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カテゴリー「ピュアオーディオ」の記事

2017年5月14日 (日)

SONY ST-5130 初期型 3号機

 ・2017年3月末、ヤフオクで初期型ジャンク品を入手しました。
 ・オリジナルの取扱説明書が付属していたことが入手の動機です。
 ・商品説明によるとMUTINGスイッチをオンにすると音が出ないらしい、、
 ・以下、整備記録です。

Sony_st513005

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5130 ¥69,800(1972年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-5130 ※サービスマニュアル
 ・取扱説明書 (日本語版)
 ・製品カタログ 1971版

Sony_st513002 Sony_st513004

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く保存状態は良好。
 ・照明窓の内側に大量のホコリが積もっているが分解清掃すればキレイになりそう。
 ・背面パネルを見ると電源コードが新しいものに交換済み。
 ・とりあえず入手時の状態で電源オン。
 ・緑色照明が浮かび上がる、、でもガラス内部のホコリのせいで美しくない。
 ・若干の周波数ズレがあるものの名古屋地区のFM放送を受信。
 ・TメーターとSメーターは正常に振れている。
 ・ただSTEREOランプが点灯しない。聞いた感じでステレオ感なし。
 ・放送は受信するものの出てくる音がひどく歪んでいる。
 ・高調波ノイズがたっぷり乗っている感じ。
 ・説明通りMUTINGオフでは音が出るのにMUTINGオンにすると音が出なくなる。
 ・マルチパスH端子もMUTINGオンで音が出なくなる
 ・名古屋地区のAM局を受信。AMは問題なさそう。
 ・ヘッドホンの音量調整VRが不調。

Sony_st513001 Sony_st513008 Sony_st513009 Sony_st513010 Sony_st513011

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ内部は清掃済みのようでホコリの堆積も無く綺麗な状態。
 ・ほとんどの電解コンデンサーが交換済み。
 ・トランジスタとFETも一部交換済み。
 ・Q209,Q210:2SC633A → 2SC1815GR交換済み
 ・Q404:2SC634A → 2SC1815GR交換済み
 ・Q207,Q208,Q401,Q405,Q406:2SK23 → 2SK369交換済み

Sony_st513021 Sony_st513022 Sony_st513025 Sony_st513026 Sony_st513027
Sony_st513028 Sony_st513029 Sony_st513030 Sony_st513031 Sony_st513032
Sony_st513033 Sony_st513034 Sony_st513035 Sony_st513036 Sony_st513037

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・上記内部確認の過程で部品の交換ミスをいつくか発見。
 ・C223:1uF/50V → 3.3uF/50V
 ・C408:3.3uF/25V → 33uF/25V
 ・Q208:2SK369 → 取付方向が逆
 ・Q404:2SC1815 → 取付方向が逆

 ・2SK23の代替品として2SK369は特性がちょっと違いすぎるのでは?
 ・2SK23の代替品として確保してある 2SK107に再交換。

 ・Q207:2SK23→2SK369→2SK107 ※交換によってMUTING動作が正常になった
 ・Q401:2SK23→2SK369→2SK107 ※交換によって酷い高調波ノイズが消えた
 ・Q404:2SC634A→2SC1815→取付方向修正 ※修正によってSTEREOランプ点灯

Sony_st5130_sche2

■調整記録-----------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 → CT105,L105
 ・トラッキング調整 → CT101,CT102,CT103,CT104 / L101,L102,L103,L104
 ・IFT調整 → IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア → 検波調整
 ・T201下段コア → 高調波歪調整
【MUTING調整】
 ・T202 → D209電圧最大
 ・RT202 → MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT201 → FM Sメーター調整
【MPX調整】
 ・T401 → スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大)
 ・RT401 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・OSC調整 → CT302,T301
 ・トラッキング調整 → CT301,L801(バーアンテナ内コイル)
 ・RT301 → AM Sメーター調整

St5130

■しばらく使っていると同調点がずれる----------------------------------

 ・しばらく使っているとTメーター中点が徐々にずれる症状発生。
 ・電源オンから4~5時間経つと中点を外れてMUTINGが動作し音が出なくなる。
 ・この症状はレシオ検波コイル内のコンデンサ劣化が怪しいです。
 ・基板から取り外して金属カバーを開けてみると
 ・内部に小さなコンデンサが2個付いていました。
 ・ST-5150部品取り機に同型のコイルがあったのでこれを流用
 ・24時間連続受信してもTメーターはズレなくなりました。
 ・内部コンデンサの容量が分かりませんが、いずれ確かめておきます。

Sony_st513060 Sony_st513061 Sony_st513063 Sony_st513065 Sony_st513066

■メーター交換--------------------------------------------------------

 ・ST-5130オリジナルのメーターは照明を透過しないタイプです。
 ・同時期のST-5150では照明透過タイプのメーターが使われています。
 ・サイズと取り付け方法は同じなのでST-5150のメーターと交換。
 ・オリジナルの雰囲気を失いますが、視覚的には効果的です。
 ・ちなみにST-5150Dのメーターには「MULTIPATH」の文字があるので使えません。

Sony_st513042 Sony_st513043 Sony_st513044 Sony_st513045 Sony_st513007

■ヘッドホン音量調整VR交換--------------------------------------------

 ・VRを回したときのフィーリングに手応えなし、何というか、、スカスカな感じ。
 ・ヘッドホンで聞いてみるとRchの音量が変化しない。
 ・RV601,602 2連50kΩBタイプ → 部品取り機から流用

Sony_st513008_2 Sony_st513040_2 Sony_st513050 Sony_st513051 Sony_st513052

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・40年以上前の製品ですから部品劣化は避けられないですね。
 ・でも少し手を加えればまだまだ現役で使えます。
 ・オールドチューナーは美しい照明窓が最大の魅力です。

Sony_st513006

2017年4月30日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録

 ・2017年3月、D-3300Tの調整作業をお引き受けしました。
 ・作業内容をご報告します。

D3300t03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)
 ・取扱説明書 (国内版)

D3300t02 D3300t08

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。照度の劣化や文字痩せは感じません。
 ・地元FM局を受信しながら動作の確認。
 ・オートチューニング、マニュアルチューニングとも名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・周波数ズレなし。RF切換、IF切換OK。STEREOランプ点灯。
 ・Modulationを示す横バー点灯。
 ・REC CALトーンは動作しました。
 ・顕著な不具合は無さそうです。

