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カテゴリー「ピュアオーディオ」の記事

2017年6月18日 (日)

KENWOOD KT-929

 ・2017年5月、KT-929の修理調整作業を承りました。
 ・外観はミニコンサイズですが中身はかなりの実力機です。
 ・以下、作業記録を残します。

Kt92906

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・KT-929に関する製品情報はネット検索で見つかりません。
 ・1985年発行のオーディオ雑誌にあった記事を引用します。

Kt929_1985brou

Kt92901 Kt92908

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 → 1985
 ・フロントパネル上面にちょっとキズがあります。
 ・ボディ天板に上に載せていた機器の足跡が凹みとして残っています。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示が曇った感じ。内側の汚れが目立つ。文字欠け、文字痩せなし。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信。
 ・Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替なし。常時NARROW。プリセットメモリ6局。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AMのIF BANDはNARROW~WIDEスライドボリュームで可変。
 ・AM放送はオート選局で正常に受信。

Kt92903 Kt92904 Kt92905 Kt92910 Kt92911

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部記録写真
 ・FMフロントエンド 5連バリキャップ
 ・セラミックフィルタ4段 常時NARROW受信
 ・DLRC Direct Linear Reception Circuitフロントエンド
 ・DCC Distortion Correcting Circuit 歪補正回路
 ・DLLD Direct Linear Loop Detector PLL検波回路
 ・DPD Direct Pure Decoder MPX調整回路

Kt92920 Kt92921 Kt92922 Kt92923 Kt92924
Kt92925 Kt92926 Kt92927 Kt92928 Kt92929
Kt92930 Kt92931 Kt92932 Kt92933 Kt92934
Kt92935 Kt92936 Kt92937 Kt92938 Kt92920_2

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt929

【VT電圧】
 ・TP2 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L7 調整 → 8V ※実測 7.9V
 ・90MHz → TC5調整 →25V ※実測25.3V
【RF調整】
 ・R101後足側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・76MHz → L1,L2,L3,L6 調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
 ・83MHz → L5調整 → 電圧最大
【検波調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+0.45V
 ・83MHz → L8調整 → Wavespectraで二次歪最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz 80dB → VR1調整 → LEDフル点灯
【MPX VCO調整】
 ・TP6 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調) → VR8調整 → 76kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 19kHz漏れ最小
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,80dB)→ L13調整 → 19kHz漏れ最小
 ※19kHz左右のレベル注意
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L14調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR2:DET調整 → 二次歪最小
【歪調整2 MONO2】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO3】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR5:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR4調整 → 二次歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR6調整 → 三次歪最小
【SEPARATION調整】
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR 9調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR10調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】
 ・TP2 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・ 522kHz → L18調整 → 実測 2.5V 確認のみ
 ・1629kH z→ TC7調整 → 実測20.3V 確認のみ
 ・LA1245-16pin DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L17調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC6調整 → 電圧最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L19調整 → 電圧最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整方法はKT-1100DやKT-2020とほぼ同じですね。
 ・同調点やトラッキング調整のズレがありましたが故障箇所は無かったです。
 ・セパレーション値が左右とも60dBオーバーで良好です。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Kt92907

2017年6月11日 (日)

TRIO KT-9X

 ・2017年5月、KT-9X の修理調整を承りました。
 ・TRIO/KENWOOD製シンセ機の中で唯一パルスカウント検波を搭載した機種です。
 ・以下、修理作業の記録です。

Trio_kt9x07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9X ¥64,800(1982年発売)
 ・Hifi engine Kenwood KT-9X (1981-83)

Trio_kt9x02 Trio_kt9x11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 → 1981
 ・外観に目立つキズはなく状態は良さそう。
 ・電源オン、周波数表示点灯。文字欠けや文字痩せはなさそう。
 ・RF(Normal/Direct)切換、IF BAND(Wide/Narrow)切換、MODE切換を示す赤色LED点灯。
 ・オート/マニュアルチューニングで名古屋地区のFM局を受信。
 ・5連LEDのSメーター点灯。周波数ズレなし。
 ・ただSTEREOランプが点灯しない。実際のステレオ感も無い。
 ・メモリ登録OK。プリセットメモリボタン8個の反応が鈍い。
 ・手持ちのAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局を受信。
 ・オート選局で受信OK。AMは問題なし。

Trio_kt9x03 Trio_kt9x04 Trio_kt9x06 Trio_kt9x12 Trio_kt9x13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド:5連バリキャップ
 ・TR7020:ダウンコンバート、クアドラチュア検波
 ・TR4011:パルスカウント検波
 ・HA11223W:PLL-MPX
 ・LA1245:AM TUNER
 ・コイン型リチウム電池
 ・VCOと書かれたVR3を少し回したところ STEREOランプ点灯。
 ・原因は調整ズレだったようです。

