・2012年3月、KT-7007 の調整依頼をいただき、お引き受けしました。
・同シリーズの KT-9007 と KT-5007 は過去記事にあります。
・カタログを見ると KT-9007/7007 と KT-5007/3007 の間にずいぶん性能差あります。
・いつか KT-7007 を入手したら内部を見てみたいと思っていました。

■製品情報----------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO KT-7007 (1974年発売、65,000円)
・1974年発行、TRIOカタログ
・輸出機 KENWOOD KT-6007 (1974, $320)
■作業前確認--------------------------------------------
※本機はステレオランプが点灯しなかったそうで、依頼者がすでに以下の修理されています。
・電源スイッチ(黒色)交換済み。
・電解コンデンサほとんど交換済み。
・2SC1345(J)は 2SC1845(F)に全て交換済み。
・HA1156 新品に交換済み。HA1156は若松通商で入手できるそうです。
・これによってステレオランプが点灯したそうです。
・従ってあとは受信調整だけ、という状況でした。
・電源コードの印字 1974
・天板に帯状のサビが出ているが、その他はかなり状態が良い。
・フロントパネルは清掃済みのようです。
・サイドウッドも致命傷なし。
・電源OK。FM/AMとも受信OK。STEREOランプ点灯。
・ランプ切れなし。メーター動作OK。
・75オームアンテナ端子は KT-9007と同様にM型、まさに通信機仕様です。
・MUTING オンにしても局間ノイズが消えない。
・FM受信時の指針が周波数目盛りと約0.2MHzずれている。
・AMの受信感度がかなり悪い。
■内部確認----------------------------------------------------
・フロントエンドを覆う金属製カバーが外れません。
・外そうとすると、糸が巻かれたプーリーにどうしても引っ掛かります。
・さすがに糸を解く気にはなれないので残念ながらカバーを外すことは断念しました。
・隙間から覗いたところ、、FM4連AM3連バリコンでした。
・IF基板では太陽誘電製のブロック型セラミックフィルターが目立ちます。
・レシオ検波、MPX-IC:HA1156、uPC33C
・フロントエンド基板:X01-1160-10
・IF基板:X02-1050
・FM-MULTIPATH基板:X13-1880-10
・MPX基板:X04-1060-10
・電源基板:X00-1550-10、X00-1560-10
・基板配置などの内部構造は上位機 KT-9007 とよく似ていました。
・KT-9007 を簡略化したような構成です。下位機 KT-5007 とは全然違います。
・照明用電球は KT-9007 と同じタイプでした。
・これが確認できたことも今回の収穫です。
※備忘録:TRIO KT-9007/KT-7007、SANSUI TU-707
■各種調整-----------------------------------------------------
・KT-7007(輸出機 KT-6007)の資料はネット上では見つけられませんでした。
・回路図だけなら KENWOODサービスで補修部品として購入可能です。
・KT-2200の回路図購入記録 →過去記事
・今回は上位機 KT-9007(輸出機 KT-8007)のサービスマニュアルを参考にしました。
・→回路図 →調整要領
※以下、備忘録
【FM OSC調整】
・L5右側 10番ピンにDC電圧計セット(Sメーター電圧確認用)
・ダイヤル指針90MHz
・フロントエンド内OSCトリマ調整→電圧最大(Sメーター振れ最大)
・ダイヤル指針76MHz
・フロントエンド内OSCコイル調整→電圧最大(Sメーター振れ最大)
・上記作業を2~3回繰り返す
【FM RF調整】
・L5右側 10ピンにDC電圧計セット(Sメーター電圧確認用)
・ダイヤル指針90MHz
・バリコン上部 FM RF1,RF2,RF3 調整→電圧最大(Sメーター振れ最大)
・ダイヤル指針76MHz
・フロントエンド内FM RF1,RF2,RF3 調整→電圧最大(Sメーター振れ最大)
・上記作業を2~3回繰り返す
・フロントエンド内IFコイル調整→電圧最大
※注意:RF4=OSCトリマ
【FM検波調整】
・L3右側 7番ピンにDC電圧計セット(Tメーター電圧確認用)
・83MHz受信(Sメーター最大振れ)
・L3上段コア調整→電圧ゼロ(Tメーター中央)
・L3下段段コア調整→高調波歪み最小へ
・L5上段下段コア調整 10番ピンの電圧最大へ
【Sメーター調整】
・11番ピンにDC電圧計セット
・L11調整→電圧最大
【ミューティング調整】
・VR3調整 ミューティング開始レベル
【AF出力調整】
・VR2調整 RECOUT端子にAC電圧計セット
・SSG 83MHz 75kHz(dev.) 1kHz 60dB出力→AC1.5Vに調整
【VCO調整】
・MPX基板21番ピンに周波数カウンタ接続
・VR2 VCO 調整→19kHz
【セパレーション調整】
・フロントエンド内IFコイル調整 ステレオ歪最小へ
・MPX基板VR1 SEP
【デビエーションメーター調整】
・SSG 83MHz 75kHz(dev.) 400Hz 60dB L+R
・MPX基板 VR3 調整→メーター位置100%
【マルチパスメーター調整】
・MULTIPATHスイッチON
・MULTIPATH基板:83MHz受信 L1,L2調整→ メーター振れ最大
・VR1中央へ
【AM調整】
・1332kHz東海ラジオ受信(バーアンテナ最適位置に手動調整)
・バリコン上 OSC,RF1,RF2調整→ Sメーター最大へ
・729kHz NHK第一受信(バーアンテナ最適位置に手動調整)
・バーアンテナ内コイル,L6,L7調整→ Sメーター最大へ
・1053kHz CBC放送受信(バーアンテナ最適位置に手調整)
・L10,L8調整→ Sメーター最大へ
■聴いてみて----------------------------------------
・フロントエンド調整、検波調整で歪率が改善しました。
・特にセパレーションが30dB→50dB以上に向上しました。
・AM部は受信感度が大幅に改善しました。
・LUXMAN T-300V で気になったFM多重放送の影響によるノイズ問題はありません。
・1974年発売の KT-9007/7007/5007/3007 は MPX部が IC化された最初のシリーズです。
・38年前の機種でもメンテナンスすればまだまだ現役で使えます。
・外観はまさにオールドトリオ、このレトロな雰囲気がとってもGOODなのであります。

■ 【追記:2012年4月5日】フロントエンド写真追加-----------------------------

・依頼者様からフロントエンドのシールドカバーを外した写真を送っていただきました。
・カバー上面に刻印された調整ポイント写真と並べてみました。
・カバーを外す度胸が無かったので、、、ありがとうございました。
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