TRIO KT-9007

以前 KT-8300 をお譲りいただいた方のお知り合いの方から頂戴しました。35年前の製品とは思えないほど外観状態が良いです。まさにオールドトリオ。クラシカルな雰囲気、重厚感あるデザイン、こういうアナログチューナーが大好きです(笑)
KT-9007(1974年)は70年代前半TRIO製チューナーのフラッグシップ機でした。当時の定価は90,000円。大卒初任給 8万円前後の時代です。現在の金銭感覚に換算すると「定価20万円」と思えばイメージしやすいでしょうか。発売当時のカタログ(1974年7月発行)によれば同シリーズに4種類のラインナップがありました。KT-7007以下の機種は中古市場に多く出回っていますが、KT-9007はほとんど見かけません。当時 KT-9007 を購入できた人は少なかったのでしょうね。
・FM/AMとも受信しました。
・STEREOランプ点灯、実際にステレオ感もあります。
・FMランプ、MUTINGランプが点灯しない。球切れか?
・マルチパスメータ、デビエーションメーターも動作OK
・Sメーター最大位置でTメーターがセンターにならない
・FM同軸アンテナ端子がM型!通信機仕様ですね
とりあえず写真を撮って左サイドバーに追加しておきました。YAHOO Groups FMTunersArchiveに輸出機(KT-8007)のサービスマニュアルがありました。休日の楽しみがどんどん増えますが、実際の作業が追いつきません。時間がかかるので、修理調整の様子はまた後日に・・
■追記 【2009年7月19日】---------------------------------------
3連休の今日だけ休みです。
朝から KT-9007 の分解清掃と簡易調整をしてみました。
・1974年製です。
・ツマミ類はアルミ無垢・・と思ったらプラスチック製でした。
・スケール部を覆う分厚いガラス・・と思ったらペラペラアクリル板でした。
・IF段には見た目ゴツイ「セラミックフィルター」がありました。
・この07シリーズからMPX段のスイッチング信号生成がPLL化されています。
・カタログによるとシリーズの 7007,5007,3007 もPLL化されているようです。
・PLL-IC:μPC33C、MPX-IC:HA1156(回路図では SN76115N )
・現状で軽く調整しただけですがセパレーション50dB近く取れました。
・照明用電球を交換しようとしたところ、簡単なソケット式ではなく特殊な形状・・
・ジャンク機から部品取りするか、いっそLED化するか?
・電球以外は大きな不具合は無さそう。きれいにFMを受信しています。
・電解コンデンサを交換して再調整してみます。やっぱり時間かかります・・
・KT-6005も確認しましたが、セラミックフィルターでした。
・KT-6005のMPX段は IC も PLL も無しでした。
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■追記【2009年8月10日】-----------------------------------------
今日から1週間の夏休みです。ようやくまとまった時間が取れたので作業再開しました。
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■電球交換----------------------------------------------------
照明電球がいくつか切れています。電球種類を確認するため、正面パネルを分解してみました。
・AC7V/300mA×4個 ダイヤルスケール照明用 (※実測:7.5V)
・AC7V/ 50mA×5個 AM/FM/STEREO/DEVIATION/MUTING の表示用 (※実測:7.5V)
電球をどうやって取り外すのか・・?しばらく悩みました。電球が載っている基板を外すには、バリコンワイヤを外してフロントパネルを全分解する大掛かりな作業になります。電球交換にそこまでする筈はないだろう・・
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試行錯誤の末に、白いゴム製のソケットごと手前に引っ張れば電球が抜けると分かりました。電球はゴム製のソケット一体型でした。現在入手できる交換用部品はたぶん無いですね。KT-*007シリーズのジャンク品から部品取りする事にします。KT-*005シリーズとは電球形状が全く違うので流用できません。
■電解コンデンサーリスト---------------------------------------
まずは電解コンデンサーを総交換しようと思い、電源部から作業に取り掛かりました。電源トランスの裏側部分です。しかし、配線がゴチャゴチャ絡まっていて電源基板が外せません。製造後に追加されたと思われるコンデンサーがあちこちで宙を渡っています。こういうのを見ると、あまり高級機という感じがしないですね。何だか急にヤル気を失ってしまいました。
とりあえず動作に不具合は無いので、このまま再調整に進むことに。
■主なパーツ----------------------------------------------------
