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チューナー関連リンク

KENWOOD KT-3030 修理調整記録6

 ・2024年1月、KT-3030の故障機が届きました
 ・起動時にノイズ発生、さらに左右の音に音量差があるそうです
 ・以下、作業記録です

Kt303004_20240303083001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)

Kt303002_20240303083201Kt303007_20240303083201

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からお聞きした情報>
 ・最初電源を入れてしばらくは左chの音が大きい
 ・しばらくすると右chにガリ音というか、音が歪む瞬間がある
 ・その後は左右正常音量に戻る
 ・電源投入時に正常に聞こえていてもそのうち左右の音量差が出る
 ・起動時以外も長く聞いていたりすると症状が出やすい
<当方での確認事項>
 ・事前情報があったので電源オン直後の様子を注意深く観察しました
 ・背面の可変出力端子で確認したところご指摘の症状を確認しました
 ・電源オン直後はRchの音が約-4dB小さい、聴感ではっきり分かります
 ・しばらくすると(10秒くらい)すぐに左右の音量差は解消しました
 ・正常に戻る瞬間に右chから「ガリガリ」音が聞こえました
 ・オート選局や各種機能切換などの基本動作は正常です
 ・本体正面の固定出力端子も同様に試しましたが同じ症状でした
 ・別件ですが本体の周波数表示部に文字欠けがありました
 ・「88.8」の一部セグメントが振動で点いたり消えたりします

■内部確認--------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスによる修理記録シールはどこにもありません
 ・内部と基板面を見た感じでも修理痕・部品交換痕は見当たりません
 ・つまりオリジナル状態だと思います
 ・起動後しばらく経って安定稼働した状態で一通り調整してみました
 ・左右同音量になったと思った状態でも実際は約1dBの差がありました
 ・やはりRchの方が少し音量が小さいです
 ・調整したところ特に異常個所はなく調整手順が正常に完了しました

Kt3030

■修理記録:接点洗浄----------------------------------------

 ・本機はフロントに固定出力端子、背面に可変出力端子を備えています
 ・左右の音量差やガリが気になる場合はまず可変抵抗の不調を疑います
 ・そこで可変出力端子のVRをエレクトロニッククリーナーで洗浄
 ・続いてフロントパネルにあるIF BAND切換のスライドVRも同様に洗浄
 ・接点不良を疑いましたがここは問題なかったです

■修理記録:ローパスフィルター L29(L79-0107-05-521)---------

 ・調整手順が正常完了しても左右の音量差、片chだけの雑音、、
 ・調査の結果、最終オーディオ回路のLPF:L29前後で様子が異なるが判明
 ・そこでL29(L79-0107-05-521)を取り外して前後回路を直結したところ
 ・起動時の音量差も雑音も解消しました

Kt303020_20240303083301Kt303021_20240303083301Kt303023_20240303083301Kt303025_20240303083301Kt303026_20240303083301

 ・L29の裏面を見ると内蔵コンデンサーが黒く変色しています
 ・まずRch側の内蔵コンデンサーを洗浄してみました
 ・L29裏面からエレクトロニッククリーナーを軽く噴射
 ・見える部分だけを柔らかい刷毛で清掃
 ・この状態で基板に再度取り付けて動作確認したところ、、
 ・電源オン時の左右の音量差は解消しました
 ・通常稼働時の左右の僅かな音量差も解消しました
 ・不具合の原因はこのL29で間違いないようです
 ・再度L29を基板から取り外し、Lch側のフィルターも洗浄しました
 ・作業後1週間のランニングテストでも不具合は再発しません
 ・不具合が再発する場合、次はコンデンサの除去と外付け追加ですが
 ・今回は洗浄だけに留めておきます

■修理記録:7セグメント表示の一部欠損-----------------------

 ・たとえば「80.7」MHzの「8」や「0」の一部が欠損します
 ・本体を軽く叩くと点いたり消えたりするのでハンダクラックが原因か?
 ・そこで表示管に繋がる基板のハンダ付けをやり直しました
 ・2階基板の裏面のハンダは底面から慎重にアクセスして修正しました
 ・もう大丈夫です