Trio_kt9x20 Trio_kt9x21 Trio_kt9x22 Trio_kt9x23 Trio_kt9x24
Trio_kt9x25 Trio_kt9x26 Trio_kt9x29 Trio_kt9x30 Trio_kt9x31
Trio_kt9x33 Trio_kt9x35 Trio_kt9x36 Trio_kt9x37 Trio_kt9x38
Trio_kt9x39 Trio_kt9x41 Trio_kt9x42 Trio_kt9x44 Trio_kt9x45

 ・サービスマニュアルの記述より
 ・セラミックフィルタCF1,4、CF2,3のカラーマーク → オレンジ色 → 10.725MHz
 ・ちなみに 赤色 → 10.700MHz、 白色 → 10.750MHz 
 ・本機はオレンジ色なので → 10.725×9/49=1.968989795・・・MHz

Trio_kt9x26_2 Trio_kt9x27 Trio_kt9x28 Trio_kt9x29_2 Trio_kt9x30_2

■修理記録-----------------------------------------------------------

 ・メモリ選択ボタンの反応が鈍い、特に右端のボタンは反応しない。
 ・フロントパネルを外してタクトスイッチを指で直接押すと正常に反応する。
 ・タクトスイッチの頭にボタン背面の突起が届いていないようです。
 ・フロント基板とメイン基板の隙間にスポンジが挟んでありました。
 ・でも経年劣化でスポンジが凹んでしまっています。
 ・プラ板を3mm厚に切って挟み、接着剤で固定しておきました。
 ・これで良さそうです。

Trio_kt9x60 Trio_kt9x61 Trio_kt9x62 Trio_kt9x63 Trio_kt9x64
Trio_kt9x65 Trio_kt9x66 Trio_kt9x68 Trio_kt9x69 Trio_kt9x70

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt9x Trio_kt9x_sche

【VT電圧】
 ・TP4 電圧系セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L8 調整 → 6.5V ※実測 6.3V
 ・90MHz → CT5調整 →  25V ※実測25.3V
【RF調整】
 ・D20カソード側 DC電圧計セット=TR7020-2pin(Sメーター電圧)
 ・76MHz → L1,L3,L4,L7 調整 → 電圧最大
 ・90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
 ・83MHz → L6調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・R66両端 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0V±10mV
【第2IF調整】
 ・TR4011-1pin 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L11調整 → 1.9698MHz
【WIDE GAIN調整】
 ・D20カソード側 DC電圧計セット=TR7020-2pin(Sメーター電圧)
 ・Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【VCO調整】
 ・R94左足 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR3調整 → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・83MHz受信 → VR2調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・83MHz → フロントエンドL6調整 → 高調波歪最小へ
【セパレーション調整】
 ・Wide受信時 VR5 → Lch、VR6 → Rch
 ・Narrow受信 VR4
【AM調整】
 ・VT電圧 TP4電圧計セット → 1602kHz → L17調整 → 21V
 ・VT電圧 TP4電圧計セット →  531kHz → 2.8V ※確認のみ
 ・LA1245-16pin DC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L15調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → CT6調整 → 電圧最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L16調整 → 電圧最大

Trio_kt9x50 Trio_kt9x51 Trio_kt9x52 Trio_kt9x53

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・VCO再調整によってSTEREOランプ点灯、STEREO音声が出てきました。
 ・その他各部再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

Trio_kt9x08

2017年6月 4日 (日)

SONY ST-5150 修理調整記録3

 ・2017年4月、ST-5150の調整作業をお引き受けしました。
 ・発売当時に購入したワンオーナー品とのこと。
 ・以下、作業記録です。

Sony_st515004

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5150¥39,800(1973年発売)
 ・Hifi Engine SONY ST-5150
 ・カタログ(1973年6月版) TA-1150/ST-5150
 ・ST-5150回路図

Sony_st515002_2 Sony_st515007

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源オン。周波数窓の緑色照明点灯、右側の緑色塗料が少しハゲ。
 ・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認。
 ・FMは若干の周波数ズレとTメーターズレ(同調点ズレ)を確認。
 ・Tメーターがやや左に振れた位置でMUTING解除される。
 ・-0.2MHz程度の周波数ズレ。二つのメーター動作はOK。MUTING動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK。
 ・FM/AMとも基本動作に問題なさそうです。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル裏側に「471211」の印字 → 昭和47年12月11日(1972年)

