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2019年2月24日 (日)

TRIO KT-8005

 ・20018年12月初め、KT-8005のジャンク機を入手しました。
 ・サイドウッドの突板が剥がれるなど外装がボロボロの状態です。
 ・何と言っても当時の最上位機、年末年始休暇で整備しました。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8005 ¥70,000(1973年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-8005 Solid State AM/FM Stereo Tuner (1973-76)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1972」
 ・外装は経年の汚れ、手垢、照明窓の曇り、背面端子のサビ。
 ・特にサイドウッドは突板が剥がれて残念な状態。
 ・75ΩのFMアンテナ端子が特殊形状。
 ・動作確認は300Ω端子にアンテナ接続。
 ・電源オン。周波数窓の照明点灯するが中央右側がやや暗い。
 ・周波数を示す指針がオレンジ色に点灯。
 ・二つのメーター照明点灯。
 ・よく見るとメーター指針の赤色塗装がボロボロ状態。
 ・ステレオランプ以外のインジケーター点灯確認。
 ・名古屋地区のFM局周波数付近でSメーターとTメーターが振れる。
 ・受信しているようだが、MUTINGオンの状態では音が出ない。
 ・これはMUTINGが解除されない状態か。
 ・MUTINGオフにして以下を確認。
 ・名古屋地区のFM局を-0.3MHz程度の周波数ズレで受信OK。
 ・固定/可変端子とも音声出力OK。マルチパスH端子の音声出力OK。
 ・ステレオランプが点灯しない。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局受信確認。
 ・Sメーターが大きく振れてAMは受信OK。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると高級感を醸し出す黒いシールドケース
 ・上面に調整ポイントが白く印字
 ・シールドケースに覆われていたおかげで基板面はとてもきれい
 ・フロントエンドにFM5連、AM3連バリコン搭載
 ・MURATA製セラミックフィルター×2 → IFアンプ NJM703W×2 → レシオ検波
 ・PLL化される以前のオールドMPX回路

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 ・調整用VRを軽く回したところ、以下の2個が物理的に壊れてしまいました。
 ・経年劣化で脆くなっていたようです。
  ・IF基板 VR4 MUTING調整用 100kΩ
  ・MPX基板 VR2 STランプ調整用 20kΩ

■修理記録:FMアンテナ端子交換-----------------------------------------

 ・75ΩのFMアンテナ端子が特殊形状。
 ・このままでは作業しづらいのでF型端子に交換。

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■修理記録:可変抵抗交換----------------------------------------------

 ・不注意で壊してしまったVR2とVR4、手持ち部品を細工して交換。
 ・足のサイズを微妙に調整して設置
  ・IF基板 VR4 MUTING調整用 100kΩ
  ・MPX基板 VR2 STランプ調整用 20kΩ

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■修理記録:照明窓の電球交換------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃
 ・電球は見覚えのある特殊タイプ 8V/0.3A × 4個
 ・4個のうち1個が電球切れ
 ・手持ちのウエッジ球の接触部分を加工してホルダーにセット
 ・美しい照明窓が復活しました

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■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------

 ・メーター指針の赤色塗料が劣化してボロボロの状態。
 ・これでは高級機に相応しくない。
 ・指針再塗装はYAMAHA T-2で何度か経験した作業です。
 ・底面から二つのメーターにアクセス。
 ・位置的に可変出力VRが邪魔なので外して作業する。
 ・メーターを取り出し、透明カバーを外す。
 ・カッター刃の先端で慎重に慎重に古い塗装を剥がす。
 ・慎重に養生して蛍光オレンジ色の塗料を刷毛でひと塗り。
 ・メーターが生き返った感じで大成功。

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■修理記録:細かいパーツ交換------------------------------------------

 ・ヤフオクでサイドウッドの状態が良さそうなKT-6005ジャンク機を入手。
 ・サイドウッド移植。
 ・サビが出ていた背面や底板を固定するネジを交換。
 ・外観の見栄えが格段に良くなりました。