Kt303030_20240303083401Kt303031_20240303083401Kt303032_20240303083401Kt303035_20240303083401

■調整記録--------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ
 ・IF BAND スイッチ記号
  (左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)
【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76.0MHz → L6調整 → 3.0V ※実測 3.1V
 ・90.0MHz → TC6調整 →24.0V ※実測24.3V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L21調整 → 0.0V ※実測220mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76.0MHz → L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz → TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット
 ・83.0MHz → L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz →L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzST信号 → VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83.0MHzST信号 → L26 調整 → 19kHz信号最小
  ※左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzSUB信号 → L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83.0MHz(MONO信号,400Hz)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83.0MHz(MAIN信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83.0MHz(R信号)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83.0MHz(L信号)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83.0MHz → VR18調整 → 最上段ドット点灯
【TUNING METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR2調整 → 中央の白セグメント点灯位置
【MODULATION METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR1調整 → 100%位置で点灯

Kt303040_20240303083001

■試聴------------------------------------------------------

 ・1週間のランニングテストでは不具合の再発は無かったです
 ・やはりKT-3030、2020、1100D辺りは安心して聴けますね

Kt303003_20240303083101

 ・note:BLUESS Laboratory

2024年2月25日 (日)

Accuphase T-101 修理調整記録5

 ・2024年1月、以前メンテした個体の再修理をお引き受けしました
 ・今回は本体内部から「ビー」という異音が聞こえるそうです
 ・以下、作業記録です

T10101

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner
 ・取扱説明書(日本語版)

T10103_20240225085101T10104_20240225085101

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からお聞きした症状>
 ・左側の音が小さくなり左側のみガサゴソノイズが出るようになった
 ・その症状はしばらくして治まったが、
 ・次は電源を入れると本体内部からビーという音が響く様になった
 ・スピーカーからは発振音のようなノイズしか聞こえない
 ・この状態でも二つのメーターは正常に振れステレオランプも点灯する
<当方での確認状況>
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる
 ・名古屋地区のFM局を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる
 ・固定/可変出力とも音声OK、FM DET OUT端子も音声OK
 ・MUTING動作OK、STEREOランプ点灯
 ・あれ?正常に受信動作していますが?? と思ったら、
 ・通電から1時間ほど経った頃、突然ご指摘の症状が発生しました
 ・左右chとも「ビー」という連続した発振音しか聞こえません
 ・ボディの中からも「ビー」という大きな音が連続して聞こえます
 ・このときSメーターとTメーターの動作は正常
 ・STEREOインジケーターも点灯しています
 ・固定端子、可変端子ともに「ビー音」しか聞こえません
 ・しかしマルチパスH端子とFM DET OUT端子からは正常音声でした
 ・放送局を離れるとMUTINGが作動してビー音は聞こえなくなる
 ・次にMUTINGオフの状態で確認してみると
 ・離調時も「ビー音」はずっと発生していました
 ・そもそもボディ内部から「ビー音」が聞こえるってどういうこと?

■内部確認-------------------------------------------------

 ・「ビー音」が聞こえる状態でボディを開けて内部点検開始
 ・異音の発生源と辿るとMPX基板のリレー/RELAY1 でした
 ・リレーの接点が高速でON/OFFを繰り返しているようです
 ・リレーの動作音が「ビー」という連続音になる
 ・音声がON/OFFを繰り返すので音声端子からも発振音のように聞こえる
 ・なるほど、不具合の原因が分かりました、そこで、
 ・急いで電圧計を用意して各部の電圧を測定しようとしていたら、
 ・これまた急に「ビー音」が消えて正常動作に戻りました
 ・「ビー音」が聞こえていたのは10分間位だったでしょうか
 ・不具合発生のきっかけは何だったのか?? 不思議に思いつつ、
 ・正常動作している間に下記受信調整を進めました
 ・その後連続8時間に渡って正常動作が続きました
 ・こういった気まぐれ不具合は原因究明が厄介です