Sony_st515020 Sony_st515021 Sony_st515022 Sony_st515023 Sony_st515024
Sony_st515025 Sony_st515026 Sony_st515027 Sony_st515028 Sony_st515029
Sony_st515040 Sony_st515041 Sony_st515042 Sony_st515005

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態 T201上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・90MHz CT204調整 → Sメーター最大
 ・76MHz L104調整 → Sメーター最大
【FM受信調整】
 ・90MHz受信 CT201,CT202,CT203調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 IFT調整 → Sメーター最大
 ・RT202 FM Sメーター振れ調整
【MUTINGレベル調整】
 ・T202調整 → D204電圧最大
 ・RT201調整 → ミューティング動作レベル調整
【検波歪み調整】
 ・T201下段コア調整 → 高調波歪み最少
【セパレーション調整】
 ・SUB信号送信 → T401調整 → Lch出力最大へ
 ・RT401 セパレーション調整
【AM調整】
 ・CT101,CT102
 ・T301,バーアンテナ内コイル
 ・RT301 AM Sメーター振れ調整

St5150

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障箇所は無かったです。
 ・各部再調整を行ないました。
 ・ガラス窓を分解して清掃したので照明の美しさが蘇りました。

Sony_st515003

2017年5月14日 (日)

SONY ST-5130 初期型 3号機

 ・2017年3月末、ヤフオクで初期型ジャンク品を入手しました。
 ・オリジナルの取扱説明書が付属していたことが入手の動機です。
 ・商品説明によるとMUTINGスイッチをオンにすると音が出ないらしい、、
 ・以下、整備記録です。

Sony_st513005

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5130 ¥69,800(1972年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-5130 ※サービスマニュアル
 ・取扱説明書 (日本語版)
 ・製品カタログ 1971版

Sony_st513002 Sony_st513004

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズは無く保存状態は良好。
 ・照明窓の内側に大量のホコリが積もっているが分解清掃すればキレイになりそう。
 ・背面パネルを見ると電源コードが新しいものに交換済み。
 ・とりあえず入手時の状態で電源オン。
 ・緑色照明が浮かび上がる、、でもガラス内部のホコリのせいで美しくない。
 ・若干の周波数ズレがあるものの名古屋地区のFM放送を受信。
 ・TメーターとSメーターは正常に振れている。
 ・ただSTEREOランプが点灯しない。聞いた感じでステレオ感なし。
 ・放送は受信するものの出てくる音がひどく歪んでいる。
 ・高調波ノイズがたっぷり乗っている感じ。
 ・説明通りMUTINGオフでは音が出るのにMUTINGオンにすると音が出なくなる。
 ・マルチパスH端子もMUTINGオンで音が出なくなる
 ・名古屋地区のAM局を受信。AMは問題なさそう。
 ・ヘッドホンの音量調整VRが不調。

Sony_st513001 Sony_st513008 Sony_st513009 Sony_st513010 Sony_st513011

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ内部は清掃済みのようでホコリの堆積も無く綺麗な状態。
 ・ほとんどの電解コンデンサーが交換済み。
 ・トランジスタとFETも一部交換済み。
 ・Q209,Q210:2SC633A → 2SC1815GR交換済み
 ・Q404:2SC634A → 2SC1815GR交換済み
 ・Q207,Q208,Q401,Q405,Q406:2SK23 → 2SK369交換済み

Sony_st513021 Sony_st513022 Sony_st513025 Sony_st513026 Sony_st513027
Sony_st513028 Sony_st513029 Sony_st513030 Sony_st513031 Sony_st513032
Sony_st513033 Sony_st513034 Sony_st513035 Sony_st513036 Sony_st513037

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・上記内部確認の過程で部品の交換ミスをいつくか発見。
 ・C223:1uF/50V → 3.3uF/50V
 ・C408:3.3uF/25V → 33uF/25V
 ・Q208:2SK369 → 取付方向が逆
 ・Q404:2SC1815 → 取付方向が逆

 ・2SK23の代替品として2SK369は特性がちょっと違いすぎるのでは?
 ・2SK23の代替品として確保してある 2SK107に再交換。

 ・Q207:2SK23→2SK369→2SK107 ※交換によってMUTING動作が正常になった
 ・Q401:2SK23→2SK369→2SK107 ※交換によって酷い高調波ノイズが消えた
 ・Q404:2SC634A→2SC1815→取付方向修正 ※修正によってSTEREOランプ点灯

Sony_st5130_sche2

■調整記録-----------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 → CT105,L105
 ・トラッキング調整 → CT101,CT102,CT103,CT104 / L101,L102,L103,L104
 ・IFT調整 → IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア → 検波調整
 ・T201下段コア → 高調波歪調整
【MUTING調整】
 ・T202 → D209電圧最大
 ・RT202 → MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT201 → FM Sメーター調整
【MPX調整】
 ・T401 → スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大)
 ・RT401 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・OSC調整 → CT302,T301
 ・トラッキング調整 → CT301,L801(バーアンテナ内コイル)
 ・RT301 → AM Sメーター調整

