300T同等の回路を作れるかも?

702005 702006

2018年3月25日 (日)

SONY ST-JX8

 ・2018年2月、ST-JX8の修理依頼品が届きました。
 ・依頼者様が発売当時に購入したワンオーナー品だそうです。
 ・これは何とか復活させたい、、
 ・以下、作業記録です。

Stjx809

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-JX8
 ・オーディオの足跡 SONY ST-JX8 ¥70,000(1981年発売)
 ・取扱説明書 日本語版、PDF形式

Stjx801 Stjx811

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも外観に目立つキズは無くとても綺麗。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。周波数表示が明るく点灯。文字痩せなし。
 ・早速オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたところ、
 ・全局とも放送周波数を素通りして受信不可。
 ・手動選局を試みると、Sメーターが最低レベルで点灯して受信OK。
 ・かろうじて受信できる程度なのでSTEREOランプ点灯しない。
 ・AM放送は背面バーアンテナで受信OK。
 ・どこか故障個所があるのか?それとも再調整だけで復活するか?

Stjx802 Stjx805 Stjx806 Stjx807 Stjx808
Stjx813 Stjx814 Stjx815 Stjx816 Stjx817

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・独立したフロントエンドユニット、レシオ検波
 ・LA1235:FM IF System
 ・uPC1223C:MPX System
 ・LA1245:AM Tuner System
 ・内部構成はST-J75とよく似た印象です。

Stjx820 Stjx823 Stjx824 Stjx825 Stjx826
Stjx821 Stjx822 Stjx827 Stjx828 Stjx829
Stjx830 Stjx831 Stjx832 Stjx833 Stjx834
Stjx835 Stjx836 Stjx837 Stjx838 Stjx839
Stjx840 Stjx841 Stjx842 Stjx843 Stjx844
Stjx845 Stjx846 Stjx847 Stjx848

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ネット検索ではST-JX8の資料が見つかりません。
 ・ST-J75の調整方法を参考にしながら調整手順を組み立てました。

【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP-CV → 電圧計セット
 ・76MHz → L5調整 → 7.5V ※確認のみ
 ・90MHz → TC5調整 → 21.7V※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・R228両端(IC201:LA1235横)電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT201調整 → 電圧0V±10mV ※実測-1.8V
【レシオ検波調整】
 ・TP-NULL~GND 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → IFT202(黒:左)調整 → 電圧0V±10mV ※実測+1.1V
 ・83MHz受信 → IFT202(赤:右)調整 → 歪率最小
【フロントエンド調整】
 ・IC201:LA1235-13ピン(またはJW51)電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 →  CT1~CT4,IFT101調整 → 電圧最大
  ※L1~L4がボンドで固められているので調整不可
  ※83MHzでCT1~CT4を合わせる方法で調整しました
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → RT201調整 → 受信できる位置
【Sメータレベル調整】
 ・83MHz 80dB受信 → RT203調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
 ・TP-76K(R307左足)~GND 周波数カウンタセット
 ・83MHz(無変調)→ RT302調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小
 ・83MHz(ST)→ L301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST-Lch)→ RT305調整 → Rch最小
 ・83MHz(ST-Rch)→ RT355調整 → Lch最小
【OUTPUTレベル調整】
 ・音声出力端子 TP62 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT305調整 → Lch 0.775V
 ・音声出力端子 TP64 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)受信 → RT306調整 → Rch 0.775V
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベル測定
 ・REC CALオン → RT202調整 → 音声出力レベル-6dB
 ※実測366Hz
【AM VT電圧調整】
 ・CT401 CT402
 ・L401 バーアンテナ
 ・RT401(AM SIG)電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・IFT401、IFT402
 ・RT402(AM MUTE)

Stjx8

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・精悍なフロントマスクがカッコいいですね。
 ・FM受信の問題は、経年変化によるFM同調点のズレが原因でした。
 ・同調点以外の各調整ポイントも大幅にズレていました。
 ・再調整によって現状でのベスト状態になったと思います。
 ・アンテナ環境のセッティングをいろいろお試しください。

Stjx810

2018年3月 4日 (日)

Victor JT-V45 修理調整記録3

 ・2018年2月初め、JT-V45の再調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Jtv4503

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR JT-V45 VICTOR ¥39,800(1976年頃)
 ・取扱説明書 PDF版

Jtv4502 Jtv4511

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。周波数窓の照明なし、指針先端だけが緑色に光るタイプ。
 ・二つのメーター照明点灯。Tメーター中央とSメーター最大が一致。
 ・-0.1MHz程度の周波数ズレ。
 ・STEREOランプ赤く点灯。MUTING動作OK。
 ・HI-BLENDでは高域が抑えられる効果確認。
 ・333HzテストトーンOK。ピンクノイズ発生機能OK。
 ・僅かな周波数ズレ以外は特に問題なさそうです。