D3300t04 D3300t05 D3300t06
D3300t09 D3300t10 D3300t11

■内部確認------------------------------------------------------------

D3300t20 D3300t21 D3300t22 D3300t23 D3300t24
D3300t25 D3300t26 D3300t27 D3300t28 D3300t29
D3300t30 D3300t31 D3300t32 D3300t33 D3300t34
D3300t35 D3300t36 D3300t37 D3300t38 D3300t39
D3300t46 D3300t41 D3300t42 D3300t43 D3300t45

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,20dB)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,50dB)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dB) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dB)→ L19(X05-)調整 → Lch最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR4(X05-)調整 → L信号もれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR3(X05-)調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X05-)調整 → R信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL 確認 407Hz -5.6dB
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から5番目のドットが点灯する位置

D3300t00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障箇所はありませんでした。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・黒いサイドウッドが渋い高級感を演出していますね。

2017年4月23日 (日)

SONY ST-S333ESJ 修理調整記録1

 ・2017年2月、333ESJの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

333esj09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESJ ¥55,000(1993年発売)
 ・Hifi Engine Sony ST-S707ES ? AM/FM Stereo Tuner (1993-94) ?

333esj01 333esj11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードが外されて3Pタイプのインレットに交換されています。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。名古屋地区のFM局の受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局とも名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・Sメーター点灯、STEREOランプ点灯、RF切換、IF切換、MODE切換OK。
 ・CAL TONE OK、MUTING動作OK。
 ・付属AMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信しました。
 ・CBCラジオ(1053kHz)ではSTEREOランプ点灯、AMステレオ放送対応機でした。

333esj07 333esj10 333esj12 333esj13 333esj14

 ・電源投入から1時間ほどは正常動作でした。
 ・ところがその後、FM放送受信中にSTEREOランプが点滅する症状が発生。
 ・点滅に同期して音が出なくなります。
 ・この時、Sメーターの振れに異常なし。
 ・RF切換やIF BAND切換に関わらず発生する。
 ・MUTING OFFに設定すると音が出る
 ・音声出力端子の接触不良では無い。

333esj02 333esj03 333esj04 333esj05 333esj08

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・改造は3Pインレットの交換だけのようです。
 ・MC13022DW:AM STEREO DECORDER

333esj20 333esj21 333esj22 333esj23 333esj24
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333esj30 333esj31 333esj32 333esj33 333esj34
333esj35 333esj36 333esj37 333esj38 333esj39
333esj40 333esj41 333esj42 333esj43 333esj44
333esj45 333esj46 333esj47 333esj49 333esj50
333esj60 333esj61 333esj62 333esj63 333esj65

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・音が出なくなる原因はMUTING機能が作動したことでした。
 ・IC251(LA1235)のFM同調点が-0.7Vと大きくズレていました。
 ・このため同調点が外れたと判定されてMUTING回路が作動したわけです。
 ・部品の故障ではなく、再調整で不具合は解消しました。
 ・アースバーのハンダを点検したところ、数か所でクラック発見。
 ・念のため出力端子のハンダも補修しておきました。

333esj64_2 333esj66 333esj67 333esj70 333esj71

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・部品番号はESGと全く同一です。

333esj

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-0.75V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.3V
 ・76MHz → 確認のみ →  8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103  → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をバイパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+320mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※WaveSpectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → MUTING調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.4dB 381Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整
 ・CBCラジオ(1053kHz)受信でSTEREOランプ点灯

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・安定してFM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって歪率、セパレーションとも大幅に改善しました。
 ・AMでは名古屋地区のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプが点灯します。
 ・CBCラジオはFM補完放送(93.7MHz)が始まってもAMステレオ放送を続けている希少局です。

333esj06

2017年4月16日 (日)

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録6

 ・2017年1月、ST-S333ESXIIの故障品をいただきました。
 ・外装の汚れ、効かないスイッチ多数、出てくる音はひどいノイズ、、
 ・これは修理を見送って部品取り機かな、と思ったら、
 ・何と、ずっと探していた LA3450搭載機でした。

333esxii07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02 333esxii11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・背面にAMループアンテナが装着されています。
 ・外観は全体に汚れがひどい。放熱口から覗くと内部は大量のホコリが堆積。
 ・アンテナを接続して電源オン、、あれ、、表示管が点灯しない、、
 ・起動しないのかと思った頃にようやく表示管点灯。
 ・表示部下に並んだ切り替えボタンの反応が鈍い、というかほぼ効かない。
 ・オートチューニングでは名古屋地区のFM局を素通り。
 ・マニュアルチューニングでは受信するものの、出てくる音は酷いノイズ。
 ・STEREOランプ点灯しない。出てくる音声にステレオ感なし。
 ・機能切換スイッチが反応しないのでこれ以上の動作確認不能です。

333esxii03 333esxii04 333esxii05 333esxii13 333esxii14

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部確認、、おお、、LA3450発見!
 ・復調回路にPLL-MPXのLA3450がありました。ようやく巡り合えました、、感激!
 ・通常のソニー製333シリーズのMPX部にはCX1064が搭載されています。
 ・333ESXIIにはLA3450が搭載されている個体があると知りずっと探していました。
 ・CX1064=LA3450
 ・これを見てガゼンやる気が出てきました♪
 ・最終オーディオ回路のLPFはアクティブ型でした。

333esxii34

333esxii20 333esxii21 333esxii22 333esxii23 333esxii24
333esxii25 333esxii26 333esxii27 333esxii28 333esxii29
333esxii30 333esxii31 333esxii32 333esxii33 333esxii36
333esxii37 333esxii35 333esxii39 333esxii40 333esxii42

■修理記録:タクトスイッチ交換----------------------------------------

 ・フロントパネルの表示部下に並んだタクトスイッチ10個交換。
 ・タクトスイッチサイズ(6mm×6mm、H=5mm)
 ・細かい作業なので、着手するには「やる気」が必要です。

333esxii64 333esxii60 333esxii61 333esxii62 333esxii63

■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・アースバーにハンダクラック多数発見。
 ・クラック箇所を修正しました。
 ・これは333シリーズに共通する弱点です。