St5130

■しばらく使っていると同調点がずれる----------------------------------

 ・しばらく使っているとTメーター中点が徐々にずれる症状発生。
 ・電源オンから4~5時間経つと中点を外れてMUTINGが動作し音が出なくなる。
 ・この症状はレシオ検波コイル内のコンデンサ劣化が怪しいです。
 ・基板から取り外して金属カバーを開けてみると
 ・内部に小さなコンデンサが2個付いていました。
 ・ST-5150部品取り機に同型のコイルがあったのでこれを流用
 ・24時間連続受信してもTメーターはズレなくなりました。
 ・内部コンデンサの容量が分かりませんが、いずれ確かめておきます。

Sony_st513060 Sony_st513061 Sony_st513063 Sony_st513065 Sony_st513066

■メーター交換--------------------------------------------------------

 ・ST-5130オリジナルのメーターは照明を透過しないタイプです。
 ・同時期のST-5150では照明透過タイプのメーターが使われています。
 ・サイズと取り付け方法は同じなのでST-5150のメーターと交換。
 ・オリジナルの雰囲気を失いますが、視覚的には効果的です。
 ・ちなみにST-5150Dのメーターには「MULTIPATH」の文字があるので使えません。

Sony_st513042 Sony_st513043 Sony_st513044 Sony_st513045 Sony_st513007

■ヘッドホン音量調整VR交換--------------------------------------------

 ・VRを回したときのフィーリングに手応えなし、何というか、、スカスカな感じ。
 ・ヘッドホンで聞いてみるとRchの音量が変化しない。
 ・RV601,602 2連50kΩBタイプ → 部品取り機から流用

Sony_st513008_2 Sony_st513040_2 Sony_st513050 Sony_st513051 Sony_st513052

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・40年以上前の製品ですから部品劣化は避けられないですね。
 ・でも少し手を加えればまだまだ現役で使えます。
 ・オールドチューナーは美しい照明窓が最大の魅力です。

Sony_st513006

■追記<2017年6月11日>----------------------------------------------

 ・調整以来ずっとNHK-FMを聴いていたので気付かなかったのですが、、、
 ・民放FM局に切り換えたところ、出てくるステレオ音声が何だかこもった感じ??
 ・この違和感はMONO受信に切り換えると解消する。NHK-FMだと気にならない。
 ・これはどうしたことだ??
 ・信号発生器でパイロット信号成分を変化させながら様子をみる。
 ・すると、19kHz成分を12%以上にすると同じ現状が発生する。
 ・Q403:2SC710 → 2SC1815GR交換済 → これを 2SC1815Y に変更
 ・これで違和感解消。
 ・実測確認:2SC1815GR hFE=352 、2SC1815Y hFE=185

2017年4月30日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録

 ・2017年3月、D-3300Tの調整作業をお引き受けしました。
 ・作業内容をご報告します。

D3300t03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)
 ・取扱説明書 (国内版)

D3300t02 D3300t08

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・表示部は明るく点灯。照度の劣化や文字痩せは感じません。
 ・地元FM局を受信しながら動作の確認。
 ・オートチューニング、マニュアルチューニングとも名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・周波数ズレなし。RF切換、IF切換OK。STEREOランプ点灯。
 ・Modulationを示す横バー点灯。
 ・REC CALトーンは動作しました。
 ・顕著な不具合は無さそうです。

D3300t04 D3300t05 D3300t06
D3300t09 D3300t10 D3300t11

■内部確認------------------------------------------------------------

D3300t20 D3300t21 D3300t22 D3300t23 D3300t24
D3300t25 D3300t26 D3300t27 D3300t28 D3300t29
D3300t30 D3300t31 D3300t32 D3300t33 D3300t34
D3300t35 D3300t36 D3300t37 D3300t38 D3300t39
D3300t46 D3300t41 D3300t42 D3300t43 D3300t45

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
 ※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz →  L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,20dB)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz(無変調,50dB)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(10Hz,100%変調,80dB) → VR2(X13)調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dB)→ L19(X05-)調整 → Lch最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR4(X05-)調整 → L信号もれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR3(X05-)調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X05-)調整 → R信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL 確認 407Hz -5.6dB
 ・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から5番目のドットが点灯する位置

D3300t00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障箇所はありませんでした。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・黒いサイドウッドが渋い高級感を演出していますね。

2017年4月23日 (日)

SONY ST-S333ESJ 修理調整記録1

 ・2017年2月、333ESJの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

333esj09

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESJ ¥55,000(1993年発売)
 ・Hifi Engine Sony ST-S707ES ? AM/FM Stereo Tuner (1993-94) ?