Jtv4501 Jtv4504 Jtv4505 Jtv4506 Jtv4507

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・7連バリコン、HA1137W クアドラチュア検波、HA1156 PLL-MPX

Jtv4522 Jtv4523 Jtv4524 Jtv4525 Jtv4526
Jtv4527 Jtv4528 Jtv4529 Jtv4530 Jtv4531

■調整記録-------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・Sメーター電圧確認 HA1137W-13ピン → R159左側端子
 ・90MHz TC7,TC6、76MHz L110,L111
【フロントエンド調整】
 ・90MHz TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,
 ・76MHz L102,L104,L105,L106,L107
【検波調整】
 ・83MHz受信
 ・T102 → 高調波歪最小
 ・T101 → 高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・R165
【VCO調整】
 ・R179 TP 19kHz確認
【セパレーション調整】
 ・R313
【テストトーン調整】
 ・R332 333Hzレベル調整 -6dB
 ・R140 PINK NOISEレベル調整用
  ※R140は接着剤で強力に固められているので調整不可

Victor_jtv45algn

Victor_jtv45_bd

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・故障個所は無かったです。
 ・経年変化による調整ズレを修正しました。
 ・この状態でお返ししますので引き続き動作確認をお願いします。

Jtv4508

2018年2月25日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録3

 ・2016年9月、D-3300Tの修理調整作業をお引き受けしました。
 ・「正常に受信するが、出てくる音が歪っぽい」という症状です。
 ・調べたところ不調原因はMPX回路のIC17:AN7418Sの故障らしい。
 ・ところが交換用部品が見つからず、捜索開始から1年以上経過。
 ・最近になってようやくAN7418Sを入手できたので再開しました。
 ・以下、作業記録です。

3300d07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)

3300d02 3300d09

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は光沢ツヤがあってとても綺麗、新品みたいな状態です。
 ・フロントパネル、ボディ、サイドウッドともにキズが見当たりません。
 ・さて、アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。輝度劣化や文字痩せは感じません。
 ・地元FM局を受信しながら点検。
 ・オートチューニングで名古屋地区のFM局を正常受信。
 ・IF BAND切替(WIDE/NARROW)切替OK。MUTING動作OK。
 ・ステレオランプ点灯。REC CAL信号OK。
 ・プリセットメモリや他のスイッチで接触不良(タクトスイッチ不良)なし。
 ・ご指摘の症状の内、受信感度が低いとは特に感じませんでした。
 ・音が歪っぽいと感じる点は同感です。
 ・信号発生器から基準音を送信、Wavespectraで確認してみました。
 ・モノラル受信では正常です。
 ・ところがステレオ受信では酷い高調波が出ています。
 ・これはMPX回路に故障箇所がありそうです。

3300d03 3300d04 3300d05 3300d11 3300d12

■調整記録:前半--------------------------------------------------------

 ・まずは一通り受信調整しようと試みました。
【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dBu)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dBu)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dBu)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,14dBu)→ VR1(X86-)調整 → STEREOランプ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,43dBu)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dBf) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz

 ●ここで問題発生
 ●STEREOランプが点灯するものの分離度は20dB程度。ラジオ並み。
 ●WaveSpectraで波形を見ると高調波歪が酷い状況。

D3300tbebore2

 ●回路図確認しながら基板上で信号を追う。
 ●MPX回路の電解コンデンサ交換するも改善なし
  ・C126:0.47uF/50V、C127:0.22uF/50V、C128:1uF/50V、C135:100uF/10V、C136:100uF/10V
 ●怪しそうなICを交換するも改善なし
  ・IC21:4560D、IC22,23:5532DD、IC16:MC1495L
 ●こうなるとMPX回路 IC17:AN7418S(基板裏面に実装)が怪しい?
 ・AN7418Sデータシートを見ると「カーラジオ用IC」と書かれています。
 ・AN7418Sを捜索したところ、米イーベイで@8.95ドルの出品がありました。
 ・ただ日本への送料を加味するとちょっと躊躇いますね、、
 ・国内では見つからないし、さてどうしたものか??

3300d51 3300d50 3300d102 3300d103 3300d53

■修理記録:AN7418S交換-----------------------------------------------

 ・着手から1年以上経った2017年12月末、別件修理に必要な部品をヤフオクで落札。
 ・その出品者(業者)さんに問い合わせたところ、何とAN7418Sを手配可能とのこと!
 ・早速お願いして2018年1月末に入手することができました。
 ・金額的に高いか安いかは分かりませんが他に方法は無いので納得です。
 ・2018年1月、D-3300Tの作業を再開。
 ・IC17:AN7418Sはちょうどフレームの真下にあるのでこのままでは作業がやりにくい。
 ・シャーシを分解してフレームを外した方が良いです。
 ・慎重に作業を進めてAN7418Sを交換完了。
 ・電源オン、きれいなFM音声が聴こえてきました、、良かった、、
 ・もう一度最初から調整作業のやり直し。
 ・酷かった高調波歪が消えて本来のグッドサウンドが聴こえてきました。

