1980年製、7連バリコン搭載のFM専用チューナーです。TRIOのお家芸と思われたパルスカウント検波を搭載しています。ジャンク品の弟機F-500を調整した経験がありますがとても良い音でした。その上位機であるF-700の性能が楽しみでずっと探していたところ、2007年1月ヤフオクで入手できました。当時の定価は65,000円。取扱説明書(原本)や当時のカタログが一緒に付いてきたのはとても幸運でした。
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■F-700に関する情報
【F-700 詳細情報】 オーディオ回顧録
→http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/f-700.htm
【F-700 詳細情報】オーディオの足跡
→http://www.audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/tuner/f-700.html
【F-700 取扱説明書 /user manual】PDF
→「pioneer_f700manual.pdf」をダウンロード
【F-700 カタログwith F-500 /brochure】1980年4月PDF F-500の情報もあり
→「f700f500.pdf」をダウンロード
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■点検清掃
フロントパネルはほぼ無傷、天板は擦り傷多め、ヤニ汚れなし。電源確認OK、ランプ切れなし、FM局の受信良好、目盛りのズレ僅かにあり、各スイッチ切り替え動作確認、出力音に顕著な不具合なし。本体カバーを開けたところ、大量のホコリが堆積・・でも軽くエアで吹いてみるときれいに。底板を外すと基板裏面全体が露出、半田付けが変更された痕跡なし。内部を弄った先人は無さそう=オリジナルの状態=かなり期待できる予感・・です♪
7連バリコンと電源部の立派なコンデンサーが目に付きます。大量の埃はエアーで吹き飛ばし、絵画用平筆(もちろん新品)で部品一つひとつをクリーニングしました。たばこのヤニ汚れが無いので作業は楽です。ICなどの部品番号をメモしました。
3SK73
NEC uPC1163H
HITACHI HA1201
PIONEER PA3007
PIONEER PA5001
PIONEER PA4006
FUJITSU MB84011B
NEC C4558C POX25E
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■調整記録
F-700の基板には抵抗やコンデンサーなど部品番号のシルク印刷が一切ありません。半固定抵抗器では機能を示す略号が有るものと無いものがあります。試行錯誤の末に判明した半固定抵抗器の調整機能を写真に書き込んでおきました。ただ一つ、正面から見てバリコンユニットのすぐ左側にある半固定抵抗器が不明です。回す前に電圧を測定したところ0.8V。回すと両端0.1V~1.1V間で変化します。おそらく出力電圧が定められていると思うのですが、サービスマニュアルが無いので初期値0.8Vの位置に戻しておきました。
前回F-500を触ったときは測定器も無いままの適当な調整内容でしたが、今回は精度の怪しい中古測定器を使っているので前回よりは多少まとも?に調整できていると思います(笑)。といっても大きくズレていたのはセパレーションだけで、あとはほんの微調整でした。調整手順の詳細は写真集をご覧ください。ランプ切れの場合の交換球の情報はF-500記事でご紹介しています。
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■回路図
最近は部品配置と配線を見ながら自分で回路図を描くのが楽しいです。ひろくん様にフリーの電子回路CADソフト「BSchV3」を教えていただき、チューナー実機を見ながら描いています。ICは型番でネット検索してデータシートを探します。ピンアサインや内部処理も分かってとても良い勉強材料です。また実際に描いてみると信号の流れが良く分かるのでけっこう楽しい作業です。・・ただ時間はかかりますが。
・水魚堂の回路図エディタ
→http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm
私が描いた回路図は恥ずかしくて公開できませんが、考え付いたコツをご紹介します。実装部品の配線を裏面で確認するとき、本体をいちいちひっくり返す作業がとても面倒ですよね。この作業をラクにするため「合成写真」を利用しています。まず基板の部品実装面と裏の配線パターンを写真撮影、配線パターン面の写真は左右反転させ、位置とサイズを調整しながら2枚の写真を重ねます。上に重ねた写真の不透明度を調整すれば、基板の裏側でどの部品のどの足がどこに繋がっているのかよ~く分かります。
私はPhotoshopやIllustratorといったDTP関係のソフトも仕事で使っているので、この手の作業は朝飯前です。バリコン周辺の合成写真をpsd形式(zip圧縮)でサンプル提供 します。レイヤーが扱えるレタッチソフトをお持ちの方は不透明度を変更してお楽しみください。Photoshop等をお持ちでない方にはPhotshop級の高機能を持ったフリーソフト「GIMP」をご紹介します。2008年1月に最新版が出ています。
・GIMP ver2.4.4(Photoshop級の機能を持った驚異のフリーソフト)
→http://www.gimp.org/
・GIMP 日本語解説サイト
→http://www.geocities.jp/gimproject/gimp2.0.html
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■試聴
聴き比べる音源はいつものAUDIO CHECK CD。CDプレーヤーで再生した音楽をF-700に送ります。F-700の仕様を見ると周波数特性20Hz~15kHzとなっていますが周波数スイープ信号は17kHz辺りまできれいにでていました。このCDの7曲目、チェンバロが響き渡る曲は高音域の再生チェックに最適だと思っていますが、F-700はとてもクリアな音で再生しています。それから毎回調整して感じることですが、ステレオセパレーションの調整効果も絶大です。とても良い印象です。ほぼ同時期のTRIO/KT-1100も手元にあるので、いずれしっかり聴き比べてみます。
[CD]→[FM変調器]→[標準信号発生器]→[F-700]→[UA-4FX]→[WaveSpectra]

当方は妨害排除性能がシビアな問題になるほどの近接局もなく、マルチパスの影響もほとんどない恵まれた受信環境にあります。照明の美しいF-700が蘇ったので、今夜は美味しいワインを飲みながらセッション2008をリアルタイムに聴いてみます♪
| 型番 |
F-700 |
| 型式 |
FM専用チューナー |
| 年式 |
1980年 |
| 定価 |
65,000円 |
| FM部 |
検波方式 |
パルスカウント |
| FM-IF部IC |
PA3007 |
| MPX部IC |
PA4006 |
| 受信周波数 |
76MHz~90MHz |
| 実用感度 |
0.95μV(10.8dBf) |
| S/N 50dB感度 |
STEREO --μV(37.2dBf) MONO --μV(16.2dBf) |
| キャプチャーレシオ |
0.8dB/Wide 2.0dB/Narrow |
| 実効選択度 |
50dB/Wide 65dB/Narrow(±400kHz) |
| イメージ妨害比 |
120dB(--MHz) |
| IF妨害比 |
120dB(--MHz) |
| スプリアス妨害比 |
120dB(--MHz) |
| AM抑圧比 |
70dB |
| ミューティングレベル |
4.9μV(25dBf) |
| 周波数特性 |
20Hz~15kHz、±0.5dB |
| アンテナ端子 |
75Ω不平衡/300Ω平衡 |
| 高調波歪率 Wide |
mono:0.03%(1kHz、---%変調時) |
| stereo:0.04%(1kHz、---%変調時) |
| 高調波歪率 Narrow |
mono:0.08%(1kHz、---%変調時) |
| stereo:0.2%(1kHz、--%変調時) |
| ステレオセパレーション |
60dB(1kHz/Wide) |
| --- |
| 50dB(20Hz~10kHz/Wide) |
| --- |
| サブキャリア抑圧比 |
70dB |
| 総合 |
出力電圧/インピーダンス |
固定出力(Fixed):0.65V/2.2kΩ(100%変調時) |
| 可変出力(Variable):0~1.3V/2.2kΩ(100%変調時) |
| 電源 |
AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 |
