PIONEER F-500
見た瞬間にジャンク品でした。何とチューニングつまみがありません(笑)。入手経緯は過去記事をご覧ください。1979年製、FM5連バリコン搭載のアナログチューナーで、7連バリコンを搭載したFM専用チューナーF-700の弟機です。F-700に興味があったので研究材料(・・要は壊して遊ぶため・・)に購入しました。
電源は入ります。チューニングつまみがなくなっていますが、内部のフライホイールを手で回せば選局できます。針と目盛りが少しずれているもののFM/AMともにクリアに受信します。ダイヤルスケールの照明とシグナルメーターの照明が切れています。全体に傷も少なく外観は良好です。以上の理由から壊すのは止めてFM同調点の調整、電球交換、チューニングつまみは他のジャンク品から流用などして復活させることにしました。
アナログチューナーといっても1970年代前期の製品と違ってICが多用されているのでシンセ式チューナーと同じ感覚で調整できます。まず同調点の調整です。ダイヤルの針を82.5MHzのNHK-FMの周波数位置に合わせます。この状態でIF部のIC「PA3001」近くにある「N CENTER」と書かれたコアを回して放送が受信できステレオランプが点灯する位置に調整します。このときチューニングメーターがセンター位置になるようにします。
82.5MHzのNHK-FMを受信しながらフロントエンド部にある青いコイルのコアを回し、チューニングメーターがセンター、シグナルメーターが最大に振れる位置に調整します。次に信号の弱い放送局を受信し、黄色いコイルのコアを回しシグナルメーターが最大に振れる位置に調整します。もともと最大に振れる局では黄色いコアの調整効果が分かりません。
次にバリコン上部にある調整用ネジを回し、シグナルメーターの振れが最大位置になるよう調整します。最後に「S METER」と書かれた半固定抵抗を回し、シグナルメーターの最大振れ位置を最大目盛りにあわせます。「MUTING LEVEL」半固定抵抗を回せばミューティング開始位置を調整できます。
※<注意>そもそもこのような調整方法が正解かどうかは分かりません。試行錯誤の結果です。この記事を参考にされる方はあくまで「自己責任」でお願いします。
チューナー出力をUA-4FX経由でパソコンに繋ぎ、WaveSpectraで波形を見ます。波形を見ながら19kHzのパイロット信号が最小になるように「PILOT CANCEL」半固定抵抗を回します。信号発生器がないのでステレオセパレーションの調整ができないのが残念ですが、これはリタイア後の楽しみに取っておきましょう。
最後に照明用電球の交換です。ダイヤルスケール用のオリジナル電球(8V)は自動車のルームランプ用電球(12V)で代用しました。少し暗い気もしますがまあOKです。シグナルメーターの照明電球は8V直径5mmの麦球です。いろいろ触っているうちにチューニングメーター用の電球も切れてしまいました。麦球の手持ちが無いのでこれは後日の宿題とします。
作業終了してゆっくり聴いてみました。つまみは無いしメーター照明も切れているなど見た目は悪いのですが、音はなかなか良いですよ。低音域がしっかり出ている感じです。アナウンサーの息遣いがリアルです。BGMとして聴くには充分です。完全復活とはならなかったものの、お盆休みの良い勉強になりました。
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■追記 2009年5月10日 ----------------------------------------------
この記事を書いてからもう2年近く経つんですね~。
いま読み返すと、何ともお恥ずかしい内容です(汗;)
このインチキ記事を書いた直後の2007年10月、とうとう中古測定器を入手し本格的なチューナー調整の道にハマッていったのでした。
チューニングつまみが欠落したこのF-500ですが、その後別のジャンク機を入手しフロントパネル、電球、天板など状態の良い方を選んでニコイチに合体しました。もちろんチューニングつまみも移植し、見た目はかなり美しい個体に仕上がりました。
パルスカウント検波の理屈と調整方法を学習し、各部調整して現在も快適に使っています。1980年前後、バリコン式からシンセ式への移行期のチューナーは面白いですね。ホント、興味は尽きません。
上位機の F-700 も2008年1月に入手しました。当時のカタログや取扱説明書PDFはこちらで紹介しています。興味ある方はご覧ください。
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「 波形を見ながら19kHzのパイロット信号が最小になるように「PILOT CANCEL」半固定抵抗を回します。 」とありますが、
古いバリコンを使用した機種ではどのような調整により19kHzのパイロット信号を最小になるように調整しますか?
