TRIO KT-9900 4号機 修理調整記録
・2017年7月初め、KT-9900の故障機が届きました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
・Hifi Engine KENWOOD KT-917 FM Stereo Tuner (1980)
・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能
・1号機の記録 2015年10月4日記事
・2号機の記録 2015年11月15日記事
・3号機の記録 2016年11月13日記事
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■動作確認------------------------------------------------------------
<ご指摘の症状>
・電源OK。照明点灯。メーター動作OK。
・FM局は受信するが不定期にガリガリ音が入る。
<確認事項>
・アンテナAに同軸ケーブルを接続して電源オン。
・電源オンから音が出るまで約12秒。
・周波数窓の照明点灯。メーター照明点灯。
・オレンジ色のインジケーターLED点灯。緑色のIFバンド表示も点灯。
・僅かに周波数ズレあるものの地元FM局を受信。STEREOランプ点灯。
・照明やインジケータ類はすべて点灯。タマ切れなし。
・受信と同時にDDLインジケータ点灯しTメーターが中点に引き込まれる。
・TメーターとSメーターは正常に動作している。
・ただご指摘のように「ガリガリ、バリバリ」という雑音が常時入る。
・雑音に反応してDEVIATIONメーターが振り切れる。
・固定出力、可変出力とも同じ症状。IF BANDを切り換えても症状は同じ。
・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
・これはパルスカウント検波回路が怪しい感じです。
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■内部確認------------------------------------------------------------
・底板にKENWOODサービスの修理記録シールあり。1993年10月19日、修理内容不明。
・MPX基板で多くのオペアンプやトランジスタが交換済み。
・IC1,IC2,IC4,IC5 → JRC4559D
・Q7,Q8 → 2SA1015GR
・Q13 → 2SC1815GR
・コイルやVRに赤マジックペンでマーキングあり。
・KENWOODサービス以外に人の手が随分加わっている感じです。
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■修理記録:パルスカウント基板----------------------------------------
・このガリガリノイズは聞き覚えがあります。→過去記録
・同じパルスカウント検波機 KT-8300のノイズ源だった LPF を思い出しました。
・KT-9900のパルスカウント検波回路は本体背面近くに縦置きされています。
・他の基板と違って簡単に外せるのでメンテナンスは容易。
・取り外した基板を見て目についたのは L6。
・輸出機 KT-917 回路図で確認すると L6=LPF(500kHz) 、、これが怪しい?
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・試しにL6を外して前後の回路を直結すると、見事にガリガリノイズが消えた!
・ただし、ガリガリノイズの代わりに酷い高調波が乗ってくる状況もKT-8300と同じ。
・外したL6の裏側を見ると小さなコンデンサ3個内蔵されている。
・L6に代えて手持ちのLC部品で簡易LPFを製作。
・仮り接続してみると、、ガリガリノイズ解消、高調波ノイズもなし。
・やはり不調原因は L6 (LPF) の劣化でした。
・L6の代用品として 10mH×2個、両側15pF、中央30pF、計算すると450kHz程度。
・基板に開いていた穴を少し拡幅して部品を配置。
・ガリガリノイズが解消してキレイなFM放送が聞こえてきました。
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■調整記録------------------------------------------------------------
・まともに使える様になったので動作確認を兼ねて一通り調整作業実施。
・→調整方法
・既に調整済みだったらしく、各部ほとんどズレは無かったです。
・ただちょっと気になる点は、
・FM放送同調時、STEREOランプが点灯する許容範囲がとても狭い。
・同調点が僅かに外れていると受信中に音声が瞬断します。
・それと、NHK-FMのVICSノイズはやはり回避できない。
■試聴----------------------------------------------------------------
・検波回路の一部を自作部品に置き換えたので、本来の性能を発揮しているかは怪しい??
・でも聞いた感じはかなり良さそうです。
・NHK-FMでVICSノイズが載るのは仕方ないです。
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お世話様です。サイトにも修理の状況をわかりやすく掲載して頂、ありがとうございます。現在もとてもよい音で快調に可動しております。放送が無音になったとき、かすかにヒューンとかヒュイーンという音が聞こえる時がありますが、アンテナ性能や設置または、チューナーの調整方法など、何か対策方法などがありましたら、アドバイスいただけましたら幸いです。
投稿: AIR BASE | 2017年9月 2日 (土) 23時55分
>放送が無音になったとき、かすかにヒューンとかヒュイーンという音が聞こえる時がある、、
この症状は特定のFM局受信時でしょうか?
