YAMAHA T-7 修理調整記録3
・2018年9月初め、YAMAHA T-7の修理調整作業を承りました。
・選局ツマミが異常に固くてほとんど回転できません。
・最近この症状に遭遇するようになりました。
・まずはツマミの修理から着手。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND AM/FM STEREO TUNER ¥69,800円
・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)
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■修理記録:選局ツマミが異常に固い-----------------------------------
・通常なら軽快に回転する選局ツマミが異常に固い、重い、回転しない。
・点検のためボディを開けて内側からフライホイールを外す。
・通常のチューナーならこれでシャフトが抜けるはず。
・ところがこの機種はシャフトが抜けません。
・モータードライブ用のパーツが挟まっているせいか?
・やむなくシャフトの継ぎ目にミシンオイルを少量注入。
・この状態でそっと優しく回してみると、、
・固かった回転が徐々に改善し、しばらく続けているうちに固さが解消しました。
・私が持っているT-9とほぼ同じ回転フィーリングに戻りました。
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■動作確認------------------------------------------------------------
・選局ツマミが回るようになったのでようやく動作確認開始。
・PAL/F変換端子を介してFMアンテナ接続。
・AMは手持ちのループアンテナを接続して電源オン。
・赤い指針が点灯、各種切換ボタンのインジケータ点灯。
・しかしFM/AMとも全く受信しない。
・指針内蔵のTメーター、シグナルメーターともに反応なし。
・局間ノイズも出ない。
・固定/可変出力端子とも音が出ない。
・REC CALトーンも出ない。
■内部確認------------------------------------------------------------
・ボディを開けた状態で電源オン。
・すると何か「ブーン」という異音が聞こえるような??
・異音の源は自動選局用モーターの回転音でした。
・電源オンと同時にモーターが勝手に回転していました。
・ただモーター軸をフライホイールに密着させるソレノイドは作動していない。
・従ってモーターだけが空回りし続けている状態です。
・これは「ずっと自動選局中」=「指針移動中」の状態でした。
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■修理記録:電源回路--------------------------------------------------
・まずは電源電圧チェック
・基板表示+12 → 規定値+12.5±1V → 実測値+12.3V
・基板表示-12 → 規定値-13.5±1V → 実測値+ 5.0V ★
・基板表示+ 9 → 規定値+ 9.5±1V → 実測値+ 9.0V
・基板表示 9B → 規定値+10.5±1V → 実測値+ 8.4V ★
【異常値】
・規定値-12Vに対して+5.0Vが出ていること
・9Bが規定値に対してちょっと低いこと
・回路図と照合しながら電源パーツの規定電圧値をチェック。
・その結果、放熱板付きのTR81(2SD400F)で異常発見!
・ネット検索で同型トランジスタの新品を調達。
・交換して再度電圧確認したところ、、
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・基板表示+12 → 規定値+12.5±1V → 実測値+12.3V
・基板表示-12 → 規定値-13.5±1V → 実測値-14.0V ◎
・基板表示+ 9 → 規定値+ 9.5±1V → 実測値+ 9.0V
・基板表示 9B → 規定値+10.5±1V → 実測値+10.1V ◎
・電圧値が正常範囲に収まっていました
・電源オンと同時にモーターが勝手に回転する症状が解消しました。
・選局ツマミを回してみると、TメーターとSメーターが反応します!!
・不調原因は電源回路TR81(2SD400F)の故障でした。
■動作確認(再)--------------------------------------------
・受信動作するようになったので再度動作確認。
・名古屋地区のFM放送局をすべて受信OK。
・わずかな周波数ズレ(+0.2MHz程度)あり。
・Tメーター点灯、シグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯。
・実際のステレオ感もOK。
・各種切換ボタンの動作OK。REC CALトーンOK。
・AMも名古屋地区の放送局を受信。
・プリセットメモリボタンを押すと自動選局動作開始。
・既にセットされた位置で停止する。
・五つのボタンとも既に登録された位置で停止する。
・試しにメモリ登録してみると自動選局動作OK!