3300d104 3300d106 3300d108 3300d109 3300d110

■調整記録:後半------------------------------------------------------

【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dBf) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dBu)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dBu)→
   → L19(X05-)調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR4(X05-)調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR3(X05-)調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dBu)→ VR2(X05-)調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整によって本来の性能を取り戻したと思います。
 ・着手から1年5ヶ月、修理に要した時間の最長記録を更新しました(笑)

3300d06

2018年2月18日 (日)

TRIO KT-9900 5号機

 ・2018年1月初め、KT-9900の故障品が届きました。
 ・外観は綺麗な状態ですがTメーターが動かないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt990007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能

Kt990001 Kt990010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・背面に並ぶ端子類もサビやクスミは無くキレイな状態。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。音が出るまで約10秒。
 ・周波数窓照明点灯。メーター照明点灯。DIMMER機能OK。
 ・Sメーターは大きく振れるがTメーターは全く動かない。
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターそれぞれ動作OK。
 ・IF BAND(NARROW,NORMAL,WIDE)切替OK。緑色インジケーター点灯。
 ・MUTING(OFF,10dB,20dB)それぞれ動作OK。橙色インジケーター点灯。
 ・DLLインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・Tメーターが動かないこと以外は正常のようです。
 ・この原因究明から始めます。

Kt990002 Kt990003 Kt990004 Kt990005 Kt990006

■内部確認------------------------------------------------------------

Kt990020 Kt990021 Kt990022 Kt990023 Kt990024
Kt990025 Kt990026 Kt990027 Kt990028 Kt990029
Kt990030 Kt990031 Kt990032 Kt990034 Kt990035

■修理記録:Tメーター不動--------------------------------------------

 ・回路図を見るとTメーターはIC8:HA1137Wのメーター出力で動いています。
 ・Tメーター端子に電圧が出ていない。
 ・IC8:HA1137W 7ピン 10ピンの電圧が出ていない。
 ・つまりTメーター自体の故障ではない。
 ・IC8:HA1137W 11ピン Vcc電圧 14.2V OK。
 ・IC8:HA1137W 13ピン(Sメーター電圧)も電圧なし。
 ・IC8:HA1137W 6ピン クアドラチュア検波出力も音声なし。
 ・どうやらIC8:HA1137W自体の故障のようです。
 ・底板を外し、電源基板を外すとIC8:HA1137Wのハンダ面にアクセスできます。
 ・ICソケットを設置してジャンク品から取り外した中古HA1137Wに交換。
 ・これによってTメーターが動作するようになりました。

Kt990040 Kt990041 Kt990042 Kt990043 Kt990044

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて調整作業実施。
 ・→調整方法(1号機の記録)

Kt99001 Kt99002

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・残念ながらNHK-FMでは多重放送の影響がありました。
 ・曲間の無音部やクラシック番組のピアニシモ部で「サー」というノイズが気になります。
 ・ロックやポップスなどでは気にならないかもしれません。
 ・多重放送の影響がない民放局は良い音で受信できています。
 ・大型メーター、淡いオレンジ照明、フロントパネルのデザインは上品ですね。

Kt990008

2018年2月 4日 (日)

Accuphase T-101 修理調整記録3

 ・2018年1月、ウッドケースに納まったT-101が届きました。
 ・このウッドケースはとっても高級感があります。
 ・今回のMPX-ICは LM1310N でした。
 ・以下、作業記録です。

T10107

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine  Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版)

T10101 T10113

■動作確認--------------------------------------------------------------

 ・ウッドケース付きのT-101を初めて見ました。
 ・重厚なウッドケースは高級感たっぷり、目立つキズもなくとても綺麗。
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる。
 ・アンテナ端子に接続して動作確認。
 ・名古屋地区のFM放送を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる。
 ・マルチパスメーターもそれなりに動いている。
 ・三つのメーターの動き方は正常。
 ・固定/可変出力とも音声OK。マルチパスH端子、FM DET OUT端子も音声OK。
 ・MUTING動作OK、STEREOランプ点灯。
 ・特に不調箇所は無さそうです。

T10102 T10103 T10104 T10105 T10106
T10109 T10110 T10111 T10112 T10108

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波
 ・MPX-IC:LM1310N
 ・1号機 → TA7156P、2号機 → HA1156W、今回はLM1310N です。
 ・パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・1,2号機で接触不良があったコネクタ部分をチェックしました。
 ・今回の個体はとても綺麗で接触不良なし。
 ・念のためコネクタを抜いて接点を磨いておきました。

T10120 T10122 T10123 T10124 T10125
T10126 T10127 T10128 T10129 T10130
T10131 T10132 T10133 T10134 T10135
T10136 T10137 T10138 T10139 T10142

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)

T101

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・今回は LM1310N に遭遇しました。
 ・毎回新しい発見があって楽しいです。
 ・それにしてもウッドケースの重厚感、高級感、存在感が凄い!

