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2012年2月19日 (日)

PIONEER TX-8800II

 ・2012年1月末、HOジャンクコーナーで故障品を買いました。
 ・値札には「AM受信OK。FM不可。部品取り用」と書かれていました。
 ・電源コードの印字1976。この時期のPIONEER製品の系譜はだいたい頭に入っています。
 ・前回整備した TX-8900 交換電球の部品取りにちょうど良い、、と思いました。

Tx8800ii_03

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・1976年パイオニアカタログから抜粋

Tx8800ii1 Tx8800ii2

 ・オーディオの足跡 TX-8800II 1976年 46,800円
 ・Tuner Information Center TX-8500II 1977年 $300
 ・上記サイトで TX-8500II回路図とブロックダイヤグラムが入手できます。
 ・照合したところ TX-8800II → 海外機TX-8500II と言えそうです。

■作業記録1:動作確認--------------------------------------------------

 ・電源コードの印字=1976
 ・電源投入OK。スケール部の照明点灯OK。
 ・AM は背面バーアンテナで受信OK。
 ・アンテナを接続して FM の状態を確認したところ、、
 ・Sメータ、Tメータ動作して普通に受信可能です。
 ・WIDE/NARROWインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・録音レベル設定用のテストトーンOK。
 ・あれ?故障品のはずなのに、、なぜかFM/AMとも動作OKでした???

Tx8800ii_02 Tx8800ii_04 Tx8800ii_05 Tx8800ii_06 Tx8800ii_07

■作業記録2:分解清掃--------------------------------------------------

 ・ボディ全体に少しサビが出ていますが、フロントパネルはほぼ無傷。
 ・フロントパネル裏面に日付が印字されているかも?
 ・と思って分解しましたが、残念、今回は無かったです。
 ・パネルは5mm厚のアルミ板、チューニングつまみもアルミ無垢。
 ・分解ついでにパネルを磨いたところ、美しくピカピカになりました。
 ・バックパネルに「昭和58年3月28日」の修理済シール。

Tx8800ii_34 Tx8800ii_35 Tx8800ii_21 Tx8800ii_09 Tx8800ii_10

■作業記録3:受信調整--------------------------------------------------

 ・回路図を参考にして試行錯誤で各部調整してみました。
 ・FM4連、AM2連バリコン。厳重にシールドされたフロントエンド。
 ・WIDE側:セラミックフィルター1個のみ。
 ・NARROW側:セラミックフィルター3個加えて合計4個通過。
 ・各所に IC が多用され合理化コストダウンされている印象。

Tx8800ii_21_2 Tx8800ii_22 Tx8800ii_24 Tx8800ii_25 Tx8800ii_26

 ・PA3001(HA11225):クアドラチュア検波
 ・PA1001(KB4437):PLL-MPX
 ・PA1002:オーディオアンプ、ミューティング
 ・HA1452:オーディオ2chアンプ
 ・HA1197:AMシステム
 ・PA2002:電源部

Tx8800ii_23 Tx8800ii_28 Tx8800ii_29 Tx8800ii_33 Tx8800ii_32

【フロントエンド調整】
 ・メイン基板37番端子に電圧計セット(Sメーター)
 ・FM OSC調整 → 90MHz-TCO、76MHz-LO → 電圧最大
 ・FM RF調整  → 90MHz-TCA、TCR1、TCR2:76MHz-LA、LR1、LR2 → 電圧最大

【FM同調点調整】WIDE受信にて調整
 ・メイン基板53番端子と54番端子に電圧計セット
 ・83MHz受信
 ・PA3001左側の銀色コア(下段)→ 53-54間電圧ゼロへ
 ・PA3001左側の銀色コア(上段)→ 高調波歪最小へ
 ・フロントエンドIF調整 → 高調波歪最小へ
 ・83MHzより左右に少し離調してTメーターの振れが左右対称を確認。
 ・NARROW受信に切替
 ・セラミックフィルター横のVRでWIDE/NARROWの信号レベルを同一に。