333esxii42_2 333esxii50 333esxii51 333esxii52

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・タクトスイッチを交換したので切替ボタンの動作がとても軽快です。
 ・さて、オートチューニングで名古屋地区のFM局をサーチ。
 ・放送周波数よりも0.1MHzの同調ズレ。
 ・ひどい雑音は解消しており、とりあえずFM音声が聞こえてきました。
 ・STEREOランプ点灯しない。IF BAND切替OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・メモリー登録動作OK。メモリーボタン切替動作OK
 ・付属ループアンテナでAM放送も受信OK。
 ・あとは再調整で何とかなりそう。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

333esxii

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測615mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.0V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.8V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-7.5V
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測68dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-3.8dB 301Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・調整によってSTEREOランプが点灯しました。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・当初は部品取り用と思いましたが、
 ・タクトスイッチ交換、ハンダクラック補修、再調整で復活しました。
 ・やはり333シリーズ、特にESXIIはイイですね。

333esxii06

2017年4月 9日 (日)

SONY ST-A40

 ・2017年2月初め、ST-A40の再調整作業を承りました。
 ・HOジャンクコーナーで何度か遭遇したことがあるような気がします。
 ・初めて内部を見る機会をいただきました。

Sony_sta4010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-A40 ¥34,000(1979年頃)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-A35 ¥35,000(1980年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-A35 AM/FM Stereo Tuner (1980-81)

Sony_sta4002 Sony_sta4013

 ・A40/A35の説明文を読み比べると内容はほとんど同じ。
 ・海外サイトでST-A35の資料が見つかったので参考になりそうな予感です。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・経年の汚れはありますが、外観に目立つキズはありません。
 ・フロントパネルはほぼ無傷。状態は良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。指針照明点灯。
 ・スケール全体をライトアップする照明は無さそうです。
 ・多少の周波数ズレはあるものの、名古屋地区のFM局を受信。
 ・緑色5連LEDのSIGNALメーター点灯。
 ・ACCUTE SERVO LOCK点灯。左右にズレた位置では赤色LED点灯。
 ・同調点に強制的に引き込まれるような感じです。
 ・STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局も受信OK。
 ・FM/AMとも周波数ズレがありますが、故障箇所は無さそうです。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連フロントエンドユニット → CF3段
 ・IC201:LA1231N:クアドラチュア検波
 ・IC301:KB4437 :PLL MPX
 ・IC401:LA1240 :AM TUNER
 ・IC701:LB1416 :LED DRIVER

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 ・久しぶりに東光KB4437に遭遇しました。
 ・KB4437はSONY ST-J55/J60 でも使われています。
 ・KB4437=PA1001。
 ・PIONEER製チューナーではPA1001としてよく見かけます。
 ・Harman Kardon TU905 回路図にあったKB4437ブロック図を転載します。

Harman_kardon_tu905_kb4437_2

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ST-A40実機とST-A35回路図をじっくり比較しました。
 ・価格はほぼ同じですが、中身は ST-A40>ST-A35 でした。
 ・SERVO LOCK回路は共通。輸出機ST-A35の回路図が参考になりました。

Sony_sta40

【SERVO LOCK停止】
 ・IC601 JRC4558C-5ピン → GNDに落とす
 ・これによってSERVO LOCK機能停止
【FM同調点調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・TP-NULL 電圧計セット
 ・SSG83MHz送信 → 歪率が最小になる位置を探す ※実測82.8MHz付近
 ・IFT201(橙)調整 → TP電圧ゼロ
 ・IFT201(黒)調整 → 高調波歪最小
【FM OSC調整】
 ・OSC調整コイル:L103がボンドで固められており調整不能
 ・従って調整はCT103のみ。
 ・RT201 Sメーター調整VRに電圧計セット(Sメーター代用)
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → CT103調整 → 電圧最大
   ※CT103を83MHzに調整した場合
    ・76MHz → 76.2MHz
    ・83MHz → 83.0MHz
    ・90MHz → 89.6MHz
   ※CT103を90MHzに調整した場合
    ・76MHz → 76.2MHz
    ・83MHz → 83.3MHz
    ・90MHz → 90.0MHz
【FM RF調整】
 ・L101、L102はコイル間隔を調整するタイプ。
 ・これは上手く調整できないの今回はノータッチ。CT101とCT102のみ調整しました。
 ・RT201 Sメーター調整VRに電圧計セット(Sメーター代用)
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → CT101,102調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → T101調整 → 電圧最大
【FM高調波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz → IFT201(黒)調整 → 高調波歪最小
【SERVO LOCK停止解除】
 ・IC601 JRC4558C-5ピン → 解除
【Sメーター点灯調整】
 ・RT201
【MUTING動作点調整】
 ・RT202
【VCO調整】
 ・TP VCO に周波数カウンター接続
 ・SSG83MHz(無変調)→ 76kHz
【パイロット信号キャンセル】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz信号を最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz(ST)→ RT501調整 → 左右の漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベルを記録
 ・RT601調整 → -6dB設定
【AM OSC調整】
 ・SSG AM 600kHz → 指針 600kHz位置にセット → T401調整
 ・SSG AM1400kHz → 指針1400kHz位置にセット → CT402調整
【AM RF調整】
 ・SSG AM 600kHz → バーアンテナ内コイル調整
 ・SSG AM1400kHz → CT401調整
【RT203】
 ・RT203(FM) = LA1231N-6ピン
 ・検波出力レベル調整 最大にしておきました
 ・RT201:SIG
 ・RT202:MUT
 ・RT203:FM
 ・RT301:PILOT
 ・RT302:VCO
 ・RT501:SEP
 ・RT601:CAL

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・当時のソニーらしいお洒落なデザインですね。
 ・シンプルな構成ですがFM/AMとも不満無く使えます。

Sony_sta4011

2017年4月 2日 (日)

Technics ST-S6

 ・2017年1月、テクニクス製薄型チューナーST-S6のジャンク品をいただきました。
 ・見た目は ST-S8 とそっくりですが、さて、中身は?

