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2026 謹賀新年

■本拠地を移転します-----------------------------------

 ・ココログは2006年に利用開始して気が付けばもう20年が経ちました
 ・多くの専門家の皆様にご指導いただきながら続けてきましたが、
 ・いよいよ、ホントに保存容量の残りが厳しくなってきました
 ・そこで20年を区切りに本拠地を移転することにしました
 ・引っ越し先は試験的に併用してきた note です
 ・ココログに書き溜めた記事はしばらくはこのまま残しておきます
 ・今後の新規記事は note をご覧ください
 ・2026年が皆様にとって良い年になりますように!

note BLUESS Laboratory
オーディオ記事一覧

2025年12月28日 (日)

SANSUI TU-S707X 修理調整記録7

 ・2025年11月、久しぶりに見るS707X故障機が届きました
 ・本体を揺らすと中から「カラカラ」と音がするそうです
 ・それって部品が外れて危ないんじゃないの??
 ・以下、作業記録です

S707x06_20251228082001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X 54,800円(1984年)
 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-S707X 54,800円
 ・Hifi Engine TU-S77X Quartz PLL Digital Synthesizer Tuner

S707x02_20251228082201S707x15

■内部確認--------------------------------------------------

 ・本体を左右に傾けると確かに内部から「カラカラ」と音がします
 ・明らかに何かの部品が転がっている音、しかも複数ある感じです
 ・電源を入れる前にまずボディを開けて音の正体を確認しなければ、
 ・正面から見て右側【RF+IF基板】、左側【MPX基板】
 ・電源基板は左側面に横向きに張り付いています
 ・底板を外すと割れた黒いプラスチック部品が複数出てきました
 ・これはフロントパネルや基板をボディに固定するツメ部品です
 ・どうやらフロントパネルを外そうとした先人がいたようです
 ・強引に外そうとしてツメ部品を破損したのかな?と想像できます
 ・分解方法はサービスマニュアルにちゃんと記載があるのにね
 ・この影響でフロントパネルが固定されていない状態でした
 ・このままではフロントがグラグラ状態なので強力接着剤で固定
 ・接着すると本当にもう分解できなくなるのでその前に、
 ・念のためタクトスイッチをクリーナー液で全数洗浄しておきました
 ・基板上の部品、ハンダ面とも目視で修理痕がないことを確認

S707x20S707x21_20251228082501

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れが目立ちますが幸いなことにヤニ汚れなし
 ・光沢あるサイドウッドもほぼ無傷でした
 ・異音の原因が分かったので電源を繋いで動作確認開始
 ・FM/AMとも周波数の表示OK、輝度劣化や文字痩せは見られない
 ・UP/DOWNボタンに反応して周波数が上下に変化する
 ・RFセレクタ、IF切換に応じてインジケーター点灯
 ・REC CALトーンOK、メモリ登録OK、タクトスイッチが軽快に反応する
 ・ただオート選局で名古屋地区のFM局をすべて素通りして受信不可
 ・マニュアル選局でも全区間で受信不可、聞こえるのは局間ノイズのみ
 ・「ザー」というノイズだけでFM放送は全く受信できない状態でした
 ・続いて適当なループアンテナでAM放送の受信テスト
 ・名古屋地区のAM放送も全く受信不可でした
 ・これは電源回路の異常か?PLL回路の異常か?

■修理記録:基準周波数7.20000MHzが不安定--------------------

【VT電圧確認】
 ・フロントエンドVT端子 → 電圧計接続
 ・90.0MHz → TC5調整 → 0~20vで激しく変動する
 ・76.0MHz → 90MHzと同様に0~20vで激しく変動
 →VT電圧が0~20vの範囲で激しく変化して安定しない現象を確認
 →この原因は基準周波数7.200000MHzが不安定に変化することでした
【基準周波数調整】
 ・コイン電池横 R10 右足 → 周波数カウンタ接続
 ・TC1(緑色)調整 → 7.200000MHz