それとも全局共通でしょうか?
もしNHK-FM受信時の症状なら、FM多重放送(VICS)によるノイズなので改善策はありません。
もし全局共通の症状ならKT-9900のどこかの不調、アンテナ環境など原因はさまざま考えられます。
投稿: BLUESS | 2017年9月 3日 (日) 21時13分
ご回答ありがとうございます、症状はNHK-FM以外の民放局で不定期に発生します、エアチェックで録音した物にはほとんど記録されない程度ですが、チューナーの音声をダイレクトで聞くと、とてもすばらしい音と一緒に放送の無音部分に、かすかにヒューンとかヒュイーンと絵に描いたようなラジオをチューニングするような音が、かすかに聞こえてきます。想像でしますと太陽の黒点が大きくなって悪影響を与えているのかと、思うようなイメージの音です、無音部分でしか聞こえませんので、神経質にならなければそれでよいのかとも思います。
投稿: AIR BASE | 2017年9月 3日 (日) 22時02分
KT-9900を30年以上前から使っているものです。
幸いにも、回路図を当初から入手できたので、今でも回路図を見ながら修理をしています。
こちらでもNo4.のところで、バリバリノイズがと言うのをみつけました。私も以前これで悩んでいまして、まさにL6の中のコンデンサーにススがびっちり付いて、そこに直流が流れていました。
一度コイルを抜いて、コンデンサを掃除することで直ったのですが、ここに直流がかからないようにコンデンサでDCカットをしています。
ここまでに行くのに、ほとんどのIC,Tr.Cを交換しました。
それと、VICSのバックグラウンドのグチュグチュノイズですが、こちらの記事を見て大変参考になり、私もL01Tと同じように使っている回路を生かそうと思っていじっていました。2号機3号機で電圧が上がらないと書かれていましたが、私のも同じでした。
そこで、回路図と実際の回路実装を見ると、R52 33kがSCAの同調回路までの間に入っていますが、実装では、な、な何と、330kが入っていました。
写真を付けたいのですが、付けられないので、字で書きますが、橙、橙、橙となるところが、橙、橙、黄と1桁違ったものが入っていました。これでは、OPアンプゲインをいくら上げてもダメでした。
この部品の交換はかなり面倒なので、10kと120Pをシリーズにして330kにパラにつないだところ、KT9900の2015年10月からL01Tに飛んでいった先と同じようになりました。
その後、SCAフィルターが67kHzに合っているはずですので、IC1のOutputにオシロを繋げて波形を見ながら、少しコアを抜いておきましたが、良く見えないでちょっと悔しいですが適当にしてあります。
お陰様で、音声ですが、グチュグチュノイズ、特にピアノの時ですが聞こえていたものが、無くなっています。
ただ、私が住んでいるのが、スカイツリーが見える台東区のマンションで、2素子のアンテナを、スカイツリー方向、東京タワー方向に向けていますが、スカイツリー方向のANTでは、かすかに他局がバックに混信しています。ATTを付けなくてはと思いますが、これからです。東京タワーに向けると混信は無くなるのですが、マルチパスで混信よりダメです。
こんな訳で、修理記事を参考にいじることが出来て嬉しく思っています。
もしこれがダメなら、MPXの入力のFL1,FL2を60kHz以上を4次のフィルターで落とそうとLCの組み合わせは作ってあります。
ただこれを入れるとなるとパターンを切らなくてはならず、思い切りが出ていませんでした。
ですので、今回の方法でしばらく様子を見ていきたいと思っています。
ちなみに、J-Wave,NHK-FM,TBS,文化放送は、90dB以上来ています。
相互変調妨害に強いはずですが、何本かは出ています。
以上、私が悩んでいたことが少し解消できたことをご報告しました。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 船橋好一 | 2018年3月21日 (水) 00時12分
昨日書いた中で、L01Tのリンク先として参照が、違っていましたので、訂正します。
https://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2015/11/kenwood-l-01t-2.html
正しくは、L01tの2号機のところが非常に参考になりました。
ありがとうございます。
投稿: 船橋 | 2018年3月21日 (水) 12時35分
船橋様
>回路図と実際の回路実装を見ると、R52 33kがSCAの同調回路までの間に入っていますが、実装では、な、な何と、330kが入っていました。
私が見ている「輸出機KT-917回路図」では R52:330k となっています。
ということは、ご覧になっているのは「国内機KT-9900回路図」ということでしょうか?
