Technics ST-C03
2008年5月下旬、近くのハードオフで税込315円にて入手しました。ST-C01というコンサイスシリーズのアナログチューナーを既に持っていますが、ST-C03に関しては予備知識ゼロでした。オーディオタイマーか?と思って手に取ると予想以上の重量があり、危うく床に落としそうになりました(笑)。電源コードには[1979]の印字があります。シンセチューナー初期の製品ですね。高性能は期待できないと思いつつ・・でも所有欲(購買欲)をそそる魅力があります。
ST-C01はアナログ式、ST-C03はシンセ式のFM/AMステレオチューナーです。本体部分のサイズはぴったり同じです(チューニングつまみの分だけST-C01の奥行きが大きくなっています)。外観に目立つ傷は無くかなりの美品です。表示管も十分な輝度を保っています。ただボタンやスイッチにサビがでています。入手から時間が経ちましたがお盆休みを利用してようやく作業完了しました。
■製品情報----------------------------------------------------------------
【オーディオの足跡】
調べてみると当時の定価は58,000円!!高いですね~。
→http://audio-heritage.jp/TECHNICS/tuner/st-c03.html
【Technics資料館】
単体チューナーとしての情報はありませんが<システムセレクション><HG5>のチューナーとして紹介がありました。シリーズで揃えるとカッコ良いです。
→http://www.pluto.dti.ne.jp/~lusye/index.html
→http://www.pluto.dti.ne.jp/~lusye/odio/tecni/set/hg5.html
【YouTube コンサイスコンポのTVCM】
製品情報を求めてネット検索していたら、超~懐かしいテレビCMに遭遇しました。是非ご覧ください!
→http://www.youtube.com/watch?v=8vjSMU-tGNY&feature=related
→http://www.youtube.com/watch?v=WvBAy8jo_Sk
小林亜星氏とすぎやまこういち氏が揃って出演しています。「テクニ~クス♪」のサウンドロゴが懐かしいです。「スッテレオ・トリオ~♪」の時報とともに私の脳の奥にこびり付いています(笑)。このCMを見たあとYouTubeの「懐かしTVCM」にしばしハマってしまいました。
コンサイスコンポと同時期のカラーテレビは「音声多重」「ステレオ音声」が売りだったのですね。おまけですが、ナショナル・クイントリックスのCMに登場する若いころのタモリさんが新鮮で笑えます!!
→http://jp.youtube.com/watch?v=vN-PWIub85k&feature=related
■FMアンテナ端子改造----------------------------------------------------
ST-C03背面部はST-C01と全く同じで、FMアンテナは同軸ケーブルを裸で接続するタイプなので扱いにくいです。まず手始めにST-C01と同様にF端子に改造してみました。黒いプラスチック部分にドリルで小さな穴を開け、リーマーで拡幅します。配線時は背面カバーを外すと作業が楽です。
■触ってみた印象----------------------------------------------------------
・FM/AMそれぞれに8局メモリー可能
・電源オフ時の放送局を記憶するラストワン機能
・単三電池3本でメモリーバックアップ(本体底面に電池ボックス)
・FM4連相当フロントエンド
・ST-8077と同じSAWフィルター装備
・IC101 AN???? 型番不明 FM-IF用
・IC102 LB1416
・IC201 AN217P AM用
・IC301 LA3350 FM-MPX用
カバーを開けると中央に大きなシールドケースがあります。開けてみると[IC903 MN6045A]がありました。制御用のマイコンでしょうか?OSC調整用のコイルとトリマコンデンサもこの中にあります。
操作方法は単純ですがいわゆる「オートサーチ」ができません。[<][tuning][>]ボタンを1回押すたびに0.1MHzずつ上下します。メモリー登録が済めば問題ないのですがちょっと面倒でした。「memory lock」をONにするとメモリの上書き登録が出来なくなります。
■調整記録-----------------------------------------------------------
【FMフロントエンド調整】
・TP1-GND間に直流電圧計セット
・89.9MHz受信 → 21.1V(確認のみ)
・76.1MHz受信 → 1.56V(確認のみ)
【FMトラッキング調整】
・Muting off/mono
・TP3-GND間に直流電圧計セット
・SSG 76.1MHz、60dB、変調OFF
→ 受信周波数76.1MHzでコイルL1,L2,L3を回して電圧最大値へ。
・SSG 89.9MHz、60dB、変調OFF
→ 受信周波数89.9MHzでトリマCT1,CT2,CT3を回して電圧最大値へ。
・上記作業を数回繰り返す。
・SSG 83.0MHz、60dB、変調OFF
→ 受信周波数83.0MHzでIFT T1を回して電圧最大値へ。
【FM同調点の調整】
・Muting off/mono
・TP4-TP5に直流電圧計セット
・SSG 83.0MHz、60dB、1kHz、変調100%
→ T101を回して電圧≒ゼロに。
・音声出力をWaveSpectraに接続。
→ T102で二次高調波最小に。
・上記作業を数回繰り返す。
【MPX-VCO調整】
・Muting on/auto
・TP-7に周波数カウンタ接続
・SSG 83.0MHz、60dB、変調OFF
→ 半固定抵抗VR301を回して19kHzに。
【MPX-セパレーション調整】
・Muting on/auto
・音声出力をWaveSpectraに接続
・SSG 83.0MHz、60dB、1KHz、100%変調、Lch/Rchのみ信号
→ 半固定抵抗VR302を回してそれぞれ反対chへの漏れ最小に。
【LEDシグナルインジケーター】
・点灯調整できませんが、入力強度と点灯位置を確認しました。
・入力58dBで[5]フル点灯
・入力50dbで[4]まで点灯
・入力36dbで[3]まで点灯
・入力29dbで[2]まで点灯
