Pioneer F-26 メンテナンス記録(2)検波回路の研究
・10日ぶりのオフ日、Pioneer F-26の検波回路を勉強しました。
・Wide系/Narrow系それぞれ独立した IF~検波回路を持っています。
・両回路は受信状況に応じて自動的に切り換えられます。
【Wide系】
・・・群遅延平坦ベッセルフィルタとSAWフィルタの組み合わせに、差動増幅IC3個と差動リミッタIC4個を設け、さらに検波回路には新開発の「パラレル・バランスド・リニア・ディテクタ(PBLD)」を採用しています。この PBLDはそれまでのパイオニアの超広帯域直線検波器をさらに発展させたもので・・・
【Narrow系】
・・・セラミックフィルタ4段と差動IC3個、さらにパイオニア専用高集積度IC(PA3001A)により・・・
・PA3001A のデータシートはすぐ見つかりました。クァドラチュア検波です。
・チューナーのカタログには性能を誇示する難しい専門用語が並んでいます。
・いったいどれくらいの人がその意味を理解していたのか???
・昔はその意味も知らないまま、デザインとか雑誌の評価記事を読んで製品を選んでいました。
・で、、F-26 に搭載されている「パラレル・バランスド・リニア・ディテクタ PBLD」って何??
・資料には「TX-9900 に搭載された超広帯域直線検波の改良型・・」という記述がありますが、、
・そもそも「超広帯域直線検波」って何??
・30年以上の前の古い製品ですが、今頃になって勉強できることがとっても楽しいです。
・調べるうちに、どうやら「分布定数形遅延線検波」の一種ということが分かってきました。
■参考文献1:「電波科学」1978年11月号 特集 検波回路を徹底的に解剖する-----------
・P123 レシオ検波
・P129 フォスター・シーレー検波
・P133 クォドラーチャ検波
・P138 PTL検波
・P143 PLL検波
・P148 パルスカウント検波
・P153 分布定数形遅延線検波
■参考文献2:「FMチューナ・マニュアル」 黒川晃著 ラジオ技術社 1978年4月初版-----
・P134 FM検波器の動作
・P134 レシオ検波回路とフォスター・シーレー回路の比較
・P136 その他の検波器
・P137 2同調形
・P137 分布定数形
・P140 クォドラチュア検波形
・P141 パルスカウント検波形
・P142 PLL方式
■参考文献3:F-26 英文サービスマニュアル P11より引用-------------------------------
The P.B.L.detector is an exclusive wide system detector. This detection circuit is a distributed constant type (line) detector. Whereas, common line detectors use a deley line in a series resonant circuit, the P.B.L. detector uses a coil and capacitor equivalent to the distributed constants of a delay line (Fig.3). As a result, a detection bandwidth of ±3MHz and a linear region of ±500kHz have been achieved. Moreover, since the drive amp(M5109PR) consists of two differential amps connected in parallel, detection efficiency is high and an S-N of 92dB or greater is guaranteed at the detector.
※distributed constant type detector==> 分布定数形検波
※一般的な分布定数形検波回路では「遅延線」を用いるが、P.B.L.D.では遅延線と等価なコイルとコンデンサを用いている。
■分布定数形遅延線検波:参考文献の情報まとめ----------------------------------
| 分布定数形 遅延線検波 | ■遅延線として「同軸ケーブル」を用いたタイプ | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| ・MacIntosh MR-77 | →製品情報 | ||||
| ■遅延線として「高価な遅延線」を用いたタイプ | |||||
| ・Revox A-76 | →製品情報 | ||||
| ■超広帯域直線検波 = 遅延線による分布定数回路を等価的にLCに置換したタイプ | |||||
| ・Pioneer TX-9900 | →製品情報 | →カタログ | |||
| ・Pioneer TX-8900 | →製品情報 | ||||
| ・Pioneer TX-8900Ⅱ | →製品情報 | →カタログ | |||
| ・Pioneer EXCLUSIVE F-3 | →製品情報 | ||||
| ■Parallel Balanced Linear Detector P.B.L.D. = 超広帯域直線検波の改良タイプ | |||||
| ・Pioneer F-26 | →製品情報 | ||||
| ・Pioneer F-007 | →製品情報 | →カタログ | |||
・分布定数形検波搭載機として文献に登場するのはパイオニア機ばかりです。
・パイオニア以外の国産チューナーには分布定数形検波機は無かったのか?
・パイオニア自身もこれ以降、分布定数形検波機の新製品は出していないようです。
・1980年にはパルスカウント検波を搭載した F-700 が新製品として登場しています。
■F-26回路の様子------------------------------------------------------------
・定数分布形検波の具体的な動作理論は上記参考文献をご覧になってください。
・自分ではアバウトに理解したつもりですが、、正確にはとても説明しきれません・・・
・私は県内の公立図書館を横断検索する「蔵書検索」を愛用しています。
・必要個所はコピーしてPDF化していますが、これを公開することは著作権法に触れますので、、
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・F-26の P.L.B.D. はシールドケースに収まっているので内部の様子は分かりません。
・ジャンク品のTX-8900辺りを入手したら思いっきり分解してみます。
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・図書館で古い雑誌を探しながら情報収集、、「考古学」みたい?で楽しいですよ。
・・つづく
【2010年09月12日】 Pioneer F-26 / サービスマニュアル購入記録
【2010年09月19日】 Pioneer F-26 / メンテナンス記録(1)清掃編
【2010年09月29日】 Pioneer F-26 / メンテナンス記録(2)検波回路の研究
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