333esj01 333esj11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードが外されて3Pタイプのインレットに交換されています。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。名古屋地区のFM局の受信確認。
 ・オート選局、マニュアル選局とも名古屋地区のFM局を受信しました。
 ・Sメーター点灯、STEREOランプ点灯、RF切換、IF切換、MODE切換OK。
 ・CAL TONE OK、MUTING動作OK。
 ・付属AMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信しました。
 ・CBCラジオ(1053kHz)ではSTEREOランプ点灯、AMステレオ放送対応機でした。

333esj07 333esj10 333esj12 333esj13 333esj14

 ・電源投入から1時間ほどは正常動作でした。
 ・ところがその後、FM放送受信中にSTEREOランプが点滅する症状が発生。
 ・点滅に同期して音が出なくなります。
 ・この時、Sメーターの振れに異常なし。
 ・RF切換やIF BAND切換に関わらず発生する。
 ・MUTING OFFに設定すると音が出る
 ・音声出力端子の接触不良では無い。

333esj02 333esj03 333esj04 333esj05 333esj08

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・改造は3Pインレットの交換だけのようです。
 ・MC13022DW:AM STEREO DECORDER

333esj20 333esj21 333esj22 333esj23 333esj24
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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・音が出なくなる原因はMUTING機能が作動したことでした。
 ・IC251(LA1235)のFM同調点が-0.7Vと大きくズレていました。
 ・このため同調点が外れたと判定されてMUTING回路が作動したわけです。
 ・部品の故障ではなく、再調整で不具合は解消しました。
 ・アースバーのハンダを点検したところ、数か所でクラック発見。
 ・念のため出力端子のハンダも補修しておきました。

333esj64_2 333esj66 333esj67 333esj70 333esj71

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・部品番号はESGと全く同一です。

333esj

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-0.75V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.3V
 ・76MHz → 確認のみ →  8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103  → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をバイパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+320mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※WaveSpectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → MUTING調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.4dB 381Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整
 ・CBCラジオ(1053kHz)受信でSTEREOランプ点灯

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・安定してFM放送を受信できるようになりました。
 ・再調整によって歪率、セパレーションとも大幅に改善しました。
 ・AMでは名古屋地区のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプが点灯します。
 ・CBCラジオはFM補完放送(93.7MHz)が始まってもAMステレオ放送を続けている希少局です。

333esj06

2017年4月16日 (日)

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録6

 ・2017年1月、ST-S333ESXIIの故障品をいただきました。
 ・外装の汚れ、効かないスイッチ多数、出てくる音はひどいノイズ、、
 ・これは修理を見送って部品取り機かな、と思ったら、
 ・何と、ずっと探していた LA3450搭載機でした。

333esxii07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02 333esxii11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・背面にAMループアンテナが装着されています。
 ・外観は全体に汚れがひどい。放熱口から覗くと内部は大量のホコリが堆積。
 ・アンテナを接続して電源オン、、あれ、、表示管が点灯しない、、
 ・起動しないのかと思った頃にようやく表示管点灯。
 ・表示部下に並んだ切り替えボタンの反応が鈍い、というかほぼ効かない。
 ・オートチューニングでは名古屋地区のFM局を素通り。
 ・マニュアルチューニングでは受信するものの、出てくる音は酷いノイズ。
 ・STEREOランプ点灯しない。出てくる音声にステレオ感なし。
 ・機能切換スイッチが反応しないのでこれ以上の動作確認不能です。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部確認、、おお、、LA3450発見!
 ・復調回路にPLL-MPXのLA3450がありました。ようやく巡り合えました、、感激!
 ・通常のソニー製333シリーズのMPX部にはCX1064が搭載されています。
 ・333ESXIIにはLA3450が搭載されている個体があると知りずっと探していました。
 ・CX1064=LA3450
 ・これを見てガゼンやる気が出てきました♪
 ・最終オーディオ回路のLPFはアクティブ型でした。

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■修理記録:タクトスイッチ交換----------------------------------------

 ・フロントパネルの表示部下に並んだタクトスイッチ10個交換。
 ・タクトスイッチサイズ(6mm×6mm、H=5mm)
 ・細かい作業なので、着手するには「やる気」が必要です。

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■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・アースバーにハンダクラック多数発見。
 ・クラック箇所を修正しました。
 ・これは333シリーズに共通する弱点です。