Sts658

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-S6 ¥59,800(1981年発売)
 ・Hifi Engine Technics ST-S6 Quartz Synthesizer AM/FM Stereo Tuner (1981-82)

Sts602 Sts612

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装は随分汚れた状態。背面端子類も輝きを失っています。
 ・フロントパネルに並ぶシルバーのボタンが錆びている。
 ・とりあえずアンテナ線を繋いで電源オン。
 ・周波数表示がやや暗いか。オート選局で-0.1MHzの周波数ズレ。
 ・受信周波数 76.1MHz~89.9MHz。
 ・82.5MHzの放送局に対して82.4MHzで受信する。
 ・それでもSTEREOランプ点灯、Quartzランプ点灯。
 ・IF切替ランプ点灯、FM電波強度をdB表示できます。
 ・AMも問題なさそう。
 ・先日調整したST-S8によく似た感じです。

Sts653 Sts654 Sts655 Sts656 Sts657
Sts613 Sts614 Sts615 Sts616 Sts617

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部をると、何と ST-S8 と同じ基板です。
 ・違いは、、
 ・フロントエンド3段分省略、周波数を指針表示する機能なし。
 ・S8は豪華7連バリキャップ、S6は実用的な4連バリキャップ。
 ・フロントエンド以外は全く同じ構成、部品番号やTP番号もすべて同じです。
 ・メモリバックアップ用3連キャパシタが死亡しているのも同じ。
 ・uPC1167C:FM IF SYSTEM クアドラチュア検波
 ・uPC1161C:PLL MPX
 ・uPC1018C:AM SYSTEM

Sts620 Sts621 Sts622 Sts623 Sts624
Sts625 Sts626 Sts627 Sts628 Sts629
Sts630 Sts631 Sts632 Sts633 Sts635

■調整記録------------------------------------------------------------

・ST-S8の調整方法がそのまま使えます。

Sts6

【FM VT電圧】
 ・TP1 → DC電圧計セット
 ・受信周波数76.1MHz → L10調整 → 4.1V±0.1V ※実測3.9V
 ・受信周波数89.9MHz → CT7調整 → ※実測14.8V
【フロントエンド調整】
 ・VR501(Sメーターレベル調整)足にDC電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L1,L6,L8調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz受信 → T101調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP102~TP103 → DC電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → T102調整 → OV±20mV
 ・OUTPUT出力をWaveSpectra観測
 ・83.0MHz受信 → T103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP302 → 周波数カウンタセット
 ・83.0MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【パイロットバンドパスフィルター設定】
 ・TP301 → AC電圧計セット
 ・83.0MHzステレオ変調 → L302,L303調整 → 電圧最大
【パイロットキャンセル調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → L303,VR303調整 → 漏れ信号最小
 ・左右chバランス注意
【SUB信号】
 ・OUTPUT出力をWaveSpectra観測
 ・83.0MHz SUB変調 → VR302調整 → Lch信号最大
【ステレオ歪調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → T101調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → VR401調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【シグナルメーター調整】
 ・83.0MHz無変調60dB → VR501調整 → SメーターLEDフル点灯
 ・83.0MHz無変調80dB → VR502調整 → dB表示調整
【MUTINGレベル調整】
 ・83.0MHz無変調20dB → VR101調整 → MUTING作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP201 → DC電圧計セット
 ・受信周波数522kHz → L202調整 → 1.0V±50mV ※実測0.9V
【AM受信調整】
 ・NHKラジオ(729kHz受信)→ L201,背面バーアンテナコア調整 → Sメーター最大
 ・東海ラジオ(1332kHz受信)→ CT201調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・登録したメモリを保持できませんがそれ以外は正常に使えます。
 ・外装はクリーニングで綺麗になりました。
 ・ただフロントパネルに並ぶシルバーのボタンは錆が落としきれません。
 ・それでもガンメタデザインのカッコ良さが蘇ってきました。

Sts659

2017年3月26日 (日)

M-AUDIO M-TRACK 2×2M

 ・2016年12月末、アマゾンで購入しました。
 ・24bit/192kHz対応、USB-Cオーディオ/MIDIインターフェイスです。
 ・チューナー修理で使うオーディオインターフェスの買い替えです。

M_audio11

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・M-AUDIO M-TRACK 2×2M 14,800円
 ・M-AUDIO M-TRACK 2×2 10,800円
 ・似たような型番で価格がちょっと安い「M-TRACK 2×2」があります。
 ・どちらも2in/2out構成ですが、ラインでステレオ入力できるのは「M-TRACK 2×2M」
 ・本機の特徴は USB Type-Cポートが装備されている点。
 ・通常のUSB2.0やUSB3.0に接続するための変換ケーブルも同梱されています。
 ・サイズ的には1Uハーフラックサイズの EDIROL UA101 とほぼ同じ。
 ・据え置きタイプの方がつまみが大きくて操作しやすい感じです。

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 ・もう一つの特徴はバンドルソフトが超!豪華であること。実はこれが購入の決め手。
 ・これらのバンドルソフトはチューナー修理には不要ですが別用途で活用します。
  ・Cubase LE8:Steinberg社製DAW(Digital Audio Workstation)
  ・Xpand!2:マルチティンバー音源
  ・Strike 2:ドラム音源
  ・Mini Grand:アコースティックピアノ音源
  ・Creative FX Collection:エフェクトプラグインコレクション

■使い方--------------------------------------------------------------

 ・同梱されている説明書は外国語版(英仏独伊西)のみ。
 ・まずM-AUDIO社のホームページから日本語版の取扱説明書を入手。
 ・続いていM-AUDIO社のダウロードサイトからドライバーを入手。
 ・本体をPCに接続する前にPC側にドライバーをインストールする必要あり。
  ・Windows7~10(32bit/64bit)用ドライバー v.1.0.4
  ※2016年12月28日付で新バージョン v.1.0.6 がリリースされていました。
 ・インストール作業完了後にType-C変換ケーブルで接続。
 ・電源はUSBバスパワーなので接続すれば準備完了。
 ・チューナーからの音声出力は背面LINE端子に接続。
 ・オーディオ機器との接続には「標準プラグ-RCAプラグ」のステレオコードが必要。
 ・このコードは家電量販店ではほとんど見かけませんが楽器店で普通に入手可能。
 ・WaveSpectraの設定画面でドライバーを切り換えてサンプリング周波数を設定。
 ・上面にあるGAINつまみで入力レベルを調整。
 ・このGAINつまみは左右独立タイプ。