T10108_2

2018年1月21日 (日)

PIONEER F-007 修理調整記録2

 ・2017年12月初め、機器整理のため久しぶりにF-007を出してきました。
 ・動作確認したところFM受信時に雑音が混入します。
 ・英文サービスマニュアルの読み直しと原因究明の記録です。

F00706

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-007 ¥95,000(1978)
 ・オーディオの足跡 Pioneer F-007 ¥95,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER F-28 ※輸出機サービスマニュアルあり

F00701 F00708

■クォーツロックシンセサイザー方式------------------------------------

 ・F-007の特徴は何といっても独特のクォーツロック方式です。
 ・サービスマニュアルの回路説明(英文)を読んで適当に意訳しました。

  ・周波数を刻んだ目盛板の奥にコードパターンが配置されている。
  ・指針のユニット内には9個のフォトトランジスタと2個のランプを内蔵。
  ・移動する指針ユニットがコードパターンを照らしフォトトランジスタが読み取る。
  ・読み取った情報でローカル発振周波数を指定する。
  ・水晶振動子の基準周波数とローカル発振周波数を位相比較しローカル発振周波数をロック。
  ・この方式で目盛りズレがなく高い精度のチューニングができ、周波数ズレも発生しない。
  ・ローカル発振回路はバリキャップ(可変容量ダイオード)を2個搭載したツインバリキャップ。
  ・2個のバリキャップは76.1~83.2MHzと83.3MHz~89.9MHz周波数範囲を分担する。
  ・分担する範囲を狭くすることでSN比を改善している。

F00750 F00751 F00752 F00753 F00754

■Parallel Balanced Linear Detector / PBLD ----------------------------

 ・パイオニアではこの検波方式を「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています。
 ・F-26以降では「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」とされます。

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3     250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円
  ・1978年 Pioneer F-007          95,000円

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。インジケータ類点灯。SメーターOK。ロックランプ点灯。
 ・STEREOランプ点灯し名古屋地区のFM放送を受信しました。
 ・問題なしか、、と思ったら、ときどき「ザザッ、ザザッ」と雑音が混入する。
 ・FM音声の上に雑音が被る感じ。
 ・IF BAND切替でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・雑音が発生するときにメーター動作や他のインジケーターに変化はない。
 ・やはり長期間放置していると不具合が出ますね。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド=5連バリコン+バリキャップOSC
 ・IF回路 WIDE / NARROW 切替
 ・M5109PR PBLD検波
 ・PA3001A クアドラチュア検波(同調点検出、Sメーター駆動)
 ・PA1001A PLL MPX
 ・PA1002A AF、MUTING動作

F00720 F00721 F00722 F00723 F00724
F00725 F00726 F00727 F00728 F00729
F00730 F00731 F00732 F00733 F00734
F00735 F00736 F00738 F00739 F00740

■修理記録:フロントエンド--------------------------------------------

 ・IF BAND切替でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続して波形観察。
 ・すると「ザザッ、ザザッ」という雑音に連動してノイズフロアが大きく変動する。
 ・制御用IC PA3001のクアドラチュア検波出力を直接聞いても同じ雑音が混入する。
 ・つまり雑音の発生源はフロントエンドか?

 ・まずは電源回路の規定電圧チェック。
 ・電源回路5番端子がフロントエンドの電源電圧になっている。
 ・この電圧が11.5V~12.0Vの範囲で変動し、この変動に合わせて雑音が混入している。
 ・5番端子の配線を外して電源回路単体で確認すると約12Vで安定している。
 ・5番端子の配線先はフロントエンド。ということはフロントエンドQ5/2SK61が怪しい?
 ・Q5/2SK61を取り外して確認すると3本の足が真っ黒です。
 ・交換部品が無かったので真っ黒になった足を丹念に磨いて汚れを落とす。
 ・特に足の付け根部分を短絡しないように丹念に清掃しました。
 ・この処置で雑音が発生しなくなりました。そういえば前回のF-007もQ5の故障でした。
 ・同様に同じ 2SK61を使っているQ6も同処置をしておきました。