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■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・タクトスイッチを交換したので切替ボタンの動作がとても軽快です。
 ・さて、オートチューニングで名古屋地区のFM局をサーチ。
 ・放送周波数よりも0.1MHzの同調ズレ。
 ・ひどい雑音は解消しており、とりあえずFM音声が聞こえてきました。
 ・STEREOランプ点灯しない。IF BAND切替OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・メモリー登録動作OK。メモリーボタン切替動作OK
 ・付属ループアンテナでAM放送も受信OK。
 ・あとは再調整で何とかなりそう。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

333esxii

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測615mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.0V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.8V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-7.5V
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測68dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-3.8dB 301Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・調整によってSTEREOランプが点灯しました。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・当初は部品取り用と思いましたが、
 ・タクトスイッチ交換、ハンダクラック補修、再調整で復活しました。
 ・やはり333シリーズ、特にESXIIはイイですね。

333esxii06

2017年4月 9日 (日)

SONY ST-A40

 ・2017年2月初め、ST-A40の再調整作業を承りました。
 ・HOジャンクコーナーで何度か遭遇したことがあるような気がします。
 ・初めて内部を見る機会をいただきました。

Sony_sta4010

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-A40 ¥34,000(1979年頃)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-A35 ¥35,000(1980年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-A35 AM/FM Stereo Tuner (1980-81)

Sony_sta4002 Sony_sta4013

 ・A40/A35の説明文を読み比べると内容はほとんど同じ。
 ・海外サイトでST-A35の資料が見つかったので参考になりそうな予感です。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・経年の汚れはありますが、外観に目立つキズはありません。
 ・フロントパネルはほぼ無傷。状態は良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。指針照明点灯。
 ・スケール全体をライトアップする照明は無さそうです。
 ・多少の周波数ズレはあるものの、名古屋地区のFM局を受信。
 ・緑色5連LEDのSIGNALメーター点灯。
 ・ACCUTE SERVO LOCK点灯。左右にズレた位置では赤色LED点灯。
 ・同調点に強制的に引き込まれるような感じです。
 ・STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。REC CALトーンOK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局も受信OK。
 ・FM/AMとも周波数ズレがありますが、故障箇所は無さそうです。

Sony_sta4003 Sony_sta4004 Sony_sta4005 Sony_sta4017 Sony_sta4014
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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連フロントエンドユニット → CF3段
 ・IC201:LA1231N:クアドラチュア検波
 ・IC301:KB4437 :PLL MPX
 ・IC401:LA1240 :AM TUNER
 ・IC701:LB1416 :LED DRIVER

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 ・久しぶりに東光KB4437に遭遇しました。
 ・KB4437はSONY ST-J55/J60 でも使われています。
 ・KB4437=PA1001。
 ・PIONEER製チューナーではPA1001としてよく見かけます。
 ・Harman Kardon TU905 回路図にあったKB4437ブロック図を転載します。

Harman_kardon_tu905_kb4437_2

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ST-A40実機とST-A35回路図をじっくり比較しました。
 ・価格はほぼ同じですが、中身は ST-A40>ST-A35 でした。
 ・SERVO LOCK回路は共通。輸出機ST-A35の回路図が参考になりました。

Sony_sta40

【SERVO LOCK停止】
 ・IC601 JRC4558C-5ピン → GNDに落とす
 ・これによってSERVO LOCK機能停止
【FM同調点調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・TP-NULL 電圧計セット
 ・SSG83MHz送信 → 歪率が最小になる位置を探す ※実測82.8MHz付近
 ・IFT201(橙)調整 → TP電圧ゼロ
 ・IFT201(黒)調整 → 高調波歪最小
【FM OSC調整】
 ・OSC調整コイル:L103がボンドで固められており調整不能
 ・従って調整はCT103のみ。
 ・RT201 Sメーター調整VRに電圧計セット(Sメーター代用)
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → CT103調整 → 電圧最大
   ※CT103を83MHzに調整した場合
    ・76MHz → 76.2MHz
    ・83MHz → 83.0MHz
    ・90MHz → 89.6MHz
   ※CT103を90MHzに調整した場合
    ・76MHz → 76.2MHz
    ・83MHz → 83.3MHz
    ・90MHz → 90.0MHz
【FM RF調整】
 ・L101、L102はコイル間隔を調整するタイプ。
 ・これは上手く調整できないの今回はノータッチ。CT101とCT102のみ調整しました。
 ・RT201 Sメーター調整VRに電圧計セット(Sメーター代用)
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → CT101,102調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz → 指針を83MHzにセット → T101調整 → 電圧最大
【FM高調波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz → IFT201(黒)調整 → 高調波歪最小
【SERVO LOCK停止解除】
 ・IC601 JRC4558C-5ピン → 解除
【Sメーター点灯調整】
 ・RT201
【MUTING動作点調整】
 ・RT202
【VCO調整】
 ・TP VCO に周波数カウンター接続
 ・SSG83MHz(無変調)→ 76kHz
【パイロット信号キャンセル】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz信号を最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz(ST)→ RT501調整 → 左右の漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベルを記録
 ・RT601調整 → -6dB設定
【AM OSC調整】
 ・SSG AM 600kHz → 指針 600kHz位置にセット → T401調整
 ・SSG AM1400kHz → 指針1400kHz位置にセット → CT402調整
【AM RF調整】
 ・SSG AM 600kHz → バーアンテナ内コイル調整
 ・SSG AM1400kHz → CT401調整
【RT203】
 ・RT203(FM) = LA1231N-6ピン
 ・検波出力レベル調整 最大にしておきました
 ・RT201:SIG
 ・RT202:MUT
 ・RT203:FM
 ・RT301:PILOT
 ・RT302:VCO
 ・RT501:SEP
 ・RT601:CAL

