PIONEER F-120D ×3台

前々回の比較テストでF-120Dを試聴しました。他機種に比べて結果はイマイチでしたが、実はジャンク入手したF-120Dをあと2台持っています。(※知人にこう言ったら「3台も・・それは普通じゃない・・」と笑われました・・笑々)。せっかく同一機種が3台もあるので、前々回の結果が3台共通の現象かどうか確かめてみました。以下、テスト済み機も含めた再試聴レポートです。
■上段:F-120D 1号機(ブラックモデル+サイドウッド)
・前回テスト済み。1年前にヤフオクにて入手。2007年1月にパイオニアサービスにて点検調整済み。
・約1年経過しているので念のため自力で再調整しました。
■中段:F-120D 2号機(シルバーモデル+サイドウッド)
・2007年7月、リサイクルショップでジャンク入手。自力調整済み。
・サイドウッドは3号機に付いていた物を付け替えました。
■下段:F-120D 3号機(ブラックモデル サイドウッドなし)
・2007年7月、リサイクルショップでジャンク入手。自力調整済み。
※入手時は3台とも放送局を登録するメモリーボタンが全滅状態でした。修理方法は1号機入手時の記事で詳細にご紹介しています。
※各部調整はひろくん様のF-120Dの記事を参考にさせていただき入念に行いました。
試聴条件は前回と同じです。AUDIO CHECK CD 7曲目のチェンバロ曲、14曲目の周波数スイープ信号を信号発生器から各機に送信し、音声出力をUSBオーディオインターフェイスUA-4FX経由で試聴&WaveSpectraで観測します。UA-4FXのサンプリングレートは44.1kHzに設定しています。
WaveSpectraでスペクトルを見ていると、周波数スイープ信号を送信したとき約8kHz以上の高域になるとメイン信号以外のノイズ成分が多くなる様子が分かります。聴こえる音としては・・短波ラジオで特定の周波数に合わせるまでの間に聴こえる局間ノイズ・・のような感じです。およそ15kHz以上になるとメイン信号とともに激しい雑音として聴こえるようになります。この現象は3台共通で発生しました。
次は「AUDIO CHECK CD」の7曲目「バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816~アルマンド」です。これはチェンバロが響き渡る曲なので高域の再生音をチェックするには良い素材だと思っています。聴いてみると一つ一つの音は歯切れがよいもののその余韻が微妙に歪んで聴こえます。同じ条件で聴いたDA-F9000やKT-2020よりも明らかにワンランク下の印象です。
コンデンサーなどの消耗部品を交換すると異なる結果になるかもしれません。そもそも20年前のチューナーに20kHz超の信号を送信すること自体が過負荷なテストですからね。
そこでもう一つの実験です。音源に使っているAUDIO CHECK CD全曲をWAVファイルに変換し、以前ここでご紹介した「MultiMax3」というマルチバンドリミッター(シェアウェア)を使って以下の条件で各チューナーに信号として送ってみました。MultiMax3は優秀なサウンドリミッタ/コンプレッサソフトで、もしも送信設備があるなら最終出力のプロセッサとして本格的に使うことができる性能を持っています。
CD再生音をそのままチューナーに送るのではなく、実際のFM局と同様の音造りをしてから送信しその再生音を聴こうとする実験です。チューナーの本来の守備範囲の中での実験ですから、現実的な音質比較ができると思います。15kHz以上の周波数帯をカットするのは実際のFM局と同じ処理です。各種パラメータの設定の違いはそれぞれのFM局によって味付けが異なる部分です。
■MultiMax3の過去記事
→https://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2007/09/multimax3.html
■MultiMax3ホームページ
→http://hp.vector.co.jp/authors/VA009014/page02/jpn/freew_multimax.htm
【実験方法】
・ノートパソコンでMultiMax3を起動
・MultiMax3の設定はプリセットから「FM Station - Smooth Listening (Favorite FM ) 」を選択。
・上記選択で「最終段LPF=15kHz」「プリエンファシス=50μs」に自動設定される。
・MultiMax3再生時「ディエンファシス=OFF」に設定する。
・ノートパソコンにUSBオーディオインターフェイスUA-1EXを接続し音声出力をFMステレオ変調器に送る。
・MultiMax3の出力にプリエンファシスが既にかかっているのでFMステレオ変調器のプリエンファシスはOFFに設定する。
・FMステレオ変調器の出力を標準信号発生器から各チューナーに送る。
・各チューナーの音声出力をUA-4FX経由で試聴&WaveSpectraで観察。


MultiMax3によって高域のコンプレッションが深くかかっているので、チューナー出力音を聴いて15kHz以上の高音域が無いという違和感はありません。CD本来の音とは異なりますが低音域も補強されてとても聴きやすい音になっています。15kHz以上がカットされているため高音域で歪みっぽい現象はあまり気になりません。いずれF-120が入手できたらぜひ聴き比べてみたいと思います。
外部変調入力できる標準信号発生器をお持ちの方にMultiMax3の導入をお薦めします。比較基準となる音源をWavファイルにしておけば、放送局に頼らずにいつでも同じ素材でチューナーの音質比較ができます。いかがでしょう。
最後に一点、F-120Dには電源のON/OFFに連動して受信局を切り替えるプログラム機能がありません。私にとっては受信性能以前にこれが最大のマイナスポイントです。
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