F00760 F00722_2 F00723_2 F00770 F00772

■調整記録------------------------------------------------------------

【シンセサイザー基板】
 ・シンセサイザー基板から同軸ケーブルを抜く
 ・TP3 周波数カウンタ接続 → TC調整 → 10.2343MHz
 ・TP6 オシロスコープ接続 → 2ND,6TH調整 → 61.4MHz波形最大
 ・シンセサイザー基板に同軸ケーブル接続
 ・指針を76.1MHzにセット
 ・TP4 オシロスコープ接続 → LPF調整 → 399.8kHz方形波
【OSC VT電圧調整】
 ・TP9 電圧計セット
 ・指針を76.1MHzにセット → L6調整 → 1.07V
 ・指針を83.2MHzにセット → TC6調整 → 7.89V
【RF調整】
 ・SSG76.1MHz 30dB無変調 → L1~L5調整 → Sメーター最大
 ・SSG89.9MHz 30dB無変調 → TC1~TC5調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・SSG83.0MHz 30dB無変調 → T1調整 → Sメーター最大
【同調点調整】
 ・TP28~TP29間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T8調整 → 電圧ゼロ
【IF歪調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → T2調整 → 高調波歪最小
【IF中心周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → シンセサイザー基板TC調整 → 高調波歪最小
【PBLD検波調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → ※
 ※VR1を左右に大きく回し、音声が出現する範囲の中間位置にセット
【コンパレータ調整 DC Null】
 ・TP23~TP24間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 電圧ゼロ
【MUTING調整】
 ・83MHz20dB受信 → VR2調整 → ミューティング作動
【Sメーター調整】
 ・83MHz100dB受信 → VR3調整 → Sメーター100dBf
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL CHECKオン → VR4調整 → -6dBセット
【VCO調整】
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・83MHz変調オフ → VR1調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHzステレオ変調 → VR2,T1調整 → 19kHz成分最小
 ・左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHzステレオ変調 → VR3調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHzステレオ変調 → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小

F007

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・その後、フロントエンドのQ5,Q6は新品の2SK61を調達して交換しました。
 ・周波数ズレ皆無、気持ちよく同調します。
 ・歪率、セパレーションとも良い数値を示します。
 ・操作ボタンのサビ、ボディのサビが気になりますが仕方がない無いですね。

F00702

2018年1月14日 (日)

Accuphase T-101 修理調整記録2

 ・2017年12月、前回とは別のT-101故障機が届きました。
 ・今回はちょっと重症かも、、
 ・以下、作業記録です。

T10107

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine  Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
 ・取扱説明書(日本語版)

T10101 T10110

■動作確認--------------------------------------------------------------

【不具合症状】
 ・Sメーターが大きく振れてFM局を受信しているみたい、しかしTメーターが全く動かない。
 ・MUTINGオンでは音が出ない。
 ・MUTINGオフにすると受信音が聞こえるが、出てくる音が極端に小さい。
 ・STEREOランプが点灯しない。
 ・音が小さいと思ってアンプの音量を上げていると突然大音量になって超ビックリ!
 ・不具合症状が多岐に渡っている感じです。

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・FM専用4連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波
 ・MPX-IC:HA1156W
 ・前回の1号機は TA7156P でした。
 ・パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
 ・TA7156P=MC1310P(LM1310N、LM1310P)=HA1156W 

T10120 T10121 T10122 T10123 T10124
T10125 T10126 T10127 T10128 T10129
T10130 T10131 T10132 T10133 T10134
T10135 T10136 T10137 T10138 T10139

 ・1号機で接触不良があったコネクタ部分をチェック。
 ・すると基板を接続するコネクタの接点部分が何やら変色している。
 ・よく見ると金属部分を覆うように黒い物体が付着しています。
 ・爪楊枝の先端で突いてみると、塗料片のように剥がれる。
 ・何これ?
 ・コネクタ部分を指で触ってみると不具合症状がいろいろ変化する。
 ・不調原因は1号機と同様にコネクタ部分の接触不良みたいです。

T10150 T10151 T10153 T10154 T10155

■修理記録1:接点クリーニング------------------------------------------

 ・基板裏側からコネクタピンを引き抜く、、ところが固着していて抜けない??
 ・内部確認で見た接点の黒い物体を丁寧に剥がしてみる。
 ・何とかコネクタピン引き抜くと接点部分が黒く変色していました。
 ・先人が接点復活剤か何かを塗布したのでしょうか?
 ・接点部分をキレイに磨いてから繋ぎ直す。
 ・Tメーターが左右に大きく振れてSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING作動して動作OKになりました。
 ・T-101の弱点はこのコネクタ部分の接触不良ですね。

T10156 T10157 T10170 T10171 T10174

■調整記録-------------------------------------------------------------

・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)
【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

■修理記録2:接点直結化-------------------------------------------------

 ・上記調整調整中やその後の試聴中に当初の不具合症状が再発しました。
 ・本体を移動したり軽い振動があると接触不良が再発するみたいです。
 ・これは根本的な対策が必要です。
 ・あれこれ考えた結果、コネクタメス部品を取り外しコネクタピンと基板を直結しました。
 ・念のため巻いたワイヤをコネクタピンにハンダ付け。
 ・これであと30年は大丈夫でしょう?