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・当時のソニーらしいお洒落なデザインですね。
 ・シンプルな構成ですがFM/AMとも不満無く使えます。

Sony_sta4011

2017年4月 2日 (日)

Technics ST-S6

 ・2017年1月、テクニクス製薄型チューナーST-S6のジャンク品をいただきました。
 ・見た目は ST-S8 とそっくりですが、さて、中身は?

Sts658

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-S6 ¥59,800(1981年発売)
 ・Hifi Engine Technics ST-S6 Quartz Synthesizer AM/FM Stereo Tuner (1981-82)

Sts602 Sts612

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装は随分汚れた状態。背面端子類も輝きを失っています。
 ・フロントパネルに並ぶシルバーのボタンが錆びている。
 ・とりあえずアンテナ線を繋いで電源オン。
 ・周波数表示がやや暗いか。オート選局で-0.1MHzの周波数ズレ。
 ・受信周波数 76.1MHz~89.9MHz。
 ・82.5MHzの放送局に対して82.4MHzで受信する。
 ・それでもSTEREOランプ点灯、Quartzランプ点灯。
 ・IF切替ランプ点灯、FM電波強度をdB表示できます。
 ・AMも問題なさそう。
 ・先日調整したST-S8によく似た感じです。

Sts653 Sts654 Sts655 Sts656 Sts657
Sts613 Sts614 Sts615 Sts616 Sts617

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部をると、何と ST-S8 と同じ基板です。
 ・違いは、、
 ・フロントエンド3段分省略、周波数を指針表示する機能なし。
 ・S8は豪華7連バリキャップ、S6は実用的な4連バリキャップ。
 ・フロントエンド以外は全く同じ構成、部品番号やTP番号もすべて同じです。
 ・メモリバックアップ用3連キャパシタが死亡しているのも同じ。
 ・uPC1167C:FM IF SYSTEM クアドラチュア検波
 ・uPC1161C:PLL MPX
 ・uPC1018C:AM SYSTEM

Sts620 Sts621 Sts622 Sts623 Sts624
Sts625 Sts626 Sts627 Sts628 Sts629
Sts630 Sts631 Sts632 Sts633 Sts635

■調整記録------------------------------------------------------------

・ST-S8の調整方法がそのまま使えます。

Sts6

【FM VT電圧】
 ・TP1 → DC電圧計セット
 ・受信周波数76.1MHz → L10調整 → 4.1V±0.1V ※実測3.9V
 ・受信周波数89.9MHz → CT7調整 → ※実測14.8V
【フロントエンド調整】
 ・VR501(Sメーターレベル調整)足にDC電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L1,L6,L8調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz受信 → T101調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP102~TP103 → DC電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → T102調整 → OV±20mV
 ・OUTPUT出力をWaveSpectra観測
 ・83.0MHz受信 → T103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP302 → 周波数カウンタセット
 ・83.0MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【パイロットバンドパスフィルター設定】
 ・TP301 → AC電圧計セット
 ・83.0MHzステレオ変調 → L302,L303調整 → 電圧最大
【パイロットキャンセル調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → L303,VR303調整 → 漏れ信号最小
 ・左右chバランス注意
【SUB信号】
 ・OUTPUT出力をWaveSpectra観測
 ・83.0MHz SUB変調 → VR302調整 → Lch信号最大
【ステレオ歪調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → T101調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83.0MHzステレオ変調 → VR401調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【シグナルメーター調整】
 ・83.0MHz無変調60dB → VR501調整 → SメーターLEDフル点灯
 ・83.0MHz無変調80dB → VR502調整 → dB表示調整
【MUTINGレベル調整】
 ・83.0MHz無変調20dB → VR101調整 → MUTING作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP201 → DC電圧計セット
 ・受信周波数522kHz → L202調整 → 1.0V±50mV ※実測0.9V
【AM受信調整】
 ・NHKラジオ(729kHz受信)→ L201,背面バーアンテナコア調整 → Sメーター最大
 ・東海ラジオ(1332kHz受信)→ CT201調整 → Sメーター最大