S707x31S707x40_20251228082201

 ・基板上で一番大きいLSI:TC9417BPを駆動する基準周波数7.200000MHz
 ・これを微調整するトリマコンデンサTC1(緑色)です
 ・このトリマ内部の接触不良が原因でVT電圧が安定しないと判明
 ・回路図を見るとTC1容量=45pF
 ・本来なら即交換ですが、、この容量の手持ち在庫がない
 ・そこで今回はエレクトロニッククリーナー洗浄で復活させました
 ・クリーナー液をTC1に噴射した後で何度も回転させる
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させる
 ・これで周波数が安定し、TPで観測するVT電圧が正常化しました
 ・劣化したトリマコンデンサはこの方法で復活することがあります

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-------------------------

 ・上記作業でVT電圧は安定したのですが、
 ・今度はフロントエンド内TC5を回しても電圧が変化しないことを確認
  ・76.0MHz → 1.6v
  ・90.0MHz → 8.2v ※本来は20v前後のはず
 ・これはこの機種定番のTC5の故障で確定です
 ・このTC5は上記緑色TC1とは形状が異なり洗浄しても復活しません
 ・ユニット本体を取り外し、TC5を10pFの新トリマに交換しました
 ・交換後の再調整でFM受信が正常になりました

S707x33S707x37

■調整記録--------------------------------------------------

S707x00

【基準周波数調整】
 ・コイン電池横 R10 右足 → 周波数カウンタ接続
 ・TC1(緑色)調整 → 7.200000MHz
【VT電圧確認】右側RF基板
 ・フロントエンドVT端子 → 電圧計セット
 ・90.0MHz → TC5調整 → 23.0V
 ・76.0MHz → 3.3V
【FM同調点の調整】右側RF基板
 ・TP1-TP2 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → TC(右)調整 → 電圧ゼロ
 ・83.0MHz受信 → TC(左)調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83.0MHz受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
  ※コイルL1,L2,L3,L4の間隔調整は難しいのでパス。
 ・83.0MHz受信 → フロントエンド内IFTコイル調整 → 電圧最大
【IF調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83.0MHz受信 → T1調整 → 最大電圧
【WIDE/NARROWレベル調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・IF BAND=NARROW
 ・83.0MHz受信 → 電圧測定
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → VR2調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM LOCKED LEVEL調整】右側RF基板
 ・83.0MHz 30dB受信 → VR4調整 → 本体正面[LOCKED]橙色LED全灯
【MUTING LEVEL調整】右側RF基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz 20dB受信 → VR3調整 → MUTING作動位置
【AUTO STOP LEVEL調整】右側RF基板
 ・83.0MHz 30dB受信 → VR1調整 → オートサーチが有効な位置
【REC Level】右側RF基板
 ・VR5調整 398kHz -6dB
【VCO調整】左側MPX基板
 ・TP3[VCO] → 周波数カウンターセット
 ・83.0MHz 無変調 → L101調整 → 304kHz
 ・TP1-TP4 → 電圧計セット
 ・83.0MHz 無変調 → VR105調整 → 電圧0V±0.05V
 ・TP2-TP5 → 電圧計セット
  接続 → VR104[PILOT OFFSET]調整 → 電圧0V±0.1V
【PILOT CANCEL調整】左側MPX基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz ST受信 → L100、VR103L調整 → Lch 19kHz信号最小
 ・83.0MHz ST受信 → VR106、VR103R調整 →Rch 19kHz信号最小
【セパレーション調整】左側MPX基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND=WIDE
 ・83.0MHz ST受信 → VR102L調整 → 漏れ信号最小
 ・83.0MHz ST受信 → VR102R調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83.0MHz ST受信 → VR101L調整 → 漏れ信号最小
 ・83.0MHz ST受信 → VR101R調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】右側RF基板
 ・ 522kHz → TC1調整 → 1.3v
 ・1611kHz → T1調整 → 18.0v
 ・LA1245-16ピン → 電圧計セット ※AM Sメーター電圧
 ・ 729kHz NHKラジオ受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC2調整 → 電圧最大
 ・AM VR1調整 → AM STOP LEVEL
 ・AM VR2調整 → AM SIGNAL
 ※本機のAM回路にあるTC1とTC2も念のため洗浄しておきました