T10172 T10175 T10176 T10177 T10183

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・接触不良の心配も無くなったので各部再調整しました。
 ・本体のシリアル番号を見ると、今回の2号機の方が番号がわずかに若いです。
 ・MPX IC → 1号機:TA7156P、2号機:HA1156W
 ・毎回新しい発見があって楽しいです。

T10108

2018年1月 7日 (日)

KENWOOD L-02T

 ・2017年10月、KENWOOD L-02Tの修理調整作業を承りました。
 ・1981年発売当時の定価30万円の超高級チューナーです。
 ・大卒初任給が10万円くらいだった頃ですから何と「給料3ヶ月分」です。
 ・実際に内部を見るのは初めてなのでとても勉強になりました。
 ・以下、作業記録です。

Kenwood_l02t17

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-02T FM STEREO TUNER \300,000
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-02T \300,000(1982年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood L-02T FM Stereo Tuner (1982-83)
 ・KENWOOD L-02T 取扱説明書 (日本語版、PDF形式)

Kenwood_l02t02 Kenwood_l02t04

■特長(取扱説明書より抜粋)-----------------------------------------

 FMチューナーでは、妨害電波を排除し受信したい放送電波だけを如何に正確に受信するか、という受信機としての基本性能と、オーディオ機器の一つとして如何に忠実に放送信号を再生し音質の良さを保つか、の相反する二つの性質をバランスよく設計しなければなりません。つまり、従来は音質の良さを中心に設計しますと混信などにより受信性能が悪くなり、逆に受信性能を中心にしますとオーディオ性能が得られにくいのが常でした。L-02Tでは以下に述べる画期的な技術を駆使することにより、この両性能の両立が達成されています。

混変調歪や大入力特性に優れた性能を持つダイレクトコンバージョンシステムを搭載したRFセレクター
 放送局の増加とともに、二信号による妨害(RF相互変調)や近接大入力局による妨害(混変調歪や感度の低下)が受信感度やイメージ妨害などの一信号特性よりも重視されてきます。本機ではこれらの対策として、入力信号をRF増幅部へ通さず直接ミキサー段へ入れるダイレクトコンバージョンシステムを採用(RFセレクターの DIRECT の位置)し、強電界地域では優れた音質が得られます。また、高感度が要求される遠距離局受信用の位置も併設(RFセレクターの NORMAL の位置)し、RFセレクターで受信する局の状態に応じた選択をすることができます。

ノンスペクトラムIFシステム ― 無歪IF回路
 IF段はFMチューナーでの歪発生の根源です。IF回路は目的の電波だけを通過させ、他の電波を排除するバンドパス特性回路です。故に今までのIF回路ではどんなに良い設計をしても、これにある帯域幅を持つFM信号が通過しますとどうしても信号が変形されて歪を発生していました。本機に採用のノンスペクトラムIFシステムは、バンドパスフィルターを通過させるFM信号を、あらかじめ変調幅を持たないノンスペクトラム波に変換し、十分な選択度を確保してから元のFM信号に戻すという画期的なシステムです。
 これにより高調波ひずみ率は0.004%(MONO、1kHz、WIDE)と、今までのものとは一桁違う(当社比)スペックが得られました。

ノンステップ サンプリングホールドMPX
 ダイレクトコンバージョンRF、ノンスペクトラムIFシステムと、当社オリジナル回路の開発により、極限ともいえる忠実コンポジット信号を得た本機では、ステレオ復調部にもメスを入れました。
 L-01Tに採用して音質の良さと性能では既に定評があるサンプリングホールドMPXをさらに改善し、キャリアリークフィルター無しでキャリアケージは実に60dB以上のスペックが得られています。本機では、キャリアリークを取るためのキャリアリークフィルターを通さずに、音質を損なうことなく直接ステレオ放送を楽しめます。

クリーンサブキャリア方式によるパイロットキャンセラー回路を採用、ビートディストーションを改善
 パイロットキャンセラー回路は、高域周波数特性、位相特性を犠牲にすることなく19kHzのパイロット信号を除去させることができますが、音質上の劣化をもたらすビートディストーションを悪化させる要因をもっています。
 本機では、クリーンサブキャリア方式の応用により、ビートディストーションを抑え音質の改善をはかっています。

完全同調を維持するサーボロックシステム
 チューナーとしての性能を最大限発揮するには、とらえた電波を確実にロック(固定)しておくことです。本機では、選局ツマミを回し同調後にツマミから手を離しますと、サーボロック回路が働き最良同調点にロックします。この状態では、温度や湿度変化による局部発振周波数の変動がなく、常に完全同調の状態を保つことができます。

Σ(シグマ)ドライブ オーディオ回路
 L-08C、L-08Mにて確立されたΣドライブ回路は、本機の出力信号(VARIABLE)の伝達を接続するプリアンプ部のTUNER端子まで正確に保証します。左右独立、±2電源によってバックアップされたオーディオ部からの出力信号は、出力コードによる性能劣化も無く、確実にプリアンプ入力となります。

