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2020年3月の記事

2020年3月29日 (日)

SONY ST-SA5ES

 ・2020年2月初め、シャンパンゴールドのST-S5ESが届きました。
 ・今となっては貴重なAM-STEREO対応機です。
 ・さて、どこが悪いのか、、

Stsa5es10

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-SA5ES ¥55,000(1995年発売)

Stsa5es02Stsa5es00

■動作確認-------------------------------------------------------------

 ・持ち上げると意外に重い印象(重量6kg)
 ・外観はとても綺麗です。
 ・表示部は333シリーズと共通部品ですね。明るくて劣化は無さそう。
 ・アンテナA端子で名古屋地区のFM局を受信。
 ・オート選局で主な放送局を受信しました。
 ・STEREOランプ点灯、実際のステレオ感もあり。
 ・RF切換、IF BAND切換、REC CALトーン OK。
 ・PURE CIRCUITインジケーターは正常に点灯します。
 ・ただ受信感度があまり良くないです。
 ・微弱電波の放送局を受信しているような音がします。
 ・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
 ・中部日本放送(CBCラジオ)を受信するとSTEREOランプが点灯します。
 ・AMは問題なさそうです。
 ・問題点はFMの受信感度低下。

Stsa5es03Stsa5es04Stsa5es05Stsa5es06Stsa5es07
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■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 1996
 ・天板はゴールド塗装の鉄板、左右の側板はアルミ製。
 ・選局つまみを外してみるとアルミ無垢材でずっしり重い。
 ・内部を見るとグレードの高そうな電解コンデンサーが目立ちます。
 ・これはST-S333ESJの回路と同じです。
 ・部品の配置と部品番号も全く同じです。
 ・内部配線の結束バンドがすべて外れていました。
 ・本機の底面には点検口が無いので、ハンダ面を見るには基板を分解する必要あり。
 ・たぶん基板を外した先人がいたようです。
 ・分解してIC601(uPD75116H)とIC401(MC13022DW)を確認しました。
 ・メモリ保持用キャパシタが交換されているような?

Stsa5es20Stsa5es21Stsa5es22Stsa5es23Stsa5es24
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■調整記録-------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-420mV
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測20.8V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.8V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をバイパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測-242mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※WaveSpectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【Narrow Gain調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・83MHz,60dB受信 → 電圧記録
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz,60dB受信 → RV203調整 → 同じ電圧に
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → MUTING調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測56dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測58dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.6dB 439Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整
 ・CBCラジオ(1053kHz)受信でSTEREOランプ点灯確認

Stsa5es

■調査記録:PURE CURCUIT インジケーター--------------------------------

 ・PURE CURCUITインジケーターは選局ツマミ左上にある小さな橙色LEDです。
 ・仕様では電源投入後、または何らかのボタンを操作後約2秒で点灯することになっています。
 ・これはデジタル回路が停止し、アナログ回路だけに切り換わったことを示します。
 ・取扱説明書には「インバーター式蛍光灯の近くでは点滅することがある」と記載あります。
 ・333ESG,ESA,ESJにも同じインジケーターがありますが、取付位置が変わっています。
 ・IC601(uPD75116H)-37pin → Q701(2SC3399) → D701(LED)
 ・IC601-37pin出力がインジケーターLEDに繋がっているだけです。
 ・IC601内部でどのような処理が行われているか?仕組みは分かりません。

Stsa5es82

■試聴-----------------------------------------------------------------

 ・故障箇所は無く、再調整によって復活しました。
 ・特にRF調整によって受信感度が大幅に改善しました。
 ・中身はST-S333ESJと同じでも外観の印象がかなり違いますね。
 ・シャンパンゴールドに輝くフロントマスクが精悍な印象です。
 ・1995年製、25年も前の製品とは思えないです。

Stsa5es11

2020年3月22日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録 7

 ・2020年2月、D-3300Tの故障機が届きました。
 ・以下、作業内容をご報告します。

D3300t03_20200322123901

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)※回路図あり
 ・取扱説明書 (国内版)PDF

D3300t02_20200322124001D3300t06_20200322124001

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管点灯。文字欠けや輝度劣化は見られない。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・上り方向、下り方向ともに-0.1MHzの周波数で受信。
 ・Tメーターは中点から右に1本ズレた位置で赤いバーがフル点灯。
 ・STEREOインジケータは点灯したり消灯したい不安定。
 ・Modulationを示す横バーグラフが点灯しない。
 ・RF切換(DISTANVCE/DIRECT)OK。WIDE/NARROW切換OK。REC CAL OK。
 ・FM同調点がズレています。