【MPX調整】音声出力をWaveSpectraで観察
 ・メイン基板34番端子に周波数カウンタ接続
 ・VCO調整用VR → 19kHz
 ・PILOT CANCEL用VR → パイロット信号漏れ最小に
 ・WIDE用セパレーション調整
 ・NARROW用セパレーション調整

Tx8500iisch

【その他】
 ・Sメーター振れ調整
 ・RECレベルテストトーン調整。レベル-6dBに
 ・テストトーンは約1.6秒間隔でON/OFFを繰り返す

■TX-8900 TX-8800II デザイン比較---------------------------------------

 ・外観は似たような2台ですが、並べてみると微妙なデザインの違いがあります。
 ・浮き出るような造作のメーター、立体的な周波数目盛り(1MHz刻み)。
 ・切替スイッチの台座デザインと色、インジケータ照明色(ライムグリーン)。

Tx8800ii_11 Tx8800ii_13 Tx8800ii_16 Tx8800ii_18

 ・TX-8900 のフロントマスクは好みではなかったですが、、
 ・TX-8800II のフロントマスクには精悍なカッコ良さを感じます。
 ・僅かな違いなのに、全体の印象は随分変わるものです。

 ・ガラス窓の外側に手動で左右に動く「スライド式メモリーマーカー」
 ・MPXノイズフィルター機能

■使ってみて------------------------------------------------------------

 ・FM放送を聴いてみると TX-8800II の WIDE受信音質は TX-8900よりもはるかに良いです。
 ・他のオールドチューナーと比較してもかなり高得点です。
 ・4連バリコン+セラミックフィルター+クアドラチュア検波+PLL-MPX
 ・ごく普通の構成ですが、実用的にはこれで十分ということでしょうか。
 ・一方TX-8900 の歪率は一桁悪いので、本来の性能を発揮していない可能性高いです。
 ・部品交換などちょっと手を加えてみようかな?

Tx880ii_2

 ・上記調整後1週間連続稼働していますが、特に異常ありません。
 ・部品取りしたら解体処分、と思っていたのに、、意外な拾い物でした。
 ・でも、、保管場所に困る巨艦サイズチューナーがまた増えてしまった、、

Tx8800ii_04_3

 

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ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

確かに少しの違いで印象がちがいますね!デザイナーの心残りをやり直したと言うか アシスタントの画いた画に漫画家が一筆入れたみたいな(笑)
しかし…ちゃんと壊れてないと困りますよね!同店のチューナーはみんなFM受信不可だったりして…?
毎回の調整記事が大変貴重な内容で有難うございます!いずれまたお世話になる予感です(汗)

うちのSANSUI TU-707もそうですが、この下手なパワーアンプより大きな一族は重く無くても保管が悩ましいですよね。

値段を書き忘れましたが税込315円、HO碧南店です。
豊橋へ打ち合わせに行った帰り、ちょっと寄り道しました。
他にも315円チューナーが何台かありました。

昔はどの店にも105円のジャンクチューナーがたくさん並んでいましたが、
もうすっかり無くなりました。

そう、中身はスカスカ、サイズだけデカいチューナーがたくさんあります。
設計時に外寸をアンプサイズに合わせるから仕方ないんでしょうね。

今晩は。これまた88シリーズですね。中京地区はHOがかなり集中していて、名古屋にいくといつも10店位は梯子してます。
当方もチューナーではKT-1100Dを105円で手に入れたことがあります。その時は、チューニングロック機能をチューニング不可と勘違いしてジャンク品になったようです。オークションだと
1諭吉程度で取引されているのですから、HOのような甘い機能チェック査定は本当にありがたいですね。
ところで、先日報告したKT-9007にリレーがなかった件ですが、どうもこのパーツはミューティング用のリレーで、以前のオーナーは故障して修理に出したもののパーツ在庫切れで修理不可となり撤去され可能性があります。(修理シールにミューティング、交換パ^ツなし・・といった記載がありました。)たしかにミューティング機能は作動していないです。チューニング時以外恩恵を感じないので、実害はないのですが、もし代替え品ででも対応可能なら直したいですね。リレー周辺の回路など情報お持ちでしたらご助言などいただけますでしょうか。