■操作方法確認--------------------------------------------------------

 ・操作ボタンとインジケーターがたくさんあるので、まずは取扱説明書を読んで学習。
 ・アンテナ入力2系統(A/B)、固定出力(RCA)、可変出力(Σ)、マルチパス(H/V)。
 ・アンテナ切替(A/B)、RF切替(DIRECT/NORMAL)、IF BAND切替(WIDE/NARROW)。
 ・Tメーター目盛り → 離調周波数(100Hz,200Hz,300Hz,400Hz)が読み取れる。
 ・Sメーター目盛り → 電界強度110dBfまで読み取れる。上段:NORMAL、下段DIRECT。
 ・3つ目のメーターはデビエーションとマルチパスの切替式
 ・MUTINGはフロントパネル下のVRツマミによる連続可変式。作動点 → min 約25dBf、max 約70dBf。
 ・SERVO LOCK ON → 同調ズレがあっても正確な同調点に引き込む。
 ・SERVO LOCK インジケーターの動作
 ロックスイッチがONの状態で選局ツマミを回して希望局にダイヤル指針を合わせます。このとき、このインジケーターが点灯するようにツマミを調節してください。そして選局ツマミから手を離しますと、インジケーターはより明るく点灯し、FM受信が安定動作に移ったことを示します。
 ・LPF(ローパスフィルター)スイッチ → 38kHzサブキャリア除去(録音時のトラブル回避)
 ・REC CAL → 440Hz(FM50%変調)録音レベル調節
 ・QUIETING CONTROL / MONO   → モノラル受信
 ・QUIETING CONTROL / AUTO   → 電波強度に応じてL/Rのブレンド量を自動制御
 ・QUIETING CONTROL / STEREO → オートブレンド機能オフ、常に最大セパレーション確保
 ・チューニングスケール調整ネジ(本体左側面)→ ±2mmの範囲で指針位置を調整できる

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■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディサイズが予想以上に大きく重い。W480mm×D423mm、12.4kg。
 ・外観はほぼ無傷。アルミ製天板に光沢があってとても美しい。
 ・電源ケーブルは他のKENWOOD/TRIO製品と同じ。
 ・極太ケーブルとかインレット式とか、もう少し高級感があっても良かったのに、、残念、
 ・さて、アンテナA端子に75Ω同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・三つのメーターの照明点灯。指針だけが赤く浮かび上がる。周波数窓の照明無し。
 ・各種機能の動作状態を示す赤いインジケータ点灯。
 ・SERVO LOCK ON の状態で名古屋地区のFM局を受信するため操作してみる。
 ・選局ツマミを回して局周波数に近づくと SERVO LOCKインジケーターが薄く点灯。
 ・Tメーターで中点に合わせた後、ツマミから手を離すと同インジケーターが明るく点灯。
 ・82.5MHzの局周波数に対して指針位置82.6MHzで受信。
 ・STEREOインジケーター点灯、固定出力(RCA)端子からステレオ音が流れる。
 ・Sメーター目盛りが示す電界強度:LOCAL=約75dBf、NORMAL=約75dBf
 ・我が家のFM電界強度をほぼ正確に表示している。
 ・デビエーション/マルチパスメーターもそれなりに振れている。
 ・RF切替、IF BAND切替OK。MUTING作動OK。調整VRによるMUTINGレベル変化あり。
 ・QUIETING CONTROL MONO → モノラル受信OK。
 ・QUIETING CONTROL AUTO/STEREO → STREOランプ点灯。聴感上の違いが分からない。
 ・REC CALトーンOK。LPFスイッチによる効果は聴感上は分からない。
 ・短時間の動作確認では問題なさそうな感じです。
 ・Σ回路は未確認。

■不具合情報:SERVO LOCK インジケーターの点灯動作---------------------

<依頼者様からお聞きした不具合状況>
 ・同調時にサーボロックランプが薄く点灯する。
 ・その後、手を離しても薄く点灯したままで明るくならない。
 ・ボディを軽く叩くと明るく点灯する。
<本来の動作>
 ・取扱説明書の記載によると、
 ・ロックスイッチONの状態で選局ツマミを回して希望局にダイヤル指針を合わせる。
 ・希望局に同調すると SERVO LOCKインジケーターが薄く点灯する。
 ・この状態で選局ツマミから手を離すとインジケーターはより明るく点灯する。
 ・これはFM受信が安定動作に移ったことを示す。
<私の環境で確認した不具合状況>
 ・最初は問題なしと思いましたが、長時間使っていると次の不具合を確認しました。
 ・同調時にサーボロックランプが薄く点灯する。
 ・手を離すとより明るく点灯する。これは正常動作。
 ・ところがこの状態でしばらく使っていると、いつの間にか「薄点灯」になっている。
 ・ツマミに触れても点灯状態に変化なし。
 ・一旦離調して再度同調しても、薄く点灯するだけで手を離しても明るい点灯にならない。
 ・サーボロック回路に不具合がありそう?