MURATA CERAMIC FILTER L72-0020-05×2個 セラミックフィルタ
HA1156:PLL MPX用IC
uPC33C:PLL用IC
MP-FJ 変換プラグ:75Ω同軸ケーブル接続用
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■PLL-MPX用ICについて-------------------------------------------
古い雑誌を調べてみると、1972年頃に初のPLL-MPX用ICとしてMotorola MC1310が登場しています。exjf3eqs様によれば、日立HA1156 と TIのSN76115N は MC1310 のコンパチ品のようです。パイオニアTX-910のカタログには PA1310使用 とありますが、型番からは MC1310同等品と想像できます。
MPX用ICを手持ちのチューナーで確かめてみました。
【HA1156】
SONY ST-5950 , SANSUI TU-707 , TRIO KT-7700 , TRIO KT-9007
【SN76115N】
Technics ST-8600
【HA1156】はその後【HA11223】に進化したのかな?と勝手に想像しています。パーツ単位で見てみると製品の見方が変わって面白いですね。
■各部調整記録---------------------------------------------------
YAHOO Groups FMTunersArchiveで入手した輸出機(KT-8007)のサービスマニュアルから調整要領のページだけ抜粋しました。10.7MHzをフロントエンドに注入し、オシロで波形を確認しながらIFTコイルを調整する方法です。TP位置を追記した回路図はこちら。
以下の記述は簡略した手順ですが、神経質にならなければこれで充分と思います。セパレーションは42dBほど確保できました。
・MUTING : OFF
・UA101経由で音声固定出力をWaveSpectraに接続
・※FM75Ω同軸端子は M端子です。MP-FJ変換プラグ があると便利です。
■定格(2009年9月5日追記)------------------------------------------------
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二度目になります。PC大変そうでしたね。それにして9007ですか、羨ましい限りです。私の手持ちの3007であれだけの音、9007はすごいものがある事と思います。また8001を修理中で3sk30コンパチとリードリレーを探しているとこす。
8001はセラミックではなく水晶発振器です、9007も多分 水晶かなと思いますがセラミックと水晶の聴き比べなどというのも面白そうです。と ICではないMPXの調整は思ったよりも大変そうです。前回8300の時は8100の修理を終えパルスカウントの音に関心し、アンプのKAを置いてきたとは何と奥ゆかしくも勿体ない(初のツイントランスを)方だと思い今回は9007ですか、ある意味9900よりも羨ましい限りです。くどいですね。すいません。
それからYAMAHAのCT800その後いかがですか、何かの機会に回路図などお持ちでしたらUPしてみて下さい。また楽しみに見させて下さい。
投稿: たにまち | 2009年7月 6日 (月) 02時11分
たにまち様
こんばんは。
「KT-3007もいい音してる・・」という事ですね。
いまカタログを詳しく読み直しています。
KT-9007(90,000円)/KA-9006(120,000円)
KT-7007(65,000円)/KA-7006(75,000円)
KT-5007(50,000円)/KA-5006(57,000円)
KT-3007(42,000円)/KA-3006(48,000円)
一世代前のKT-6005(故障品)は持っていますが、
07シリーズは初めて触れる機種です。いろいろ勉強してみます。
P.S.
できればアンプもセットで揃えたいですが、保管場所が限界です・・
もう二度と作られない貴重なチューナーの保護再生に専念しようかと・・(笑)
投稿: BLUESS | 2009年7月 6日 (月) 22時58分
こんにちは。私は KT-7007 を手に入れました。
惚れました(笑)。アナログレコードをセパレートアンプで鳴らしたような、非常に心にぐっとくる音です。
良くも悪くもカマボコ型の周波数特性ですが、楽器がよく聞こえ、楽器やアンプの種類まで分かるようです。
バブル時代の超高性能チューナーでは絶対出せない次元の音ですね。
投稿: ポムロル | 2009年10月 9日 (金) 15時12分
古いカタログで9007と7007のスペックを比べてみましたが、そんなに大差は無いように思います。
特にセパレーションとキャリアリークは同一値なので「復調回路の構成は同じ?」と想像しました。
PLL制御の復調回路が組み込まれたバリコン機なら、今でも充分現役で使えますね。
大切にしたい機種が増え過ぎて困ります(笑)
投稿: BLUESS | 2009年10月10日 (土) 19時27分