たぶん、アンテナを接続したチェックなどしていないと思います。
でもKT-1100Dが105円だったら、本当の故障品でも大喜びで買っちゃいますね。

KT-9007の記事中に輸出モデル KT-8007 回路図へのリンクを用意しています。
リレーの代替品はよく分かりませんが、以下の資料がお役に立つかもしれません。

■KT-9007記事
https://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2009/07/trio-kt-9007.html

■KT-8007 回路図
http://bluess.style.coocan.jp/pdf/KENWOOD_KT-8007_scm.pdf

■KT-8007 調整要領(抜粋)
http://bluess.style.coocan.jp/pdf/KENWOOD_KT-8007_FM_Adjustment.pdf

■KT-8007 MPX基板図
http://bluess.style.coocan.jp/pdf/KENWOOD_KT-8007_MPX.pdf

KT-8007サービスマニュアル(全24ページ)は公開していませんが、必要でしたらお知らせください。

初めましてTX-8800を検索してましたらこちらにたどり着きました。
内容のすばらしさに感動・感服しました。
黙って見させてもらうには失礼と思いコメントしました。
37年ぶりにFMエアチェックしてます、修理参考にさせていただきます。
ありがとうございます。

ミキサー・タカ様

コメントいただきありがとうございます。
TX-8800/8800II の見た目で分かる違いはIF BAND切替の有無くらいでしょうか。
両機のスペックを比較しても性能差はほとんどないように思います。

使われているICが異なると調整箇所も違ってきますのでご注意ください。

ブルースさんへ

初めまして、熊本の青銀と申します。

つい先日、HOでTX-8800Ⅱ受信しませんを購入し無事に受信することを確認し喜んでいるところです。

で現在、アンプA-120D、スピーカーLSF-555の組み合わせで聞いてる限りはKT2020に勝るとも劣らぬ十分な音を奏でています。(でもトークなどの若干臨場感が若干実際は弱いかな)

しかし、ひとつ気になることがあります、それはダイヤルを他局へ移動中でもステレオインジケーターが点灯しているのです、これは正常な状態じゃないような気がするのですがいかがなものでしょうか。

また、よろしければ取り説を探していますので、どこか掲載されてるところをご存知でしたらこちらも教えていただけましたら助かりますので、宜しくお願いたします。

ブル-スさんへ

先ほど教えを請いましたが、たった今プッンと音がしてFMが受信はしてるが音だけが出ない状態になりました、どこが原因として考えられますでしょうか、幾つかあると思いますがご教授いただけたら助かりますのでお願いいたします。

青銀様

>ダイヤルを他局へ移動中でもステレオインジケーターが点灯している、、

これは明らかに異常です。MPX回路のどこかに不具合がありそうです。


>FMが受信はしてるが音だけが出ない状態、、

TメーターやSメーターは機能しているということでしょうか?
背面にあるマルチパス出力のH端子をアンプに繋いで音が出ているかご確認ください。
H端子から音が出ているならやはりMPX回路のどこかが故障したと思われます。
ただそれ以上のことが判断しかねます。

輸出機TX-8500IIの取扱説明書(英文)ならHifi-Engineでダウンロードできます。
ダウンロードするには簡単な会員登録(無料)が必要です。
http://www.hifiengine.com/manual_library/pioneer/tx-8500.shtml


ブルース様へ

早速のご返事ありがとうございます。

>TメーターやSメーターは機能しているということでしょうか?

はい、そのとおりです。

>背面にあるマルチパス出力のH端子をアンプに繋いで音が出ているかご確認ください。

音はでています。


と言うことはMPX部の異常が原因で音が出なくなったと思って間違いないようですね。

それで、回路図を観てみたのですが、私には電子回路の知識がありませんのでMPX部がどこかわかりません、お手数ですがどこの部分か回路図に印をつけてお教えいただけると助かりますのでよろしくお願いできませんでしょうか。

ブルース様へ

先ほどのMPX部の件ですが、ブロックダイアグラムの回路図を見てみましたらMPX DEMODULATORと書いてある部分を見つけましたがここのことでしょうか。

青銀様

音が出ない原因はミューティングが誤動作している可能性もありそうです。
ミューティングをオフにしてみると音が出るのでは?