これは大発見ですね!!
今までKT-9900ではVICSノイズは避けられないと思っていましたが、これで光が見えてきました。
いま手元にKT-9900が無いので実機で確認できないことがとっても残念です。
詳細なレポートをありがとうございます。
投稿: BLUESS | 2018年3月21日 (水) 17時54分
貴重なレスありがとうございます!
今KT-917の回路図を見ました。330kですね!
私が持っているのは、購入した頃トリオから取り寄せたKT-9900の回路図です。どうして1桁違ったのか不不思議ですね。330では絶対にどういじっても、オペアンプのゲインを上げてもダメでした。
回路を変更したあと、この回路が働いたり切れたりする現象が出ていました。
どうもVICSの信号が5分以上来ないこともあるようです。
車に乗っていてもなかなか混雑状況が出て来ない時があるのは、放送に乗せていない時間帯があるようです。トラップのスイッチをオンオフするところの電圧を1時間ほど見ていて分かりました。
音質は、トラップが入った方がSNが上がりますね。
それとオンオフする局は、東京と千葉で、埼玉はオンのまま、横浜はチェックしていません。
でもまあ、諦めかけていた9900もお陰様で、これでまたしばらく復活です。
ありがとうございます。
追加情報でした。
投稿: 船橋 | 2018年3月23日 (金) 06時28分
投稿してから、私のKT-9900の回路図をもう一度良く確認してみました。
そうしましたら、大変申し訳ありません。お詫びと訂正をしなくてはいけないことが分かりました。
と言うのは、トリオから当時いただいた回路図ですが、何回かコピーを取ったりしていたのですが、紙が少しぼろぼろとなって来ていいて、ちょうどR52の33のあとの所がすれていまして、33kなのか330の0が切れているのか、パッと見では33kと読めていまして。これが330kかも知れないなと怪しくなってきました。
と言うことで、どうも330kΩが回路図中では正しいものではないかなと思い始めています。
KT-917が330kΩでKT-9900だけが33kΩと言うのもおかしな話ですので、どうも私の見間違えということで訂正させていただきたいと思います。
しかし、よく考えるとここで330kΩですと同調回路でのインピーダンスがどの位になるか分かりませんが、SCA信号、あるいは76kHzの信号が相当減衰してしまいます。
L01Tでは、抵抗としては6.8kΩが入っていて、同調回路も複同調になっていることから、抵抗値としては、10kΩでも大丈夫だなと思い、--10kΩ--120pF--を330kΩにパラにつけることにしました。
お陰様で、この回路が動作し、SCAフィルターは、入ったときには、VICSのノイズは、無くなるのですが、番組中に信号が入ったり、切れたりすることが分かりました。
その度に、プツンとノイズが入り、バックグラウンドのノイズの質が変わったりして、落ち着いて聞くことができなくなります。
東京の82.5MHzでは、1時間の間に76kHzの信号が何回もオン、オフが繰り返されているようです。
いろいろ調べるとDARC方式になって、デジタル変調に変わって来ていて、76kHzの信号は常に出ていないこともあるのかなと思ったりもしています。
まだ良く調査していないのですが、とりあえずKT-9900の対応を考えると、NHKの時だけ強制的にフィルターをオンにするか、他の放送でもオンにする別なフィルターを入れるか考えて行きたいと思っています。
どちらにしても、ここまで進むことが出来ましたことをお礼申し上げます。
ただ、私の不注意による抵抗値の見間違えから、勧めたことも怪我の功名と考えてくださるとありがたく思います。
また、進みましたらご報告させていただきます。
ありがとうございました。
投稿: 船橋 | 2018年3月25日 (日) 14時20分
レポートありがとうございます。
次に実機を見る機会があったら、試してみたい事がいろいろ出来ました。
とっても楽しみです。
NHK-FMのVICSノイズの有無については、私もその規則性を調べたことがあります。
一日中ひたすら聴き続けてノイズの有無をタイムテーブルに書き込んだりしましたが、結局よく分からなかったです。何か判明しましたら是非ご教示願います。
投稿: BLUESS | 2018年3月27日 (火) 17時08分
こんにちは、本件KT-9900 4号機修理でお世話になりました丸井です。
約10ヶ月好調でしたKT-9900でしたが、また同じガリガリが発生してしまいました。
LPFは修理していただいたので、また同じ故障ではないとおもわれますが、
再度診断していただけますでしょうか?