・さらなる故障個所はなさそうです。
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■調整記録--------------------------------------------------
【本体スイッチ設定】
・FUNCTION = FM
・RX MODE = AUTO DX
・MUTE/OTS = OFF
・BLEND = OFF
・REC CAL = OFF
【検波調整】
・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
・ダイヤル指針83MHz付近にセット → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTC1調整 → 電圧最大
※OSCコイルL7の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
※RFコイルL1~L5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
・IC113 1pin-14pin → 2.2MΩを介して直結
・これにより強制ステレオモードになり本体ステレオランプ点灯
・R226(19kHz TP)→ 周波数カウンタ接続
・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hzに。
【ST SUB調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19jHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【AM OSC調整】
・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【プリセットチューニング上限位置調整】
・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する
※プリセットチューニング上限・下限調整
・バリコンの可動範囲外に指針が行かないように制限します。
・上記90.5MHzや75.5MHzは私の設定例です。
・76~90MHzの範囲外、かつバリコンの可動範囲内なら何でもOK。
■プリセットチューニングの使い方--------------------------------------
【メモリーの手順】
・「MEMORYボタン」を押しながら「選局ボタン1~5」を押す。
・FM5局、AM5局、合計10局をメモリー可能。
・一度メモリーしたら、離調後に再度プリセット選局し直す。
・自動選局された位置でもう一度メモリーし直す。
・こうするとプリセット選局の精度が上がる。
【選局の手順】
・「選局ボタン1~5」を押すとメモリーされた周波数に自動的に同調する。
・自動選局中に選局ツマミを回すと動作解除されマニュアル選局に移行する。
・電源コンセントを接続した状態なら電源オフでも登録内容は消えません。
・ただ電源コンセントを抜くと登録内容も消失します。
・メモリーバックアップ用の充電池は今回ノータッチです。
■試聴-----------------------------------------------------------------
・再調整によってFM/AMともクリアに受信できるようになりました。
・アナログバリコンチューナーなのにプリセット選局可能。
・モータードライブで指針が移動する様子は超マニアックですね。
・貴重な機種が復活して良かったです。
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こんにちは。
いつも興味深く拝見しております。
今回のT-7、わたしの所有している T-9でも昨日発生していました。
『チューニングンブが固く、回らない』、の症状です。
家族が力任せに右方向へ回したところ、ノブは回るようになりましたが
どうもフィーリングがしっくりしません。
チューニングノブ1回転分、周波数表示と指針がずれています。
放送局の受信はしなくなりましたが、モータドライブによるプリセット
はこの状態でも動作していて記憶した位置にきちんとノブを
モータードライブしています。
コメント欄に書き込んでしまいましたが、こんな状態でも
見分・調整いただくことはできるでしょうか・・・。
投稿: まき | 2018年10月 9日 (火) 10時03分
まき様
T-9でも同じ症状が発生するんですね。T-9にはデジタル表示があるので、余計に指針とのズレが気になるところです。
修理のご依頼でしたら、まず左サイドバー最上段にあるプロフィール欄で修理依頼に関するお願い事項をご覧ください。ご了承いただける場合はメールにてご連絡いただければ対応いたします。
投稿: BLUESS | 2018年10月 9日 (火) 22時06分
Blues様
こんにちは、
私は昨日このT-7のブラックに出会いました。
何気に立ち寄ったHOのジャンク棚の最下段の端っこに押し込まれていました。
T-4か5だと思いデザインだけ見て購入しました。
家に持ち帰り埃だらけの筐体の打痕や塗装剥げなどをタッチアップしてみたところ
このT-7でした。
もしやと思い、Blues様のサイトを見させていただいたところ
4連バリコンやモーター駆動のチューニング機能など
私の知るヤマハチューナの中でも最も面白そうな機種でした。
さっそくアンテナと電源を接続してみたところ、
FMはオートチューニングに問題は全くなく
音質も今まで聴いたヤマハsoundの中で最も深みがあると思いましたが
AMが全くチューニングできません。
まぁ、AMはほとんど聴かないので大した問題ではありませんが
FMがあまりにもよいので、AMも一度は聴きたいと思うようになり
Blues様の記事から何とか調整したいと思いましたが、
機材が無いので、ウエブジェネで600・1400Hz、60・40dB信号を作り
アンテナ端子から入力しての調整でできるものでしょうか。
ちなみに無信号でコイルを少し回しましたがレベルメータは全く振れません。
投稿: ぽんぽこ | 2022年3月27日 (日) 15時33分
モータードライブが生きているT-7ジャンク機とは、、超ラッキーですね!
AM調整ですが、信号発生器が無くても地元AM局を受信しながら代替調整可能です。
・ 600kHz → 地元で受信できる最も低い周波数のAM局
・1400kHz → 地元で受信できる最も高い周波数のAM局
ただAM局を受信できないなら、AM回路のどこかが故障している可能性高いです。
投稿: BLUESS | 2022年3月27日 (日) 21時21分
blues様
おはようございます。
早々のご連絡ありがとうございました。
モータドライブもバッテリーも生きてました!。
AMは全く受信する気配がないので、
blues様のサイトにある回路図を参照させていただき
電圧を確認しながら不具合箇所を検索してみます
まことにありがとうございました。
投稿: ぽんぽこ | 2022年3月28日 (月) 08時01分
以前にこの機種の修理で大変お世話になりました。その後調子よく使えておりましたが突然に選局も受信もできなくなりもうあきらめておりましたところ、オークションで同機種がうまく落札できこちらを使用しておりました。ところがこれもまた選曲できるもののおとが出ない(テストトーンは出る)状態で中を開けてみましたが、自分には全く分からずです。もし差し支えなければまた修理でお世話になりたく存じます。前回修理の個体ともう一台の故障個体の2台を送り、前回の個体を寄贈させていただこうと思いますが如何でしょうか?時期は問いません。ご都合のよろしい時で結構です。ぜひお助けいただければ幸甚です
投稿: | 2024年12月 2日 (月) 19時06分