・入力25dbで[1]まで点灯
■試聴結果-----------------------------------------------------
一通り聴いたところ低音域の再生力が物足らない感じです。セパレーション調整で約45dBまで確保できていますが音像定位などやはり高級機とは比べ物になりません。一方で特徴的なダイキャスト製コンパクトボディや薄型デザインは超優秀です。約30年前の製品とは思えないほどです。過度な高性能を期待せずFM放送をBGM的に楽しむ目的なら十分に使えます。ヤフオクでもあまり見かけない機種だと思います。中古品を見かけたらぜひ保護してあげてください。
電解コンデンサー交換などメンテナンスをすれば良いとは思いますが、でも作業するには基板を全部外して裏返しにする必要があります。残念ながらそこまでする気力・根性がありませんでした・・
■ST-C03 ST-C01 比較一覧表-------------------------------------
| 型番 | ST-C03 | ST-C01 | |
|---|---|---|---|
| 型式 | FM/AMチューナー | FM/AMチューナー | |
| 年式 | 1979年(電源コードの印字) | 1979年(電源コードの印字) | |
| 定価 | 58,000円 | 35,000円 | |
| FM部 | 受信周波数 | 76.1MHz~89.9MHz | 76MHz~90MHz |
| 実用感度 | 1.2μV(75Ω)、12.8dBf(新IHF) | 0.9μV(75Ω)、10.3dBf(新IHF) | |
| S/N比 | 75dB | 75dB | |
| キャプチャーレシオ | 1.0dB | 1.0dB | |
| 実効選択度 | 75dB | 75dB | |
| イメージ妨害比 | 80dB(83MHz) | 50dB(83MHz) | |
| IF妨害比 | 90dB(83MHz) | 85dB(83MHz) | |
| スプリアス妨害比 | 95dB(83MHz) | 75dB(83MHz) | |
| AM抑圧比 | 55dB | 55dB | |
| 周波数特性 | 20Hz~15kHz、+0.5,-1.5dB | 20Hz~15kHz、+0.5,-1.5dB | |
| 高調波歪率 | mono:0.1%(1kHz) | mono:0.1%(1kHz) | |
| stereo:0.15%(1kHz) | stereo:0.15%(1kHz) | ||
| ステレオセパレーション | 45dB(1kHz) | 45dB(1kHz) | |
| キャリアリーク | -35dB | -35dB | |
| アンテナ端子 | 75Ω不平衡 | 75Ω不平衡 | |
| AM部 | 受信周波数 | 531kHz~1,602kHz | 525kHz~1,605kHz |
| 実用感度 | 250μV/m | 30μV(S/N=20dB) | |
| 選択度 | 40dB | 30dB | |
| イメージ妨害比 | 45dB(1000kHz) | 55dB(1000kHz) | |
| IF妨害比 | 40dB(1000kHz) | ||
| 総合 | 出力電圧 | 0.6V | 0.5V |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | AC100V、50Hz/60Hz | |
| 消費電力 | 10W | 8W | |
| 外形寸法 | 幅297×高さ49×奥行244mm | 幅297×高さ49×奥行255mm | |
| 重量 | 2.8kg | 2.9kg | |
| 付属品 | 簡易型FMアンテナ×1 | ||
| 接続コード(Pin-Pin)×1 | |||
| 参考 | ブログ記事 | ST-C03 | ST-C01 |
| ブログ写真集 | ST-C03 | 写真集 | |
| 取扱説明書 | 捜索中 | 取扱説明書 | |
| カタログ | 捜索中 | 総合カタログ56年11月発行 | |
| 回路図 | 捜索中 | 捜索中 | |
| 参考リンク1 | オーディオの足跡 | オーディオの足跡 | |
| 参考リンク2 | Technics資料館 | Technics資料館 | |
« KENWOOD KTF-5002 | トップページ | KORG DS-10 »
「ピュアオーディオ」カテゴリの記事
- 2026 謹賀新年(2026.01.04)
- SANSUI TU-S707X 修理調整記録7(2025.12.28)
- SONY ST-5150 修理調整記録6(2025.12.21)
- SONY ST-AV900 修理調整記録(2025.12.14)
- SANSUI TU-α707 修理調整記録3(2025.12.07)
Bluessさま、こんばんは。相変わらず積極的なジャンク再生記事、楽しませていただいております。
さて、電気系の私の会社に、なんと安藤電気(もう今はありませんが)のGE-502(VHF信号発生器)、HSG-508(ステレオ信号発生器)があることが分かりました。
僕は技術系の社員ではありませんが、上司に訊いたら「使ったらいい」との事で、暇を見つけて「素人調整」の道に踏み込めそうです。
中学時代にとった「電話級アマチュア無線技師」では心もとないので、無線工学も勉強しなおしたいものです(笑)
投稿: GAM | 2008年8月21日 (木) 23時58分
GAM様
会社に機器が揃っているといいですね。
最近はコピー機も管理が厳しくなって、私的使用は事実上出来なくなっている企業が多いと聞きます。
大きな声では言えませんが、私は仕事場にあるXEROX製複合機(コピー、プリンタ、スキャナ、FAX、OCR)を無断借用してカタログや取扱説明書をPDF化しています。管理が厳しい企業と違って助かっています(笑)
投稿: BLUESS | 2008年8月22日 (金) 20時05分
ご無沙汰です。
下記URLでサービスマニュアルをDLできました。
http://www.freeservicemanuals.info/en/servicemanuals/viewmanual/Technics/STC03/STC03K/
投稿: いな | 2012年9月18日 (火) 01時01分
いな様
サービスマニュアルの情報、ありがとうございます。
早速入手しました。
近日中に実機と回路図を見比べてみます。
投稿: BLUESS | 2012年9月18日 (火) 22時46分