M_audio10

■使ってみて----------------------------------------------------------

 ・音楽制作ではなくWaveSpectraで波形観察することが目的です。
 ・WaveSpectraの「録音・再生」タブで入力・出力からM AUDIOを選択
 ・WaveSpectraで左右チャンネルの波形がきれいに観測できました。
 ・サンプリング周波数の変更はこの設定画面のプルダウンメニューから選択するだけ。
 ・チューナーの調整に問題なく使えました。
 ・ところが、しばらく使って気が付いたことは、、

 ・本機のヘッドホン端子から出てくる音が2系統ミックスのモノラル音になっている。
 ・あれこれ弄ってみましたがソフトウェアミキサー機能は無さそう。
 ・DAWを通してた音はもちろんステレオで問題なし。
 ・WaveSpectraの波形も左右それぞれ表示されるので問題は無いのですが、、
 ・ダイレクトモニターできない点は微妙に痛かった、、

 ・それから、PC起動時にUSB機器として認識されない問題。
 ・USB端子を抜いて、もう一度接続し直すと認識される。
 ・XP からバージョンアップを重ねてWin10になっているPCなのでちょっと古すぎるか?
 ・他のPCでは未検証。この件は宿題です。

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2017年3月19日 (日)

SANSUI TU-5900

 ・2017年1月、サンスイ製TU-5900の故障機が届きました。
 ・照明は綺麗に点灯しますが音声端子から音が出ない状態です。
 ・以下、作業記録です。

Sansui_tu590010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-5900 ¥46,500(1976年頃)
 ・Hifi Engine Sansui TU-5900 Stereo AM/FM Tuner (1975-77)※サービスマニュアル

Sansui_tu590002 Sansui_tu590012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・TU-5900は初めて触れる機種です。
 ・正面から見ると普通のコンポサイズ、でも奥行きが約25cmでとてもコンパクト。
 ・小型ボディながら重量6.4kg、持ち上げるとズッシリ感あり。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。周波数窓がオレンジ色の照明に浮かび上がります。
 ・照明の感じはTU-707に似た雰囲気ですね。
 ・選局ツマミを回すと名古屋地区のFM局周波数辺りでSメーターとTメーターが大きく振れる。
 ・STEREOランプ点灯が赤く点灯。これはFM放送を受信しているようです。
 ・でも、OUTPUT端子からは音が出ない。RECOUT端子からも音が出ない。局間ノイズも出ない。
 ・MUTINGスイッチをオフにしても音が出ない。局間ノイズも出ない。
 ・モード切替でSTEREO/MONOに切り替えても音が出ない。
 ・試しにDISCRIMINATOR OUTPUT端子を確認するとここからは音が出ている。
 ・DISCRIMINATOR OUTPUT端子からはFM検波出力が出ているので検波回路までは正常。
 ・さらにステレオランプも点灯するのでMPX回路も大丈夫そう。
 ・ということは、怪しいのはミューティング回路か?
 ・引き出し式の背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送を受信。
 ・AMは特に問題なさそう。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連バリコン搭載フロントエンド ※トリマ、コイルとも調整可
 ・IF BAND切替なし セラミックフィルタ×3段
 ・HA1137 クアドラチュア検波
 ・HA1196 PLL MPX IC
 ・HA1151 AM TUNER

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 ・VR01:実装なし
 ・VR02:FM Sメーター調整
 ・VR03:Mutingレベル調整
 ・VR04:セパレーション調整
 ・VR05:VCO調整
 ・VR06:AM Sメーター調整

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【備忘録】特殊形状の照明電球発見!
 ・TRIO KT-9007、KT-7007、SANSUI TU-717

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・海外版回路図でミューティング回路の各部電圧確認。
 ・TR08:2SC711 が死んでいました。
 ・ミューティング回路のTR06、07、C56もついでに交換しました。
 ・2SC711:TR06,TR07,TR08 → 2SC1815 交換 ※足配列注意 BCE→ECB
 ・2SA726:TR09 → 2SA1015 交換 ※足配列注意 BCE→ECB
 ・C56:1uF/50V → 1uF/50V 交換
 ・ミューティングが解除されて音が出てきました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版サービスマニュアルを参考にしました。
 ・FM Antenna Attenuator : out
 ・MPX Noise Canceller : out
 ・FM Muting : off
 ・Output Level : max
 ・Output出力をWaveSpectraで観察
【Tメーター中点】
 ・放送局が何もない位置 → T02調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・HA1137-13pin 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・指針76MHz位置にセット
 ・SSG76MHz送信 → L03調整 → Sメーター電圧最大
 ・指針90MHz位置にセット
 ・SSG90MHz送信 → TC03調整 → Sメーター電圧最大
  ※Tメーター中点が多少ズレても気にしない。
【FM RF調整】
 ・HA1137-13pin 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG76MHz送信 → L01,L02調整 → Sメーター電圧最大
 ・SSG90MHz送信 → TC01,TC02調整 → Sメーター電圧最大
【FM IFT調整】
 ・SSG83MHz送信 → T01調整 → Sメーター電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・SSG83MHz送信 → T02調整 → Tメーター中点
 ・SSG83MHz送信 → T03調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・SSG83MHz 20dB → VR03調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 80dB → VR02調整 → Sメーター振れ調整
【VCO調整】
 ・TP05 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR05調整 → 76kHz
【セパレーション調整】
 ・SSG83MHz ST信号送信 → VR04調整 → Lch/Rch 漏れ信号最小
【STEREO歪調整】
 ・WaveSpedtraで観察
 ・SSG83MHz送信 → T01調整 → 歪率最小
【AM OSC調整】
 ・729kHz TC05調整
 ・1332kHz T04調整
【AM RF調整】
 ・729kHzTC04
 ・1332kHzアンテナバー調整
【Sメーター調整】
 ・VR05調整 → Sメーター振れ調整

Tu5900

Sansui_tu5900_sche

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・HA1196周辺の電解コンデンサー劣化が気になったので交換しました。
 ・C33,CX39,C52,C53:10uF/16v → 10uF/25v
 ・C35,C37:0.47uF/50v → 0.47uF/50v
 ・C40:0.22uF/35v → 0.22uF/50v
 ・C41:100uF/.16v → 100uF/35v ※回路図では220uF/16v
 ・C88:1uF/50v → 1uF/50v