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・登録したメモリを保持できませんがそれ以外は正常に使えます。
 ・外装はクリーニングで綺麗になりました。
 ・ただフロントパネルに並ぶシルバーのボタンは錆が落としきれません。
 ・それでもガンメタデザインのカッコ良さが蘇ってきました。

Sts659

2017年3月26日 (日)

M-AUDIO M-TRACK 2×2M

 ・2016年12月末、アマゾンで購入しました。
 ・24bit/192kHz対応、USB-Cオーディオ/MIDIインターフェイスです。
 ・チューナー修理で使うオーディオインターフェスの買い替えです。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・M-AUDIO M-TRACK 2×2M 14,800円
 ・M-AUDIO M-TRACK 2×2 10,800円
 ・似たような型番で価格がちょっと安い「M-TRACK 2×2」があります。
 ・どちらも2in/2out構成ですが、ラインでステレオ入力できるのは「M-TRACK 2×2M」
 ・本機の特徴は USB Type-Cポートが装備されている点。
 ・通常のUSB2.0やUSB3.0に接続するための変換ケーブルも同梱されています。
 ・サイズ的には1Uハーフラックサイズの EDIROL UA101 とほぼ同じ。
 ・据え置きタイプの方がつまみが大きくて操作しやすい感じです。

M_audio01 M_audio02 M_audio03 M_audio04 M_audio05

 ・もう一つの特徴はバンドルソフトが超!豪華であること。実はこれが購入の決め手。
 ・これらのバンドルソフトはチューナー修理には不要ですが別用途で活用します。
  ・Cubase LE8:Steinberg社製DAW(Digital Audio Workstation)
  ・Xpand!2:マルチティンバー音源
  ・Strike 2:ドラム音源
  ・Mini Grand:アコースティックピアノ音源
  ・Creative FX Collection:エフェクトプラグインコレクション

■使い方--------------------------------------------------------------

 ・同梱されている説明書は外国語版(英仏独伊西)のみ。
 ・まずM-AUDIO社のホームページから日本語版の取扱説明書を入手。
 ・続いていM-AUDIO社のダウロードサイトからドライバーを入手。
 ・本体をPCに接続する前にPC側にドライバーをインストールする必要あり。
  ・Windows7~10(32bit/64bit)用ドライバー v.1.0.4
  ※2016年12月28日付で新バージョン v.1.0.6 がリリースされていました。
 ・インストール作業完了後にType-C変換ケーブルで接続。
 ・電源はUSBバスパワーなので接続すれば準備完了。
 ・チューナーからの音声出力は背面LINE端子に接続。
 ・オーディオ機器との接続には「標準プラグ-RCAプラグ」のステレオコードが必要。
 ・このコードは家電量販店ではほとんど見かけませんが楽器店で普通に入手可能。
 ・WaveSpectraの設定画面でドライバーを切り換えてサンプリング周波数を設定。
 ・上面にあるGAINつまみで入力レベルを調整。
 ・このGAINつまみは左右独立タイプ。

M_audio10

■使ってみて----------------------------------------------------------

 ・音楽制作ではなくWaveSpectraで波形観察することが目的です。
 ・WaveSpectraの「録音・再生」タブで入力・出力からM AUDIOを選択
 ・WaveSpectraで左右チャンネルの波形がきれいに観測できました。
 ・サンプリング周波数の変更はこの設定画面のプルダウンメニューから選択するだけ。
 ・チューナーの調整に問題なく使えました。
 ・ところが、しばらく使って気が付いたことは、、

 ・本機のヘッドホン端子から出てくる音が2系統ミックスのモノラル音になっている。
 ・あれこれ弄ってみましたがソフトウェアミキサー機能は無さそう。
 ・DAWを通してた音はもちろんステレオで問題なし。
 ・WaveSpectraの波形も左右それぞれ表示されるので問題は無いのですが、、
 ・ダイレクトモニターできない点は微妙に痛かった、、

 ・それから、PC起動時にUSB機器として認識されない問題。
 ・USB端子を抜いて、もう一度接続し直すと認識される。
 ・XP からバージョンアップを重ねてWin10になっているPCなのでちょっと古すぎるか?
 ・他のPCでは未検証。この件は宿題です。

M_audio09

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