■修理記録:FM同調点のズレ--------------------------------------------

 ・試しにL12コアを回したところ、規定値に設定できました。
  ・L12調整 → TP10~TP11 電圧ゼロ
  ・L 9調整 → TP16~TP17 電圧ゼロ
 ・幸いにも部品故障ではなく単純な調整ズレでした。
 ・調整作業によって良い状態に戻ったと思います。

D3300t
D3300t53

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・幸いにも故障個所は無く、再調整だけで復活しました。
 ・フロントパネルを分解清掃して表示窓の裏側も磨いておきました。

D3300t04_20200322123901

2020年3月15日 (日)

KENWOOD KT-3030 修理調整記録2

 ・2020年1月、KT-3030の故障機が届きました。
 ・不定期に雑音が出るそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt303003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・KENWOODカタログ(1985年1月版) KT-3030 / KT-2020 / KT-1010II / KT-880
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)

Kt303002Kt303014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・名古屋地区のFM放送局はすべて受信OK。周波数ズレなし。
 ・SIGNALメーター点灯。Tメーター動作OK。
 ・DEVIATIONメーター点灯。STEREOランプ点灯。
 ・RF SELECTOR DIRECT/DISTANCE切替OK。
 ・IF BAND 切替スライドVRに伴ってWide/Narrow表示切替OK。
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・固定/可変出力とも出音確認。可変VRにガリ無し。
 ・マルチパスH端子からもFM音声確認。
 ・特に異常はありません。雑音も確認できません。

Kt303001Kt303004Kt303005Kt303006Kt303007
Kt303013Kt303012Kt303009Kt303010Kt303011

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ。
 ・IF BAND スイッチ記号:(左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)
【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L6調整 → 3.0V ※実測 2.9V
 ・90MHz → TC6調整 →24.0V ※実測23.6V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → L21調整 → 0.0V ※実測140mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L26 調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83MHz(L信号,10kHz,90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83MHz(R/L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz(無変調,70dB)→ VR18調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MODULATION METER調整】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz100%変調)→ 2階基板VR1調整 → ※
  ※MODURATIONメーター100%位置で点灯

Kt303020Kt303021Kt303022Kt303023Kt303024
Kt303025Kt303026Kt303027Kt303028Kt303029
Kt303030Kt303031Kt303032Kt303033Kt303034
Kt303035Kt303036Kt303037Kt303038Kt303041

■修理記録:電源回路のハンダ割れ--------------------------------------

 ・調整が終わって試運転していたところ、何と!突然電源が落ちた!
 ・表示部が消えて音も出ない!
 ・これはどうしたことか? そう思いながらボディを持ち上げたところ、
 ・不思議なことに電源回復し、何事も無かったように正常動作に戻りました。
 ・電源基板のトランジスタや電解コンデンサを指で触って確認。
 ・三端子レギュレータIC1(uPC78M05)がグラグラです。
 ・電源基板を裏返してみると見事なハンダ割れでした。
 ・他にもハンダクラックを確認したのですべて修正。
 ・雑音の原因はこれら接触不良が原因だったかも??

Kt303040Kt303043Kt303046Kt303044Kt303045

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・電源回路を補修した後、受信調整をやり直しました。
 ・この状態でお返ししますので、雑音発生状況をご確認ください。

Kt303008

2020年3月 8日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録5

 ・2020年1月、KT-1100の故障品が届きました。
 ・不規則な雑音が混入するそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt110007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002Kt110010

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯。
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)を82.3MHzの位置で受信。他の放送局も同程度のズレ。
 ・手を離すとSERVO LOCKランプ点灯、続いてSTEREOランプ点灯。
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK。
 ・特に異常なし? と思っていたら、不定期に「バリバリ」という雑音発生。
 ・受信音声に雑音が被っている感じ。
 ・左右chとも同じ雑音が聞こえる。
 ・固定/可変端子とも同じ雑音が聞こえる。
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる。
 ・RF切換、IF BAND切換を操作しても変化なし。
 ・REC CALトーンには雑音は発生しない。
 ・雑音発生時もAM放送は正常受信。

Kt110001Kt110003Kt110004Kt110005Kt110006
Kt110009Kt110012Kt110013Kt110015Kt110014