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → IF基板 L7上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・90MHz受信 → CT6調整
 ・76MHz受信 → L8 調整
 ・上記作業を2~3回繰り返す
【FM RF調整】
 ・90MHz受信 → CT1,CT3,CT4,CT5 調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L1,L3,L4,L6 調整 → Sメーター最大
 ・上記作業を2~3回繰り返す
 ・83MHz受信 → フロントエンド L7調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz受信 → Tメーター中点 かつ Sメーター最大を確認
 ・83MHz受信 → IF基板L7下段調整 → 歪率最小
 ・83MHz受信 → L5調整 → 歪率最小
【MUTING調整】
 ・IF基板12番端子 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L5調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L11調整 → 電圧最大
 ・VR4を中央位置にセット → TP4のDC電圧値を確認
 ・VR1調整 → 上記電圧値の約70%にセット
 ・MUTINGスイッチ → 1
 ・83MHz 20dB受信 → VR4調整 → MUTING作動位置へ
【REC OUT出力調整】
 ・RECOUT端子 → AC電圧計セット
 ・83MHz(100%変調、70dB)受信 → VR2調整 → AC1.5V
【Sメーター調整】
 ・IF基板16番端子 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L18調整 → 電圧最大(Sメーター振れ最大)
 ・83MHz受信 → VR3調整 → Sメーター振れ具合調整
【38kHz調整】
 ・D1(D2)カソード → 電圧計セット
 ・83MHz(ST信号)受信 → L1,L2,L5調整 → 電圧最大
 ・83MHz(SUB信号)受信 → L3,L4調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST)受信 → VR1調整 → 左右分離度最適位置へ
【マルチパスメーター調整】
 ・MULTIPATHスイッチON
 ・MPX基板 17番端子 → オシロスコープ接続
 ・MPX基板 C50(-)端子 WaveGene接続 38kHz(1mV)注入
 ・アンテナ入力なし → L12,L13調整 → 波形最大
 ・VR5中央へ
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz → L17
 ・1600kHz → CT9
【AM RF調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ、L15調整 → Sメーター最大
 ・1600kHz → CT7,CT8調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz → L16 Sメーター最大
【AM Sメーター】
 ・VR6 AM Sメーター調整

Kt8005

■修理記録:MPX回路部品交換-------------------------------------------

 ・WaveSpectraで見る波形の揺らぎが調整過程で気になりました。
 ・マルチパスH端子からの波形は正常。
 ・ところが固定/可変端子からの波形が揺れる。
 ・対策としてMPX回路の以下の部品を交換。
  ・Q3 2SC871 → 2SC1815
  ・Q4 2SC870 → 2SC1815
  ・Q5,6,7,8,9 2SC711 → 2SC1815
  ・Q10 2SC1213 → 2SC1815
   ※トランジスタ足の配置に注意
  ・C14 3.3uF/50V → 3.3uF/50V
  ・C16 47uF/6.3V → 47uF/35V
  ・C17 2.2uF/25V → 2.2uF/50V
  ・C18 2.2uF/25V → 2.2uF/50V
  ・C19 0.1uF/25V → 0.1uF/50V
  ・C20 0.1uF/25V → 0.1uF/50V
 ・これで波形の揺らぎが治まりました。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・部品交換後に再度調整して作業完了。
 ・1972年の製品とは思えない!

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■修理記録:バリコンシャフトの回転が異常に重くなって、、--------------

 ・作業から1週間ほどたった頃、選局つまみの回転が急激に固くなってきました。
 ・過去の経験から、このまま使い続けると完全に固着しそうです。
 ・対策はバリコンシャフトを分解して注油が必要。
 ・この機種はフライホイールごと後ろに引き抜くタイプでした。
 ・前面のストッパーを外して後ろに引き抜く。
 ・シャフトに機械油を薄く塗布して再セット。
 ・シャフトが固着する異常も最近多いです。

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コメント

はじめまして。千葉のOld audio fanです。KT-8005をBLUESSさんの記事によってTメータの中点移動とSメータの振れ幅をL7,L18,VR3を調整して直すことができました。すごい知識と技術を公開してくれているのでありがたいです。プロ並みのウデだと思います。助かっている人は多いでしょう。

私もかつてエアチェックをやり、チューナーはずいぶん買い換えました。チューナーの音はトランジスタ化するときとシンセサイザ化するときに変わっていると思います。トランジスタ化初のFX-11Tはがっかりしました。次のKT-7000でよくなりました。KT-8005はその次の世代です。シンセサイザー化で迫力がなくなり、KT-3030も気に入らずT-107、T108でやっと満足しましたがちょっと音がとろんとしているように感じます。

KT-8005は最近入手したのですがいいと思います。70年ころのオーディオ上昇期、高度成長期の勢いがあるような気がします。バリコン式の高性能化初期のチューナーがよかった印象があります。当時は私はTX-90でしたがこれもよかったです。その後はTX-100、ソニー、TX-8800、KT-1000など使いましたがそれほどでもなかった気がします。その後シンセ化初はF-717でしたが整ってはいます同様な気がしました。