S707x50_20251228082701

■試聴------------------------------------------------------

 ・HA12412によるクアドラチュア検波ながら高調波歪が極小優秀です
 ・そしてSLDD効果でセパレーション値は70dBに迫ります
 ・後継のTU-α707シリーズは【PLL検波+LA3450】に進化しましたが
 ・薄型ボディにでSLDD回路を詰め込んだ TU-S707X も優秀機種です

S707x03_20251228082001

■MPX回路 SLDD 考察----------------------------------------

【SLDD】
 ・TU-S707Xの最大の特徴は本体底面積の半分を占める大きなMPX基板
 ・ここにディスクリートでMPX回路が構成されていることです

Tus707S707x51_20251228082801Tua707e03_20251228082801

 ・キチンと調整するとセパレーション値は軽く60dBを超える超高性能
 ・これを実現しているのがSANSUIオリジナル技術の SLDD です
 ・TU-S707XやTU-α707のフロントパネルにある SLDD のロゴがその証
 ・SLDD:Super Linear Digital Decorder
 ・技術解説文書はこちら(英文PDF)→
 ・実はSLDDについて調べた記録が残っています
 ・過去記事:2008年5月11日
 ・後継のTU-α707も SLDD のロゴがありますがMPX回路はLA3450搭載です
 ・つまりTU-S707XのMPX回路を集積したICが LA3450 だと言えます
 ・基板一枚分のディスクリート回路が LA3450 に凝縮された訳です

【WODSD】
 ・SONY ST-S555ESX にも同様にディスクリート構成のMPX回路があります
 ・SONYでの呼称は WODSD:Wave Optimized Digital Stereo Detector
 ・後継の ST-S333シリーズも WODSD 搭載を謳っていますが
 ・MPX回路は CXA1064 というICに置き換わっています
 ・333シリーズでは CXA1064 に代えて LA3450 が搭載された個体もあり
 ・つまり CXA1064 = LA3450 、SLDD = WODSD と言えると思います

St555esxWodsdCxa1064A707_la3450

 ・両社の資料を比べるとサンスイの方が2年ほど先行していたようです
 ・サンスイと言えばアンプのイメージが強いのですが
 ・チューナー回路でも最先端を走っていたと言えます
 ・当時はそんな技術情報など全く理解できない自称オーディオ通でした
 ・アンプはサンスイかパイオニア、チューナーはトリオ、とか言ってね
 ・製品カタログに並ぶ魅力的な宣伝文句に惹かれて選んでいただけでした
 ・有名オーディオ評論家が執筆する記事にも大いに影響されていました
 ・古い技術情報を発掘しながら、今になって理解が追い付ている状況です
 ・当時のエンジニ方々アの努力に敬意を表し、ありがたく使わせていただきます

note:BLUESS Laboratory

2025年12月21日 (日)

SONY ST-5150 修理調整記録6

 ・2025年11月初め、ST-5150が届きました
 ・特に不具合は無いそうですが今後も長く使うためメンテしました
 ・以下、作業記録です

St515004_20251221092501

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5150 39,800円(1973年発売)
 ・Hifi Engine SONY ST-5150 AM/FM Stereo Tuner (1973-76)
 ・当時ベストセラーだった人気機種です

St515002_20251221092401St515013

■動作確認--------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は1974、コードがベタベタネバネバしています
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが美しい緑色に浮かび上がる
 ・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認
 ・Tメーターが左右に振れ、Sメーターも大きく振れる
 ・名古屋地区のFM局周波数付近でTメーターが中点を示す
 ・MUTING動作OK、STEREOインジケーターは点灯するがちょっと暗い感じ
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK

St515006_20251221092501

■内部確認--------------------------------------------------

 ・ボディに通気口が無いので内部はホコリなど無くキレイな状態でした
 ・電球切れなし
 ・でも周波数を刻んだガラス窓の内側はかなりくすんでいます

St515000

■メンテナンス記録------------------------------------------

 ・フロントパネルは分解洗浄し、ガラス板内側も磨きました
 ・緑色照明に映える美しい姿が復活しました
 ・フロントエンド、バリコン軸の洗浄
 ・基板上の部品、特に黒く変色したICやTRの足の洗浄
【参考:電球規格】
 ・PL1,PL4:Tメーター、Sメーター照明電球:8v/150mA E10
 ・PL2,PL3,PL7:インジケータ(FM,AM,STEREO)電球:4.5v/40mA,φ4mm
 ・PL5,PL6:周波数窓両端の照明電球:8v/300mA T6.3×30mm

St515024St515021_20251221092401

■調整記録--------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・電波なし → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・90MHz受信 → CT204調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L104調整 → Sメーター最大
【FM受信調整】
 ・90MHz受信 → CT201,CT202,CT203調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT調整 → Sメーター最大
 ・RT202 FM Sメーター振れ調整
【MUTINGレベル調整】
 ・83MHz受信 → T202調整 → D204電圧最大
 ・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング動作レベル調整
【検波歪み調整】
 ・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪み最少
【セパレーション調整】
 ・83MHzSUB信号受信 → T401調整 → Lch出力最大へ
 ・83MHzST信号受信 → RT401 セパレーション調整
【AM調整】
 ・1332kHz受信 → CT101,CT102 → Sメーター最大
 ・729kHz受信 → T301,バーアンテナ内コイル→ Sメーター最大
 ・RT301 AM Sメーター振れ調整

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■試聴------------------------------------------------------

 ・何度も書いてますが、この時期のソニーデザインは最高です
 ・同時期の他社製品にはない洗練された美しさがありました
 ・シルバーパネルに映える緑色イルミネーションに見惚れてしまいます
 ・チューナーとしてはもちろんですが、
 ・お洒落なインテリアやオブジェとしても存在感を発揮します

St515005_20251221092501

note:BLUESS Laboratory

2025年12月14日 (日)

SONY ST-AV900 修理調整記録

 ・2025年10月、初めて見る機種を寄付していただきました
 ・FM/AM以外にTVも受信できる「オーディオビジュアルチューナー」です
 ・アナログTV(VHF/UHF)放送は既に2011年に終了していますが、
 ・外観デザインがカッコいいのでFM/AMだけでも使えるようにしたい!
 ・以下、復活までの作業記録です

Stav90005Stav90004

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-AV900 50,700円(1989年頃)

Stav90002Stav90018

■動作確認--------------------------------------------------

 ・チタニウムグレーのフロントパネル、光沢あるサイドウッドが高級感あり
 ・角が丸いサイドウッドはFMチューナーの ST-S333ESA/ESJ に似ています
 ・でも見慣れた333シリーズのチューナーとは雰囲気が全く違いますね
 ・カタログを見ると「オーディオ・ビジュアルチューナー」との表記
 ・型番が示すようにAV機器の一員としての立ち位置なのでしょう
 ・今見ると黄色い映像端子が妙に懐かしいく感じます
 ・TV受信時は音声だけでなく映像も出力できたようです

Stav90008Stav90009Stav90011Stav90012Stav90007

 ・さてFM/AMアンテナを接続して電源オン
 ・表示部の周波数などが明るく点灯し、文字痩せ文字欠けは見られない
 ・パネル右上に斜めに置かれた [BAND],[+],[ー] ボタン照明がお洒落
 ・選局してみると本体だけではオート選局機能はないようです
 ・[+],[ー] ボタンを1回ずつ押して 0.1MHz単位で上下させか
 ・あるいはプリセット選局でメモリ登録した局を順に選択する、でした
 ・受信テストしてみると残念ながらFMはまったく受信不可
 ・76~90MHz全区間で「ザー」という局間ノイズしか聞こえません
 ・一方でAMは手持ちのループアンテナで受信確認OKでした
 ・とりあえずFM回路の調査から開始

