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2019年10月の記事

2019年10月27日 (日)

YAMAHA T-9 修理調整記録2

 ・2019年9月、YAMAHA T-9のメンテナンスを承りました。
 ・発売当時に購入されたワンオーナー品との事。
 ・とても綺麗な外観から大切に扱われていたことが伺えます。
 ・以下、作業記録です。

T906

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-9 ¥98,000(1979年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-9
 ・Hifi Engine YAMAHA T-9 FM Stereo Tuner (1979)

T902T909

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・PAL-F変換プラグを介して同軸アンテナ線を接続、電源オン。
 ・赤い指針と左右のチューニングインジケーター点灯。
 ・-0.2MHzほどの目盛り位置で名古屋地区のFM放送を受信。
 ・デジタル表示は正しい周波数を示す。
 ・各機能のインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・シグナルメーターの点灯が少ない。
 ・OTS機能作動OK、REC CALトーンOK。
 ・手動選局OK。続いてモータードライブの自動選局をテスト。
 ・放送局のメモリー登録できましたが、、自動選局動作が微妙、、
 ・指針の移動が途中で止まってしまうことがある。

T903T904T905T910T911

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・電圧確認
  +B → +17.2v
  -B → -18.6v
   9B → + 9.7v
  +9 → + 9.7v

T920T921T922T923T924
T925T926T927T928T929
T930T931T932T933T934
T935T936T937T938T940

■修理記録:指針の引っ掛かり-----------------------------------------

 ・上り方向に指針を移動するとき、81MHz付近で引っ掛かるような現象がある。
 ・原因は、指針に繋がる4芯コードが基板の角にちょうど引っ掛かるようです。
 ・対策として薄いプラ板を加工してカバーを作ってみました。
 ・ダイヤルスケール裏側に両面テープで固定。これで引っ掛かりは解消です。

T970T971T972T973T974

■調整記録-----------------------------------------------------------

【本体切替ボタンの設定】
 ・RX MODE : AUTO DX
 ・MUTE/OTS : OFF
 ・BLEND : OFF
 ・REC CAL : OFF
【検波コイル調整】
 ・IC110[IG03210] 20Pin → 電圧計セット(Tメーター電圧)
  ※20pin代用ポイント → すぐ右側22k抵抗
 ・電波入力なし → T105調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
 ・指針を76MHz~90MHzまで移動し中点がほぼズレない事を確認
【OSC調整】
 ・ダイヤル指針 → 目盛り83.0MHz位置にセット
 ・83.0MHz,無変調,70dB → TCo調整 → Sメーター最大
  ※Loは調整不可のためトリマーのみで調整。
  ※83MHz付近では指針と目盛りがピッタリ合いますが、両端ではややズレます。
【RF調整】
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → TC1,TC2,TC3,TC4,T102調整 → Sメーター最大
  ※L1,L2,L3,L4 調整が難しいのでノータッチ
【IF歪調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調 → TC101調整 → 高調波歪最小
 ・同上 → T102,T103,T104,TC101,VR102,VR103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP19kHz → 周波数カウンター接続
 ・83.0MHz,70dB,無変調 → VR108調整 → 19KHz
【38kHz SUB調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,SUB信号 → T113調整 → Lchレベル最大
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・SSG 83.0MHz,70dB,PILOT信号 → T114調整 → 19KHz漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,ST → VR105,VR106調整 → 反対信号漏れ最小
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz,100dB → VR110調整 → LED全点灯
 ・83.0MHz, 0dB → VR109調整 → LED全消灯
【デジタル周波数調整】
 ・2階基板 VR103横のTPを10kΩ抵抗を介してGND接続
 ・VR103調整 → 周波数表示(小数点第一位)を微調整
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・内部充電池は安全のため外しておきました。
 ・プリセットチューニングは不安定ですが、チューナーとしては動作しています。

T907

2019年10月20日 (日)

TRIO KT-9900 実験機

 ・2019年9月、KT-9900の故障機を寄付していただきました。
 ・長く連れ添ったワンオーナー機とのこと。
 ・上手く修理できたらVICSノイズの実験機にしようという計画です。

