PIONEER TX-810 修理記録
■入手時の記録(2011年12月11日) → ここ
■AM不調:AM放送が受信できない--------------------------------------------
【症状】
・Sメーターが全く振れない。局間ノイズも出ない。全く受信できない。
・セラミックコンデンサ(103=0.01uF)に触れるとAM音声が聴こえる。
・指を離すと聴こえなくなる。また指を触れると聴こえる、、
・指を触れたまま530kHz~1600kHzを移動すると各放送局が受信できる。
・受信できて音声が聴こえるときも Sメーターは振れない。
・接触不良か、、部品劣化か、、?
■輸出機 TX-8100 サービスマニュアル----------------------------------------
・Hifi Engine にありました。
・ユーザー登録(無料)するとダウンロードできます。
・ただ、、これは画質がかなり粗いです。
・文字は何とか読めますが、回路図中の数値はちょっとムリ。
・以下の検証は別機種の TX-9100、SX-737回路図を用いて行いました。
■AM不調:輸出機 TX-9100回路図 / HA1138 電圧確認-------------------------
・輸出機 TX-9100 回路図に HA1138各足の電圧値が示されています。
・コンデンサに指を触れ、受信できる状態で測定
| HA1138 | Name | TX-9100回路図 | TX-810実測 |
|---|---|---|---|
| 1 | - | 10.7V | 11.1V |
| 2 | - | 27.5V | 2.6V |
| 3 | - | 10.7V | 11.1V |
| 4 | - | 10.6V | 11.1V |
| 5 | - | 4.7V | 4.6V |
| 6 | - | 8.4V | 9.0V |
| 7 | - | 1.9V | 2.2V |
| 8 | AM ANT IN | 0.9V | 2.2V |
| 9 | AM METER | 30mV | 2mV |
| 10 | AM OUT | 3.5V | 3.5V |
| 11 | - | 4.1V | 4.1V |
| 12 | - | 11.8V | 12.5V |
| 13 | - | 11.8V | 2.6V |
| 14 | - | 2.6V | 2.5V |
| 15 | - | 2.6V | 2.6V |
| 16 | - | 0V | 0V |
【気になる結果】
・ 2pin:回路図27.5V →実測2.6V ??
・ 4pin:テスター先端が触れるとノイズ発生
・ 5pin:テスター先端が触れるとノイズ発生
・ 9pin:AM METER OUT →電圧ほとんどゼロ。Sメーターが振れないわけです。
・10pin:AM OUT →正常値
・13pin:回路図11.8V →実測2.6V ??
・2pin と 13pin の電圧が怪しい?
・9pin のAM-METER電圧が出ないのは何故?
■AM不調:輸出機 SX-737回路図 / HA1138 電圧確認--------------------------
・TX-810修理途中に PIONEER SX-737という古いレシーバーを入手しました。
・SX-737にも HA1138 が使われていました。
・SX-737輸出機用サービスマニュアルを入手しました。
・回路図に HA1138各足の電圧値がありました。
| HA1138 | Name | SX-737回路図 | TX-810実測 |
|---|---|---|---|
| 1 | - | 10.6V | 11.1V |
| 2 | - | 2.75V | 2.6V |
| 3 | - | 10.6V | 11.1V |
| 4 | - | 10.6V | 11.1V |
| 5 | - | 4.68V | 4.6V |
| 6 | - | 8.2V | 9.0V |
| 7 | - | 1.95V | 2.2V |
| 8 | AM ANT IN | 0.89V | 2.2V |
| 9 | AM S METER | 0.14V | 2mV |
| 10 | AM OUT | 3.53V | 3.5V |
| 11 | - | 4.04V | 4.1V |
| 12 | - | 11.8V | 12.5V |
| 13 | - | 2.66V | 2.6V |
| 14 | - | 2.77V | 2.5V |
| 15 | - | 2.63V | 2.6V |
| 16 | - | 0V | 0V |
【気になる結果】
・ 2pin:回路図2.75V →実測2.6V
・13pin:回路図2.66V →実測2.6V
・TX-9100回路図の 2pin 27.5V は誤記ですね。
・SX-737回路図によれば 2pin と 13pin の電圧は正常。
・それなのに 9pin のAM-METER電圧が出ないのは何故?
■AM不調:ハンダ修正、部品交換など実施 → 改善効果なし------------------
・ジャンク箱に以前分解した PIONEER F-D7 の基板がありました。
・F-D7 の AM部には HA1138があります。
・回路構成を比較しながら以下の作業を行いました。
・絶縁不良、接触不良を疑ってハンダ面をルーペで観察
・目視でハンダ割れは確認できず
・念のためハンダ修正
※改善効果なし
・部品劣化を疑って部品交換
・TX-9100回路図の番号で C4:10uF/16V、C19:4.7uF/35V 交換
・TX-9100回路図の番号で C6:セラミックコンデンサ(103)交換
※改善効果なし
・TX-9100回路図の番号で D1、D2 ダイオード交換
※改善効果なし
■AM不調:まさか、、、HA1138交換--------------------------------------
・こうなるとHA1138自身が怪しくなってきます。
・F-D7 の基板から HA1138 を外し、TX-810 に移植しました。
・結果は、、、直りました!!