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■内部確認--------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド:ALPS製3連バリキャップ式
 ・IC201:LA1265 FM/AM Tuner of Electronic Tuning Type
 ・IC301:LA3401 PLL FM MPX  tereo Demodulator
 ・IC302:LA3805
 ・IC402:JRC2217 VIDEO SUPER IMPOSER WITH AFC
 ・IC601:TMP47C670N
 ・お洒落なボタン照明は5個のLEDによって構成されていました

Stav90000

■修理記録:FM受信不能--------------------------------------

 ・下記調整過程でFM受信時に VT電圧がゼロのまま変化しないことが判明
 ・一方、受信バンドをAMに切換えると正常に受信できました
 ・AM受信時は正常なVT電圧が出現するので、PLL回路の故障ではない
 ・つまり縦置き配置されたALPS製フロントエンドが怪しいことになりますが
 ・フロントエンド内部の多くはボンドで固められているので厄介だな~
 ・と思いながらフロントエンド裏側のハンダ面を指で触っていると
 ・突然! FM受信時にVT電圧が復活!この状態でFM放送を受信できました!
 ・改めてフロントエンドユニットの配線面をルーペで観察すると
 ・OSCコイル付近にハンダクラックを発見!
 ・このハンダクラックを修正したところ、VT電圧が復活して受信正常化
 ・幸運にもフロントエンドを分解しなくて済みました

Stav90022Stav90042

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP NULL ~ GND → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → T301調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
 ・TP R230左足 → 電圧計セット
 ・90.0MHz受信 → FE内OSCコイル調整 → 7.4v
 ・76.0MHz受信 → 1.9v ※確認のみ
【RF調整】
 ・IC201 LA1265-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83.0MHz受信 → FE内RFコイル調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz受信 → FE内IFTコイル調整 → 電圧最大
【検波調整】
 ・TP NULL ~ GND → 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → T301調整 → 電圧ゼロ
 ・83.0MHz受信 → T302調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHzST受信 → VR301調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・TP R230左足 → 電圧計セット
 ・1602kHz受信 → CP201黒コア調整 → 7.5v
 ・ 531kHz受信 → 1.0v ※確認のみ
 ・IC201 LA1265-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・1053kHz受信 → CP201赤コア調整 → 電圧最大
 ・1053kHz受信 → T303調整 → 電圧最大

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■試聴------------------------------------------------------

 ・当然TV機能は使用不可、でもFM/AMチューナーとしてはまだ活用できます
 ・デザインがカッコいいので今後も残しておきたい一台になりました
 ・サイドウッドが ST-S333ESA/ESJ とよく似ているので流用できるかも?
 ・ちょっと期待して移植を試みると、残念ながらサイズ違いでした

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note:BLUESS Laboratory

2025年12月 7日 (日)

SANSUI TU-α707 修理調整記録3

 ・2025年11月、α707(無印)の故障機を提供していただきました
 ・どんな不具合があるか楽しみ、、

Tu707a04

■製品情報--------------------------------------------------

 ・Hifi engine SANSUI TU-X701 Digital Synthesizer Tuner (1987-90)

Tu707a02Tu707a16

【国内機】
 ・TU-α707   ¥59,800(1986年頃)
 ・TU-α707i   ¥59,800(1987年頃)
 ・TU-α707EXTRA ¥54,700(1989年頃)
 ・TU-α707R   ¥53,800(1991年頃)
 ※上記4台は外観のロゴマークやサイド飾りの有無が異なるが中身は全く同じ
 ※初代(無印)から型番を変えながら定価を下げているのがちょっとかわいい
【輸出機】
 ・TU-X701:TU-α707/707i
 ・TU-X711:TU-α707EXTRA/TU-α707R

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装は経年の汚れ、擦り傷、打痕、塗装ハゲ等あって美品とは言い難い
 ・FMアンテナ A/B 2系統、まずはFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数など表示部点灯、文字痩せや輝度劣化なし
 ・オート受信で名古屋地区のFM放送局を受信OK
 ・上り方向、下り方向とも周波数ズレなし
 ・シグナルメーターフル点灯だがSTEREOインジケータ点灯しない
 ・IF BAND切換OK、RF切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・気になるのは音が小さいこと、出力レベルがかなり低い気がする
 ・AMは付属ループアンテナで名古屋地区のAM放送受信OK
 ・問題はSTEREO受信できないこと、音が小さいこと

