Technics ST-8080 修理調整記録1
・2019年7月末、ST-8080、通称 80T の修理調整作業を承りました。
・FMが受信できなくなったそうです。
・思い入れがある製品との事ですから何とか復活させたい、、
・以下、作業記録です。

■製品情報-------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 Technics ST-8080(80T) ¥50,000(1977年頃)
・Hifi Engine Technics ST-8080 AM/FM Stereo Tuner (1976-79)
■動作確認-------------------------------------------------------------
・シリアリナンバー:FA7214D126 → 1977年2月14日製造
・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
・75Ω同軸ケーブル接続端子がF型でなく、バラ線を接続するタイプ。
・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
・周波数窓にオレンジ照明点灯、、しかし左端部がやや暗い。電球切れか?
・まずはFM放送の受信チェック。
・名古屋地区のFM放送を受信してみると、
・MUTINGオンの状態ではどのFM局も受信できない。
・MUTINGオフにすると-0.3MHzの指針位置でFM局を受信できます。
・Tメーターは中点を示すがSメーターはほぼゼロの位置で不動。
・当然STEREOランプも点灯しない。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
・背面のAMバーアンテナで名古屋地区のAM放送局受信を試みる。
・AMはSメーターが振り切れるほど受信感度良好、周波数ズレもほとんどなし。
・問題はFM回路の調整ズレのようです。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
■内部確認-------------------------------------------------------------
・FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → CFフィルタ×4
・AN217:FM 2 Steps IF Amplifire & AM Converter
・AN377:FM IF Amplifier & Detector
・AN363:FM Mutiplex PLL Demodulator
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
■修理記録:窓照明用電球交換-------------------------------------------
・周波数窓左端が暗い原因は電球切れでした。
・ヒューズ型電球 6.3V/0.25A、電源電圧AC6.3V
・同型の手持ち在庫がなかったので 3個とも 8V品に交換しました。
・6.3V/0.25A → 8V/0.3A
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
■調整記録-------------------------------------------------------------
【レシオ検波調整】
・アンテナ入力なし
・T101(赤)調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
・76MHz受信 → L5 調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
・音声出力をWaveSpectraに接続
・83MHz受信 → T101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → VR102調整 → Sメーター振れ調整
【ミューティング調整】
・83MHz 20dB → VR101調整 → ミューティング作動
【VCO調整】
・TP302 → 周波数カウンタ接続
・83MHz無変調 → VR301調整 → 19kHz±30Hz
【ステレオ歪調整】
・音声出力 → WaveSpectraで観測
・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → 高調波歪最小
【パイロットキャンセル調整】
・音声出力 → WaveSpectraで観測
・83MHz受信 → VR302,L301調整 → 19kHz信号最小
・左右chバランス注意
【サブキャリアキャンセル調整】
・音声出力 → WaveSpectraで観測
・83MHz受信 → CT401調整 → 38kHz信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectraで観測
・83MHz受信 → VR402調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
・音声出力 → WaveSpectraで観測
・83MHz受信 → VR401調整 → -6dB
【AM OSC調整】
・600kHz → L202調整 → Sメーター最大
・1400kHz → CT202調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
・600kHz → L201(バーアンテナ内)調整 → Sメーター最大
・1400kHz → CT201調整 → Sメーター最大
【AM IFT調整】
・1000kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大

※電球切れ以外に故障個所は無かったです。
※再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
■試聴-----------------------------------------------------------------
・この時期のテクニクス製品はガンメタパネルに橙色照明がイイ感じですね。
« KENWOOD KT-6050 修理調整記録1 | トップページ | PIONEER TX-910 修理調整記録2 »
「ピュアオーディオ」カテゴリの記事
- 2026 謹賀新年(2026.01.04)
- SANSUI TU-S707X 修理調整記録7(2025.12.28)
- SONY ST-5150 修理調整記録6(2025.12.21)
- SONY ST-AV900 修理調整記録(2025.12.14)
- SANSUI TU-α707 修理調整記録3(2025.12.07)
コメント
« KENWOOD KT-6050 修理調整記録1 | トップページ | PIONEER TX-910 修理調整記録2 »






























Bluess様
いつも楽しく拝見しております。
自分もST-8080が実家にあるのですが、頑丈で大き目サイズの故、
他の機器の下敷きになってしまっています(笑)
ガンメタパネルと、柔らかい照明と、Technics独特の小文字表示が
上品ですよね。
記事内で紹介されているHifi Engineの英文カタログを拝見しました。
FMフロントエンドの局発コイルのコアには、温度ドリフトを抑える為、
アルミコアが使われているそうです。そういわれれば写真でも銀色
に見えますね。
確か、アルミコアはコイルの透磁率を下げる為、コイルにコアを入れ
るとインダクタンスが減少する方向だったと記憶していますが、調整
された時の方向と合ってますかね?
5球スーパーのアンテナコイル調整で、アンテナコイルに磁性コアを
近づけて感度が上がればインダクタンス不足、アルミ板を近づけて
感度が上がればインダクタンス過多、というのがありましたが、それ
と同じなんかなー?など、色々思い出しました。
またの更新を楽しみにしています。
投稿: exjf3eqs | 2019年9月 2日 (月) 23時27分
exjf3eqs 様
局発コイルのコアの材質ですか、、
銀色のコアと黒いコアがあることは経験的に知っていましたが、材質や特性の違いまでは考えが及びませんでした。これは面白い実験ができそうです。
いつもご教示いただき、ありがとうございます。
投稿: BLUESS | 2019年9月 6日 (金) 21時17分