PIONEER F-005
・2017年6月初め、FM専用機F-005の故障品が届きました。
・クリスタルロック機として有名な機種です。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 Pioneer F-005 ¥58,000(1979年頃)
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・上位機 F-007 は F-28 として輸出されていましたがF-005は国内専用機だったようです。
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は目立つキズもなく保存状態は良好です。
・背面には固定/可変出力端子とマルチパスH/V端子。
・FMアンテナがF型端子でないのが残念。
・電源コードの印字を見ると「2002」
・コードストッパーが傷だらけなので、電源コードを交換した先人がいたようです。
・75Ω~300Ω変換器を介して同軸ケーブルを接続し動作確認。
・電源オン。周波数窓に電球色の照明が点灯。タマ切れなし。
・名古屋地区のFM放送局を受信しました、、、が、+1MHz超の大幅な周波数ズレ。
・本来82.5MHzのNHK-FM名古屋局を目盛り83.7MHz位置で受信します。
・SメーターとTメーターの振れ具合は正常。
・ズレた位置でLOCKランプ点灯。STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
・REC CALトーンOK。可変出力用VRに多少のガリ。
・チューニングつまみを指で触れた状態で同調すると「TUNE」ランプが赤く点灯。
・この状態で指を離すと「LOCKED」ランプが緑色に点灯
・周波数ズレ以外の不具合は無さそうです。
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■内部確認------------------------------------------------------------
・フロントエンドはFM専用5連バリコン。
・IF BAND切替機能なし。CF×3段。
・PA3001A:クアドラチュア検波(HA11225と同じ)
・PA1001A:PLL MPX(東光KB4437と同じ)
・PA1002A:AFオーディオアンプ、ミューティング
・大型電源トランス手前の金属ボックスにクリスタルロック機能が収まっている。
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・試しにフロントエンドのOSC調整をやってみました。
【OSC調整】
・76MHz受信 → L5調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TC5調整 → Sメーター最大
・これによって1MHzの周波数ズレは修正できました。
・当初はOSC発振回路の故障かと思いましたが単純な調整ズレでした。
・以下に示すその他の調整ポイントも大幅にズレていました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【クリスタルロック基板調整】
・チューナー基板 TP14~GND接続 ※クリスタルロック機能停止
・TP8 周波数カウンタ接続 → TC 調整 → 100kHz ※クロック調整 実測100.03kHz
・TP14電圧計接続 → VR3調整 → 7.24V±30mV ※ロック電圧中点設定 実測7.27V
・TP7 電圧計接続 → VR1調整 → 1.5Vp-p 実測1.0Vp-p
・チューナー基板 TP14~GND 間接続を外す
・TP10~GND接続
・TP14電圧計接続 → VR2調整 → 7.20V±30mV ※DCバランス調整 ※実測7.28V
・TP10~GND 間接続を外す
【チューナー部調整】
・チューナー基板 TP14~GND接続 ※クリスタルロック機能停止
【OSC調整】
・76MHz受信 → L5調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TC5調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・76MHz受信 → L1,L2,L3,L4調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TC1,2,3,4調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → IFT1調整 → Sメーター最大
【検波調整】
・83MHz受信 → IFT2調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
・83MHz受信 → VR2調整 → Sメーター振れ具合調整
【MUTINGレベル調整】
・83MHz受信 → VR1調整 → ミューティング作動レベル調整
【REC CAL調整】
・83MHz受信 → VR6調整 → 339Hz、-6dB
・チューナー基板 TP14~GND接続解除
【VCO調整】
・TP58 周波数カウンタ接続
・83MHz受信 → VR4調整 → 76kHz±200Hz
【PILOTキャンセル調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・83MHz受信 → VR5調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション調整】
・83MHz受信 → VR3調整 → L/R漏れ成分最小
・実測L→R 61dB、L→R 59dB
■試聴----------------------------------------------------------------
・OSC調整だけでなく、すべての調整箇所が大幅にズレていました。
・再調整によってほぼ復活したと思います。
・オレンジ色に浮かぶ照明窓がイイ感じです。
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大変ありがとうございました。
完璧な調整のおかげで、すごく高音質に受信できます。
外観や照明も、ほんのりと柔らかく癒されます。
投稿: 依頼者 | 2017年7月10日 (月) 10時16分
ブルース様
こんばんは、
本チューナのUSEDがあり、購入しようか迷っています。
おそらく調整などのケアが必要かと思いますが
OSC調整他各機能の調整にはどのような機材と知識が必要でしょうか?。
私はJAZZやクラシック聴いた時に、「楽器の音」がわかるチューナを探しており
ブルース様のサイトに掲載されている中で、お勧めのチューナを
お教えいただければ幸いです。
今は、ケンウッドの1100Dですが、やや耳につく音に感じるようになりました。
スペックよりも「そこにある楽器」を感じるようなチューナがあればと思います。
解像度はあるけども、ハイ上がりや、しまりのない低音、耳障りな音は苦手です。
よろしくお願いいたします。
投稿: ぽこぽこ | 2020年12月 3日 (木) 22時31分
ぽこぽこ 様
チューナーを調整するには、
・FM/AM標準信号発生器・・任意の周波数と強度でFM/AM電波を生成する機器
・周波数カウンタ、電圧計など
・WaveSpectra(スペクトラムアナライザ)・・Win用フリーソフト
・オーディオインターフェース・・チューナーの音声をPCに接続する機器
・電気回路、特に高周波回路の知識
などが必要です。
KENWOOD KT-1100Dはとても良い機種だと思います。
個人的なお勧めは、復調回路に LA3450(=CXA1064) というICを搭載した機種です。
例えばSONYの333シリーズやSANSUIのα707シリーズなどです。
キチンと調整すればよい音が聴けると思いますが、好みに合うかどうかは分かりません。
投稿: BLUESS | 2020年12月 4日 (金) 21時40分
ブルース様
こんばんは。
ご連絡いただきありがとうございます。
機材の名前を聴いてもピンとこないのですが
ヤフオクでチューナの出品者様の中には、調整機材や状況を掲載されている
方おられますが、その写真の機材のことかなと想像しています。
高価でしかも素人には使えこなせそうにありませんね…。
サンスイはアンプ専門メーカと思っていましたがチューナもいいのですね…
ソニーの333ESGは過去に一度だけ入手したことがあります。
感度が悪くひどい音ですぐ手放してしまいました。
今思えば、デザインもいいし、音質もかなり評判の高いチューナですね。
ヤフオクで整備済み333ESGを売ってますので、小遣い貯めて買おうと思います。
追記
ブルース様のサイトはほとんど見させていただいております。
整備記録にあるヤマハのT-5というチューナを見つけ、衝動買いしました。
もちろんJUNK扱いで、なにも調整や整備をされたものではなく
本来の性能ではないとは思いますが、耳あたりのいい音で心が休まりました。
とりあえずこれがメインチューナになりました。
投稿: ぽこぽこ | 2020年12月 4日 (金) 23時46分
F005ですpa1001と1002とHA11225を交換しましたが音が歪みます。どこが悪いのでしょうか?
投稿: 足立亨治 | 2021年8月28日 (土) 04時40分
故障原因は多岐に渡るので、原因は 「交換したPA1001、PA1002、PA3001A(HA11225)以外」、としかお答えのしようがありません。お役に立てず申し訳ありません。
投稿: BLUESS | 2021年8月28日 (土) 21時10分