Kt990008

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917 ※輸出機

Kt990002Kt990010

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズは無く外観の状態はとても良い。
 ・底面にはメーカーサービスによる修理歴シールが見当たらない。
 ・電源オン、照明電球点灯、球切れなし。
 ・IF BAND切換インジケーター(緑色LED)点灯OK
 ・名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターは中点付近でほとんど動かない。
 ・MUTING OFF でモノラル受信OK。
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターが動かない。
 ・MUTING 20dBf、40dBfではMUTING解除されず音が出ない。
 ・DDLインジケータ点灯しない。STEREOランプ点灯しない。
 ・IF BAND=NORMAL、NARROWでは不定期な雑音があるが、WIDEでは雑音なし。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・足が真っ黒に変色したICやトランジスタ多数あり。
 ・電源回路基板では劣化した電解コンデンサー多数(液漏れ、スリーブ後退)
 ・前オーナーが手を加えた補修跡を確認。

Kt990021Kt990024Kt990025Kt990026Kt990050
Kt990027Kt990029Kt990030Kt990031Kt990032
Kt990057Kt990058Kt990060Kt990061Kt990063

■修理記録:IF回路の清掃----------------------------------------------

 ・まずは硬めの歯ブラシと爪楊枝でICやトランジスタの足を大掃除。
 ・特にIF回路の IC2,3,4 (LA1222)の真っ黒な足を磨いたところ、
 ・NORMAL/NARROW受信時の雑音が消えました。

Kt9900261

■修理記録:Tメーターが動かない---------------------------------------

 ・TメーターはIC8:HA1137WのQD検波の同調点と連動しています。
 ・過去にTメーターが動かない事例があり、そのときはHA1137Wの故障が原因でした。
 ・今回もHA1137Wが怪しいか?と思って以下を点検。
  →IC8:HA1137W 7~10ピン 電圧計セット ※QD検波の同調点確認
  →L22調整 → 電圧ゼロ OK
  →IC8:HA1137W 6ピン → WaveSpectraに接続
  →L23調整 → 高調波歪最小 OK
 ・何と!、HA1137Wは正常に動作している!!!

Kt9900501

 ・しかしTメーターに繋がるIF基板20番、21番端子には信号が出ていない。
 ・なぜ??回路図上は他に部品は無いし?
 ・そこでいつも見ている輸出機KT-917回路図とKT-9900実機を詳しく照合しました。
 ・KT-917回路図には記載のない部品がいくつか実装されていました。
 ・Q10(2SK68/J-FET),D8,D9,R83,R92,R93
 ・この差異については今回の作業で初めて気が付きました。

 ・KT-917回路図に記載のないQ10(2SK68)を取り外して単体チェック → 異常なし。
 ・Q10(2SK68)を外したまま電源オン、、、すると、
 ・Tメーターが左右に大きく振れるようになりました。
 ・Q10(2SK68)の接続先 → SWITCH回路基板10番端子、DDL回路基板4番端子。
 ・まずSWITCH回路基板の各部品で電圧確認。
 ・怪しそうな部品は、Q6(2SC945)、Q9(2SA733)、IC4(HA1457)
 ・Q6(2SC945) → 2SC1815交換 ※効果なし
 ・Q9(2Sa733) → 2SA1015交換 ※効果なし
 ・IC4(HA1457)→ HA1157W交換 ※当たり!!
 ・HA1457の足が真っ黒に変色していました。

Kt917scheKt990070Kt990071Kt990072Kt990074

 ・IC4(HA1457)→ HA1457W この交換によって
  →Tメーターが左右に大きく振れる。
  →DEVIATION/MULTIPATHメーターも振れる。
  →MUTINGが正常動作。
  →DDLインジケーター点灯。
  →STEREOランプ点灯。
 ・最初に確認した不具合現象がすべて解消しました!!!