T10120T10130T10131T10122T10132

■修理記録:基板を繋ぐコネクタ洗浄-------------------------

 ・内部確認から1週間後、再び電源を入れてみました
 ・すると今回は通電直後から「ビー音」が発生!
 ・本機のIF基板とMPX基板はコネクタ配線で繋がっています
 ・過去事例ではこのコネクタ部で接触不良が頻発していました
 ・そこで電源オフ、基板を引き抜いて接点を念入りに洗浄
 ・これで解決するか、、と期待して電源オン、、
 ・残念、、「ビー音」が再び発生、、
 ・ここは問題なしでした

T10121T10123T10124T10125T10126

■修理記録:MPX基板の部品チェック--------------------------

 ・オシロスコープで波形を見ながら「ビー音」発生を待ちました
 ・待っているときはなかなか発生しないものですね、、
 ・そしていよいよ「ビー音」発生
  ・D2:カソード側16.4v、アノード側5.1v → ★異常時14.0v
 ・異常時はアノード側にパルス状の鋭い波形が被ってます
 ・これはMUTING系統のTRか電解コンデンサに故障がありそうか?
 ・基板から部品を取り外して1個ずつ確認
  ・Q13,Q14,Q15/2SC1416 → 正常
  ・D1,D2,D3,D4 → 正常
  ・Q16,Q17,Q18/2SC1416 → 正常
 ・電解コンデンサの容量も測定して全て異常なし

T10100

■修理記録:電源回路の電解コンデンサ交換-------------------

 ・次に怪しいのは電源基板、と思って電解コンデンサを全数交換
  ・C3 2200uF/35v → 2200uF/35v ※チューブラ型
  ・C4 100uF/35v → 100uF/35v
  ・C5 22uF/16v → 22uF/50v
  ・C8 100uF/16v → 100uF/25v
  ・C9 100uF/16v → 100uF/25v
  ・C4 1000uF/10v → 1000uF/50v ※ラグ板上のチューブラ型
 ・交換後は「ビー音」は発生することなく動作は正常になりました
 ・確認のため取り外した部品を詳細にチェックしたところ、
 ・C5:22uF/16v だけ内部抵抗成分ESRが15Ωと異常に高い事が判明!
 ・そこで C5だけ電源基板に戻してみると、、何と!「ビー音」発生!
 ・故障部品はC5:22uF/16v でした
 ・容量は正常値でもESRが異常値を示すことがあるんですね
 ・その後、10日間に渡って正常動作が続いています。
 ・また一つ勉強になりました

T10143T10144T10146T10142T10148

■調整記録-------------------------------------------------

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら離調時にMUTING作動ポイントが左右対称に
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

T10150

■試聴-----------------------------------------------------

 ・「ビー」というブザーのような音が耳奥に残ってしまいました
 ・T-101の良い音を聴きながら聴感のリハビリをしています
 ・やはり正常な音声が聞こえるチューナーはイイですね

T10102_20240225085201

■note、始めました---------------------------------------

 ・noteで「マガジン」を設定してみました
 ・マガジンとは、個々のnoteをテーマ毎にまとめたフォルダみたいなものです
 ・とりあえず「バリコンチューナー」と「シンセチューナー」の2種類です
 ・目次代わりに使えそうです

 ・note BLUESS Laboratory

2024年2月18日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録20

 ・2024年1月、4年ほど前に修理調整した個体の再修理を承りました
 ・今回は表示部に何も表示されなくなったそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100d04_20240218090601

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20240218090701Kt1100d07_20240218090701

■動作確認--------------------------------------------------

 ・電源オン、ご指摘の通り表示部には何も表示されない
 ・ただ眼を凝らすと周波数の一桁部分がかろうじて薄っすら見える
 ・その他の表示内容は読み取れない
 ・PROGRAMボタンを押すと赤色LEDが点灯する
 ・AUTO選局ボタンを押すと赤色LEDが点灯する
 ・音声端子からは受信音や局間ノイズは全く聞こえない、完全に無音
 ・REC CALトーンも聞こえない
 ・まずは電源系統の確認から始めます