私にもできる対策方法など、ありましたら宜しく御願いいたします。
投稿: AIR BASE | 2018年6月13日 (水) 11時36分
AIR BASE様
オリジナルLPFを代替したのはコイルと温度補償型コンデンサなので、これが10ヶ月で壊れるとは思えません。たぶん別の部品が不調になったような気がします。再修理再調整はもちろんお引き受けいたします。
あと対策ではないのですが、
・固定出力/可変出力とも同じノイズが聞こえるか?
・マルチパスH端子(DET.OUT)からも同じノイズが聞こえるか?
・ノイズ発生時にSメーターやTメーターの動きに変化があるか?
・IFバンドnarrow/Wideとも同じノイズが聞こえるか?
・MUTING オン/オフで同じノイズが聞こえるか?
などをお試しください。
投稿: BLUESS | 2018年6月13日 (水) 21時39分
こんばんは、お世話になります。
固定 可変ともにノイズ有りだとおもいます。
マルチパス端子もノイズ有りです。
S Tメーターとも変化なしだとおもいます。
IFバンドすべてノイズ有りです。
MUTINGも全てノイズ有りです。
ほとんど放送が聞こえない状態になりました。
またお送りしてみようとおもいます。
宜しく御願いします。
投稿: AIR BASE | 2018年6月14日 (木) 23時35分
以前お世話になりました船橋です。
先月、長年いろいろ修理しながら使っていたKT-9900が、3日ほど出かけて帰ってきたら、とうとうおかしくなってました。
症状は、以下の通りです。
音が時々消えるが、モノラルでは音が出る。
ST Ind全く点かない。
T-メータ全く振れず。
Dev/M-Pathメータ全く振れず。
Muting 20/40dBにすると、電界強度あるにもかかわらず音が消える。
同調後DDLランプは全く点かない。
この前兆として3日間家を空ける前には、
ふわーっと音が途切れていた。ST indランプがパラパラと消えたりしていた。
回路図を見ながら追って行ったが、部分的におかしなところがある。
残念なことにオシロスコープも壊れてしまっていてテスターだけでは、修理が出来ないと思い、現在診断を中断。
しかし、放送を聞きたいがために、代替機とアキュフェーズT-1200を購入。
T-1200の音の良さに、KT-9900の修理をする気も薄れてきてしまいました。
KT-9900をこのままにするのも、廃棄するのも忍びない状態です。
以上、現状報告でした。
投稿: 船橋好一 | 2019年8月26日 (月) 11時29分
何と Accuphase T-1200 を導入されたのですか、、凄い、羨ましい限りです。
KT-9900は当時の最高級機でしたが、その後のVICSノイズ問題によって、NHK-FMを聴く限りは残念な機種になってしまいました。でも温かいオレンジ色照明が映える周波数窓を見ていると、音質云々とは別次元の、何か心が安らぐような癒される雰囲気を感じます。修理してお手元に置いておくことに価値はあると思います。
私は録音したいNHK番組はFPGAチューナーで受信していますが、通常のリスニングには古いバリコンチューナーを取り換えながら使っています。もし処分される際はぜひご一報ください。
投稿: BLUESS | 2019年8月26日 (月) 22時17分
Bluessさま、
先週、コメントを書いた後にすぐにお返事をいただいていたのに、2週間近く気付かず大変失礼をいたしました。
お返事をメールにて差し上げたいと思いますので、別便になりますがよろしくお願いいたします。
投稿: 船橋好一 | 2019年9月 7日 (土) 21時11分