■修理記録:フィルター交換--------------------------------------------

 ・回路図を見ながら原因箇所を考える。
 ・ヒントはマルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえること。
 ・ICクリップで音を拾いながら雑音箇所を探す。
 ・IC4(TR4011)-5pin → 正常な音が聞こえる → つまり検波回路までは正常
 ・パルスカウント検波回路とMPX回路の間にあるフィルターL10が怪しいか?
 ・L10(L79-0162-05)は上から見ると「黄・白・赤」コイルが並んだLCフィルターです。
 ・取り外して裏側を見ると内蔵コンデンサー4本が埋め込まれています。
 ・試しにL10を外したまま前後の回路を直結してみると、、、
 ・すると、予想通り雑音が消えたキレイな音が出てきました。

Kt110050Kt110054Kt110061Kt110062Kt110064

 ・雑音の原因はL10不良、特に内蔵コンデンサーの劣化と思います。
 ・さて、L10を迂回した直結状態でバリバリ雑音は消えましたが、
 ・でも全域でノイズフロアが高く、とても高音質とは言い難い状態です。
 ・検波信号(コンポジット信号)をそのままMPX回路に入れてはいけないようです。
 ・ジャンク箱を漁ったところ、、
 ・部品取り機 TRIO KT-770 の基板に同型のフィルターが載っていました。
 ・部品番号も同じ(L79-0162-05:SCA FILTER)です。
 ・これをKT-1100に移植、ノイズフロアが大幅に下がって良い音が出てきました。

Kt1100sche

■修理記録:バリコン軸清掃--------------------------------------------

 ・ノイズが無くなったところで再度動作確認。
 ・MUTINGオフ状態で指針を移動すると、76MHz~80MHz区間で激しいバリバリノイズ発生。
 ・MUTINGオンの状態では無音なので気が付きません。
 ・これは経験的にバリコン軸の接触不良の音です。
 ・バリコン軸の付け根付近を爪楊枝の先端で慎重に清掃
 ・緑色に変色固化しグリス塊を慎重に除去し、コンタクトグリスを薄く塗布。
 ・これで激しいバリバリノイズは解消しました。

Kt110020Kt110022Kt110021Kt110040Kt110041

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※418Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整


Kt1100

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・1週間に渡って動作確認しましたが問題なさそうです。
 ・最近はフィルター故障が本当に多いです。

Kt110008

2020年3月 1日 (日)

TRIO KT-8000 修理調整記録7

 ・2019年12月末、KT-8000の故障品が届きました。
 ・STEREOランプが点灯しないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Kt800003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000 取扱説明書

Kt800001Kt800005

 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FM同軸ケーブルを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。LEDインジケーター点灯。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信。
 ・SメーターとTメーターの動き方は正常。
 ・ただしご指摘のようにSTEREOインジケーターの点灯が不安定。
 ・点灯したり消灯したりと安定しない。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けて内部を確認しました。
 ・特に変わった箇所は無く、すべてオリジナル部品と思います。
 ・VCO調整VRを軽く回したところSTEREO点灯が安定しました。
 ・底板を外してハンダ面を見てみました。
 ・ハンダ面に抵抗や電解コンデンサが多数追加されています。
 ・過去に見たKT-8000もほぼ同じ状態でした。
 ・修理調整記録4に同じ状態の基板写真が掲載してあります。
 ・一方で 追加部品が全くないKT-8000 もありました。
 ・発売後に仕様変更があったようです。


Kt800020Kt800021Kt800022Kt800023Kt800024
Kt800025Kt800026Kt800027Kt800028Kt800029
Kt800030Kt800031Kt800032Kt800033Kt800034

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・不調原因はMPX回路の調整ズレでした。
 ・以下の調整によって安定してSTEREO受信できるようになりました。

■予防措置------------------------------------------------------------

 ・部品の故障は無かったですが、
 ・KT-8000の過去の経験から以下の予防措置を実施しました。
 ・真っ黒に変色したICやTRの足をクリーニング。
 ・予防措置として HA1457 → HA1457W 交換。

Kt800040Kt800041Kt800042Kt800043Kt800044
Kt800045Kt800050Kt800051Kt800052Kt800053

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・SSG 90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・SSG 90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・SSG 83MHz → L11調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・SSG 83MHz → L14調整 → 本体Tメーター中央
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・SSG 83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・SSG 83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Sメーター調整】
 ・IF BAND=Wide → VR1調整 → Sメーターゼロ
 ・IF BAND=Narrow→ VR2調整 → Sメーターゼロ
 ・VR3:Sメーター振れ調整
【ノイズアンプ調整】
 ・D5 カソード側に電圧計セット
 ・離調時 → VR8調整 → 8.3V
 ・同調時 → 0V 確認のみ
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

Kt800060

■試聴--------------------------------------------------------------

 ・電球色に映える周波数窓とアルミパネルのコントラストがイイですね。
 ・トリオ製チューナーの魅力です。

Kt800004

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