 ・よし、これで直った!と思ったら、、
 ・通電後数時間すると DDL インジケーターが点灯しなくなる不具合が発生。
 ・電源オフにして放置。翌日電源オンで正常動作する。
 ・しばらくするとまた点灯しなくなる、、繰り返しです。
 ・一難去ってまた一難、DDL回路に不具合がありそう。

■修理記録:DDL回路のHA1457交換---------------------------------------

 ・DDL回路基板にはHA1457が4個(IC1,6,8,14)使われています。
 ・部品が密集しているので足の劣化具合が直接観察できません。
 ・HA1457を1個ずつ外して確認。
 ・どれも足は真っ黒に変色していました。
 ・すべてのHA1457をHA1457Wに交換。
 ・DDLインジケーターが安定点灯するようになりました。
 ・他の基板で使われているHA1457も全数交換しようと思います。

Kt990081Kt990083Kt990085Kt990086Kt990088

 ・KT-9900以外の機種でもHA1457の劣化現象が顕著です。
 ・硬めの歯ブラシで磨くと復活するときもありました。
 ・実はHA1457Wを大量入手してあります。

■今後の予定----------------------------------------------------------

 ・電源回路の劣化した電解コンデンサー交換
 ・HA1457全数交換
 ・各部再調整
 ・NHK-FM VICSノイズ対策
 ・続く、、、


2019年10月13日 (日)

TRIO KT-5300

 ・2019年8月末、ウッドケース付きのKT-5300を寄付していただきました。
 ・ウッドケースのおかげでステキな高級機に見えます。
 ・以下、整備記録です。

Kt530007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・KT-5300 AM-FMステレオチューナー ¥29,800円
 ・外観は KT-7700、KT-5500 に似た印象はです。
 ・本機に関するネット情報はほとんどありません。
 ・1979年トリオ総合カタログから抜粋。

Trio_kt5300_20191013152001

Kt530002Kt530010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの、目立つキズはない。
 ・F型端子がないので300Ω端子にFMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。球切れはない。
 ・名古屋地区のFM放送を受信。+0.3MHz程度の周波数ズレ
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・Sメーター最大点付近でSTEREOランプ点灯。
 ・MUTING動作OK。
 ・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・Sメーターがほとんど振れない。
 ・FMは調整ズレ、AMは何か故障個所がありそうな予感。

Kt530001Kt530003Kt530004Kt530005Kt530006
Kt530009Kt530011Kt530012Kt530013Kt530014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連のフロントエンドユニット → CF×2個 → QD検波
 ・KB4402 FM IF Amp ※HA1137W 同等品のようです。
 ・HA1156 FM STEREO DEMODULATOR
 ・HA1197 AM Tuner
 ・VR1 Sメーター
 ・VR2 VCO調整
 ・入門機らしく、とてもシンプルな構成。セパレーション調整VRもない。



Kt530020Kt530021Kt530022Kt530023Kt530024
Kt530025Kt530026Kt530027Kt530028Kt530029
Kt530030Kt530031Kt530032  

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・使われているICのうち HA1156と HA1197の足が真っ黒に変色。
 ・硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨いてみました。
 ・磨いた結果、HA1197でAM受信感度が大幅に向上。
 ・HA1156では有意な効果なし。

■調整記録------------------------------------------------------------

【Tメーターオフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → T5上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・76MHz受信 → T3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT1調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → T1,T2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT3,CT2調整 → Sメーター最大
 ・この調整作業を数回繰り返す。
【IFTコア調整】
 ・83MHz受信 → T4調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraに接続
 ・83MHz受信 → T5下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR2調整 → 19kHz
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → アンテナ内コイル、T6調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT5,CT4調整 → Sメーター最大

Kt530000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整ポイントが少なくてセパレーション調整もありません。
 ・それでもFM/AMとも不満なく受信できます。

Kt530008

■ウッドケース---------------------------------------------------------

 ・ウッドケースに納まると高級機に見えるから不思議、、

Kt530050Kt530055Kt530054Kt530053Kt530056

Kt530052

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