すいませんが、御教示願います。
投稿: S君 | 2007年8月19日 (日) 17時15分
こんばんは。
結論から先に申し上げると「申し訳ありませんが分かりません・・」という事です。
私は電気電子の専門家ではないので、基板のシルク印刷を見ながら部品の役割を判断しています。古い機種でも新しい機種でも「PILOT CANCEL」とか「SEP.」などの明示が無ければ、例えば「VR101」だけでは何の部品か分かりません。よって調整方法は分かりません。
ただ19kHz信号は人間の耳にはほとんど聞こえませんから、あまり気にされることは無いと思います。悲しいことに私の耳は17kHzまでしか聴こえません・・。
「壊してもいい・・」という割り切りがあるなら試行錯誤でチャレンジしてください。ただ大切なチューナーを調整する場合はメーカーや専門家(本物の・・)に相談されることをお勧めします。
投稿: BLUESS | 2007年8月19日 (日) 19時41分
BLUESS様
当地関西でもFM補完放送開始が決まったようですので,バリコンチューナの改造で対応できるかやってみました。
F-500ではフロントエンド共振回路のセラミックコンデンサ5個を取り外して再調整するとうまく行きました。周波数範囲は79MHzあたりから95MHzに調整できました。バンドの両端でも感度の低下は無い様です。
ちなみに,F-700では周波数が高い方で感度が低下し,実用になりませんでしたが,不調の個体だった可能性もあります。
TRIOのチューナは基板が2階建てで難易度が高いので試していません。
ご参考までに。
投稿: Dr. GERO | 2015年9月18日 (金) 16時29分
名古屋では民放AM2局が試験放送をしています。今週以降に正式開始とのことです。
ONKYO T-422M という機種で受信テストしていますが、STEREOランプ点灯してなかなか良い音で聞こえます。NHKが対応すれば、、と思うばかりです。
既存機種の改造も面白そうですね。私は 90~95MHz対応を目指してFPGAチューナーの改造に着手しました。AM放送を聞くことはそんなに無いのに、でも可能性が広がることは嬉しいことです。
投稿: BLUESS | 2015年9月20日 (日) 14時19分
拝見させていただいてます。
F-500のことで教えていただけると幸いです。
電源ON後10分くらいまでは安定して受信しているのですが、温まる?と同調がずれてTメーターの振幅が激しくなり、それと同期して音声も途切れ途切れとなってしまいます。
推定される原因と対処法を教えていただけると幸いです。
原理と回路動作を理解できていないのに修理しようと無謀な考え方をしていますが、自分で直せるならば楽しかろうと思ってしまう悪い癖です。寄る年波で目も遠くなり、根気も続かなくなってきましたが、リタイア後の暇に任せて何とかしたいと思っています。
投稿: 川井隆夫 | 2019年8月 6日 (火) 12時40分
ご指摘の症状だけでは原因の見当がつきません。
時間が経つと同調点がズレる、という事でしょうか?
つまり、指針を左右に少しずらすと正常受信できるのでしょうか?
それとも時間が経つと受信不能になるのでしょうか?
ミューティング機能をOFFにしても音は出ないのでしょうか?
投稿: BLUESS | 2019年8月 7日 (水) 14時10分
回答いただいているのに時間を空けてしまいもうしわけありません。
・時間が経つとチューニングメーターの針がセンターから左右に激しくぶれて受信できなくなります。前回と同じ表現しかできないので申し訳ないのですが、チューニングセンターから針がずれると受信ができません。針がセンターに戻ると音が出ます。ダイヤルを少しずらすと全く受信できません。
・ミューティングSWを切った状態で上記の症状です。
投稿: 川井 | 2019年8月22日 (木) 09時56分
時間が経つと、つまり暖まってくると、、という事ならトランジスタやICの故障かもしれません。
ただ教えていたいただいた情報から具体的な故障個所を特定することは困難です。
申し訳ありませんが、正直分かりません。
投稿: BLUESS | 2019年8月23日 (金) 21時43分
教えていただきましてありがとうございました。自分では推定原因について自信が持てなかったので助かりました。回路図がないのでBLUESS様の公開いただいている情報に基づきICからメーター回路がつながっているのが理解できましたので、ICの不具合であるとすれば直しようがないと諦めが付きました。
投稿: 川井 | 2019年8月24日 (土) 14時11分
F-500 の最新調整記録は下記記事です
https://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2016/07/pioneer-f-500-5.html
ここに記載した調整方法を試してみると不具合箇所が分かるかもしれません。
実機をお送りいただければ内部確認してみますが、いかがでしょうか?
投稿: BLUESS | 2019年8月24日 (土) 18時44分
せっかくのアドバイスをいただいたのに音沙汰無しで済みませんでした。
天板を外して症状が出るのを試していたのですが、40分過ぎても症状発生しないので、もう少々様子を見ようと思います。
投稿: 川井 | 2019年8月31日 (土) 21時49分