高級機は聴いていないし、ずいぶん古い話ですから違っているかもしれません。
とにかく、KT-8005調整記事ありがとうございました。

私の拙い備忘録がお役に立てたようで嬉しいです。

今ちょうどTRIO KT-8001ジャンク機のレストアにチャレンジしています。
KT-7000と同じ頃の製品でしょうか、古い資料を探すことも楽しい作業です。

trio KT-6005を入手しました。70年代ごろのFMの昔が懐かしく思い、この古い個体に手を出してしまいました。最初、うんともすんとも言わない状態でしたが、底板ばらしてみるとコンデンサーがたくさん載っている電源ボードにはんだ割れを見つけたのでそれをハンダ付してなんとか聞こえるようになりましたが、ステレオになってくれません。メータの調整はなんとかできましたが、モノラルでキレイになっているので、やはりステレオで聞きたーい!あと、ときおりブツブツ音がでるのは、トランジスタ?それともコンデンサーでしょうか?やはり、まずは、コンデンサーとトランジスタ類総とっかえが正しい(苦難の?)道でしょうか?背中を押していただけるとありがたいです。いま、モノですが懐かしくも色っぽい音が聞こえるようになって嬉しさいっぱいです。

redsunさま

STEREOにならない原因は単なる調整ズレかもしれません。
私は 「症状から故障個所を推理し、最小の部品交換で復活させたい派」 です。
回路図を見ながら故障原因を考えることが楽しいひと時です。
でも、レストア目的ならトランジスタや電解コンデンサの総交換もありですね。

すみません、背中を押したことになってないかも?

BLUESSさま

”STEREOにならない原因は単なる調整ズレかもしれません。”ということでしたら、なんだか望みがありそうな、良くわからないみたいな感じです。はんだ割れを修理後、ヒューズ管の磨き清掃をおこない。VRたちに初期位置マークをして、少しづつ回しながら接触改善をおこい記述にあった下記の調整をおこなったところ、電波最強の浦和NHK、Nack5で元気よくsignalメータが振れて、tuningメータも中心に来ました。ますます、しっかりしたステキな音になってきました。どうも、コンデンサーやトランジスタ交換までは必要ないかもしれません。もちろん、わたくしも”最小派”です。うっかりL3、L5のVR位置はマーキングなしで動かしたのでこれで、ステレオにならない状態になったのでしょうか?オーディオ好きの割には、チューナーのことはさっぱりわかりません。あつかましいようで大変申し訳ないようですが、ご助言をいただければ幸いです。

下記
・電波が最も強い地元FM局を受信する
・Sメーターが最大に振れる位置に指針を合わせる
・この状態でL3を回してTメーターを中点にあわせる
・近くにあるL5を回してSメーターを最大にする

もっと単純に 「STEREOランプの電球切れ」という可能性もありました。

調整方法については KT-6005が手元にないので確認できませんが、、
上記KT-8005の記述がたぶん使えると思います。

【38kHz調整】
・D1(D2)カソード → 電圧計セット
・83MHz(ST信号)受信 → L1,L2調整 → 電圧最大
・83MHz(SUB信号)受信 → L3,L4調整 → Lchレベル最大

【簡易版】
・最も電波の強いFM局を受信する
・MPX基板上でD1またはD2のカソード側に電圧計セット
・コイルL1,L2を回して電圧最大位置をさがす
・コイルL4(サイズが一番大きい)を左右に回してSTEREOランプ点灯位置をさがす

もしだめならMPX基板のトランジスタや電解コンデンサの交換ですね

BLUESSさま

相手をしていただいて、申し訳ないです。ありがとうございます。いただいた情報で、MPX基板を攻めてみます。現在モノラルで素晴らしい音でなっているので、なんとか、ステレオで聞いてみたい一心で頑張ってみたいと思います。

BLUESSさま

時間ができたので、【簡易版】でMPX基板を触ってみました。D1カソード側の電圧は11.5Vぐらいをを示しますが、L1を回しても変化はほとんど無くい状態です。L2を回すと左右回転どちらも1/2回転ぐらいで急に3~4Vぐらいに落ちます。L1でどれくらい変わるのかわからないのですが、これは、L1周りになにか要因があるのかとか思っています。当方の基板は、MPX X04-1010-10が付いていますが、昨夜、回路図を入手しましたが、MPX X04-1010-11でした。これで、すこしづつ探っていこうと思います。L1でももっと電圧変化するものなのでしょうか?アドバイスをいただけると大変ありがたいです。

私が持っているKT-6005海外版の回路図も MPX X04-1010-11 となっています。
国内機は MPX X04-1010-10 ということでしょう。

D1での電圧値は記録していなかったので分かりませんが、L1とL2で最大値にすればよいと思います。他に回路図にチェックポイントの電圧値の記載があります。

BLUESSさま

ご返答ありがとうございます。勇気をいただいております。自分ひとりでジクジクとやっていれば、もうとっくに、ジャンクを本物のジャンクにして放り投げたところです。そうですね、図面の記述電圧で各ポイントの電圧をおってみたいと思います。

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