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2007年9月の記事

2007年9月24日 (月)

SONY MDR-CD900ST

Mdrcd900st1Mdrcd900st2_2 どこのレコーディングスタジオに行っても必ず置いてある超定番モニター用ヘッドホン MDR-CD900ST です。テレビの音楽番組でスタジオ風景が流れると、スタジオプレーヤーの頭に載っているケースが多くあります。きっと多くのサイトやブログで紹介されていると思いますから、詳細情報は機種名で検索してみてください。

 私のブログではFMチューナーから出てくる「音」を比較していますが、音を比較するときは「必ず同じ条件で」・・という事が大切です。音源や再生経路、再生機器などを同じ条件にしなければ再生音の正確な音質比較はできません。特にチューナーの場合は同じ番組のジングルやCMなど、同じ放送素材で比べなければ意味がありません。特に高級な機器を揃える必要はありません。「いつも同じ条件で」・・が大切です。

 最近はチューナーの音声出力をYAMAHA CDR-HD1500 のアナログ入力で録音。再生時はCDR-HD1500の光デジタルアウトをEDIROL UA-4FXのデジタル入力経由でパソコンに接続、その波形をWaveSpectraで観ています。この時、UA-4FXにヘッドホンを繋ぐと波形と同じ音が聴こえてきます。ヘッドホンはここ10年ほどは SONY MDR-CD900ST を愛用しています。

 このヘッドホンは仕事でも愛用しているので、常にベストコンディションで使えるよう3台を所有し交互にエージングしながら使っています。エージング(aging)とは「歳をとる」という意味で、スピーカーやヘッドホンなどの「慣らし運転」のことです。新品のMDR-CD900STは驚くほど低音の出方が悪いのですがエージングによって激変します。エージングについてもこれまた様々な方法がネット上で紹介されていますが、今回は私のエージング方法(新品時)をご紹介します。

・パソコンのフリーソフトWaveGeneでピンクノイズを生成。
・再生時間は180秒としてWAVファイル(※.wav)で保存。
・このWAVファイルからiTunesなどの音楽管理ソフトで音楽CDを作成。
・曲間時間ゼロとして700MBのCD-Rで容量一杯の25曲を繰り返し録音。
・出来上がったCD-RをCDラジカセにセットし「CD全曲繰返再生」。
・CDラジカセのヘッドホン端子にMDR-CD900STを接続。
・再生音量は普通の音楽を聴く場合と同じに設定。
・この状態で80時間(丸三日とちょっと)連続再生(放置)します。
・低音の出方と全体のバランスを確かめて、不足を感じればさらに5時間単位で続行。
・5時間毎に確認。最長でも100時間で終了。

■ホワイトノイズではなくピンクノイズ?
20Hz~20kHzまで均一に出力されるホワイトノイズを長時間に渡ってMDR-CD900STに加えると、高音の出方がきつくなります。MDR-CD900STで不足しているのは低音側の出方ですから、高域が減衰するピンクノイズが良いと思っています。

White_2
Pink

■CDラジカセで大丈夫?
エージング用音源のCD-Rを丸三日~四日間連続再生しますから再生機器の負担はかなり大きいです。壊れても惜しくない安い機器で充分です。CDラジカセのヘッドホン出力をWaveSpectraで見ていますが、そんなに悪くはありません。

 私のMDR-CD900STは使用頻度がかなり高い(消耗が激しい)ので毎年新品を購入しています。これは業務用機器ですから一般の家電量販店では入手できません。お求めの方には音響屋御用達のサウンドハウスをご紹介します。実売価格14,800円、プロ用機器としてはそんなに高くありません。

 これは一般の音楽鑑賞用ヘッドホンではありません。一つ一つの音を聴き分けるための業務用ヘッドホンです。これで普通の音楽を聴くと30分で頭が痛くなります。念のため・・。

特徴 [SONY(ソニー)/MDR-CD900ST] レコーディングスタジオやプロダクション、放送局などでプロが求めるクオリティと耐久性を徹底的に追及し、独自に開発したドライバーユニットを採用。これによって歪みの少ない、原音イメージそのままのクリアな音質の獲得に成功。あらゆるスタジオユースに対応する信頼性が高い。SONYとソニー・ミュージックエンタテインメントの共同開発 スペック [SONY(ソニー)/MDR-CD900ST] ■ステレオヘッドホン ■インピーダンス:63ohm ■最大入力:1000mW ■再生周波数帯域5~30kHz ■ステレオ標準プラグ ■ケーブル:2.5m ■重量:200g

2007年9月13日 (木)

Technics ST-S8

Sts800  1981年発売当時の定価98,000円、テクニクス製高級チューナー(写真上段、下段はST-G7)です。2007年8月初めにジャンク品を入手しました。実は本機にはいろいろ思い出があって、再入手の機会を待っていました。