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・天板は2枚構成。スライド式で後方へずらして外す。天板も側板も豪華なアルミ板。
 ・底板にKENWOODサービスの修理記録シールが2枚ありました。
 ・X00-2190-00:電源回路
 ・X01-1320-00:FM専用7連バリコン搭載フロントエンド
 ・X02-1210-00:IF回路基板
 ・X04-1150-00:MPX回路基板
 ・X13-3650-00:AF回路基板

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■修理記録1------------------------------------------------------------

 ・回路図を見ながらサーボロック関係の回路がある [X13-3650-0000] 基板を調査。
 ・IC5-7ピン電圧 → 通常7.4V 、ツマミにタッチすると-0.68V
 ・薄点灯状態では 7.4V → タッチを感知していない?
 ・IC5-5ピン電圧(規定値1.2V)→ 通常0.9V 、ツマミにタッチすると0.75V
 ・規定値1.2Vに対して実測0.9Vは低すぎるか?
 ・L1コイル調整(時計回り2回転) → 0.9V → 1.1V
 ・この状態で動作確認中。

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■調整記録-----------------------------------------------------------

【セッティング】
 ・QUIETING:AUTO
 ・IF BAND:WIDE
 ・REC CAL:OFF
 ・LPF:OFF
 ・MUTING:OFF
 ・ANT ATT:dB
 ・DE-EMPHASIS:NORMAL
【Sメーター調整 (1)】
 ・83MHz,60dBu,Dev0 → IF基板 L15調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整 (1)】
 ・83MHz,60dBu,Dev0 → IF基板 L12調整 → Tメーター中点
【トラッキング調整】
 ・76kHz,40dBu,Dev0 → FE基板 L1,L2,L3,L4,L5,L6,L13調整 → Sメーター最大
 ・90kHz,40dBu,Dev0 → FE基板 TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6調整 → Sメーター最大
 ・数回繰り返す
【Tメーター調整 (2)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・電波無し、指針83MHz位置 → IF基板 L7調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整 (2),(3)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・RF SELECTOR:DIRECT
 ・83MHz,45dBu,Dev0 → IF基板 VR2調整 → Sメーター 50dBf
 ・83MHz,65dBu,Dev0 → IF基板 VR4調整 → Sメーター 70dBf
 ・数回繰り返す
【Sメーター調整 (4)】
 ・83MHz,65dBu,Dev0 → IF基板 VR3調整 → Sメーター 70dBf
 ・数回繰り返す
【REC CAL調整】
・REC CAL:ON
・固定出力端子にAC電圧計セット → MPX基板 VR5調整 → -6dB
・430Hz
【VCO調整】
 ・83MHz,80dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR1調整 → STEREOランプが点灯する範囲の中間
【Pilotキャンセル調整】
・固定出力端子にSpaceSpectra接続
 ・83MHz,80dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR2,L1調整 → 19kHz成分最小
【オフセット(OFS)調整】
・IC10-7pin ~ GND DC電圧計セット
 ・83MHz,60dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR3 調整(Lch) → 0v ※実測+30mV
・IC19-7pin ~ GND DC電圧計セット
 ・83MHz,60dBu,Dev0,Pilot → MPX基板 VR4 調整(Rch) → 0v ※実測ー22mV
【マルチパスメーター調整】
 ・38kHz AM変調10%
 ・83MHz,60dBu,38kHz AM Dev10% → MPX基板 L16,L17,L18 調整 → マルチパスメーター最大
【歪調整(MONO)】
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz → IF基板 L1,L2,L3,L4,L5 → 高調波歪最小
【歪調整(STEREO WIDE)】
 ・83MHz,80dBu,1kHz±68.25kHz,SUB信号 → IF基板 L32(色なし) → 高調波歪最小
【歪調整(STEREO NARROW)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,80dBu,1kHz±68.25kHz,SUB信号 → IF基板 L34(色なし) → 高調波歪最小
【セパレーション調整(WIDE)】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,R信号 → IF基板 VR8 →  Lch 最小
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,L信号 → IF基板 VR10 → Rch 最小
【セパレーション調整(NARROW)】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,R信号 → IF基板 VR9 →  Lch 最小
 ・83MHz,80dBu,1kHz±75kHz,L信号 → IF基板 VR11 → Rch 最小
【SCA調整】
 ・DARC信号を入れて音声出力波形を確認 → 影響なし
 ・VR6(Lch),VR7(Rch)ノータッチ

L02t

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・サーボロックランプの点灯は正常になったようです。
 ・しばらく動作確認を続けましたが今のところ不具合は再発しません。
 ・ただ根本的な原因が他にあるのかもしれません。
 ・この状態でお返ししますので引き続きご確認ください。

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2018年1月 1日 (月)

Happy New Year 2018

 ・このブログを始めて早12年目を迎えます。
 ・気が付けばもうすぐ300万アクセスに到達しそうです。
 ・実は左サイドバーの一番下にこっそりカウンターを設置してあります。
 ・今後も相変わらずジャンクチューナー整備に精を出します。
 ・2018年が皆様にとって良い年になりますように。

20180101_2 2018年1月1日撮影 / 名古屋港

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