25W |
| 外形寸法 |
幅420×高さ98×奥行393mm |
| 重量 |
7.5kg |
| 付属品 |
T字型アンテナ |
| ピンプラグ付接続コード |
| 300Ω-75Ω変換器(整合器) |
| F型接栓(3C-2V) |
■特長(取扱説明書より抜粋)--------------------------
DD-MOS-FET採用プッシュプルフロントエンド
フロントエンドは周波数直線型7連バリコンによるシングル-ダブル-ダブルにより構成しています。RFアンプ部は初段にDD-MOS-FETによるプッシュプル回路を採用。これにより高感度化とRF相互変調の向上を両立させ、RF相互変調106dB(2.5MHz)の高妨害排除性能を実現しています。ミキサー段はDD-MOS-FET 2個を使ったバランスタイプとし、優れたIF段と共に近接RF相互変調特性など、各種妨害排除能力を向上させています。
DCサーボ・ビートレス・パルスカウント検波方式
FM波をオーディオ信号に変換する検波回路には、DCサーボ・ビートレス・パルスカウント検波回路を採用。パルスカウント検波はFM波をパルス波に変換して、これを積分することによって広帯域で直線性に優れ、ひずみ特性、温度特性が良く、良好なセパレーションを得ています。さらにダブルコンバート方式と相まって安定な動作と高S/Nを実現しています。
特に本機では、新方式ミクサーと第二局部発振器によりビートを限界まで追放しひずみのない優れたオーディオ特性を得ています。また、超低域(DCを含む)NFBをかけるDCサーボ回路を検波器からMPX回路まで採用し、段間結合コンデンサーをなくしたため優れた低域セパレーション特性と広帯域周波数特性を得ています。
ワイド/ナロー 2系統のIF部
IF部はワイド・ナローの2系統のIF部を備えています。ワイド系には、郡遅延特性の優れたSAWフィルターとMXフィルターを採用しています。この結果50dB(400kHz)の高実効選択度を得ると同時に、低歪率、高セパレーションのオーディオ特性を実現しています。ナロー系ではIFフィルターは6段におよび、高選択度65dB(300kHz)を得ています。
ダイレクトスルーPLL MPX部
MPX復調回路は、コンポジット信号を分離するのに従来のスイッチング方式に変えて接地方式を用いています。これにより低歪率、高S/Nを得ています。またパイロット信号オートキャンセル回路を内蔵していますので、19kHzのパイロット信号を確実に打ち消し、高域の低下の要因とならず、広い帯域にわたりフラットな周波数特性を得ています。
タッチセンサー+サーボロックシステム
同調精度を確実にするため、タッチセンサーとサーボロックシステムを採用しています。希望放送局に同調をとった後、チューニングツマミから手を離すと、自動的に放送周波数にロックします。一度同調をとれば、温度や湿度変化による同調ズレを起こしません。サーボロック回路は、電源を切った後、再び電源スイッチを入れたときも、同じ周波数を正確に保持する再ロック機能を持っていますので留守録音時にも安心です。
REC LEVEL CHECKスイッチ
FM放送のエアチェック時に便利な録音基準レベル発振器を内蔵しています。録音レベルチェックスイッチをONにすると約330Hz(FM50%変調)の正弦波出力が取り出せます。この基準信号を用いてテープデッキの録音レベルを設定すると、ダイナミックレンジの広い最適な録音状態が得られます。
AUTO BLENDスイッチ
中電界以下の電波状況でのFMステレオ放送受信時に、スイッチをONにすると、ステレオ感を大幅に損なうことなく雑音成分を効果的に低減します。
デビエーション/マルチパスメーター
FM放送局の変調度を知ることができるデビエーションメーターを採用。エアチェックの際にREC LEVEL CHECKスイッチと合わせてご利用ください。アンテナ設置時の最適方向を確認できるマルチパスメーターを採用。アンテナやフィーダー線などの経年変化による異常やビル新築などによる電波伝播経路の変化を常時チェックできます。
【2008年6月28日 追記】--------------------------------
TRIO/KT-1100、DENON/TU-900との比較一覧表を作りました。ほぼ同時期の製品で価格帯も同じです。
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