■修理記録:電源回路の電解コンデンサ交換--------------------

 ・本体が全く機能していないので電源最上流部から確認開始
 ・電源トランスから出ているAC電圧 → OK
 ・D29,D30,D31,D32 → OK
 ・Q46エミッタ電圧(+28v)← 実測+2v ★ここがおかしい
 ・次にQ46前後の電解コンデンサを確認したところ故障部品発見!
 ・C134(100uF/10v)→ これが1Ωの抵抗と化していました
 ・C134(100uF/10v)→(100uF/50v)新品交換
  ※手持ちが50v品しかなかったので直径が大きめです
 ・交換によって電源電圧がすべて正常化、表示管が点灯し受信動作が復旧
 ・後述の受信調整を経て完全復活しました

Kt1100d20_20240218090801Kt1100d22_20240218090801Kt1100d23_20240218090801Kt1100d24_20240218090801Kt1100d25_20240218090801

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.0V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測24.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測16mV
 ・TP12~TP13 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測22mV
【RF調整】
 ・R67左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz 30dB → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz SUB信号 → L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz → VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz → VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz → VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置

【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 → 電圧計セット
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d30_20240218090601

■試聴------------------------------------------------------

 ・小さな電解コンデンサが1個故障するだけで致命傷になるのですね
 ・でも4年前の再調整から調整ズレはほとんどなかったです
 ・これでまたしばらくは安心して使えます

Kt1100d03_20240218090601

■ note 始めました------------------------------------------

 ・2024年1月から note にも同じ記事を投稿しています
 ・noteの使い勝手は思ったよりイイ感じです
 ・ココログの容量が一杯になったらnoteに移行しようと思います

 →note BLUESS Laboratory

2024年2月11日 (日)

TRIO KT-7500 修理調整記録5

 ・2023年12月、KT-7500の故障品が届きました
 ・以下、作業記録です

Kt750003_20240211084501

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7500 ¥48,000(1975年発売)
 ・hi-fi engine KENWOOD KT-7300 輸出機サービスマニュアル
 ※型番注意
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300

Kt750002_20240211084501Kt750011_20240211084501

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装は目立つキズも無くキレイな状態
 ・ただ周波数窓のガラス外縁部が虹状に光って見える
 ・これは磨いてもどうにもなりません
 ・電源オンOK、Sメーター周辺部がちょっと暗い → 電球切れか
 ・FMポジションランプ(赤色LED)点灯
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局の受信テスト開始
 ・0.1MHz程度の周波数ズレでFM放送を受信OK
 ・STEREOインジケーター(赤色LED)点灯するがちょっと暗い
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・MUTING動作OK
 ・続いて背面バーアンテナでAM放送の受信テスト
 ・AMポジションランプは点灯しない
 ・低い周波数のAM局は受信OK
 ・ところが高い周波数(1000kHz以上)の局は受信できない
 ・背面バーアンテナを見ると内蔵コアが外部にまで飛び出している
 ・だれか適当に弄った痕跡か?

■内部確認-------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・IC1:HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
 ・IC2:HA1156 FM MPX
 ・IC3:HA1151 AM SYSTEM

Kt750000_20240211084501

■修理記録:照明電球交換-----------------------------------

 ・二つのメーターと照明窓は4個の電球でライトアップされている
 ・このうち左端の電球1個が切れていました
 ・8V/300mA、手持ちの中古パーツと交換しました
 ・ところが作業中にもう1個の電球が切れてしまいました
 ・ここも同じ中古パーツに交換
 ・交換後しばらく様子を見ていますが大丈夫そうです
 ・配線は単純なので次回はLED化を検討した方が良いですね

Kt750028_20240211083601Kt750030_20240211083901Kt750031_20240211083601  

■修理記録:AMインジケーターLED交換-------------------------

 ・AMインジケーターLEDが点灯しません
 ・FMインジケーターLEDは鮮やかな赤色で点灯しますが
 ・STEREOインジケーターはLEDがちょっと暗い
 ・FM と STEREO が並んで点灯すると明るさがアンバランスです
 ・そこでSTEREO用LEDを切れていたAM用LEDとして移植
 ・STEREO用LEDは過去に部品取りした同型LEDに交換しました
 ・FM受信時は FM と STEREO インジケーターが明るく点灯
 ・AM受信時は AM インジケーターがやや暗めで点灯
 ・ちょうどバランスが取れた感じです