Sansui_tu590055 Sansui_tu590056 Sansui_tu590057

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・TU-707によく似た照明窓で、なかなかイイ感じです。
 ・通常はFM Antenna Attenuator : out、MPX Noise Canceller : out、
 ・FM Antenna Attenuator : 電波が強くて歪む場合のみin
 ・MPX Noise Canceller : 微弱FM局をSTEREO受信時のみin
 ・特殊形状の電球も発見できて満足。

Sansui_tu590009

2017年3月12日 (日)

SONY PS-X6

 ・2016年12月末、ハードオフで見つけたレコードプレーヤーです。
 ・ジャンク品が無造作に積まれた棚で、プレーヤー三段重ねの一番下にありました。
 ・ホコリまみれの薄汚れた状態。相当長期間に渡って放置されていた感じです。
 ・当然シェル・カードリッジなし、アクリルカバーは傷だらけ。
 ・でも持ち上げるとズッシリ重量級、たぶん10kgはありそう。
 ・この重量を支える頑丈そうなインシュレーターが付いていました。
 ・実は修理中の Victor QL-Y7 に流用できそうなインシュレーターを探していました。
 ・税込1,080円、100円/kgの部品取り機と割り切って買ってきました。

Psx603

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY PS-X6 \59,800(1977年頃)
 ・オーディオ懐古録 SONY PS-X6 DIRECT DRIVE STEREO TURNTABLE SYSTEM ¥59,800
 ・Vinyl engine Sony PS-X6 Fully-Automatic Direct-Drive Turntable

Psx604 Psx607 Psx610

 ・調べてみると1970年代後期、中級クラスのフルオート機でした。
 ・ダイレクトドライブターンテーブル、クォーツロック。
 ・オートスタート、オートストップ、オートリターン、オートリピート。
 ・重量は11.0kgと予想通り。
 ・キャビネットはソニーが開発した音響素材SBMC製とか。
 ・SBMCとは ~SONY PS-6750 解説より抜粋~
SBMCは、ポリエステル樹脂をベースに炭酸カルシウムやグラスファイバーを配合した熱硬化性強化レジンで、強度では木(ラワン合板)の1.5~2倍の強さ、共振鋭度(Q)ではアルミダイキャストの約3分の1以下という優れた特長を持っています。これによりハウリングを抑え、SN比を改善しています。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・店頭では気が付かなかったのですが、サブウェイトが付属していました。
 ・実験用カートリッジを装着して早速動作確認。
 ・操作方法は海外版取扱説明書で学習しました。
 ・電源オン、ネオンランプ点灯、ターンテーブル回転OK。
 ・START/STOPボタンとREPEATボタンはタッチ式スイッチ。
 ・オイルダンプ式のアームリフター、マニュアル操作が妙に懐かしい。
 ・各種オート機能は一通り動作しました。
 ・故障箇所は特に無さそうです。

Psx621 Psx628 Psx630 Psx631 Psx633

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・分解方法は海外版サービスマニュアルが役に立ちました。
 ・アームの裏側にチューナーの窓照明でよく見るヒューズ型電球がありました。
 ・何の用途かと思ったら、オートリバースのためのアーム位置検出用でした。
 ・アームの動きに合わせてシャッターが移動し、光電素子が光量変化を検出。
 ・この「ルミナスセンサー」という仕組みは、RV401で動作ポイント調整可能。
 ・当時のオート機能を実現するメカが面白いです。
 ・QL-Y7より古い機種なのに、目視で分かるような部品劣化は無さそうです。

Psx640 Psx641 Psx642 Psx643 Psx644
Psx645 Psx646 Psx651 Psx650 Psx649
Psx660 Psx661 Psx662 Psx663 Psx664
Psx665 Psx666 Psx667 Psx668 Psx669
Psx670 Psx671 Psx672 Psx673 Psx674

Psx6_sche

■インシュレーター----------------------------------------------------

 ・インシュレーターは内部にゲル状高粘弾性物質を封入した特殊なもののようです。
 ・黒いゴム部分を指で押すと適度な弾力を保っていました。
 ・ただ残念ながらQL-Y7のインシュレーターとはネジサイズが僅かに異なりました。

Psx6100 Psx6101 Psx6102

■ボディとアクリルカバーを磨く----------------------------------------

 ・レコードプレーヤーとして普通に使える状態だったので外観を整備してみました。
 ・まずは傷だらけのアクリルカバーをせっせと磨きました。
 ・耐水サンドペーパー #800 → #1000 → #1500 → #2000
 ・さらに アクリルサンデー研磨剤 → セラミックコンパウンド
 ・細かい傷が取れて綺麗に仕上がりました。
 ・調子に乗ってボディはメラミンスポンジで磨いた後、コンパウンド処理。
 ・鏡のように反射するピカピカボディになりました。

Psx690 Psx693 Psx691 Psx695 Psx697
Psx698 Psx699 Psx605 Psx606 Psx608

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・インシュレーターを部品取りするつもりだったのですが、意外にも完動品でした。
 ・外観も美しく仕上がったので、捨てるにはちょっと惜しいかも、、
 ・ということで、
 ・懐かしいネオンランプのストロボを楽しめる機種としてキープしておきます。
 ・そんなに使うことは無いのにね、、

Psx601

2017年3月 5日 (日)

Victor QL-Y7 修理記録1

 ・1981年、たしか7月初め、大阪日本橋の電気街で購入したレコードプレーヤー。
 ・以来ずっと使い続けている大切なオーディオ機器の一台です。
 ・2016年の年末休暇、久しぶりにレコードを聴こうとしたところ、、
 ・何と、、ターンテーブルが回らない、アームも動かない!
 ・購入から35年、いよいよ寿命かと思いつつ、原因と対策を探ってみました。

Victor_qly7_70

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR QL-Y7 ¥96,000(1981年頃)
 ・Vinyl engine JVC QL-Y7
 ・Victor QL-Y7/Y5 製品カタログ 昭和54年(1979年)11月版
 ・Victor QL-Y7 取扱説明書

Victor_qly7_72 Victor_qly7_73 Victor_qly7_74

■故障状況------------------------------------------------------------

 ・前回 QL-Y7 の電源を入れたのは、、たぶん1年位前だったか??
 ・最近はもっぱらお手軽な Technics SL-5 を使っていたので拗ねちゃった?
 ・症状は以下の通り。QL-Y7 の電源を入れると、
  【不具合1】 回転数を示す「45」「33」のインジケーターが点灯しない。
  【不具合2】 「START」ボタンを押してもターンテーブルが回転しない。
  【不具合3】 アームの「UP/DOWN」ボタンを押してもアームが動かない。
  【不具合4】 数分経つとターンテーブルがゆっくり回転を始める。
  【不具合5】 本来はすぐに点灯するはずの「Quatz Lock」ランプが弱々しく明滅する。
  【不具合6】 回り始めたターンテーブル、今度は「STOP」ボタンを押しても止まらない。
  【不具合7】 回転がどんどんスピードアップし、ついには高速回転状態に。
 ・これは参った、、、電源オフ、、
 ・ここまで一気に悪化した原因は何でしょう?
 ・すべての動作がおかしいので電源回路の故障か?

