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2018年6月の記事

2018年6月24日 (日)

Victor T-X500

 ・2018年5月初め、T-X500の故障機が届きました。
 ・初体験機種です。

Tx50011

■製品情報-----------------------------------------------------------

オーディオの足跡 VICTOR T-X500 ¥39,800(1984年11月発売)

Tx50002 Tx50014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・F型端子にFM同軸ケーブル接続して受信確認。
 ・オート選局ではすべてのFM放送局を素通りして受信不可。
 ・マニュアル選局でFM放送を受信するがSTEREOランプ点灯せず。
 ・AM放送は背面ループアンテナで受信OK。オートチューニング可能。
 ・メモリー登録できるが、電源コンセントを抜くと消失する。

Tx50003 Tx50004 Tx50005 Tx50006 Tx50007
Tx50008 Tx50009 Tx50015 Tx50016 Tx50017

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・5連バリキャップの豪華フロントエンド
 ・CF×2個 → LA1235 → LA3400
 ・LA1235 → クアドラチュア検波、MUTING、Sメーター
 ・LA3400 → PLL-MPX
 ・LA1245 → AMチューナーシステム

Tx50020 Tx50021 Tx50022 Tx50023 Tx50024
Tx50025 Tx50026 Tx50027 Tx50028 Tx50029
Tx50030 Tx50031 Tx50032 Tx50033 Tx50034
Tx50035 Tx50036 Tx50037

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・資料がないので回路構成を追いながら調整方法を模索しました。

【VT電圧調整】
 ・TP501 → 電圧計セット
 ・90MHz → TC104調整 → 22.5V ※確認のみ
 ・76MHz → L104調整 → 7.3V ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP101 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ 実測-655mV
 ・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
 ▲T102(奥側)で電圧ゼロ調整できない
【トラッキング調整】
 ・IC101:LA1235-13pin → DC電圧計セット
 ・90MHz → TC101,102,103,105調整 → 電圧最大
 ・76MHz → L101,102,103,105調整 → 電圧最大
 ・83MHz → T101調整 → 電圧最大

Tx50000

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・FM同調点調整でT102(奥側)コアで電圧ゼロに調整できない。
 ・同調点が検出できないのでオート選局が動作しない。
 ・原因はT102内部のコンデンサー容量抜けか?
 ・本機には底面点検口がないので、基板を外して裏返す必要があります。
 ・試しに温度補償型コンデンサー22pFを基板面に直付け。
 ・これによってFM同調点のゼロ点調整が出来ました。
 ・オート選局で受信できるようになりました。
 ・基板を外したついでにメモリー保持用のキャパシタを交換しました。

Tx50040 Tx50041 Tx50042 Tx50043 Tx50044

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP101 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・83MHzステレオ受信 → R171調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → R156調整 → Sメーター(dB表示)調整
 ・dB表示の精度はあまり良くないです。
 ・50~70dB辺りが正しく表示されるように調整しました。
 ・それでも目安程度です。
【Muting調整】
 ・83MHz受信 → R155調整 → Muting動作設定
【AM調整】
 ・R313 → DC電圧計セット
 ・ 729kHz(NHK)受信 → T301調整 → 電圧最大
 ・1332KHZ(東海)受信 → TC301,TC302調整 → 電圧最大
 ・R313調整 →  Sメーター(dB表示)調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・最近検波回路の故障、特にコンデンサの容量抜けによく遭遇します。
 ・製造から30年超ですからそろそろ部品の寿命でしょうか。

Tx50012

2018年6月17日 (日)

SONY ST-S333ESX

 ・2018年5月初め、ST-S333ESXの修理調整作業を承りました。
 ・これまで ESXII は何台も見てきましたが「元祖333ESX」は初体験です。
 ・以下、作業記録です。

333esx07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESX ¥49,800(1986年頃)
 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年頃)

333esx02 333esx09

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れが目立つものの目立つキズは無い。
 ・背面端子類もくすんでいるがそんなに悪い状態ではない。
 ・さて、FMアンテナ端子を接続して受信テスト。
 ・電源オンで表示部点灯。
 ・文字欠けはないが、輝度が劣化したセグメントあり。。
 ・オート選局では名古屋地区のFM局を受信できない。
 ・マニュアル選局では受信できたがSTEREOランプ点灯しない。
 ・IF BAND切替OK、MUTING切替OK、REC CALトーンOK。
 ・手持ちの適当なAMループアンテナを接続してAM受信テスト。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM局をすべて受信。
 ・AMは問題なさそうです。

333esx03 333esx04 333esx05 333esx10 333esx11

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると基板上面に大量のホコリが堆積した状態。
 ・今まで見てきた中で最高レベルの「ホコリ量」でした。
 ・約30年分?のホコリをエアーでき飛ばしてブラシ清掃。
 ・油汚れやヤニ汚れが無かったで助かりました。
 ・後継機ESXIIと比べると基板の形状や部品の配置がずいぶん異なります。
 ・でも基板上の部品番号をよく見ると333ESXIIとほとんど同じ。
  ・LA1235 FM IF SYSTEM
  ・CXA1064=LA3450
  ・LA1245 AM TUNER
 ・ESXとESXIIの違いは、、
  ・ESXには FMステレオインジケーター調整VRがない
  ・ESXには CAL TONE調整VRがある

