Victor T-X55
・2009年9月初め、ヤフオクで落札した中古チューナーです。
・型番を見て「PTL検波か?PLL検波かも?」という点に興味が湧いてしまいました。
・取扱説明書も付属していたので勉強材料になると思って入手しました。
・人気のない機種ゆえ開始価格(500円)のまま終了でした。
※入手から既に一年以上経過、ようやく作業完了しました。
■取扱説明書、サービスマニュアル--------------------------------------
・ Victor T-X55 取扱説明書(PDF形式、約5MB)
・輸出機 JVC T-X55 サービスマニュアル は Hi-Fi Engine にありました。
・メンバー登録(無料)すれば誰でも入手できます。
■製品情報の探索-------------------------------------------------------
・オーディオの足跡に製品情報がありました。
・CoolTune さまの「FM/AMチューナー雑誌記事リスト」 をいつも参考にさせていただいています。
・平日の昼間、愛知県図書館で電波科学を読んでいるオジサンがいたら、それは私です(笑)
・電波科学 1982年4月号 TX-55 内部写真
・電波科学 1982年5月号 TX-55 テストルーム記事
・電波科学 1983年2月号 TX-55 チューナーテスト記事
■製品情報(雑誌記事から抜粋)-------------------------------------------
・1982年発売。当時の定価は 52,800円。
・コンピュータ・コントロールシステム搭載シンセサイザチューナー
・高耐圧銅フレームハイQバリキャップ(4連)のフロントエンド
・超高速素子ガリウム・ヒ素ショットキー型FET →(※実機確認: 3SK97)
・リニアフェイズセラミックフィルタ
・IF BAND切替 Normal/Narrow
・新クォドラチャ検波 →(※実機確認:LA1235)
・PLLMPXステレオ復調回路 →(※実機確認:HA12016)
・DCオーディオアンプ
・電源ON/OFFに連動して動作する6個のプログラムメモリ
・デザインイメージは同社プリメインアンプ A-X55、A-X11 にマッチさせている
|
|
|
|
|
■T-X55の検波方式----------------------------------------------------
・1979年発売のT-X5(バリコン式)でVictor独自の PTL検波 が初搭載されました。
・シンセ式になった 1981年発売の T-X7 では「ビクター自慢の技術」と紹介されています。
・Victor T-X5 1979年 バリコン式 PTL検波 46,800円
・Victor T-X7 1981年 シンセ式 PTL検波 54,800円
・ところが 1982年発売の T-X55 では資料を読む限り「PTL検波」という言葉は見当たりません。
・そもそも検波方式に特別な注目は無く「新クォドラチャ検波」と記載あるだけです。
・実際、クォドラチャ検波回路内蔵の LA1235 +2段ディスクリIFT(T201)による普通の構成です。
・T201 のプライマリコアで電圧ゼロ、セカンダリコアで歪最小にと調整指示あります。
・何が「新」なのか?よく分かりません。
|
|
|
|
|
■コンピュータ・コントロール----------------------------------------
・TX-55は「コンピュータ・コントロール」が最大のセールスポイントだったようです。
・サービスマニュアルでは電界強度の A/D変換の解説に力が入っている印象です。
→受信する放送局の電解強度と上下に隣接する妨害波の有無を200msec間で検出する。
→下記フローチャートに従って電波状態に最適なセッティングを自動設定する。
→受信感度が強すぎる場合は -10dB,-15dB のRFアッテネーター設定
→IFバンド Narrow/Normal の設定
→STEREO/QSC (Quieting Slope Control)の設定
→受信局をメモリー登録した場合、これらの設定もメモリー登録される
|
|
|
|
|
■実機の動作確認----------------------------------------------------
【外部チェック】
・外観は汚れているが、クリーニングすればキレイになりそう。
・フロントパネルはアルミ製、ボタン類はプラスチック。
・フロントにわずかに線傷。その他は外装に目立つ傷は無い。
・通電OK、表示部の輝度もOK、FM/AMとも受信OK、周波数ズレなし。
・ステレオランプ点灯するが出音にステレオ感がない。モノラル音声のよう。