 1981年、新入社員で入った会社の独身寮でオーディオマニアの先輩に出会いました。休日は一緒に大阪日本橋に出かけ、電機店をあれこれ見て回りました。私は入社最初のボーナスでSONY ST-J75を買いました。アンプとスピーカーは大学時代に自作したものをそのまま使っていました。日本全国(時々海外)を転戦する仕事だったので独身寮にはなかなか戻れなかったのですが、まとまった休暇は部屋にこもって音楽に浸っていました。

 1985年頃この先輩が海外支店転勤となり、荷物処分として他のアンプ類と一緒にST-S8を譲り受けました。高級品だとは知っていましたが、私も既に多くの機器を所有しておりそのまま長期保管状態に。その後私がその会社を退職したためその先輩とは音信不通になってしまいました。

 そして2002年頃、実家の倉庫整理で久しぶりに見つけたST-S8は受信周波数が0.1MHzずれているし、メモリーは効かないしというジャンク品になっていました。その頃始めたばかりのヤフオクにそのまま出品し、安値で落札されました。

 最近になって古いチューナーの修理調整が趣味になり、ST-S8とその先輩のことを思い出すようになりました。「オークションなどに出さず、ずっと持っていればよかった・・」とちょっぴり後悔モードです。機会があれば再入手してしっかり音を聴いてみたいと思っていました。

 思い出話にお付き合いいただき恐縮です。以下、ST-S8の修理調整記録です。

Sts801  ジャンクの理由は「受信するがかなりノイズがある」という事でした。手元に届いて確かめたところ、AMは普通に聴けますがFMは受信周波数が0.1MHzずれており受信音が割れる状態です。AMは問題無さそうなのでFM部の調整だけで何とかなりそうと判断しました。ランプ切れが2か所ありましたが、外観は大きなダメージありません。ワクワクしながら中を覗いてみると・・・

Sts802Sts803  まず良い意味で驚いたのはFMフロントエンド部、7連相当の豪華版でした。どおりで本体奥行きが約40cmもあるわけです。次に悪い意味で驚いたのは「造りが雑」という印象です。基板の端々が無造作に割ったような状態です。プラモデルの部品を枠から外すときに無理やり手で折ったような感じで、高級機の基板とは思えません。

Sts804  もう一つ驚いたのは、3本あるはずのメモリーバックアップ用ゴールドキャパシタが2本しかありません。1本が根元から無くなっており、足の残骸だけが残っています。外れた部品が内部に残っていない・・どうやら中を弄った先人がいたようです。コイル、可変抵抗器などはガタガタにズレていると覚悟しました(笑)。最近のオークションで掘り出し物を見つける事はなかなか難しいですね・・。

Sts805Sts806  まずは眼に見える不具合、キャパシタの交換です。オリジナルは1.8V3.3Fを3個直列で繋いであったと思われます。直列にすることで3倍の耐圧を稼いでいますが、手持ちに5.5V1Fのスーパーキャパシタがあったのでこれ1個で代用しました。耐圧容量ともオリジナルに近い状態になりました。当然ですが空いた2個分のスペースにも配線が必要なのでジャンパ線で直結しました。

 ところで本機には底面に点検蓋がありません。部品を交換するには背面の端子類やAMアンテナを外し、基板全体を外して裏返す必要があります。けっこう面倒な作業でした。薄型設計は見た目にはカッコ良いのですが、メンテナンス性が犠牲になっています。

Sts807Sts808Sts809  フロントパネルではFM IF BAND切替ボタンに対応する黄色LEDが点灯しません。分解して確認したところLEDの足が半田割れで接触不良になっていました。半田修正で復活しました。この黄色LED直下には本来切り取られるはずの基板の小さな「バリ」が残っていて、スイッチが押されるたびに接触してこの部分だけに無理な力が加わっていたことが半田割れの原因と思われます。「造りが雑」という印象が増幅しました。それから受信したときに点灯する「QUARTZ LOCK」の麦球も切れていたので12Vものに交換しました。

Sts810Sts811  先日1983年製のST-G7を調整しました。ST-S8と比べてみるとフロントエンド部などは回路構成が似ています。ST-G7には回路図があったのでこの経験を基にしてまずはFM同調点の調整です。FM-IF部にテストポイントTP102とTP103があります。ここに直流電圧計をセットして82.5MHzのNHK-FMを受信しながらT102とT103のコアを調整。電圧計がゼロになりステレオランプが点灯する位置に設定。かなり激しくズレていました。