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・「いつか本格的にメンテナンスしよう」と思いつつ、
 ・でも結局ずっと放置状態でした。きっとその報いですね、、反省、、
 ・まずカートリッジを取り外してアームをスタンドに固定。
 ・ゴムマットとターンテーブルを取り外す。
 ・アクリルカバーを閉めて養生テープで本体と固定。
 ・注意深く本体を裏返す。
 ・そういえば昔、音声・電源コードを交換しようと思って裏返したことがありました。
 ・でも内部を見て面倒になり、結局交換しなかったことを思い出す。

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 ・それにしてもインシュレーターのゴム部分の劣化がひどい。
 ・多数のネジを外して裏板を取り外すと、基板のハンダ面が見える状態。
 ・シルク印刷を見るとICや半固定抵抗、テストポイント(TP)がたくさん並んでいる。
 ・電子制御アーム関係の回路があるためか、かなり複雑な構成。
 ・これは回路図やサービスマニュアルが無いと迂闊に手を付けられない。
 ・電源部と思われる電解コンデンサー(1000uF/35V×3個)が重傷。

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■修理記録1:電解コンデンサー総交換----------------------------------

 ・とりあえず足が腐食している電源部電解コンデンサーを交換。
 ・ついでにその他の電解コンデンサーを全数交換。
【電源基板】
 ・部品番号不明:1000uF/35V×3個
【右側※基板】※正面を前にして裏返した状態で
 ・C902,C905:1uF/50V(BP)
 ・C904,C911,C914:10uF/25V
 ・C913:4.7uF/50V
 ・C920:33uF/50V(BP)
【左側※基板】※正面を前にして裏返した状態で
 ・C814,C819,C820,C828,C829:47uF/16V
 ・C815,C816:33uF/25V(BP)
 ・C823,C824:47uF/35V
 ・C825:1000uF/35V
 ・C802:10uF/50V
 ・C818:4.7uF/50V
 ・C817:0.47uF/50V

 ・特にC823 47uF/35V は腐食によってマイナス足が外れていました。
 ・基板とボディのスペースが限られるため電解コンデンサの高さはH=26mmまで

■動作確認:アーム動作のトラブル発生------------------------------------

 ・電解コンデンサーを交換した状態で基板を元に戻して試運転開始。
 ・電源オン、、回転数「33」クッキリ表示。もちろん「45」も同様にOK。
 ・「START」ボタンを押すとスムーズに回転開始、直後に「Quartz Lock」ランプ点灯。
 ・「STOP」ボタンを押したときのブレーキの効き具合が抜群に良くなった印象。
 ・アームの「UP/DOWN」ボタンを押すとアームが上昇開始。
 ・ここまでの動作は完璧、、ところが、、

 ・アーム左移動ボタンを押すとアーム軸部から「ジジ、、」と異音が発生して動かない。
 ・「UP/DOWN」ボタン操作や「<」「>」ボタンを押しているうちに異音が消えて動き出す。
 ・「UP/DOWN」ボタンを押してアームが降下。
 ・とりあえずステレオ音声でレコードが再生できました、、やれやれ、、
 ・レコード再生終了後、アームは自動的にスタンドに戻る。
 ・続いてレコードB面をセットしてもう一度動作確認。
 ・アーム左移動ボタンを押すとアーム軸部から「ジジ、、」と異音が発生して動かない。
 ・「UP/DOWN」動作と「REJECT」動作は問題なし。
 ・これは電子制御アームの仕組みを勉強しないと手が付けられない。

■QL-Y5F:アーム動作研究-----------------------------------------------

 ・QL-Y7の資料は見つかりませんが、代わりにQL-Y5Fのサービスマニュアルを入手。
 ・電子制御アームの基本構造はほぼ同じなので参考になるはず。
 ・QL-Y5Fの資料にアーム動作不良時のトラブルシューティングがありました。
 ・問題発生時のチェック箇所です。

Qly5f_sche

【水平方向制御に問題がある場合】
 ・右方向:IC805(NJM4558D)→X804(2SB605)
 ・左方向:IC805(NJM4558D)→X803(2SD571)
【上下方向制御に問題がある場合】
 ・IC804(NJM4558D)→X801(2SD325),X802(2SB511)

■QL-Y7:アーム動作研究-----------------------------------------------

 ・QL-Y5Fのアーム制御該当箇所をQL-Y7の基板で配線を追いながら探す。
 ・アームに繋がる部分にQL-Y5Fと全く同じ回路がありました。
 ・QL-Y5Fの部品番号を読み替えると以下のようになります。

【水平方向制御に問題がある場合】
 ・右方向:IC804(NJM4558D)→X806(2SB605)
 ・左方向:IC804(NJM4558D)→X805(2SD571)
【上下方向制御に問題がある場合】
 ・IC803(NJM4558D)→X803(2SD325),X804(2SB511)

 ・4558オペアンプの故障はチューナー修理でもよくある事例です。
 ・そこでまず4558交換。IC803,IC804(4558D) → 45584DD 交換。※ICソケット使用
 ・交換後に動作確認したところ、
 ・アーム軸部の異音が解消し左右方向のアーム動作が正常になりました!
 ・アーム動作の不調原因はIC804(4558D)だったようです。
 ・ついでに同じ4558Dを使っているIC807も交換しておきました。

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■針圧調整------------------------------------------------------------

 ・とりあえずレコードが聴ける状態まで復旧できました。
 ・ただここで針圧設定に疑問が湧いてきました。
 ・QL-Y7の針圧調整は電子制御式です。
 ・電源オフ時にアームの水平バランスを取る。
 ・トラッキングフォース調整つまみの目盛りを希望針圧値に合わせる。
 ・疑問とは、「調整つまみの目盛りは本当に正しい針圧を示しているのか?」ということ。
 ・基板には調整用VRやTPがたくさんありました。
 ・部品交換によって本来の設定値が崩れた可能性高いです。