・Sメーターが大きく振れ、AM音声が流れてきました。
・まさか、、、AM不調の原因は HA1138 の故障でした。
・Sメーターがまったく振れないという症状を思えば、確かに、、納得です。
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■ヘッドホンアンプ部電解コンデンサ交換------------------------------
・ヘッドホン端子からは音声聴こえますが、この状態で放置するのも何なので、、
・電解コンデンサ3個交換(220uF/16v×2個、 47uF/16v)
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■各種受信調整(放送局を受信しながら調整する方法)--------------------
【FM:OSCトリマ調整】
・居住地で安定受信できる最も周波数の高いFM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、NHK-FM 82.5MHz
・OSCトリマ(FM-OSC)を回しながら電圧最大点を探索(Sメーター最大)
【FM:OSCコイル調整】
・居住地で安定受信できる最も周波数の低いFM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、ZIP-FM 77.8MHz
・OSCコイル(OSC-COIL)を回しながら電圧最大点を探索(Sメーター最大)
・上記トリマとコイルの調整作業を数回繰り返す
【FM:RFトリマ調整】
・居住地で安定受信できる最も周波数の高いFM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、NHK-FM 82.5MHz
・RFトリマ(FM RF1~RF3)を回しながら電圧最大点を探索(Sメーター最大)
【FM:RFコイル調整】
・居住地で安定受信できる最も周波数の低いFM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、ZIP-FM 77.8MHz
・RFコイル(RF COIL1~COIL3)を回しながら電圧最大点を探索(Sメーター最大)
・上記トリマとコイルの調整作業を数回繰り返す。
【FM:IFTコア調整】
・居住地で安定受信できる中間の周波数のFM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、FM-Aichi 80.7MHz
・IF TRANS を回しながら電圧最大へ(Sメーター最大)
【FM:検波調整】
・居住地で安定受信できる中間の周波数のFM局を受信
・愛知県の場合、FM-Aichi 80.7MHz
・Sメーター最大振れ位置でTメーターがセンターに合わない場合
・DISCRIMINATOR TRANS 下段コアを回してセンターへ。
※DISCRIMINATOR TRANS は内部で下段コアと上段コアに分かれています。
※下段コア:Tメーターをセンターへ
※上段コア:歪みを最小に(要測定器)
【FM:Sメーター振れ調整】
・居住地で最も強い電波を受信できるFM局の周波数に指針をセット
・Sメーターが90%くらいに振れる位置に METER CONTROL 調整。
【FM:MPX調整】要測定器
・サービスマニュアルの記述によれば、、
・SSGからL-ch信号のみ送信。
・19kHz COIL を回してL-ch出力が最大になるよう調整する。
・その後、L信号、R信号を送信。
・SEPARATION CONTROL で左右のセパレーションを調整する。
・MPX調整だけはどうしても信号発生器が必要です。
・ただ、気休め程度で良ければ、、
・信号発生器に代えて手軽なFMトランスミッターを利用する方法。
・クラシックコンサート番組を聴きながら楽器配置を想像して調整する方法。
・、、などがあります。
・信号発生器といっても精度の怪しい中古機なら所詮気休め程度ですが、、(笑)
【AM:受信調整】
・居住地で安定受信できる最も周波数の高いAM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、東海ラジオ 1332kHz
・トリマ(AM-OSC、AMRF1、AMRF2)を回しながら電圧最大点を探索(Sメーター最大)
・居住地で安定受信できる最も周波数の低いAM局の周波数に指針をセット
・愛知県の場合、NHK第一 729kHz
・OSC-COIL、RF COIL、バーアンテナ先端コイルで電圧最大点を探索(Sメーター最大)
・上記トリマとコイルの調整作業を数回繰り返す
【AM:GAIN CONTROL】
・たぶん HA1138 への入力調整。
・AM放送を聞きながら歪まない程度に調整。
【AM:OUTPUT LEVEL CONTROL】
・FM/AMが同音量になるようAM側出力を調整かな?
・適当に合わせました。
■WaveSpectra 1.50 ---------------------------------------------------
・今回の作業中に気が付きました。
・お世話になっている WaveSpectra が V1.50 にバージョンアップしていました。
・→efu's page
■作業終了、、やれやれ、、----------------------------------------------
・AM部の修理をこんなに一生懸命やったのは久しぶり、、というか初めてかも?
・どうせAM放送は聴かないんですけど、、でも妙に達成感があります。
・気持ちよく新年を迎えられる感じです。
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記事のアップの方、本当にありがとうございます。
これらの内容をよく読んだ上で調整しようと考えております。
コイルの調整は他のサイトでも見たのですが、結構デリケートな物の様ですので
最初は割りばしでの自作も考えましたが、精度高くつくる自信があまりないので
コアドライバを購入する事に致します。そこでまた質問になってしまい大変申し訳ございませんが、どのくらいのサイズが適当でしょうか。
投稿: igay | 2011年12月24日 (土) 17時21分
DISCRIMINATOR TRANS 調整には先端が六角形のドライバーが必要です。
私が使っているのはコレです→HOZAN D-16 コアドライバセット
セットで500円くらいです。上から2本目 D-16-2 の左側1.95mm がぴったり合います。ただ、このままだと2.6mmの部分が途中で引っかかって下段コアまで届かないので、やすりでカットして使っています。素材が柔らかいので加工は簡単です。
19kHz COIL 調整は普通のマイナスドライバーですが、先端が非金属(セラミック)のモノを使っています。例えば→HOZAN セラミックドライバー
投稿: BLUESS | 2011年12月25日 (日) 09時09分
チューナAM側ですが同調型と非同調型が有りますがどう言う意味でしょうか?宜しくお願いします。
投稿: 小川明宏 | 2012年10月10日 (水) 10時51分
申し訳ありませんがお問い合わせ内容がよく分かりません。
AMアンテナのことでしょうか?
投稿: BLUESS | 2012年10月10日 (水) 22時54分