Tu707a07Tu707a08

■内部確認--------------------------------------------------

 ・大型電源トランス、強力な電源回路、透明感あるガラスエポキシ基板
 ・ただフロントエンドが小型パッケージ品でちょっと残念
 ・LA1235:FM IF System Applications
 ・LA3450:PLL FM MPX Stereo Demodulator
 ・LA1245:AM Electronic Tuner

Tu707a20

 ・調整手順に従って仮調整したところ、PLL検波調整で難ありでした
 ・TC1の反応が過敏で最適値に合わせられないことが判明
 ・しかも少し触っただけで音声レベルが変化することも判明

■修理記録:PLL検波回路TC1修理------------------------------

 ・TC1を回して上手く調整できた時は音声レベルが大きくなる
 ・同時にSTEREOインジケーターも点灯する
 ・どうやらTC1が劣化しているようなので新品に交換しました
  ・TC1 → トリマコンデンサ(10pF)新品交換
 ・交換後の再調整で音声レベルが大幅に上がった(音が大きく)
 ・さらにMPX回路の再調整でSTEREOインジケーターも点灯

Tu707a30Tu707a31

■調整記録--------------------------------------------------

Tu707extra_20251207085301

【基準周波数調整】
 ・IC1(LC7217)-1ピン~GND → 周波数カウンタ接続
 ・TC1調整 → 7.200000MHz±100Hz
【FM同調点調整】QD検波
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T4調整 → 0V±10mV
【FM VT電圧調整】
 ・JW3~GND → 電圧計セット
 ・90MHz → 22.0V ※確認のみ
 ・76MHz → 3.1V ※確認のみ
  ※フロントエンド内部は調整が難しいのでノータッチ
【FM RF調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 フロントエンド内RFコイル調整 → 電圧最大
  ※フロントエンド内部は調整が難しいのでノータッチ
【WIDE/NARROW GAIN調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・VR2,VR3 → 時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,30dB受信 → T2調整 → 電圧最大(電圧を記録)
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,30dB受信 → T1調整 → NARROW時と同じ電圧に
【PLL検波調整】
 ・D9カソード側 → オシロスコープ接続
 ・83MHz無変調 → T5調整 → オシロ波形最大
 ・TP3~TP4 → 電圧計セット
 ・83MHz,30dB受信 → T6調整 → 電圧0V
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,70dB受信 → TC1調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz,70dB受信 → VR6調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz,15dB受信 → VR5調整 → インジケーター最下段点灯位置
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz,60dB受信 → VR9調整 → 信号レベル-6dBに設定
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,ST受信 → T8,VR10調整 → 19kHz成分最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,Lch受信 → VR7L調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz,60dB,Rch受信 → VR7R調整 → Lch漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,L/R受信 → VR8調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AUTO STOPレベル調整】
 ・83MHz,30dB,ST受信 → VR1調整 → オート選局で停止する位置
【MUTING レベル調整】
 ・83MHz,20dB,ST受信 → VR4調整 → 音声が出る位置
【AM VT電圧調整】
 ・R1~GND → 電圧計セット
 ・ 531kHz → T1調整 → 1.5V±10mV
 ・1629kHz → TC1調整 → 20V±10mV
【AM RF調整】
 ・ 603kHz受信 → T3 調整 → Sメーター最大
 ・1404kHz受信 → TC2調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・VR1
【AM AUTO STOP調整】
 ・VR2

Tu707a40

■試聴------------------------------------------------------

 ・シンセ機のうちPLL検波+LA3450搭載チューナーはハズレがないです
 ・SONYの333シリーズやVictor FX-711などが該当します
 ・このα707シリーズもその一員なので良い性能が期待できますが
 ・ただし40年前の製品なので故障や調整ズレは避けられません
 ・FM放送が続く限り修理や再調整で復活させたいと思って活動しています

Tu707a03

note:BLUESS Laboratory

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