Kt750041_20240211083601Kt750043_20240211083901Kt750044_20240211083601Kt750045 

■調整記録--------------------------------------------------

【Tメーター オフセット調整】
 ・セレクタ AM → VR2調整 → Tメーター中点
 ※AM受信時にTメーターは使いませんが中点調整に使います
【FM OSC調整】
 ・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz → T1(下部コア)調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → T1(上部コア)調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz → VR1調整 → 振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ内T2調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT6,CT5調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・Sメーター調整 → VR5
 ★飛び出していたAMバーアンテナ内コイルを適正位置に戻しました
 ★調整によってAM受信感度が大幅に向上しました

Kt750050_20240211084501

■試聴------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解して周波数窓の裏側を磨いておきました
 ・指針先端に付着していた綿のようなゴミを除去しました
 ・見ていて飽きない外観と力強い音が魅力です

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■ note 始めました----------------------------------------------------

 ・ココログは2006年から利用していますが、いよいよ保存容量が厳しくなってきました
 ・引っ越し先をどうしようかと思案中ですが、、
 ・知人が最近 note を始めたと聞いて私も試しに開設してみました
 ・しばらくはココログとnoteを併用して使い勝手を試してみようと思います

 →note BLUESS Laboratory

2024年2月 4日 (日)

SONY ST-S555ES 修理調整記録2

 ・2023年12月、555ESの故障機が届きました
 ・専用の音声信号ケーブルも同梱されていました
 ・以下、作業記録です

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■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ES FM STEREO TUNER ¥65,000
 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ES ¥65,000(1982年頃)
 ・Hifi Engine Sony ST-S555ES FM Stereo Tuner (1982-87)

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 ・555ESと555ESX、型番は似ていますが中身は別物です
 ・555ES → ST-J75やST-JX8とほぼ同じ構造
 ・555ESX → その後の333シリーズに繋がる基本形

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装に目立つキズは無いが全体に経年の汚れ
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが見える
 ・さて、テスト環境に設置してFM局の受信を試行
 ・付属の専用ケーブルを介してアンプに接続
 ・電源オンで周波数など表示部点灯、文字欠けや文字痩せはない
 ・各切換ボタンの操作に応じて表示内容は切り換るが、、
 ・オート選局ではすべてのFM局を素通りして受信不可
 ・マニュアル選局でも同様に受信不可
 ・MUTINGオフでも受信不可
 ・アンテナ切換 A/B どちらも受信不可
 ・IF BAND Wide/Narrow ともに受信不可
 ・唯一REC CALトーンだけは聞こえました

■内部確認--------------------------------------------------

 ・基板上の大量のホコリが堆積している
 ・まずは掃除機で吸い取り、さらにエアと刷毛で丹念に清掃
 ・部品交換歴は無さそうなので多分オリジナル状態です
 ・アンテナ2系統:B系は-20dBのアッテネーターをON/OFF可能
 ・フロントエンドは5連バリキャップのパッケージ品
  ・IF段:WIDE/NARROW切換式、Sメーター専用回路あり
  ・FM同調点検出:LA1235(クアドラチュア検波)
  ・検波部:レシオ検波
  ・復調部:uPC1223C
 ・テストポイント(TP3)でVT電圧確認 → 0v
 ・76MHz~90MHz区間全域でVT電圧=0v 変化なし
 ・これでは受信できるはずないですね

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■修理記録:VR601交換---------------------------------------