MPX部とは回路図で言うと、PA1001と印字されたICから出力端子までのことです。
ステレオランプが点灯したままなのはPA1001周辺が怪しそうです。
もしかしたらPA1001自体の故障かもしれません。

ブルース様へ

何度もすいませんm(__)m

>ミューティングをオフにしてみると音が出るのでは?

残念ながら出ませんでした、またRCA端子をFIX・VARに付け替えても同じでした。

>もしかしたらPA1001自体の故障かもしれません。

他の方のブログでは、PA1001を交換して直ったとの記事もあるようです。
「昔のオーディオに乾杯!」さんのブログ記事引用(症状は同じようです)
「早速確認・・・またしても受信は完璧?
でも、コメントの通りまったく音が出てきませ~ン、AMはOKでしたが・・・(爆」

ということですから、まずはその部分を一番に友人に調べてもらうようにしてみます。

ブルース様へ

今日のおひる、友人にPA1001各端子の電圧を測定していただいたところ、参考電圧と大きくずれたところが見つかり故障が確定しました、残念(ーー;)

で、この後の処遇をどうしたものかし思案中です、いっそAM専用にしてみますか、でもやばいでしょうね。
それか、REC OUTを利用してFMを聞くなんてしたらそれこそどのような影響が出るかも知れないし・・・。

もしくは、音がいいので素直に寝かせておき、部品を調達できるまでままつか、2号機をみつけるか考えて見ます。

ps
ブルース様これまで色々と助言をいただきありがとうございました、また何かありましたらその時は宜しくお願いいたします。

ブルース様へ

訂正です。

REC OUT端子ではなかったですね、マルチパス端子でしたね。

最近 TX-8900II ジャンク品を入手しました。

いま動作確認中ですが不具合がいろいろあり、どうやらPA1001が故障している様子です。
原因究明や修理の様子は後日記事としてアップします。

ブルース様へ

お気遣いありがとうございます。

ところで、ヤフオクにてPA1001搭載のTX-7600のジャンクを見つけましたが下記のような内容が書いてあります、この場合はPA1001の異常は考えないでいいでしょうか?
もし大丈夫なようであれば購入したいと思いますのでご教授お願いします。

「・FM/AM共に受信できましたが、不具合有り
・【不具合:チューニング時にSIGNALの針が動きませんでした。】
・アンプに繋げての音出確認OK」

とりあえず音は出ているようですが、この記載事項だけで
PA1001が正常かどうかは判断できません。

ジャンク品ですからリスクはありますね。

ブルース様へ

ご教授ありがとうございます。

そうですね、リスクがあるんですよね・・・。

ただ、出品者様が同市内の方で金額も安いので、半田の勉強とおもって
最終日にポチしてみようかなとも思うんですよね。

では、また何か分からなくなったらご教授宜しくお願いします。

すみません、微妙に機種が違うのですが質問させてください。TX-8800のIF段にあるセラミックフィルタですが、フロントエンドからの入力が3と書かれたピンに繋がって、1と書かれたピンから次のトランジスタに出ているのですが、村田製作所のセラミックフィルタの仕様書を見ると1がインプットで、3がアウトプットとありました。これは逆でも機能するものなのでしょうか。それとも製品によってはピンの仕様が逆のものもあるのでしょうか。

TX-8900の写真を見直してみると、確かにセラミックフィルターにピン番号が書いてありますね。
https://bluess.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/02/04/tx8900_08.jpg

以下の資料を読むと逆でも使えるようです。

■村田製作所 セラミックフィルタ Application Manual(2015年版) P8
「入出力インピーダンスがほぼ同じ値の対称形になっているので、入出力を逆に使用しても特に問題はありません。」
https://akizukidenshi.com/goodsaffix/an_ceramic_filter.pdf

逆でも使えるのですね。ありがとうございます。
しかし気分としては正常な方向に取り付けたいですねえ。知らないとびっくりしますし。

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