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2019年4月 7日 (日)

Technics ST-9030T 修理調整記録5

 ・2019年3月初め、30Tの故障機が届きました。
 ・ガンメタフェイスとオレンジ照明の組み合わせが美しい機種です。
 ・以下、作業記録です。


St9030t07_1

■製品情報------------------------------------------------------------
 ・オーディオの足跡 Technics ST-9030T ¥80,000(1977年頃)
 ・hifiengine Technics ST-9030 FM Stereo Tuner (1977-81)

■動作確認------------------------------------------------------------
 ・フロントパネル上部、特に角部に塗装はげが目立つ。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓と二つのメーターがオレンジ照明点灯。
 ・選局つまみのガタツキが気になる。
 ・選局するとTメーター中点とSメーター最大点がほぼ一致。
 ・メーター動作を見るとFM放送を正常に受信している模様。
 ・wideモードのランプが点灯しない。タマ切れか narrowモードになっているのか?
 ・muting 動作OK。固定端子/可変端子とも音声OK。
 ・ただし、同調できる範囲がとても狭い、というかほとんどピンポイント。
 ・僅かにズレるだけでSTEREOランプ消灯。
 ・そしてmuting作動して音が出なくなる。
 ・同調以外の問題点はLchから常時バリバリノイズが聞こえること。
 ・Rchはノイズなし。マルチパスH端子(MPX OUT)音声もノイズなし。
 ・FM同調点ズレ、MPX回路以降の回路要調査。
 ・シリアルナンバーAJ6K22A016 → 1976年11月22日製造。



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■修理記録:選局つまみのガタツキ--------------------------------------


 ・選局つまみを回すとき「ガタツキ」が気になります。
 ・つまみが前後に数ミリ動く状態です。
 ・シャフトに固定するイモネジが緩んでいる訳ではない。
 ・清掃を兼ねてフロントパネルを分解して取付部を確認すると、
 ・何と「E型止め輪」が外れて内側に落ちていました。
 ・止め輪が自然に外れるなんて、あっていいのでしょうか?
 ・とにかく再度取り付けてガタツキは解消しました。


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■修理記録:トランジスタなど交換--------------------------------------


 ・まずは調整手順に従って各部調整してみました。
 ・「TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる」
 ・この調整過程で新たな発見あり。
 ・最初に確認したLchのノイズは強制narrowモード時でのみ発生する。
 ・wideモードではノイズは発生しない、、これは重要なヒントです。
 ・回路図を見ながら不具合箇所を検討。
  ・IC701:NJM4558DS → NJM4558D 交換 ※外れ、ノイズ解消しない
  ・TR502:2SK30A → 2SK246 交換   ※当たり! ノイズ解消しました
 ・TR502:2SK30A (Hi-Blend Switch)が劣化してノイズを発していたようです。
 ・そういえば過去の30T修理事例でも 2SK30A が故障原因でした。
 ・この際すべての 2SK30A を 2SK246 に交換。
  ・T307,308 (IF Switch)
  ・TR310,311 (Separation Switch)
  ・TR417 (AF Muting Switch)
 ・ついでに IC501:NJM4558DS も NJM4558D に交換しておきました。



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■調整記録------------------------------------------------------------


【本体設定】
 ・MPX hi-blend=off
 ・Servo tuning=off
 ・IF selector=auto
 ・TP302とTP303を短絡するとスイッチ状態に関わらず強制narrowとなる
【レシオ検波調整1】
 ・入力信号なし
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L8調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT8調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7調整 → Sメーター最大
 ・SSG90MHz → CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6,CT7調整 → Sメーター最大
 ・SSG83MHz → T1調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整2】
 ・入力信号なし
 ・TP101~GND DC電圧計セット → T102(wide緑)調整 → 電圧ゼロ
 ・TP201~GND DC電圧計セット → T201(narrow緑)調整 → 電圧ゼロ
【出力レベル調整】wide
 ・IF selector=wide
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 400Hz 100% → VR504調整 → 1.4v
【モノラル歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・IF selector=wide
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → T102(wide赤)調整 → 歪最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → T201(wide赤)調整 → 歪最小
【出力レベル調整】narrow
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 400Hz 100% → VR503調整 → 1.4v
【ミューティング調整】
 ・Servo tuning=auto
 ・TP102~GND DC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz → T202,T203調整 → 電圧最大
 ・SSG83MHz 1kHz 60dB → VR402調整 → 同調を外したとき局間ノイズが消える位置へ
 ・SSG83MHz 1kHz 20dB → VR401調整 → ミューティング作動位置へ
【Sメーター調整】
 ・SSG83MHz 1kHz 100% → VR501調整 → Sメーター指針
【VCO調整】
 ・TP601 周波数カウンタ接続
 ・SSG83MHz無変調 → VR602調整 → 19kHz±30Hz
【左右レベル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR702調整 → 左右chのレベルを同じ
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → VR601,L601,L602調整 → パイロット信号(19kHz)最小
【サブキャリアキャンセル調整】
 ・SSG83MHz 1kHz ST変調 → CT701調整 → サブキャリア信号(38kHz)最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR701調整 → 漏れ信号最小
 ・TP302~TP303短絡(強制narrowモード)
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR703調整 → 漏れ信号最小
【ハイブレンド調整】
 ・音声出力端子にAC電圧計セット
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベルを確認
 ・MPX high-blend=on
 ・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → VR502調整 → 左右レベル同一
【Auto IF セレクター調整】
 ・TP101 200kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T302調整 → 200kHz波形最大
 ・TP101 300kHz正弦波注入
 ・TP301 オシロスコープ接続 → T301調整 → 300kHz波形最大
 ・上記作業を数回繰り返す


St9030t00_1

■試聴----------------------------------------------------------------


 ・30Tで使われている 2SK30A はそろそろ寿命を迎えているようです。
 ・製造から既に40年超、良く頑張ったと褒めてあげましょう。
 ・交換部品は同等品として 2SK246 が使えます。
 ・Technics製ガンメタボディとオレンジ照明の組み合わせが最高です。


St9030t08_1

※ココログの新しい記事投稿方法に悪戦苦闘しています。
※今回記事の奇妙なデザインは、htmlタグが思うように反映されないせいです、、、

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コメント

 いつも大変お世話になっております。
 今度はどんな機種で、どんな修理内容なのだろうと、ワクワクしながら拝見しております。

 2SK30Aについて教えていただきたいのですが、ググってみると
 2SK30A-Y なるものと 2SK30A-GR なるものが売られているようです。
 若松通商のサイトを見ると、どちらも「オーディオに最適」となっておりました。

 まとまった時間がとれたときにでも交換してみようと思っているのですが、ST-9030Tには、どちらも適合するものでしょうか。

 ご教授いただけると幸いです。

こんばんは。

「Y」 とか 「GR」 というのはランクを表しています。他「O」や「R」もあります。

ST-9030Tの場合は 2SK30A-Y が使われていました。
2SK30Aが写っている基板写真(st9030t46.jpg)をご覧いただくと、頭頂部に「Y」の印字が見えます。

早々の回答ありがとうございます!

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