 ・まず最初に電源系統の電圧チェック
 ・すべてのヒューズ抵抗確認 → 異常なし
 ・続いてTP3(PLL) でVT電圧確認
 ・本来なら76MHz → 1.8v
 ・ところが 0.2vを示したまま76MHz~90MHz全区間で変化しない
 ・原因究明のためまずはPLL回路の点検からスタート
 ・IC601(CX778A) → Q601(2SK30A) → Q602(2SC1362)
 ・調査の結果 RT601(102)の抵抗値が無限大、断線状態でした
 ・これを同値の半固定抵抗に交換したところ
 ・VT電圧が出現し規定値に設定できました
 ・外形サイズが違うので足を細工して取付けました
 ・後述の調整作業でFM受信できるようになりました
 ・RT601は見た目も回転フィーリングも問題ないのに故障でした

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 ・実は、、今回と全く同じ故障事例が過去にありました
 ・SONY ST-JX8 修理調整記録3 2023年4月30日記事
 ・同じPLL回路の同じ半固定抵抗の故障、これは偶然か??
 ・ST-JX8(1981)、ST-S555ES(1982)
 ・両機の製造時期はほぼ同じなので
 ・同じ製造ロットの部品が使われていたかも?

■修理記録:黒ずんだICの足を磨く----------------------------

 ・上記修理によってFM放送を受信できるようになりました
 ・後述の調整手順もすべてクリアできました
 ・しかし受信中に「ザザッ、、ザザッ、」と雑音不定期に混入します
 ・WaveSpectraの波形でベースラインが上下する動きに連動するよう
 ・この手の雑音は発生源を探すのが厄介です
 ・まず最初にアースバーのハンダクラック対策
   →目視で分かるクラックは無いが念のため全個所再ハンダ
   →効果なし
 ・すべてのハンダ箇所をルーペで観察
   →目視で分かるクラック無し
 ・真っ黒に変色したICやTRの足を磨く(マイグレーション対策)
   →IC103(TL071CP),IC203,IC204(TL072CP)→ 効果なし
   →IC605(TMS1024NLL)→ ★当たり!
   →雑音が解消しWaveSpectraの波形もキレイに安定しました
   →暗黒物質が電源ラインかGNDラインに影響していたか?
 ・その他の黒ずんだパーツの足も磨いておきました
   →IC103(TL071CP),IC203(TL072CP),IC204(NE5532P),IC602(761A)
 ・足の磨き方
  →足の表面はエレクトロニッククリーナーを噴射して歯ブラシで磨く
  →裏側は100円ショップで買えるSSサイズの「歯間ブラシ」で磨く

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■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧調整】
 ・TP3 → 電圧計セット
 ・76MHz → RT601調整 → 1.8v
【FM同調点調整】LA1235クアドラチュア検波
 ・R127両端 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → 電圧0v
【フロントエンド調整】
 ・LA1235 13ピン → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz受信 → トリマコンデンサ(2個)調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・TP1 → 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 → IFT102(黒)調整 → 電圧0v
 ・83MHz受信 → IFT102(赤)調整 → 高調波歪最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・RT301,RT302,RT303 → 反時計回りに回しきる
 ・83MHz,55dB受信 → RT301調整 → 点灯レベル 5
 ・83MHz,55dB受信 → RT302調整 → 点灯レベル 6
 ・83MHz,80dB受信 → RT303調整 → 点灯レベル10
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,20dB → RT202調整 → MUTING作動位置
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,20dB → RT101調整 → MUTING作動位置
【VCO調整】
 ・TP2 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調)受信 → RT203調整 → 76kHz
 ※TP2に代えてR228左足で測定
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 →L201,RT202調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 → RT201調整 → Lch信号最小
 ・83MHz受信 → RT251調整 → Rch信号最小
【オーディオ出力調整】
 ・R215左足 → AC電圧計セット
 ・83MHz受信 → RT204調整 → Lch 0.775v
 ・R265右足 → AC電圧計セット
 ・83MHz受信 → RT254調整 → Rch 0.775v
【CAL TONE調整】
 ・83MHz調整 → RT401調整 → -6dB / 398Hz

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■試聴------------------------------------------------------

 ・セパレーション値は左右とも60dB超、とても優秀です。
 ・ただ専用のACTケーブルの効果は、よく分かりません?

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