・放送局のメモリー登録できるが、電源オフにすると保持できない。
【内部チェック】
・4連バリキャップのフロントエンド、シールドケース
・コイル+トリマできちんとトラッキング調整できるタイプ
・電源部の電解コンデンサ4本が激しく液漏れ。
・メモリ保持用には2200uF/6.3Vが2本。これも激しく液漏れ。
・目視で足の劣化が分かる電解コンデンサ6本。
■部品交換----------------------------------------------------------
・電源部 2200uF/25V 220uF/35V 470uF/25V 100uF/25V 100uF/10V
・メモリー部 2200uF/6.3V×2個
・VCO調整後にセパレーション調整してもステレオ分離しない。
・この不具合は HA12016横の電解コンデンサ C411(22uF/6.3V) 交換により復旧。
|
|
|
|
|
■調整要領----------------------------------------------------------
※輸出機用サービスマニュアルより要約して転載
【フロントエンド部調整】
・L104 :周波数表示76MHz→TP4(SERVO VOLTAGE)電圧 6v±0.1v
・TC104:周波数表示90MHz→TP4(SERVO VOLTAGE)電圧 22.0v±0.1v
・L101、L102、L103:SSG76MHz→TP2(FM SIGNAL)電圧max
・TC101、TC102、TC102:SSG90MHz→TP2(FM SIGNAL)電圧max
【検波調整】
・T201:TP1(FM CENTER)に電圧計セット
・音声出力をUA-101経由でWaveSpectra観測
・83MHz受信状態でT201プライマリコア(IC201側)調整→電圧0mV
・83MHz受信状態でT201セカンダリコア(IC201反対側)調整→歪み最小
【ミューティング調整】
・VR201:Muting level adjust
【FM dBインジケーター調整】
・VR501、VR701
【MPX調整】
・VR402:TP-5(VCO)に周波数カウンタ接続→76kHz
・VR401:セパレーション調整
【調整不要】
・L401:Anti-birdie Filter
・L402,L403:MPX LPF
■使ってみた印象など-----------------------------------------------
・フロントパネルのデザインはセンス良くて私好みです。
・でも、ボタン配置にちょっと難あり?
・操作方法に慣れるまでメモリーボタンの操作を頻繁に間違えます。
・数字が光る黒い透明プラスティックボタンではなく、その下の小さなボタンをつい押してしまう。
・周波数表示部のすぐ下に UP/DOWNボタン があると良かったのに。
・IF BAND切換えなど表示位置に対応したボタン配置だったら良かったのに。
・75Ω同軸ケーブルがF型端子だったら良かったのに。
|
|
|
|
|
・周波数表示部で受信局の電界強度1μV/75Ω=0dBとして表示できる。
・FREQ/dB ボタンを押した瞬間の強度が約5秒間デジタル表示される。
・電界強度の変化にリアル追従しない。計測するたびにFREQ/dB ボタンを押し直す必要あり。
・電源ON/OFFに連動するプログラムメモリが6個ある→エアチェック向き。
・今回も良い勉強になりました、、、が、用途はBGM用くらいしか無いですね。
・基板だけ残して解体処分しました。
« ONKYO Integra T-7 | トップページ | Charatter きゃらったー »
「ピュアオーディオ」カテゴリの記事
- 2026 謹賀新年(2026.01.04)
- SANSUI TU-S707X 修理調整記録7(2025.12.28)
- SONY ST-5150 修理調整記録6(2025.12.21)
- SONY ST-AV900 修理調整記録(2025.12.14)
- SANSUI TU-α707 修理調整記録3(2025.12.07)





















T-X55のことをここまで個人の方で語る方が居られるとは感動しました。
私は新品で、ただし当時格安(値段の並びを誤ったのではと思える28500円)で買ったのを覚えています。
約35年くらい前に電界強度表示がある機種で一番安かったとを覚えています。
周波数メモリのバックアップはもうはるか昔に昇天して使えない状態ですがそのままステレオのラックで鎮座しています。
そんなんで私の家には使るステレオがありません。聞く暇も無いのでそのままです。せめて治さねば。コンデンサだけなのだから。
投稿: aicera | 2016年5月14日 (土) 08時20分