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■デジタル針圧計------------------------------------------------------

 ・マニュアル機と違ってウェイト自体に針圧を示す数値の印字がありません。
 ・実際にどれくらいの針圧がかかっているのか?
 ・針圧を測定する器具はないものかと探したところ、アマゾンで発見。
 ・昔は数万円する高価なマニア向け器具だったと思いますが、今は安い物があるんですね。

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【商品名、型番】
 ・[Signstek]ブルー背景色電子針圧測定器
 ・メーカー名も型番もよく分からない、かなり怪しげな商品です。
 ・同じような商品が複数出品されていてそれぞれ価格が微妙に異なる。
 ・添付の取扱説明書は英語と中国語のみ。
【使い方】
 ・中央「○」ボタン=電源
 ・左側「M」ボタン=「MODE」測定単位切換(g/oz/ozt/TL/ct)
 ・右側「T」ボタン=「TARE」ゼロ点調整※
   ※何も載せない状態で0.00点がズレている場合に押すとゼロ点調整できる
 ・測定部中央の黒点付近に針を慎重に降ろす。
 ・測定結果が表示される。
【キャリブレーション】
 ・電源オン → 「0.00」表示
 ・電源ボタンを押し続ける → 「0」が表示されたらボタンを離す
 ・「5.00」が点滅表示される → 付属の5gウェイト載せる
 ・「5.00」の点滅が終わるとキャリブレーション終了
【1円硬貨で検証】
 ・1円硬貨1枚 → 1.01g
 ・1円硬貨2枚 → 2.00g
 ・1円硬貨3枚 → 3.00g
 ・1円硬貨4枚 → 4.00g
 ・1円硬貨5枚 → 5.00g
  ※写真では小数点が隠れていますが「500」→「5.00」、「000」→「0.00」です。

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【測定結果】
 ・針圧計に針を降ろしトラッキングフォース調整つまみを回すと針圧が増減します。
 ・実際の針圧がリアルに確認できるなんて、、ちょっと感動。
 ・SURE M44G 希望針圧1.5g → 目盛り1.5 に設定 → 実針圧1.8g
 ・DENON DL103 希望針圧2.5g → 目盛り2.5 に設定 → 実針圧2.9g

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 ・針圧はこれでOK。でも、
 ・Qダンプやアンチスケーティングつまみも同じ値に設定することになっています。
 ・やはりTPの意味やVRの調整法を理解して適切に調整する必要があります。

■QL-Y7、QL-Y5F、QL-Y55F 比較対照表作成--------------------------------

 ・QL-Y7のサービスマニュアルや回路図を探しましたが、残念ながら見つかりません。
 ・一方でQL-Y5F、QL-Y55F、QL-Y66Fの海外版サービスマニュアルを入手しました。
 ・サービスマニュアルには回路図だけでなく詳細な調整方法の記述もあります。
 ・そこで、QL-Y7実機、QL-Y5F回路図、QL-Y55F回路図を詳細に比較して対照表作成。
 ・電子制御アームの回路構成は3機種ともほぼ同じでした。
 ・ICの使い方を見ると QL-Y7 → QL-Y5F → QL-Y55F の順に進化した様子が分かります。
 ・この対照表に基づいてQL-Y55Fのアーム調整法をQL-Y7用に読み替えてみました。
 ・これが正しい方法かどうかは分かりませんが、とりあえず以下の調整を行ってみました。

Qly7__2

■(仮)調整記録 (参考程度です)---------------------------------------

【Horizontal first stage offset adjustment】
 ・トーンアームをアームレストに固定する
 ・Tracking Force → ゼロ
 ・Q Dump → ゼロ
 ・Anti Skating → ゼロ
 ・UP/DOWNボタンを押してアーム上昇状態にする(アームレストに固定しているので実際には上昇しない)
 ・TP7-TP10 間に電圧計セット → VR803(=VR809)調整 → 電圧0V±5mV
 ・VR803(=VR809)はターンテーブル下にある調整つまみ

【Vertical offset adjustment】
 ・トーンアームをアームレストに固定する
 ・Tracking Force → ゼロ
 ・Q Dump → 最大
 ・Anti Skating → ゼロ
 ・TP6-TP9 間に電圧計セット → VR801調整 → 電圧0V±5mV

【Anti-skating adjustment】
 ・Anti-skating → 楕円針「3」にセット
 ・Tracking Force → ゼロ
 ・Q Dump → ゼロ
 ・アームが下りた状態
 ・TP7-TP10 間に電圧計セット → VR804調整 → 電圧1.46V±0.1V ●要再検討

【Tracking force adjustment】
 ・Tracking force → 目盛り1.5位置にセット
 ・Q Dump → ゼロ
 ・Anti Skating → ゼロ
 ・針圧計に針を降ろす → VR805調整 → 針圧計1.5g

■インシュレーター補修------------------------------------------------

 ・ひび割れだらけのインシュレーターを放ってはおけません。
 ・ホームセンターであれこれ見た中で「黒ゴム接着剤」を買ってきました。
 ・ゴム製の長靴、車のゴム製モール、ウェットスーツなどの補修が例示されています。
 ・硬化した後も弾力があるとのことなのでちょうど良いかも。
 ・ひび割れ部にチューブの口を押し当て、ギュッと絞り出す。
 ・ヒビの奥深くまで浸み込ませる感じです。
 ・さらにヘラを使って強引に押し込む。
 ・完全硬化まで24時間。出来栄えはなかなか良い感じでした。

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■試聴---------------------------------------------------------

 ・レコード三昧ではなく、予定外のプレーヤー修理三昧な年末休暇でした。
 ・不明な点が多々残っていますが、今回はとりあえずここまでで。
 ・QL-Y7サービスマニュアルが入手できたら作業再開予定。
 ・でも修理作業を通して勉強になることが多く充実した休暇でした。
 ・回路図を見ながら思考回路を働かせること、細かい部品交換で指先を動かすこと。
 ・一連の作業は頭の体操(ボケ予防)に最適ですね。
 ・あと、良質な音楽に浸る幸せな時間が何より大切です。

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