Sts812Sts813  これだけでFM受信音はかなり良くなりましたが、続いてフロントエンド部の調整です。「VR501 FM SIGNAL」と書かれた半固定抵抗器とGNDに直流電圧計をセット、まず局発用コアL10を回して電圧が最大になる位置にします。

Sts814 Sts815  続いてL1、L2、L3、L5、L6、L8を回して電圧が最大になるように調整。この回路はトラッキング調整ができないタイプなので最後にIFTのT101を回して電圧を最大にします。受信感度が大幅に改善され、FM音声がとても明瞭になりました。もう音声が割れることはありません。

Sts816Sts817  フロントパネルのメモリー登録ボタン上にアナログチューナーのような周波数スケールがあります。受信周波数を赤色LEDでスケール上に表示するのですが、このLEDの点灯位置をVR503で調整可能です。この半固定抵抗はフロントパネルにつながった小さな基板上にあります。

Sts818  19kHzのパイロット信号キャンセルはVR303「19KHz LEVEL」とL302のコア調整で行います。チューナーの音声出力をUA-4FX経由でパソコンにつなぎWaveSpectraで波形を見ながら19KHzの信号が最小になるように調整します。

Sts820 Sts821  赤色LED5個が並んでいるシグナルメーターはVR501半固定抵抗で点灯調整できます。さらに本機は信号強度をデジタルでdB表示できるのですが、これもVR502半固定抵抗で調整できます。VR401「SEPARATION」でセパレーションの調整ができます。

 一通り作業が完了していつものFM番組をYAMAHA CDR-HD1500で留守録、他のチューナーと聴き比べてみました。まず受信感度はかなり良好です。他のチューナーではステレオ受信が厳しいFM局がきれいに受信できます。7連相当のフロントエンドが強力ですね。音は・・残念ながら輪郭の無い「甘い」感じです。BGMに聴く分には合格ですが、留守録用(貴重な音源を保存するため)のチューナーとしては音的に物足りません。コンデンサなどを全交換すれば改善するかもしれません。部品の劣化は製造時期を考えれば当然です。コンデンサ交換などは老後の楽しみに取っておこうと思います。

 最後に、使ってみて気が付いたことは、ST-S8はタイマーと連動して受信局を切り替えることができない事です。ちょっと残念でした。

Sts8

◆Technics コンポーネント総合カタログ P16 昭和56年11月発行 <PDF形式 約6.7MB>

2007年9月 8日 (土)

TRIO カタログ 1973-1974

 TRIOの古いカタログです。チューナーの商品説明から始まるなんてさすが<FMのトリオ>ですね。技術解説と詳しいスペックが分かりますので必要な方はご利用ください。

Trio1973 ◆発行日付の記載ありませんが多分1973年:B5サイズ横開き 全8ページ(PDF形式 約7.8MB)
【掲載機種】
チューナー:KT-6005 KT-4005
アンプ:KA-6004 KA-4004

 

Trio1974 ◆1974年7月:B5サイズ横開き 全20ページ(PDF形式 約15.1MB)
【掲載機種】
チューナー:KT-9007 KT-7007 KT-5007 KT-3007
アンプ:KA-9006 KA-7006 KA-5006 KA-3006

2007年9月 1日 (土)

Wave Optimizer Technology

333esg00  1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」を入手しました。ST-S333ESXⅡST-S333ESGの基板を見ていると「SST」「WOIS」といったシルク印刷された回路があります。また本体正面パネルには「Wave Optimizer Tuner」という表示もあります。これらがどのような機能を持っているのか?どんな効果があるのか?そもそも何の略語なのか?・・ずっと知りたいと思っていましたがようやく分かりました。「Wave Optimizer Technology(波形最適化技術)」とは各段に投入された技術の総称だったんですね。

Es03_2

略称 正式名 適用回路
SST Super Sound Tracing Circuit フロントエンド
WOIS Wave Optimized IF System IF段
WODD Wave Optimized Direct Detector FM DET
WODSD Wave Optimized Digital Stereo Decoder MPX

Es02

 1987年当時にST-S333ESXⅡをアンプとセットで購入しました。その時にこのカタログは読んだ気がします。でも当時は難しい技術内容はさっぱり理解できませんでした(笑)。ただ予算とデザインと雑誌の評判だけでいろいろ買っていましたね。

 今でもリスニング用にはバリコン式のアナログチューナーを使っていますが、これら古いチューナーの調整修理を自分でできるようになりたいと思っています。カタログに記載されている技術解説をじっくり読むこともけっこう勉強になります。

◆1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」SONY_ES_1987.pdf(約7.1MB)

【掲載機種】
・TA-F555ESXⅡ/ TA-F333ESXⅡ/ TA-F222ESX
・ST-S333ESXⅡ/ ST-S222ESX
・SDP-777ES

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