333esx20 333esx21 333esx22 333esx23 333esx24
333esx25 333esx26 333esx27 333esx28 333esx29
333esx30 333esx31 333esx32 333esx33 333esx34
333esx35 333esx36 333esx37 333esx38

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まずは333ESXIIの調整方法を参考にして各部調整してみました。
 ・部品番号はほとんど同じです。

333esx

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.95V
 ▲調整後ベスト値-0.45V → 0Vに調整できない

■修理記録:FM同調点--------------------------------------------------

 ▲LA1235のFM同調点が調整しきれない。
 ▲この状態でFM局をオート受信すると-0.1MHzの周波数ズレを生じる。
 ・原因はIFT205内部コンデンサの容量抜けか?
 ・IFT205は333シリーズ共通の部品。
 ・基板だけ保管している333ESGから同じIFT205を取り外して移植。
 ・これで同調点電圧のゼロ調整が完了できました。

333esx40 333esx41 333esx42 333esx43 333esx44

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-0.45V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内ジャンパ線 JW3 → 電圧計セット
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.0V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-114mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT201を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT202を交互に調整 歪最小へ
【パイロットキャンセル】
 ・RT304、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測64dB
【Sメーター調整】
 ・RT205
【MUTINGレベル調整】
 ・RT204
【CAL TONE】
 ・テストトーン 404Hz確認
 ・RT303調整 → 音声レベル-6dB設定
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・回路構成がESXIIとほとんど同じという事が新発見でした。
 ・カタログの特性値を比較してもほとんど同じです。
 ・キチンと調整すればまだまだ使えますね。

333esx06

2018年6月 3日 (日)

Technics ST-9030T 修理調整記録3

 ・2018年4月末、30Tの修理調整作業を承りました。
 ・受信できるが雑音が入るそうです。

St9030t07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-9030T ¥80,000(1977年頃)
 ・hifiengine Technics ST-9030 ※回路図、調整手順、取扱説明書

St9030t02 St9030t10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・可変出力端子が付け替えられていました。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターがオレンジ照明に浮かびます。
 ・周波数ズレなし。Tメーター中点とSメーター最大点が合致。
 ・メーター動作を見るとFM放送を正常に受信しているようです。
 ・しかし出てくる音にひどい雑音が混入します。
 ・雑音に連動してステレオランプが明滅。
 ・IF BAND wide/auto を切り替えても同じ雑音が発生する。
 ・Muting オンオフを切り替えても同じ雑音が発生する。
 ・固定端子/可変端子とも同じ雑音が聴こえる。
 ・マルチパスH端子(MPX OUT)からも同じ雑音が聴こえる

St9030t01 St9030t03 St9030t04 St9030t05 St9030t06
St9030t09 St9030t11 St9030t12 St9030t13

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・可変出力端子以外は改造や部品交換歴はなさそうです。

St9030t20 St9030t21 St9030t22 St9030t23 St9030t24
St9030t25 St9030t26 St9030t27 St9030t28 St9030t29
St9030t30 St9030t31 St9030t32 St9030t33 St9030t34

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・回路図を見ながら原因を推定する。
 ・二つのメーターは正常動作している → 検波回路までは正常
 ・IF基板15番端子(Wide側検波音声) → MPX基板20番端子 → 正常音声
 ・IF基板10番端子(Narrow側検波音声)→ MPX基板21番端子 → 正常音声
 ・IC501(4558D)6番、7番端子 → 雑音混入確認

Technics_st9030tfix

 ・雑音発生源はIF切換回路か?
 ・Wide/Narrowともに同じ雑音なので TR307,308(2SK30A)が怪しい?
 ・FET TR307,TR308 (2SK30A) を新品に交換 → 正解!
 ・雑音が消えてキレイなFM音声が流れてきました。
 ・原因はWide/Narrowを切り替えるTR307,308(2SK30A)故障でした。

St9030t40 St9030t41

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・MPX hi-blend=off
 ・Servo tuning=off
 ・IF selector=auto
 ・TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる
【レシオ検波調整1】
 ・入力信号なし
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT8調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → T1調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整2】
 ・入力信号なし
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
【出力レベル調整】wide
 ・IF selector=wide
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR504調整 → 1.4v
【モノラル歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・IF selector=wide
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → T102(wide赤)調整 → 歪最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → T201(wide赤)調整 → 歪最小
【出力レベル調整】narrow
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR503調整 → 1.4v
【ミューティング調整】
 ・Servo tuning=auto
 ・TP102~GND DC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz → T202,T203調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz 1kHz 60dB → VR402調整 → 同調を外したとき局間ノイズが消える位置へ
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → VR401調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR501調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP601 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → VR602調整 → 19kHz±30Hz
【左右レベル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR702調整 → 左右chのレベルを同じ
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR601,L601,L602調整 → パイロット信号(19kHz)最小
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → CT701調整 → サブキャリア信号(38kHz)最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR701調整 → 漏れ信号最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR703調整 → 漏れ信号最小
【ハイブレンド調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベルを確認
 ・MPX high-blend=on
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベル同一
【Auto IF セレクター調整】
 ・TP101 200kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T302調整 → 200kHz波形最大
 ・TP101 300kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T301調整 → 300kHz波形最大
 ・上記作業を数回繰り返す

St9030t

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整ズレはほとんど無かったです。
 ・ガンメタボディとオレンジ照明の組み合わせがとてもイイですね。

St9030t08

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