はじめまして。FMチューナーのファンがおられるようなので、メールしました。FM-105とKT-9900を使用してきましたが、この度KT-9007を手に入れました。個人的には、真空管チューナー105と9007のまったりゆったりとしたアナログの音が気に入っています。どちらがお好きですか?バブル時代の超高級機やシンセ式にはこの音の絶妙さがありませんよね。昔からFMチューナーで音楽を聴いて、いいなと思った曲は「耳コピー」演奏してきました。バリコンチューナーは品がありますよね。オーディオを50年やっていても、FMの音と真空管アンプの音は最高だと思います。いかがでしょうか。
投稿: やっちゃん豚 | 2018年4月25日 (水) 21時29分
実は真空管チューナーは使ったことが無いので、その良さはよく分かりません。
私は照明を少し落とした部屋で、好きなワインを飲みながら、BGMとしてFM放送をボーっと聴くのが好きです。このときアナログチューナー独特の「照明に浮かび上がる周波数窓」を眺めていると癒される感じがします。音質や性能に拘りは無く、「美しい照明窓を持った機種」が好きです。
FM放送の楽しみ方は人それぞれですね。
投稿: BLUESS | 2018年4月26日 (木) 22時04分
お忙しいところ恐縮ですが、素人なので判る範囲でお教授下さい。
機種 KT-9007
故障内容 ステレオ受信出来ず
オートモードでは音が出ます
ステレオオンリーでは音が出ません
ステレオのランプも点灯しません/聞いた感じもモノラルです。/ランプ切れもありません。
音は良く歪も感じません
測定機器はテスターしかありません
サイトを確認し、HA1156WとQ16は交換しました。
HA1156はICカプラー装着した為、簡単に交換可能です。
具体的なアドバイス頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿: 素人 還暦 | 2022年3月24日 (木) 20時03分
HA1156横にあるVR2(VCO)を左右に回すとSTEREOランプが点灯しませんか?
もし点灯するなら、点灯範囲の中点にVR2をセットすると良いです。
投稿: BLUESS | 2022年3月24日 (木) 21時39分
早速の連絡ありがとうございます。VR2(6.8k)左右に回してみましたが
変化は有りません。VR2外して抵抗値確認しましたが、動作に問題はありません。
その他要因は考えられるでしょうか?
宜しくお願い致します。
投稿: 素人 還暦 | 2022年3月25日 (金) 09時12分
あと簡単にできることと言えば、、
■IF基板
・VR2を回してみる
・VR4を回してみる
■MPX基板
・HA1156周辺のTR(2SC1345,2SC945)の真っ黒な足を清掃、若しくは交換
・C7,C8,C9 電解コンデンサ交換
・C6 スチコン交換
投稿: BLUESS | 2022年3月25日 (金) 12時39分
お世話になります。2SC1815GR/1345交換しました。
その他VR2,VR4回しましたが変化しません。
これ以上、素人がいじっても、かえって壊しそうなので
今回はこの時点で一時終了します。
ありがとうございました。
余談ですが、チューナーは70年代中心(当方大学生時代)
相当数使いましたが、一番良かったのはKT-9900でした。
長期間使ったのは、アキュフェーズ/T100です。
SONYと比べTRIOは古い機種でもメーカーが相談になってくれるのは好感を持てます
9900は部品は無く修理できないが、送ってもらえれば?
ある程度故障原因を特定して頂き、無事修理完了しました。
投稿: 素人 還暦 | 2022年3月26日 (土) 11時29分
あまりお役に立てず失礼しました。
KENWOODサービスの対応はとても良心的(TRIO時代の製品修理も引き受けてくれるなど)でしたが、さすがに最近は「修理不能」で返却されるケースが多いようです。
投稿: BLUESS | 2022年3月27日 (日) 12時27分
件名: KT-9007の修理についてのお問い合わせ
BLUESS様
はじめまして。東京在住のキテバと申します。貴社のブログにて、Trio KT-9007の修理実績を拝見し、是非一度私の所有するKT-9007の修理・メンテナンスをお願いできないかと思い、ご連絡差し上げました。
現在、音は出ますが、経年劣化による性能の低下が気になっており、コンデンサーの交換や再調整(アライメント)を含めた総合的なオーバーホールを希望しております。
お忙しいところ恐縮ですが、修理の可否、費用の目安、納期などについてご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
キテバ
投稿: キテバ | 2025年4月13日 (日) 23時43分
キテバ様
お問い合わせいただきありがとうございます。
私は趣味としてチューナー修理を楽しんでいるアマチュア素人です。
申し訳ありませんが、修理やオーバーホールの受付はしておりません。
オーディオ専門の修理業者さんに依頼することをお勧めします。
投稿: BLUESS | 2025年4月14日 (月) 16時31分