SANSUI TU-X1 3号機
・2015年12月、TU-X1の修理調整作業を承りました。
・チューニングつまみを回しても指針が動かないそうです。
・1,2号機の経験からヘリカルカップリングが割れているのかな?と想像しました。
・以下、TU-X1の復活記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 SANSUI TU-X1 ¥135,000円(1979年)
・オーディオの足跡 SANSUI TU-X1 ¥135,000(1979年)
・Hifi Engine SANSUI TU-X1 ※海外版サービスマニュアルあり
・TU-X1 1号機の記録
・TU-X2 2号機の記録
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■動作確認------------------------------------------------------------
・経年の汚れや擦り傷が多数あって美品とは言い難い状態です。
・周波数窓の内側に虫の死骸が、、
・シリアル番号をみると 1979年5月製造のロットです。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・周波数窓の照明点灯。四つのメーター照明点灯。FM/AMインジケーター点灯。
・OUTPUT1/2ボタンの選択状態を示すインジケーター電球4個のうち3個がタマ切れ。
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・事前情報の通り FM/AMとも選局つまみを回しても指針が動きません。
・FM指針は76MHzの左端に張り付いたままピクリとも動きません。
・AM指針は何と、、本体を左右に傾けると重力で左右に滑らかに移動します。
・これでは受信確認も何もできません。
・過去の修理事例から「ヘリカルカップリング」が破損している、、と予想しました。
・動作としては REC CALトーンが出ることだけ確認できました。
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■内部確認+動作確認--------------------------------------------------
・上部ボディを外してFM基板を確認。
・堆積していたホコリとゴミをエアで飛ばして軽くクリーニング。
・さて、FMチューニングつまみを回してみるとFMバリコン軸は正常に回転しています。
・ヘリカルカップリングに亀裂があるもののバリコン軸を駆動できています。
・ということは、、FM指針が動かない理由は何?
・調べてみると、FM指針台座とダイヤル糸の接合部が外れていました。
・FMチューニングつまみを回しても糸だけ素通りしてFM指針が動かない状態でした。
・指針台座とダイヤル糸は接着剤で固定されていたはずですが、なぜか外れています。
・指針は動かないものの、FMチューニングつまみを回すと地元FM放送局を受信できました。
・Tメーター、Sメーターともに大きく振れ、STEREOランプ点灯します。
・IFバンド切替、MUTING切替など動作OK。インジケーター点灯。
・どうやらFM回路自体は生きているようです。
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・次に底板を外してAM基板を確認。
・AMバリコン軸のヘリカルカップリングもひび割れでした。
・こちらはAMチューニングつまみを回してもAMバリコン軸が回転しません。
・よく見ると、何と、ダイヤル糸が途中で切れていました。
・さらにAM指針台座とダイヤル糸の接着部分も外れていました。
・糸の切断部を見ると無理な力が加わって引き裂かれたような断面です。
・試しにAMバリコン軸を直接指で回してみると名古屋地区のAM放送を受信できました。
・Tメーター、Sメーターともに大きく振れます。
・IFバンド切替、upper/lower切替など動作しているようです。
・AM回路も生きていました。
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・原因はFM/AMとも指針が端まで移動した後も強引にツマミを回し続けたことでしょう。
・それにしても糸が切れるほどの、あるいは接着剤を引き剥がすほどの負荷がかかるとは、
・このTU-X1は過去に相当に酷い目にあった経験があるようです。
■修理記録:FM指針----------------------------------------------------
・信号発生器で83MHzは生成してTU-X1で受信。
・受信した状態で指針を指先で83MHz位置に移動させる。
・指針台座と糸を接着剤で固定。
・亀裂の入ったヘリカルカップリングは結束バンドで固定。
・細かい調整は後述の調整記録参照。
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■修理記録:AM指針----------------------------------------------------
・ダイヤル糸の切断箇所はAMバリコン軸のプーリー付近でした。
・糸の直径=0.5mm。
・仮復旧として同じ太さの糸をジャンク機から取り出して「本結び」で繋ぐ。
・つなぎ目に液状接着剤を染み込ませて固定。外れた糸をかけ直しました。
・糸掛け手順はサービスマニュアルに記載ありますが、図の向きがよく分からない??
・手元にある2号機の糸掛け状態を見て同じ状態にしました。
・信号発生器で1000kHzを生成してTU-X1で受信。
・受信した状態で指針を指先で1000kHz位置に移動させる。
・指針台座と糸を接着剤で固定。
・亀裂の入ったヘリカルカップリングは結束バンドで固定。
・細かい調整は後述の調整記録参照。
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■修理記録:インジケーター電球交換------------------------------------
・OUTPUT1/OUTPUT2のFM/AM切替インジケーター4個のうち3個がタマ切れ。
・点灯するのはOUTPUT2のFMポジション1個だけです。
・部品番号PL01~04。直径3㎜、電柱値不明。電圧を測定するとAC7.5V。
・ジャンク箱から8V電球のうちサイズと明るさが同じものを探して交換。
・端子加工が面倒でした。
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・作業中にいつのまにか周波数目盛りの照明電球が切れてしまいました。
・正面から見て左側に小さな電球が1個だけです。こちらも7.5V、直径3㎜。
・ジャンク箱から同等品を探して交換。
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■調整記録--------------------------------------------------------
・調整方法は1号機の記録 参照
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■試聴---------------------------------------------------------------
・幸いにもFM/AMともに回路の故障個所は無かったです。
・再調整によって良い性能を取り戻しました。
・仮復旧したダイヤル糸はこのままでも大丈夫そうです。
・フロントパネルも分解してガラス窓の内側まで磨きました。
・圧倒的な存在感、堂々たる風貌。本来の輝きを取り戻したと思います。
・ひどい目にあった過去の乗り越えてTU-X1が復活しました。
・大切に使ってあげてください。
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BLUESS Lab.様
ご無沙汰しております。TU-X1の3号機の修理調整記事、楽しく拝見いたしました。
現在、同期検波を搭載するソニーのICF-SW07を所有しておりますが、それと比較してもTU-X1の同期検波は
自然で強力で、同期した後はLockが外れることがありません。当方のローカルNHK第一に埋もれてしまうAFN
も、かすかすのレベルですがみごとに復調でき、驚くのはLockが外れないことです。ソニーのラジオに搭載さ
れている同期検波は定評がありますが、それをはるかにしのぐ性能であると実感できます。これは本当に驚き
です。
ヘリカルカップリングは、どの個体も経年変化でひび割れが入っているのですね。当方はステンレス加工のも
のを調達しましたが、静電気の多い冬は避けて、5月くらいになったら交換にチャレンジしてみたいと思ってお
ります。
投稿: anchor | 2016年1月24日 (日) 23時54分
実は最近、Accuphase T-106 の修理調整をお引き受けしました。
事前調査のつもりでT-106のカタログを読んでみたところ、AM部は「シンクロナス検波」と紹介されていました。つまりこれ、同期検波ですよね。
予備知識は無かったのですが、思いがけず興味深い研究テーマをいただきました。
投稿: BLUESS | 2016年1月26日 (火) 21時31分
BLUESS Lab.様
T-106はシンセサイザ機なので、C/N比と分解能に手抜きがないアキュフェーズであるとすればよい性能なのではと期待できますね。
ブロックダイアグラムからも同期検波構成であることが分かりました。
無線機器メーカーのICOMが出している無線機には、イメージリジェクションミキサという名称で同じような回路がIF段に採用されています。
私が勉強させて頂いた同期検波の説明資料をURLに書いておきました。
投稿: anchor | 2016年1月27日 (水) 13時23分